2018/09/14 - 2018/09/15
92位(同エリア556件中)
AandMさん
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アルベロベッロにお伽の国のキノコのような家々があることは、テレビ番組や観光写真で知っていましたが、今回の南イタリア旅行で現地を初めて訪問しました。キノコのような家は、メルヘンチックで楽しい世界をイメージさせますが、調べてみると中世時代の厳しい課税制度を逃れるために、トゥルッリ(Trulli)と呼ばれる円柱状に積み上げた家の上に灰色円錐状の屋根を置いた石積み形状の家々が造られるようになったようです。
「トゥルロ」は(部屋一つ屋根一つ)の意味で、地方領主の命で農民の家として建てられるようになっています。中世時代には屋根のある家に対して重い税が課され、厳しい取り立てがあったとのことです。ナポリ王国の徴税人が来る前に屋根を取り壊すために、このような家の形となり、この地方の領主であったジャンジローラモ・アックアヴィーヴァがトゥルッリ以外の家を建てることを禁じた、と伝えられています。キノコのような家の背景にメルヘンは関係ないようです。このような歴史的な背景もあって、この地域は1996年にユネスコ世界文化遺産に登録されています。
この日は、ソレントを午前中にレンタカーで出発し、アマルフィー海岸をドライブ観光してからアルベロベッロに到着しました。約350kmの距離を5時間程で走行予定でしたがアマルフィー海岸道路で大渋滞に遭遇したため(https://4travel.jp/travelogue/11415230)、予想外に時間がかかりアルベロベッロ到着が遅れました。夕方と翌朝に観光する予定でしたが、夕方のアルベロベッロ観光を見送ることになってしまいました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ ANA ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
9月14日
アマルフィー海岸の車渋滞で予定より2時間以上も時間を費やしてしまいました。サレルノから高速道路に入り、アルベロベッロに向かいます。高速道路は混んでいません。 -
アルベルベッロのホテル(Grand Hotel Olimpo)到着は日暮れになってしまいました。午後のアルベロベッロ観光は、残念ながらできませんでした。チェックイン後に夕食です。
グランド ホテル オリンポ ホテル
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ホテルのフロントです。大理石を豊富に使ったリッチなロビーです。
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ホテルの部屋にはベッドとジャグジーバスがあり、シースルー構造になっていました。薄手のブラインドはありますが、バスとベッドルームが繋がっている感じです。イタリア人の好みでしょうか?
グランド ホテル オリンポ ホテル
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ホテルにレストランが無かったので、外部のレストランを探して夕食を取ることになりました。ホテルで頂いた地図を参考に、レストランを物色しました。ホテル裏にあった2~3件のレストランを覗きましたが、一杯飲み屋のような印象でしたのでスキップしました。
ホテルの200m程北側に、イタリアン・レストラン(Miseriaenobilta)がありました。メニューを見ると、肉や魚のメインディッシュが10-20 Euroです。雰囲気も良さそうなので、このレストランに決めました。 -
我々の他にも数名の客が入っていました。メニューはイタリア語と英語で書かれていますので、英語メニューを参考にして注文しました。
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南イタリアの地ビールと魚料理です。
イタリアのシーフードは北部のミラノなどでは価格が結構高いけど、南ではリーズナブル価格になり、しかも料理は新鮮で美味しい、とイタリア人の知り合いから聞いていました。知人のお薦め通り、このレストランの魚料理は良好でした。 -
9月15日
今日は午前中の早い時間にアルベロベッロ世界遺産を見学する予定です。7時から朝食ビュッフェが始まりますが、一番に入場しました。四つ星ホテルですが、朝食内容は質素で、コンチネンタル・ブレックファーストのようでした。野菜がありません。オレンジジュース、ハム、パンの簡単な朝食を済ませてから、アルベロベッロの旧市街に向かいます。
ホテルチェックアウト時間は11時ですので、それまでにホテルに戻る必要があります。急ぎの観光です。グランド ホテル オリンポ ホテル
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ホテルから数分歩くとトゥルッリ(Trulli)がある地域に到着しました。住宅街・商業地域になっているアイア・ピッコロ(Aia Piccola)地区と観光地化されているモンティ(Monti)地区に分かれています。
最初に商業地区になっているアイア・ピッコロ(Aia Piccola)地区を散策します。この地区には約400軒のトゥルッリがありますが、殆どが実住居や活動場所として使われているそうです。トゥルッリと通常の家が共存しています。 -
朝早いためか、観光客も殆どいません。これはリッポスの家(Casa Lippolis)です。アルベロベッロの最初の教区司祭Vitono Frio Lippolisの住居で、18世紀に建設されています。
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イタリア語と英語でリッポスの家の説明がされていました。パネルに載っている古い写真では半分壊れそうな家ですが、この地域が世界遺産に登録された以降に修復され、現在はしっかりしたトゥルッリになっていました。
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さらに進むと別のトゥルッリがありました。ペッゾーラの家(Casa Pezzolla)で、現在は郷土博物館(Territory Museum)になっています。
郷土博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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説明によれば、ペッゾーラは18世紀の医者で、この家に住んでいたとのことです。博物館の開館時間は10:00-13:00, 15:00-19:00で、入場料は3ユーロと書かれています。訪問時は9時前でしたので、開いてはいませんでした。
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ジャンジローラモ広場の展望台です。朝の早い時間ですが、観光客が集まり始めていました。皆さん、前方を眺めています。
ジャンジローラモ広場 広場・公園
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展望台から見える景色です。沢山のトゥルッリが集まっているモンティ―(Monti)地区旧市街で、観光客が沢山訪れる場所です。アルベロベッロを世界中から訪れる健康客数は年間100万人以上だそうですが、その大部分がこのモンティー地区を訪れるのではないか、と思います。
我々も、もう少しアイア・ピッコラ地区を見てからモンティー地区を歩いてみることにしました。アルベロベッロ旧市街 散歩・街歩き
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ジャンジローラモ広場の北側に小さな広場がありました。町の中心のポポロ広場です。セミナリエの飾りつけがありました。朝ですので点灯はされていません。
ポポロ広場 広場・公園
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広場の木陰に小さな噴水があり、ベンチでは年配の方が新聞を読んでいました。イタリアの町の殆どの広場に、このような噴水があります。ローマ時代からの伝統と思われます。
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ポポロ広場を過ぎて、ビットリオ・エメニュエル通りを北に向かいます。通りの両側にオフィスやお店などがありました。車も沢山駐車しており、商業活動が行われていることが分かります。
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通りの突き当り部分に、時計が組み込まれた双塔の見事な教会がありました。聖メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ教会(Basilica Cosma E Damiano)です。コズマとダミアーノは3世紀の医者の殉職者で、この教会に祭られています。
聖メディチコズマエダミアーノ教会 寺院・教会
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この教会に、コズマの腕とダミアーノの頭蓋骨が収蔵されているそうです。教会内部にキリスト像の下に2人の像がありました。コズマとダミアーノでしょうか?
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キリスト像の両脇に2人の像も描かれていました。
サンティ メディチ コズマ エ ダミアーノの聖所記念堂 建造物
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教会北方、約50m程の場所に複数のトゥルッリを繋げた大きな建物がありました。トゥルッロ・ソブラーノ(君主のトゥルッロ)です。
トゥルッロ ソヴラーノ 建造物
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日本語の説明がありました。他の場所説明ではイタリア語と英語の説明でしたが、「君主のトゥルッロ」の説明は四か国語で、その中に日本語が含まれていました。日本からの観光客が多いようです。
説明では、君主のトゥルッロは1700年代前半に聖職者カタルド・ベルタによって建造され、それ以来、領主の住居、礼拝堂などに使われ、19世紀にスメラーノ家の所有になった、と書かれています。この建物は1923年にイタリアの文化遺産に登録されています。アルベロベッロを代表するトゥルッロです。 -
入場料1.5ユーロ、開館時間10:00-19:00です。訪問したのは朝の9時半でしたので、閉まっていました。チェックアウト時間までにホテルに戻る必要がありましたので、内部見学はスキップです。
トゥルッロ ソヴラーノ 建造物
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緩やかな坂を戻り、先に訪れたジャンジローラモ広場を過ぎると、東西に走る広い通り(ラルゴ・マッテロータ)に来ました。坂道の底状部分にある通りで、更に南に向うと登り道になります。通りの南側が観光場所として有名な旧市街モンティ地区です。
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モンティ地区に入ると、トゥルッリの連続です。新市街のアイア・ピッコラ地区と異なり、殆どの建物が中世時代から建てられてきたキノコのような家でした。
モンテ通り 散歩・街歩き
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お土産物の店も開き始めていましたが、朝が早いので観光客は少な目です。
アルベロベッロのトゥルッリ 旧市街・古い町並み
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通りもまだ込み合ってはいません。
アルベロベッロ旧市街 散歩・街歩き
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お土産店に、トゥルッリの置物が売られていました。メルヘンチックでユーモラスな面白いお土産だと思います。
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トゥルッリらしいトゥルッリが幾つもありました。屋根に白い独特の模様が描かれています。模様は家々で異なっており、同じ模様は無いように思われます。宗教的な意味を示す模様だとのことですが、見た目で文様の意味は分かりません。
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文様が描かれたトゥルッリが並んだ場所に来ました。この光景はアルベロベッロ紹介のパンフレットなどで見かけます。多分、人気の撮影スポットだろうと思います。
朝早いため、観光客も殆どいません。昼頃にはこの通りは人で溢れるのではなかろうか、と思います。アルベロベッロ旧市街 散歩・街歩き
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緩やかな坂道を登っていると、人が集まっていました。
サンタントニオ教会 寺院・教会
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セントアントニオ教会(Parrocchia Sant'Antonio)で、唯一のトゥルッリ建築の教会だそうです。確かに、教会の屋根が円錐形の尖がり屋根になっています。
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教会前にベンチがあり、観光客の皆さんが座っていました。坂道を登ったので一休みされているようです。年配のおじさん、休憩で元気を回復し、教会の内部見学に向かっていました。
サンタントニオ教会 寺院・教会
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祭壇のキリスト像です。この像は比較的新しい感じです。
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教会前に公園がありました。木陰のある広めの公園は、モンティ地区観光の一時休憩に好都合な場所のように思います。
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モンティ地区は細かな通路が入り組み、通り沿いに種々のトゥルッリが並んでいました。お土産店やレストラン、カフェになっています。この地区にはオフィスなどの商業施設は無いようです。庭木や道路脇の草花もしっかりと手入されています。
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午前10時過ぎです。この時間になると、通りを歩く観光客数が増えてきましたが、まだ混雑するほどではありません。
アルベロベッロ旧市街 散歩・街歩き
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ホテルチェックアウト時間が近づきましたので、ホテルに戻ることにしました。途中で見かけた大きな駐車場です。朝の時間が早いためか、空きスペースが十分ありました。時間帯を選べば、車でアルベロベッロ旧市街の近くまで来ることは可能なようです。
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ホテル近くの畑の中にもトゥルッロがありました。観光用ではなく、農家の方が農作業用に使われている実用的なトゥルッロです。美しく見えるような改修はされていません。アルベルベッロが世界遺産に登録される前は、このような素朴なトゥルッリが殆どではなかったのか、と想像しました。
この後、ホテルをチェックアウトしてレッチェに車で向かいました。田舎道の周辺で、立派なトゥルッリもありましたが、素朴なトゥルッリも沢山見かけました。アルベロベッロには最も多くのトゥルッリがあるそうですが、その周囲の村々にも住まいや農業施設として使われている多くのトゥルッリがありました。キノコのような家々は、現在でもこの地区の標準的な建物です。
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