2018/09/10 - 2018/09/10
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Pメテオラさん
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この旅行記のスケジュール
2018/09/10
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ボナユート。モディカチョコレートの老舗有名店
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街中のチョコレートショップめぐり
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下の町のドゥオーモことサン・ピエトロ大聖堂
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モディカ中心部散策
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コリーナ・デリトゥリア展望台
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上の町のドゥオーモこと、サン・ジョルジョ大聖堂
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上の町アルタの山頂近くのサン・ジョバンニ教会
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モディカ随一の展望ポイント、ピッツォ
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黄昏時のモディカ、暮れなずむモディカ、そして夜のざわめきと静寂
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この旅行記スケジュールを元に
モディカ名物のチョコレートを買おうと思って1泊したら、そこは、予想以上に情緒あふれる世界遺産の街だった。
見上げるような急斜面に、びっしりと建っているベージュ色の家並みや、バロッコ・スタイルの教会の数々。展望台から眺めた統一感と立体感あふれる街並み。そして、陽が傾くにつれ、群青色に染まってゆく。1点また1点と光り出す街灯に照らされていく教会や建物の壁を眺めているときの、えも言われない美しさ。モディカのゆったりとした時の流れに、満ち足りた気分になった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- エミレーツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
イチオシ
( まずはチョコレート買い )
モディカ(または、モーディカ):Modica には、名物のチョコレートを買うついでに泊まることにしていた。
けれども、町に着いたときから、買い物以上の魅力があるなと直感した。いっしょにバスを降りたスコットランドからのカップルが、「ほら、ほら」と、後ろを指さすので、振り返ると、天に届かんばかりの高い場所までそびえ立つモディカ市街が目に飛び込んだ。
のしかかられるような量感が半端ではなかった。素人写真では、なかなか分からない現実のすごさだ。 -
ここは気持ちをぐっと抑えて初志貫徹。
ホテルに荷物を預けたあと、直行したのは、モディカ・チョコレートを代表する超有名店ボナユート(または、ボナイウート):Bonajuto。目抜き通りの、ウンベルトⅠ世通り:Corso Umberto Ⅰ、のドゥオーモの向かい側の路地にある。 -
ウンベルトⅠ世通りの曲がり角に「ボナユートは、こっち」を示す標識が貼ってあるので、迷うことはない。
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ボナユートから大通りに出れば、目の前は、モディカ観光名所の目玉のひとつ、ドゥオーモこと、サン・ピエトロ教会:Chiesa San Pietro だ。
写真は、ボナユート奥の階段の上の道から、ボナユートとサン・ピエトロ教会を見たところ。 -
夏のボナユートの店内は、観光客でいっぱい。あせらず順番待ちで、店員さんの説明を聞きながらチョコレートを買う。そして、とても美味しいと評判の、おやつ菓子カンノーロも所望した。ガイド本どおり、注文してからリコッタ・チーズを、ちくわみたいな胴体の中に詰めてくれた。
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1880年創業のボナユートのチョコレート。
食べると、下馬評どおり、じょりじょり感がある。「カカオミルクを加えてないから40℃まで溶けないのよ」と、店員さんも製法その他を解説してくれた。モディカ・チョコレート特有の味も、捨てたものではない。
味の種類は50種類くらいある。多すぎて、何が何だか分からなくなってしまった。
「イタリアの板チョコって、ひと区切りが、日本のチョコの倍くらい大きいのよね」とは、あるイタリア好きな方の弁。
「うーん、確かに」 -
ボナユートを出たあとは、直感に任せて、いくつかのチョコレート店をめぐった。ウンベルトⅠ世通り中心部の両側には、数軒おきにチョコレート店がある。土産物店を兼ねている店も多い。
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モディカ・チョコレートも、たくさんのブランドがある。お気に召すまま、お好きなブランドを買い集められる。老舗のボナユートが、断トツに有名で、あとの店の知名度は五十歩百歩。
私も数種類をコレクション。前の写真は、ペルーゾ:Peluso、次の写真は、リッツァ:Rizza というブランド。じゃりじゃり感は共通。味の種類は、各社ごとに50種類とか150種類とか、まちまち。
世界遺産&チョコレート屋ホッピングを企画して、旅行雑誌に売り込みたいくらいだ。 -
( 街並みは期待の倍以上 )
チョコレートをホテルに置くやいなや、モディカの街並み歩きに出た。
最初は、下の町、バッサのドゥオーモ。当然、世界遺産。広い階段の上に、うす茶色の典型的な後期バロッコ建築が鎮座していた。昼休み前だったので、中にも入った。無料。 -
外観に比べて清楚な感じがする。白い柱にもシミやキズひとつなく、とても清々しい。祭壇も美しく整えられていて、文句なし。おそらく修復直後だ。
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壁際にあった彫像。修道士さんは穏やかな表情だし、全体に微笑ましい光景だ。あまりにも出来過ぎていると思ったのは、邪推だろうか。理想はこうありたいという虚しい願いかも。
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ドゥオーモ前に立つと、こちらも斜面にびっしりと家並みが続いている。
お昼を食べて、あそこまで上って、モディカを見渡そうと思った。まず、下の町、バッサの繁華街をぐるりと一周。地理勘を付けた。 -
モディカの”へそ”と思われるあたりの三叉路。お店や官公庁風の建物が並ぶ。ヤシの木が、いかにも南国ムード。
左の通りが、ウンベルトⅠ世通りで、約3分でドゥオーモ。 -
駅の方へ行くと、もうひとつロトンダ式の三叉路がある。300メートルくらい歩いただけなのに、観光客はほとんどいなくなった。昼時で、クルマは多いものの、歩いている人は少ない。
モディカは、知名度がいまひとつなので、客が少ないようだ。実体験してからの感想だが、ドライブ途中で2~3時間寄ったのと、1泊したのとでは、モディカの印象に月とスッポンの差が出ること間違いなし。 -
モディカ市街の南端の、国道のものすごく高いコンクリート橋。右の建物の裏手付近が駅である。ラグーザからモディカあたりは、こういうスタイルの新しいコンクリート橋がけっこうある。シチリア経済は、かなり公共事業依存型という感じがした。
-
( モディカの路地裏に潜むもの )
国道のコンクリート橋を見て反転し、谷底から丘の上の展望台に上がるため、地図を見ながら、裏通りに入った。緩いカーブが、思わせぶりな雰囲気である。向こうから、知り合いが歩いてくるような錯覚に陥った。 -
適度なところで、急斜面を上がる階段に取りついた。かなり暑いので、ゆっくり一歩ずつ上る。先は見えず、人がたくさん通ったような跡をたどって、上へ上へと試行錯誤しながら進む。
入り組んだ家の重なりに目を奪われた。恰好付けた言い方だと「中世風」。 -
ちょっと立派な家の前で、視線を上に向けると、
「あったあ、顔付き彫刻のバルコニー下の支え」
モディカも、後期バロック建築の町であることを実感させてくれた。 -
( コリーナ・デリトリアの展望に歓喜 )
ふもとから歩くこと約20分で、地図に載っているコリーナ・デリトゥリア展望台:Belvedere Collina Dell'Itria に到着。「イトゥリアの丘」という意味の場所。道なりに少しずつモディカ風景が見えていたが、ここまで来ると、一気にバロッコ風一色の市街地が眼下に広がった。
「疲れが吹っ飛ぶくらい、すごい眺めだ!」
ちなみに、コリーナには、写真のようにクルマでも上がって来られる。 -
それにしても、モディカというのは、谷を挟んだ急斜面の両側にびっしりとバロック風の家がへばりついている街だ。
対岸を見ると、こちらより高い位置にまで市街地が続いている。地図に、「①ピッツォ:Pizzo」と書いてある。その時点で、モディカ一番の展望絶景ポイントの気がした。写真の左の矢印がPizzo。右の矢印が、アルタ:Alta という高台地区のドゥオーモで、観光名所のサン・ジョルジョ教会:Chiesa San Giogio。
けれども、「いったん谷に降りて、あそこまで行けるかなあ?」思うくらいの高さと距離。
実際には、二つとも、何とか行けた。案ずるよりチャレンジ!しかし、ピッツォに先に行っていたら、満足感が大きすぎて、コリーナ・デリトゥリアに方には来なかった気がする。 -
( 対岸のサン・ジョルジョ大聖堂まで行く )
サン・ジョルジョ大聖堂のアップ。典型的な三段式の、美しい均整の取れたバロッコ建築。少し、見飽きた気もしてくる。けっこう観光客がいる。 -
イチオシ
谷底経由で、てくてくと歩くこと20分くらいで、サン・ジョルジョの大階段下に着いた。覚悟したより楽だった。ここは下から見上げた雄姿が見事。
-
大階段から、さっきまでいたコリーナ・デリトゥリア展望台方向を眺めた。あらためて、あの展望台から、よくぞ谷底経由で這い上がってきたと、自画自賛。
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ドゥオーモことサン・ジョルジョ教会の祭壇。天井のうす緑色のネットと、やや灰色味を帯びた柱の色バランスが素敵。ここも、陽気なムードを感じさせてくれる教会だった。
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( ピッツォを目指して汗だくの階段昇り )
ドゥオーモ左脇の階段に取りつき、市街の最高地点ピッツォを目指して、急斜面を上がった。目の前に、次々と展開する家並みは、上へ上へと途切れない。昼下がりの小径にいるのは、観光客が大半。 -
レジーナ・マルゲリータ通り:Corso Regina Margherita という、やや広めの道に出たが、ものすごい急こう配だ。付近のバルで食べたグラニータの味は、まさに”干天の慈雨”。そして、水分をたくさん摂っているのに、トイレに殆んど行かない。
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アルタで二番目に有名なサン・ジョバンニ(・エバンジェリスタ)教会下の大階段に到達(Chiesa San Giovanni Evangelista ) 。上がっていくと、扉は閉まっているし、案内表示もなし。入れるのか、入れないのか委細不明。
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( ピッツォは、やはりすごかった )
サン・ジョバンニ教会から5分くらい、ゆるい坂を歩いて行くと、道の先が開けていた。
「ピッツォに、とうとう着いた!」
やや広めの広場には木が数本。
わくわくしながら前へ進み、崖に張り出した展望台に立った。 -
イチオシ
モディカの中心部が、眼下に広がっていた。声も出ず、数分間、ベージュ色のモディカを、ただただ眺めた。
ピッツォは、急斜面の頂上にあるので、立体感抜群。真下を見ると、吸い込まれるような感じがする。蛇足だが、ここもクルマで来ることができる、ご安心あれ。 -
谷の反対側、写真の矢印の場所が、つい1時間ほど前にいた、コリーナ・デリトゥリア展望台。クルマで回れば、向こうからこっちまで、すいすいのはず。急坂の昇り降りこそモディカ観光のエッセンスというのは、半分ひがみ。お年寄り、金はあるが時間のない方は、おクルマ利用でモディカの素晴らしい眺望を堪能あれ。
ピッツォのちょうど真下あたりが、バス・ターミナル。現代的なビルもかなり建っている。観光客には不評だろうが、実生活では、こっちの方が、かなり便利なのだ。歴史をウリにする観光地の難しさのひとつ。 -
モディカ郊外の丘陵地帯の眺望。晴れてはいるが、少し霞みがかかっている。空気の澄んだ日の朝や夕方の眺めは、さぞかし素晴らしいのだろうと想像した。
-
別の道を通って降りて来ると、横向きのドゥオーモとピッツォの組み合わせが絵になっている場所に出た。午後の陽ざしに映える美しい街並みだ。
歩きは疲れるけれども、自分だけの心に残る風景や場面に遭遇できるチャンスが高いことも確かである。 -
( 夕暮れのモディカを求めて )
ホテルでいったん休息し、日没1時間くらい前に、再び外へ出た。
バッサのドゥオーモは、もう傾き始めた太陽の陰になり、遠くに見えるアルタのドゥオーモに、辛うじて陽が当たり続けているタイミングだ。
少しオレンジ色に染まり始めた美しいモディカのシーン。 -
二度目となり、勝手を覚えたコリーナ・デリトゥリア展望台にきた。
谷底のバッサは黄昏時を迎え、目抜き通りには、すでにオレンジ色の明かりが光の筋を作り始めていた。薄暮の家並みは、ベージュ色から灰色っぽく変わっていた。心が休まる眺め。 -
20分くらい経つと、残照も薄くなり、アルタの上のピッツォ展望台のあたりにも、ぽつぽつと明かりが灯りだした。今度はあそこ、続いてこっち、と増える明かりを目で追うたび、音もなく暮れ行く街並みに心を奪われてしまう。
-
イチオシ
モディカの空が群青色に染まるころ、晩夏のモディカは、オレンジ色のイルミネーションで、少し淡く輝き出した。サン・ジョルジョ大聖堂が、ぼおーっと浮かびあがるアルタの濃紺の家並みは、ロマンチックの一言に尽きた。
数人がいるだけの展望台に静かにたたずみ、どこまでも深く青色に染まったモディカを眺めた。 -
展望台から少し下がると、光が、下から上へ照らすような角度になるので、アルタは、もっと輝いているような感じになる。こちらのシーンも、甲乙つけがたい魅力がある。
「暗めが好み?、明るめが好み?」 -
煌々と明かりに照らされるサン・ジョルジョ大聖堂を遠目に、小径を伝って下におりる。
-
人通りもまばらな路地の街灯が、けばだった古い壁を照らす、ひなびた雰囲気こそ歴史の積み重ねを感じるシーン。
曲がり角の向こうに、トトロか何かが潜んでそうなわくわく感もあった。 -
あと一息で、中心街のウンベルトⅠ世通りに降りる高さ。サン・ジョルジョは、空高くそびえて輝き、ピッツォの展望台は、彼方の星のように、高く、遠いところにあった。
惜しいけれども、もう歩いてピッツォまで登る体力はなかった。 -
下の街、バッサのドゥオーモも、街の明かりに、そこはかとなく照らされて、赤茶色に浮かびあがり、優雅な姿を私たちに見せていた。やさしい感じがした。
-
時刻は8時過ぎ。少しずつレストランに人が増えてきた。
裏通りの石畳に映える明かりも、情緒いっぱい。何度でも見とれてしまう美しさ。 -
表通りの、チョコレートショップ兼お土産屋さんも、夏は11時ごろまで開いている。そぞろ歩きの、モディカ泊まりの観光客が、のんびりと出たり、入ったり。そういう私も、良さそうなレストランを探して、ぶらぶらしているのだ。
-
イチオシ
ドゥオーモ脇の小径に、いっぱいテラス席をしつらえてあったレストランを選び、モディカで最初で最後の夕食を取った。8割以上が、楽しい晩を過ごす観光客。私も、その仲間入りをして、テラスという名の道端の席のざわめきの中でシチリア料理を堪能。ブオニッシモ。おいしい!
蛇足だが、テラス席は店の中からテーブルを持ち出すくらい混んでいるのに、店の中は、クーラーがついていても、がらーん。夏の地中海沿岸のレストラン風景って、だいたいこんな感じだ。 -
食事後、またふらふらと、安全なモディカの中心部めぐり。グラニータなどを食べて帰っても、まだ11時だった。ゆるやかにカーブしながら昇りゆく裏道に、ぽつりぽつりと灯る光こそ、長く記憶に残る輝きであった。
モディカの夜こそ、時の流れを忘れるほどの魅力なりけり。
了
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この旅行記へのコメント (2)
-
- procidaさん 2018/10/24 11:53:02
- 絶景!
- Pメテオラさんへ
モディカの絶景、
そして小径・・・
素晴らしいです。
あの高台から灯りがポツリ、ポツリと見えてくる眺め。
本当に感動的です。
私も数年前に同じ場所に立ちました。
心が震えるような感動を受けながら眺めていました。
Pメテオラさんの旅行記を見て、
モディカにもう一度行きたくなってしまいました。
もちろんモディカチョコレートも味わいに!
プロチダ
- Pメテオラさん からの返信 2018/10/24 22:29:36
- Re: 絶景!
- procidaさま。
わおー。モディカ宿泊体験をされた数少ないニッポン人に、まず、嬉しさを感じます。そして、あの高台まで行かれて眺めた夜景の感動、わかりすぎるほど分かります。多くの日本人の皆様が、せっかくシチリアにいらっしゃったのに、モディカなどなどは1-2時間の滞在で、疾風のように周るなかで、素晴らしいご体験だと、つくづく思います。私も、もういちど行ってもよい場所だと同感です。それが実現し、末長くよい旅が続きますように。ありがとうございました。
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