２０１８夏　マカオ経由台湾７泊８日旅②（３日目）―鈍行に乗って武塔へ、夜は夏フェス（夏戀2018　嘉年華）

2018/07/10 - 2018/07/17

５時に目が覚めた。外はすでに明るかった。

昨夜なんとか花蓮に着き、本日より本格的に行動開始。

体を起こしてボケッとしていると、床の端を走る黒い
ものが見えた。鼠だ。鼠は、ドアの下の隙間から廊下
へ出て行った。

旅館で飼っているマルチーズさかんにせき込んでいる。
あの犬はどこか悪いんじゃないのか。

ゆうべシャワーを浴びずに寝たので、まずはシャワー。
熱い湯は出なかった。真冬にも風呂からあがるときに
水シャワーを浴びるような人間なので、別に平気。

シャワーを浴びてすっきりしたところで、２日間はい
ていた破れのかけ香ばしいパンツをゴミに投げ入れ、
バックパックの中をまさぐってパンツをまとめて入れ
たコンビニ袋を探した。あれっ、ない！　パンツを持
ってきていない！　ボールペンやメモ帳だけかと思っ
ていたら、替えの下着まで忘れているじゃないか。
去年は現金を忘れてるし、どうなってんだ、おれの頭。

ごみ箱に投げ入れたパンツを拾い上げ、再び脚を通し
た。うっ、たまんねー。しかし、2日も穿いていると
体に馴染みまくっているから、案外しっくりくるじゃ
ないか。

大きな商業施設が見当たらないこの街で、男物のパン
ツを買わなければ。しかし、どこで売っているんだろ
うな。パンツ屋なんてないし。

なんとも朝イチから気が滅入るような事態だが、結局
昨日の服装に戻った。

出発前に夕べ買ったバナナを２本食べた。皮の表面に
黒い斑点がぽつぽつ出ていて、食べごろに近づきある。
台湾バナナのねっちりした食感、懐かしい。

エリア 花蓮(台湾)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 3.0
• グルメ: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 利用旅行会社: エアトリ

１階に下り、おばあちゃんに鍵を渡した。

フロントの机の隅には、日本から送られて来た手紙が
置いてあった。郭さんの人柄を慕う人が多いようだ。
鍵を渡したとき「日本は水害で大変なことになりまし
たねえ」と労わってくれた。ぼくが「花蓮も地震で大
変だったでしょう？」というと、「まあそんなに大し
たことはなかったですよ」とこともなげに言う。

確かに昨夜ここまで歩いて来たときも、地震の爪痕の
ようなものは見られなかった。倒壊した12階建てのビ
ルや、１階部分が完全にひしゃげた統帥大飯店の映像
ばかりが広まっているが、街全体の被害自体はそれほ
ど大きなものはなかったのかもしれない。

この宿だって、２階から上が歩道に迫り出し、１階部
分は柱だけで支えられている。大きな地震に襲われれ
ば、倒壊しかねない構造だ。それでもびくともしてい
ないということは、統帥大飯店や12階建てのビルの
構造に問題があったということなのだろう。

７時31分の電車までまだ時間があったので、コンビニ
で新聞を買ったついでにカフェラテとサンドイッチを
買った。
新聞も広島の水害を大きく報じていた。

「死者少なくとも179名」

詳細な原因などはあまり報じられていなかったが、流
された住宅地は、沢に盛り土をして造成された上に建
てられたとか。元々が沢だったのだから、雨が降れば
そこに雨水が流れてくるのは当然。雨水の流れを変え
る工事をすべきだったのではないか。半人災の匂いが
してくる。

「家が壊れても怖くない　私たちはがんばれる」

この黒犬、足が悪い癖にぼくを追いかけてきて執拗
に吠えてきた。腹が立ったので、足元のコンクリー
ト片を拾って投げたら見事顔に命中。こ奴は「キャ
ンッ」と短く吠え、足を引きずりながら逃げて行った。

それからは、警戒心100％の表情で遠巻きに僕を見
ていた。

「ッ」と「シ」は違うからね。残念。

たまし絵っぽいアート。

だけど、完全な平面に描いているわけではありません。

地元の美人議員、張美慧さん。

外ハネボサボサ髪の片山さつきの看板が日本では
問題になっていたが、台湾ではＯＫのようだ。

クオリティについて関係者で話し合った方がいいと思う。

コンビニでダラダラ過ごしていたら、すっかり時間
を食ってしまい、おまけに駅までが予想以上に遠く、
宜蘭行きに乗り損ねるところだった。

区間車は８割の座席が埋まっていた。東側の鉄道は、
９時ごろまでは通勤通学客を運ぶので、１時間に２
～３本は走っている。しかし、それを過ぎると２時
間に１本くらいしか走らなくなる。そして、夕方に
なると帰宅客を運ぶために本数が増える。日本の田
舎の電車と同じだ。

花蓮から約１時間かけて、２年ぶりに武塔駅までや
って来た。あの時と同じように周囲はひっそりとし、
鳥のさえずりしか聞こえてこない。

ホームの端に立って、やって来る電車を片っ端から撮
ることにする。

ホームにはこれでもかというくらい通行禁止の看板が。
よっぽど線路に降りる人が多いのだろう。

線路の小片では、職員たちがヘルメットに黄色のチョ
ッキを着て、線路の点検作業をしていた。

トップバッターは無骨な動力車に引かれた復興號（？）。

この車両が好きな人は多いと思う。

莒光號がきました。

ジュラルミンの車体を鈍く光らせて去って行きます。

先頭車両の頭部がボコボコニなった区間車がやっ
てきた。

主要駅の駅舎の改築工事のような派手なインフラ
整備にはカネをつぎ込んでいるが、利用者の少な
い東部線の車両整備や保線にはあまり予算を回し
ていないのではないか。

普悠瑪號の事故は運転士の過失だが、台鐡はこの
2年で１０数回もの脱線事故を起こしているという。

車両や線路のメンテナンスがおざなりになってい
るのは確かなようだ。

太魯閣號。

あーっ、轢かれる！　わけではなく、去って行っ
たのを見計らって線路を渡ろうとしているところ。

普悠瑪號。

11月に事故を起こした車両ですね。

撮るものも撮ったので、駅の外に出た。

ちなみに、台鐡の職員は常駐しているようだが、改札
も券売機もない駅である。

色違いのかわいい花が咲いていたので、柄にもなく一枚。
台湾固有種かと思ったら、最近近所でも見かけた。

「おい見てみ、わしらの服あんなとこに吊るされ
てるやんけ。やったの誰やろな」

鉄橋をくぐって武塔村へ。

ここは泰雅（たいやる）族の村だが、少数民族の村
には彼らを象徴するような壁画が描かれている。

鉄橋の下を村人の飼い犬がうなだれて通り過ぎていく。
こ奴は花蓮の黒犬と違ってちょっかいをかけて来なか
った。

これが武塔村のほぼすべて。

車がすれ違うのがやっとの道路の左右に２階建ての家
屋が整然と並んでいる。道路脇の樹木もていねいに手
入れされている。

村の入口に中型の移動スーパーが停まっていた。市場
どころか、商店もないところなので、こういうものに
頼るしかないのだろう。車のそばでおばちゃんたちが、
石段に腰かけてビールを飲んでいた。まだ、朝の９時
である。

村の中はいたって静かだ。通りの真ん中あたりに小さ
な教会があった。長老教会とあるから、プロテスタン
トのようだ。

村のはずれに来ると、少し高くなっていて、川の向こ
うの景色が見渡せた。

腰をかけることができる石段には男たちがビールを飲
んでいた。みんな赤い顔をしていた。それにしてもこ
の村の連中はよくやるよなあ。足元に草刈り機が置い
てあったから、周囲に生い茂っている雑草を刈りに来
ているようだ。

ここから少し坂道を上ったところが今日ここへ来た目
的である公墓がある。

さて、公墓の中に足を踏み入れた。

しかし、急斜面の上に雑草が生い茂っていて、歩き
にくいことこの上ない。

なぜ、こんな片田舎の墓に来たのかというと、泰雅
族のかつての頭目の方の墓を探しに来たのである。

この方の墓が日本語で彫られており、この画像が数
年前のネットニュースサイトに掲載されていた。

その記事がこちら
↓　　↓　　↓
http://tablo.jp/discover/folklore/news001931.html

３年前にもここへ来て探したが、見つけられなかった。

今回も30分近く探したのだが、結局見つけられなかった。

とにかく雑草が邪魔で、よくわからないのだ。

やっぱり、雑草の多い夏に来るのはやめた方がいいの
かもしれない。

手ぶらで帰るのも情けないので、鉄橋を渡る電車の写真
を撮って帰ることにした。

鉱物を運搬する長い列車が進んでいく。

自強号がしずしずと橋を渡って行った。

公墓の入口の手前に古ぼけた石碑がある。石碑には
「愛国乙女××遭難之地」とある。「地」の部分が
コンクリートの土台に埋もれてしまっているのを見
てもわかるように、これは他の場所から運んできて
建て直したものである。削られている部分には「莎
韻」の文字が入るのだろう。これが「サヨン」の物
語を記念して建てられた石碑である。

詳しいエピソードを書くのはめんどくさいのでこっ
ち読んで。
　　　↓　　　↓　　　↓
https://4travel.jp/travelogue/11090372

鉄橋のところまで行って、莒光号（たぶん）を撮って
駅まで戻った。

花蓮まで戻ってきた。

この時は新駅舎が完成途上で、この野暮ったい駅舎が
使われていた。

さて、宿に戻るまでにパンツを買わなければならない。

しかし、どこで売っているんだろうな。

とりあえず、中山路を歩きながら探すことにした。

宿までの道のりがあと半分くらいになったころ、中正
路の右に昔懐かしいHang Tenブランドの店があった。
若いころ、このブランドの下着を着ていたものだ。
「Hang Ten」は、マークが人の足跡だったことから、
ずっと日本語の「斑点」だと思っていた。しかし、
本当はアメリカ西海岸のサーファー系の衣類のブラ
ンドで、「ハングテン」というサーフィンの技のこ
とを言うらしい。

ここでパンツ計４枚をお買い上げ。Ｍサイズを買っ
たら、ぼくの体形を見た店員がしつこくこのサイズ
でいいのかと聞いてくる。うるさいなあ、Ｌ以上は
デカパンに見えるからイヤなんだよ。

やっと新しいパンツを穿ける。かわいいけどちょっ
とエッチなの。
キャーッ。

これからの旅行の不安のひとつが解消され、一安心。

宿近くの小籠包屋で10個50元の小籠包を買い、コン
ビニでビールを買った。

宿に戻り、昼飯がわりの小籠包をビールで流し込み、
そのまま昼寝。人間腐ってます。

窓を開けっぱなしにしていると心地よい海風が入っ
てきて、エアコンを使うことなく昼寝ができた。

しかし、夏フェスのマイクテストを何時間もやって
いて、それで起こされた。

「テスツテスツテスツ・・・」と延々やっていった
い何を確認したいんだ？

暗くなってきたので晩飯を食べに夏フェス会場隣
の夜市に行った。

「福町夜市」とあるが、東大門夜市と呼ばれている。
韓国のボッタクリ市場と同じ名前じゃないか。まず
いねこれは。

台湾の夜市の中では大きな規模で、ゴミゴミしてい
なくて、人とぶつからずに歩くことができる。

入口周辺には他の夜市同様、子どものための遊戯
コーナーが並んでいた。

花蓮の射的は弓を使うようだ。

女の子も狙ったが見事はずれ。

いろいろうまそうな屋台が並んでいて、入るのに迷
ってしまう。

少数民族の土地らしく、原住民料理を出す店がけっこ
うあった。

ＦＢのコミュニティで知り合った人によると、この夜
市は原住民夜市と普通の夜市が合体したものだそうで、
だからこんなに大きいのだ。

普通の屋台だけでなく、滷味屋も多い。

「るーるーうぇいうぇい」。
日本語に直すとどういうニュアンスになるんだろう。

鴨の頭が45元（約180円）。こういうのを買って帰っ
てテレビを見ながら家族みんなでちゅーちゅーしゃぶ
っているのだろうか。

にんじんは何の意味があるのか。

ここにも夏フェスの看板が。

先週からずっとやっている。すごいな花蓮の夏フェスは。

7日にはぼくの李毓芬も出演しているじゃないか！
くーっ、見たかったぜ！

一軒の熱炒の店頭のメニューを見ていると・・・

女の子が菜単を見せて熱心に売り込んで来るので、促さ
れるように店に入った。

酒も飲める店だが、昼間に飲んだので自重した。

頼んだのは羊肉飯みたいなもの。

★★★☆☆　　まあ普通でしたわ。

晩めしも食べたので、隣の夏フェス会場へ。

時間が早かったので、前の方の席に座ることができた。

田亜霍というアイドルが歌っていた。

Ｋ－ＰＯＰ風のＥＤＭ。

日本ではこういうことをしていると、スタッフがすっ
飛んできて、スマホの前に紙をかざして撮れなくした
りする。台湾はやりたい放題でいいね。

葉敫田さん。寶島歌王と呼ばれています。

古き良き台湾歌謡という感じ。年配者もいるので、案外
こういうのが盛り上がる。　

おじさんノリノリです。
　
葉敫田さんの当日のライブ
　　↓　　↓　　↓
https://youtu.be/BuPmylTN4wM

マレーシア生まれの黄明志。一応今日の目玉のひとり。

マルチタレントのような活動をしていて、歌も歌う。

タイ語や日本語も交えた歌を歌っているが、本職で
はないからか、あんまりうまくない。

当日の黄明志のライブ
　　↓　　↓　　↓
https://youtu.be/-40AvrRN1GU

本日の目玉、邱勝翊。 プリンスチウという英名から
「王子」と呼ばれているらしい。確かにいい男です。
ちくしょう、こんな顔に生まれたかったぜ！

１曲目がＥＤＭ系のダンスナンバー、そのあとバラー
ドっぽい曲、そして台湾ポップス風の曲、そしてもう
１曲歌って終了というパターンだった。まあはっきり
言って普通のポップスターという感じ。


邱勝翊の当日のライブ
　↓　　↓　　↓
https://youtu.be/z2Afzd4YRI0

女の子はこの後大あくびをしていた。

21時30分にすべてのライブが終わり、みんなゾロゾ
ロと帰って行った。

宿の部屋に戻った後も人々の足音がずっと続いていた。