
2018/08/01 - 2018/08/01
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j-ryuさん
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☆猛暑の中、涼を求めて羽鳥湖高原で滝と野の花巡りをしてきました。
お盆過ぎに急激に涼しくなった福島ですが出かけた8/1は猛暑の真っ只中。
猛暑だけならともかく空梅雨だった上に夏本番になっても雨はほとんど降らず
水不足が深刻になっていた時期です。
滝や渓谷好きの私にとってはWパンチ状態です。
水不足で滝は期待できませんが、野の花ならなんとか頑張って咲いてくれるだろと期待し、
我が家から30分の羽鳥湖高原に出かけてきました。
一番期待していたエゾミゾハギの大群落は残念ながらまだ咲き始めでしたが
クサレダマやタマアジサイなどは見頃を迎えまずまずの成果でした。
羽鳥湖高原は標高650~700mほど、日帰りで避暑を満喫できるのはありがたいことです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
☆明神滝&立矢川の滝へのルートマップ。
※Google Mapに加筆。
https://www.google.com/maps/@37.2876207,140.1168405,8778m/data=!3m1!1e3
明神滝へは天栄村羽鳥湖高原の118号線沿い大平集落からだと、
猪苗代湖方面に向う県道235号羽鳥・福良線( 馬入峠)に入ります。
道なりに2kmほど進むと明神滝の案内板があるので左折します。
また道なりに1kmほど行くと橋があり、その橋の右下に明神滝が見えます。
橋手前の路側帯に車4台ぶんくらいの駐車スペースがあります。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (橋上から)
明神滝は橋の上から見下ろせるお手軽滝なので、
老人子供、障害者の方も簡単に観賞できます。
例年にない空梅雨だったので、滝の水量は期待していなかったのですが、
想像していたよりは水量があり一安心。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (橋上から)
この時期毎年訪れるのは北限のタマアジサイが咲き始めるからです。
このサイズの大きさでは分かり難いですが
滝の左岸右岸をようく見るとタマアジサイが咲いているのが
確認できます。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (橋上から)
明神滝は会津布引山(1081m)に源を持つ黒沢にある滝で落差、幅とも8mほどの小ぶりな分岐瀑です。
通常は2筋に分かれ落ち小さいながらも中々優美な滝で、
滝の傍らでは様々な花が咲く花の滝でもあります。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (橋上から)
明神滝の名前の由来は滝の左岸頂上にある直立した大きな一枚岩の傍らには、
宗像三神の一つ田心姫命が祭られています。その御神体は蛇体であるとされ、
日照りの時でもこの社に祈ると、必ず雨が降ると言い伝えられ、
いつしか明神滝と呼ばれるようになったそうです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝
明神滝は橋の上からはもちろん橋の下へ降りて、
滝と同じ目線でも見ることができます。
滝を右手に見て橋の欄干左手前に獣道程度の踏み後があり、
辿ると橋の真下に行け、橋の真上から見下ろす滝とはまた違った滝飛沫がかかるほど迫力満点の滝を見ることができます。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝
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☆タマアジサイ咲く明神滝
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☆タマアジサイ咲く明神滝
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
タマアジサイの自生地は主に福島~岐阜県と四国・九州の一部に限られて、山あいの川筋など湿度の高い所に自生しアジサイ科の中では唯一、蕾が玉状なので自生していれば開花前にタマアジサイだとすぐ分かります。
この周辺のタマアジサイはほぼ北限の群生地でとても貴重なんですが、山あいに行けば良く見られるアジサイなので殆どの人はその貴重さを知らないようです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
滝はスローシャッターでシルキーに撮りたいし
花はハイスピードでブレが無くクリアに撮りたい
スキル的に正反対なので、
シャッタースピードと露出設定の折り合いが難しいです(ーー゛)。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
花は滝からの風圧で常に揺れているので
なおさら難しいです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
タマアジサイ(玉紫陽花/アジサイ科アジサイ属)はアジサイの仲間では最も遅く開花し、最も遅くまで咲いています。
一つの花の花期は他のアジサイより短いくらいですが、
球状の蕾は一斉に開花することなく順繰り咲いていくので
遅いものでは10月に咲き出すものもあります。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
青紫の両性花(真花)はとても美しいのですが
細かい花びらがザラザラの葉の上に散ると
葉に粉が吹いたようで汚らしいのもタマアジサイの残念さです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
樹高は2mくらいで
葉は細長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
両端が尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の両面に毛が生え、ザラザラしています。
開花時期は7月下旬から10月上旬。
真ん中に淡い紫色の両性花を密生させ、周囲に少数の白い装飾花があります。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
花の後にできる実は朔果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、
新しい花に混じって花が終わった朔果が混在するので
一般的な満開のアジサイに比べ色彩が地味に見えます。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
滝の真横までタマアジサイが咲いていますが
色彩的に地味であまり目立ちません。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (右岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
滝壺前の岩場から左岸のタマジサイを撮影。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
左岸は右岸以上に滝の風圧が強いので
花がブレブレです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
タマアジサイ手前の蕗のような大きな葉っぱは
福島山形県境の飯豊山が北限のオタカラコウ(雄宝香/キク科メタカラコウ属)です。
まだ蕾が上がってきたばかりですが3週間後には見頃になったので
次回の旅行記で紹介します。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
タマアジサイは宮城県(女川町周辺)にも少し自生するので
正確には福島県が北限ではありませんが
大きな群生地としてはこの周辺が北限です。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
タマアジサイは花後も枯れた花がそのまま残るので
全体の印象としては咲き始めが一番キレイです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
でもその咲き始めを予想し、
自分の休日と一致するかが難題です。
今回は右岸は咲き始めと言うよりは花盛りで
左岸がGood Timingでした。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
この辺りは滝から少し離れているので
滝の風圧が弱く比較的撮り易かったです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
周りの白い花が装飾花で
青いツブツブが真花(両性花)です。
とてもキレイな青ですが散るのが早く
まだ全部咲いていないのに
葉っぱの上に細かい花びらがたくさん散れています。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
青いツブツブの花が蕾の状態が一番キレイかも。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
今は品種改良された様々なアジサイが見られますが
タマアジサイは原種のままで十分美しいです。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
名前のようにアジサイ科で唯一蕾が玉状態なのでタマアジサイです。
その玉が今まさに割れて開花しようとしている所です。 -
☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
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☆タマアジサイ咲く明神滝 (左岸)
タマアジサイはGood Timingだったので
次回はオタカラコウのGood Timingを狙いたいと思います。 -
☆羽鳥湖周辺Map
※Google Mapに加筆。
https://www.google.com/maps/@37.2876207,140.1168405,8778m/data=!3m1!1e3
羽鳥湖高原を訪れたもう一つの目的は湖南部の湖畔の一面を彩る
ピンクの“エゾミソハギ”や黄色の“クサレダマ”を観ることです。
でも湖畔を周回する道路からは美しい花の群落は見えません。
ではエゾミソハギの大群落が周回道路から見えないとすると、
どうやって群生地に行くかと言うと。
上記Google Mapにも書き込みましたが、羽鳥湖畔オートキャンプ場の管理棟そばの駐車場から湖岸に向うのが一番楽なのですが、
昨年からキャンプ場利用客以外は駐車できなくなりました。
もう一つは羽鳥湖に流れ込む鶴沼川に架かる『やすらぎ橋』のたもとから向かいます。(南東の村道側駐車場からも行けますがかなり遠回りです)
『やすらぎ橋』の手前の無料駐車場に車を止め、徒歩で橋に向かい
橋のたもとの柵を乗り越えると左手に鶴沼川沿いに踏み跡があるので、踏み跡をたどって6,7分で羽鳥湖の湖岸に出られます。
湖岸に出ればエゾミソハギの群落が見えてきます。
重装備は要りませんが、長靴と熊避け鈴を忘れずに。 -
☆羽鳥湖高原 鶴沼川・やすらぎ橋
写真の“やすらぎ橋”のたもとから左岸の川沿いに沿って
獣道を歩いてきます。
途中、ふり返り“やすらぎ橋”を見上げた構図です。
エゾミソハギの当たり年ならこの川原辺りも
エゾミソハギが咲いているのですが
わずかに咲いてはいますが、ハズレ年なのか
訪れたのが早すぎたのかイマイチです(ーー;)。 -
☆渇水の羽鳥湖
あちゃ~、新聞やTVニュースの通り羽鳥湖はかなり干上がっています。
貯水率が12%とのことでした。
このまま雨が降らなければ羽鳥湖用水への供給は停止になるようです。 -
☆渇水の羽鳥湖
今年は空梅雨と夏になってからも雨に恵まれず
羽鳥湖の水位は例年の1割程度と激減、
ダム湖の水は山を貫き中通りの当町方面に農業用水とて導水されていますが
現在は全く取水できていない状態です。
逆に水が多すぎる年はミソハギの群生地の多くが水没するので
花はほとんど見られなくなります。
水不足の年はエゾミソハギは当たり年が多いのですが
今年はそれほどでもないみたいです(-"-)。
当たり前の美しい景色はけして当たり前ではなく
絶妙な自然のバランスの上に成り立っているのを実感しました。 -
☆201年3/11の東日本大地震で倒壊した高架式羽鳥湖用水路
東日本大地震で当町は震度6強の激震に襲われ、町内の羽鳥湖用水路があちこちで被害に遭い岩瀬牧場周辺の高架式水路も倒壊してしまいました。
当町の殆どが丘陵地で水源の多くを羽鳥湖用水に頼っていたため当時は稲作ができない状態でした。 -
☆再建された羽鳥湖用水(2014年撮影)
2013年にはほぼ復旧し今は以前と変わらぬ田園風景が戻ってきました。
あとは、福島原発事故による風評が無くなることを願うだけです。 -
☆羽鳥湖のエゾミソハギ
例年、羽鳥湖のエゾミソハギは旧盆過ぎに見頃を迎えますが
今年は山野草全般に開花が早いので
似たような状況だった2016年を参考に出向いたのですが
まだ2分咲き程度です。 -
☆羽鳥湖のエゾミソハギ
まだ蕾が多いせいもありますが
この様子では当たり年ではないかも(ーー;)。 -
☆2015年8月20のエゾミソハギ
当たり年ならこのように一面ピンクの絨毯になります。 -
☆エゾミソハギとミソハギの違い
ミソハギの仲間にはミソハギとエゾミソハギがあり、
羽鳥湖に自生するのはエゾミソハギ(蝦夷禊萩/ミソハギ科ミソハギ属)です。
エゾミソハギは名前に蝦夷と付きますが北海道~九州の主に高地湿地や湖沼畔に自生し、場所によっては大群落を形成します。
どちらかと言えばミソハギより寒冷地を好むようです。
エゾミソハギの草丈はミソハギより大きくなり
花付きもエゾミソハギの方が多いのでぱっと見はエゾミソハギの方が豪華です。
でもそれらは個体差があるので明確な見極めにはなりませんが
葉のつき方は明らかに違います。
エゾミソハギの葉は茎を抱くようにつきますが
ミソハギは葉が茎を抱いていません。 -
☆釈迦堂川沿いのミソハギ
ミソハギは全国に自生し川や池沿いの湿地などで普通に見られますが
エゾミソハギはミソハギより冷涼な気候を好み
福島県でも桧原湖など高原の水辺に多く自生します。
東京では絶滅し13都県で絶滅危惧種に指定されています。
ミソハギ(禊萩/ミソハギ科ミソハギ属)は盆花としてよく使われ、ボンバナ、ショウリョウバナ(精霊花)などとも呼ばれる。ミソハギの由来はハギに似て禊(みそぎ)に使ったことから禊萩、または溝に生えることから溝萩によるといわれます。 -
☆羽鳥湖のエゾミソハギとヒメアカタテハ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
エゾミソハギの見頃には早かったですが
クサレダマは8分咲きで見事でした。 -
☆羽鳥湖のクサレダマとエゾミソハギ
クサレダマは『腐れ玉』ではなく、『草連玉』ですよ(^_^;)。 -
☆羽鳥湖のクサレダマとエゾミソハギ
クサレダマ(草連玉/サクラソウ科オカトラノオ属)は
地中海原産のマメ科の植物でエニシダに似たレダマというのがあり
それに似ていると言うので付けられた名ですが
花色が黄色というだけで全然似ていません(-"-)。
何も発音が『腐れ玉』に聞こえる変な名前にしなくてもね~。
レダマは江戸時代初期に渡来たそうですが
寒さと湿度に弱く全国的にはあまり定着はしなかったようです。
クサレダマの別名はイオウソウ(硫黄草)で腐れ玉よりはいいかも(^^);。 -
☆羽鳥湖のエゾミソハギ
この日のエゾミソハギは2分咲きだったので
3週間後再訪しました。 -
☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
青空に黄色が映えてとてもキレイです。
福島県でもクサレダマじたいはそう珍しいわけではありませんが
これだけの群落は県内一だと思います。 -
☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
クサレダマは主に四国以外の北海道~九州の湿地やジメ地に自生します。
羽鳥湖は標高700mほどですが標高280mほどの当町の田んぼ沿いの土手などでもけっこう見られます。
しかし関東以西に行くほど山間の湿地に行かないと見られないようで
首都圏や西日本では絶滅危惧種にしている都府県も多いようです。 -
☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
福島県では普通に見られるクサレダマですが
全国では17都府県で絶滅危惧種に指定され
東京では絶滅種になっています。 -
☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
逆光ぎみに撮ると黄色がより鮮やかに見えます。
今回はエゾミソハギが2分咲き、クサレダマが8分咲き
残念ながら両方が同時に見頃にはなりませんが
1週間後がくらいがベストだと思います。 -
☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
花園とはこんな所だと思えるような
見渡す限り黄色の楽園です。 -
☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
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☆羽鳥湖のクサレダマ
エゾミソハギの見頃には少し早かったですが
クサレダマの花園に大満足でした。 -
☆羽鳥湖高原のキオン
羽鳥湖からの帰り道にはキオンとハンゴンソウの自生地にも立ち寄ってみました。
キオンは咲き始めていましたがハンゴンソウはまだ蕾でした。 -
☆羽鳥湖高原のキオン
キオン(黄苑/キク科キオン属)は北海道~九州の山地の林縁や草原に自生し
草丈80~180cmほど、ハンゴンソウと花はそっくりですが、ハンゴンソウの葉は手型のように分裂しキオンは細長い笹の葉のような形=楔型(くさびがた)で分裂しません。
羽鳥湖高原ではハンゴンソウはたくさん見られますがなぜかキオンはあまり多くあありません。 -
☆羽鳥湖高原のハンゴンソウ(反魂草/キク科キオン属)とキオン
花がそっくりなハンゴンソウとキオン。
今回はハンゴンソウはまだ蕾でしたが
ここは両者が混在して咲いています。
キオンの葉っぱは楔形(葉脚の形態を表し鋭角にとがった形のこと)。
ハンゴンソウは手型です。 -
☆羽鳥湖高原のキオン
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☆天栄村 涌井の清水 ルートマップ
羽鳥湖高原からの帰り道はいつもものように
鳳坂峠への麓にある『涌井の清水』にも立ち寄りました。
※Google Mapに加筆。
https://www.google.com/maps/@37.2871358,140.113621,10104m/data=!3m1!1e3
涌井の清水へは
羽鳥湖高原からは国道118号線を須賀川方面に進み、鳳坂峠を下りきり、国道294号線との分岐点近くから目指します。
国道118号線と国道294号線が羽鳥湖方面と猪苗代湖方面に分岐する八十内集落近くの京谷原集落に進みます。
京谷原集落に入ると防火用水のある分岐路に涌井の清水への看板があるので、それに従い500mくらい進むとダートの無料駐車場(約15台分)あがり、その右奥手が涌井の清水です。 -
☆涌井の清水のコオニユリ
清水の畔ではコオニユリ(小鬼百合/ユリ科ユリ属)が丁度見頃でした。
オニユリと良く似ていますが、コオニユリは日本原産なのに対し、
オニユリは古い時代に大陸から渡ってきた史前帰化植物であろうと言われています。
オニユリは全般に草丈が大きくなり葉の付け根にムカゴができますがコオニユリにはできません。 -
☆涌井の清水のコオニユリ
コオニユリは花後にできた種がこぼれて子孫を増やし
日本のオニユリは種はできませんが、ムカゴがこぼれて子孫を残します。
ムカゴは親と同じ遺伝子を持つクローンなのでもしかしたら日本のオニユリはみな兄弟姉妹なのかも。
日本に分布するオニユリはタネを付けない3倍体ですが、対馬や済州島、釜山などではタネを付ける2倍体と種を付けない3倍体が混在しているそうです。
双子のように花&姿、自生地も似通っているオニユリとコオニユリですが、
2倍体と3倍体なので交雑することはなくきちんと独立性を保っています。 -
☆涌井の清水のコオニユリ
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☆涌井の清水のコオニユリ
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☆涌井の清水のコオニユリ
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☆涌井の清水のコバギボウシ
コバギボウシ(小葉擬宝珠/ユリ科ギボウシ属)は日本全土の湿った草原や湿原に自生しとくだん珍しい花ではありませんがこの仲間は古来より鑑賞用にも植えられシーボルトがヨーロッパへ持ち帰って以来
寒さ、日陰、病害虫に強く、葉も花も美しいのでパーフェクトプラントととも呼ばれとても人気がある植物です。
今ではホスタと呼ばれイングリッガーデンにはなくてはならない日陰に強い植物としてたくさん逆輸入されています。 -
☆涌井の清水のコバギボウシ
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☆涌井の清水のコバギボウシ
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☆涌井の清水のコバギボウシ
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☆涌井の清水のコバギボウシ
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☆涌井の清水
涌井の清水とは・・・・・
案内板によると
この清水は、湧水量毎分2,200L、面積約500Lと言われ、
水底から途切れることなく砂が浮き上がる様子は神秘的で、
日照りで降雨の少ない気候でも水量に変わりなく、魚も生息し、
昔から魚を獲ったり、池をかき回すと洪水となって襲ってくると言い伝えられ、人々から恐れられていました。
また、その昔、成務天皇のころ、この沼に住む大蛇が水を湯の如く熱し人々に害を与えるので、この池を治めた石背国造初代の建美依米命がこれを憂え、沸湯御前神社を祀り、人々の平和を願ったといわれています。
江戸時代には、この沼が雨乞いの霊地として領主の白河藩主の耳にも入り、慶安元年(1648年)の大早魃のときに藩主榊原忠次の命により、また、宝永元年(1704年)の旱魃には藩主松平基知らが領民を救済するために、大祈祷を行わせた記録があります。 -
☆涌井の清水
-
☆涌井の清水のハンゴンソウ
羽鳥湖高原のハンゴンソウは蕾でしたが
涌井の清水のハンゴソウは見頃を迎えていました。 -
☆涌井の清水のハンゴンソウ
ハンゴンソウ(反魂草/キク科キオン属)は本州中部以北~北海道の山地の草原や林縁に自生し花はキオンにそっくりですが、ハンゴンソウの草丈は2.5mにもなり
葉っぱが手のひら状に3~7裂けているので判別できます。
キオンは草丈1.8mほど、葉っぱは楔形(葉脚の形態を表し鋭角にとがった形のこと)。 -
☆涌井の清水のハンゴンソウ
-
☆天栄村のハンゴンソウ
ハンゴンソウに似た名前の花に北米産の帰化植物のオオハンゴンソウ(大反魂草/キク科オオハンゴンソウ属)があります。
葉っぱ確かに似てはいますが、花は大きさからして全然似ていません。
葉っぱが似て、花がハンゴンソウより大きいからオオハンゴンソウらしいですが花が似ていないのにオオハンゴンソウという名はどうかなと思います(-"-)。
明治時代に観賞用として導入されましたが北国や寒冷地での繁殖力が旺盛で湿原や高原で繁茂し、群生すると見た目はキレイですが在来種に影響を与えるので特定外来生物に指定されています。 -
☆涌井の清水のフシグロセンノウ
フシグロセンノウ(節黒仙翁/ナデシコ科センノウ属)は本州~九州に分布し、
明るい林縁から薄暗い林床まで広範囲に自生します。
草丈50~80cm、花径4cm、花色は鮮やか朱色で野生の花の中ではかなり目立つ色なので咲いていればすぐ見つかります。
福島県ではそれほど珍しい花ではありませんが16都県で絶滅危惧種に指定され、秋田、東京、鹿児島では絶滅したとされています。 -
☆涌井の清水のノダケ
白い花が断トツに多いセリ科にあってアズキ色の花を咲かせるのはノダケです。
ノダケ(野竹/セリ科シシウド属)は本州以南、東アジアの里地や山地の草原に広く分布します。
一般的な植物図鑑の多くに何故か分布地は関東以西と書かれていますが
福島県では雑草並みによく見かける植物だし、東北各地にも自生しています。
他の植物で分布地が関東以西と記されていても実際は福島県南部にも自生する植物が多数ありますが、それは微妙な地図上の違いなので仕方ありませんが
ノダケのように東北各地で普通に見られる植物を市販の図鑑がいつまでも
関東以西と記載しているのは明らかな間違いで、いかがなものかと思っています。
これで◆涼風そよぐ羽鳥湖高原~滝と野の花めぐりはお仕舞いです。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
"いいね”凸もありがとうございます。
では、また。 j-ryu
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