2018/03/10 - 2018/03/19
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HOUKOUさん
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シンカフェツーリストで申し込んだハロン湾1日バスツアーに参加。
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(2018/3/16 旅行7日目)
タムコックツアー同様,ホテルロビーで待っているとスタッフが迎えに来てくれた。
旧市街地のあっちこちのホテルでピックアップされた参加者を見てみるとほとんどが東洋人だった。
これはツアー会社が意図したものであろう。
前回のホアロー・タムコックバスツアーと較べれば,自然とリラックスした気分である自分に気づく。
単に言葉の違いというだけではなく,「人種の壁」というのは潜在意識下でも根強く存在しているのだと思う。 -
世界中のあちこちの観光地で見られるように,ここでも韓国人が圧倒的に多い。
(お互い何かと反目することも多いが)同じアジア人であるシンガポール人より更に親近感を感じるのは「血の近さ」「文化的バックグランドの近さ」なのであろうか。
日本人も数人いた。
途中お土産屋に立ち寄り休憩し,バスは3時間50分ほどでハロン湾の船着き場に到着。 -
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クラシックなデザインの船に案内され乗りこむ。
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たまたま空いている席に座ったが,やはり韓国人女性グループであった。
しばらくして料理が次々に運び込まれる。
魚のあんかけやアサリ,エビなどさすがに魚介類が多い。
魚のあんかけは,なかなかの味で,これをおかずにご飯を何杯も御代りする。
御櫃独占状態である。 -
昼酒はしない主義であるが,韓国女性たちがビールを次々に注文するので,負けてはならじと私もビールを取る。
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食事をしながらも船は進み,その内大きな筏に到着。
ここから数人乗りの手漕ぎボートに分乗する。 -
私は同じく一人で参加していた日本人大学生とともに,なんとなく流れで先ほどの韓国人女性グループと同じボートに乗りこむ。
日本人男子大学生は四国出身で,大学を一時休学しアジアを旅行しているそうだ。
海外一人旅で,久しぶりに日本人と出会い思い切り日本語で話せるのはうれしいものだ。
これまでたどってきた彼の若さあふれる旅の話を楽しませてもらった。 -
空はハノイと同じくどんよりとした曇り空。
基本的に中国の桂林と同じく浸食が進んだカルスト地形特有の景観なのだが,その奇妙な形をした山々が海に浮かぶ様はスケール感もありまた違った趣がある。 -
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母船に戻り,今度は「ティエンクン(天宮)」という名を持つ鍾乳洞見学である。
「鍾乳洞なんてどれも同じようなもの」という考えから,そういえばここ数十年鍾乳洞というものに入ったことがないことに気づく。(というか,私は鍾乳洞に入った経験があるのか?)
桂林周辺にもいくつか有名な鍾乳洞があったが,全然興味がわかなくて一つも行かなかった。 -
「自然が長い時間かけて作り上げた神秘的な造形美」などというが,趣味の悪い照明(中国の影響か)のせいかクラゲの死骸の堆積物みたいでむしろグロテスクにさえ感じる。
それでも天井があってないような,遠近感がはたらかないぐらいいびつな非日常的な空間には感動さえ覚える。
やはり私は実は鍾乳洞には入ったことがないのではないのか? -
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ハロン湾1日ツアーというのは移動時間の比率が高くて,できれば一泊されることをお勧めします・・というのはよく言われることであるが,そうかもしれない。
しかし一人旅でツアー参加の場合一人部屋料金が気になるし,今回自力でハロン湾まで行くにはまだ気力が回復していなかった。
行くかどうか迷ったハロン湾であるが,景色もそれなりによかったし日本人がいたおかげで英語コンプレックスに陥ることもなく快適に旅行できた。
ハノイに戻ってきたのは日が暮れてからだった。
週末の交通規制で旧市街へはバスが乗り入れできず,ホンキエム湖の東側で解散となる。
近くにあるイオン系スーパーで買い物をし,再び夜のホンキエム湖畔を散歩する。 -
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湖越しに遠く玉山祠の赤い照明が輝く。
私がここ2か月間苦悩のどん底に沈んでいたのは,リタイア後の喪失感・疎外感への異常なまでの恐怖感であったが,同時に老いと死がリアルなものとして急に身近なものに感じられるようになったこともその一因だった。
人生には誰もが通り過ぎるいくつかの大きなイベントがある。
出生に始まり,学業,就職,(結婚,子供ができる),親との死別,そして仕事からのリタイア。
ところがその仕事からのリタイア後は何のイベントも用意されていないのだ・・死を除いては。
リタイアするということは,不可逆的に進む老化にさらされながら,ただただ死を待つ状態に移行するということなのだ。
そういう想念が頭に浮かびあがるたびに,血の気が引き,一人で顔を青ざめさせる。
この繰り返しだった。
もちろん海外旅行や音楽・読書などの小イベントはたくさん用意されているのだろう。
しかしその懊悩の時期,私はこの人生スケジュールの大きな骨組みの最終段階に立つこと,あるいは立たされることのあまりな不条理さに慄然としていたのだ。
いまだにそうした不条理に対する無力感・恐怖感が尾を引いていて,たとえばここから遠くに見える赤く光る照明灯にしても何か「死」を象徴しているかのように感じるのである。 -
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