2018/06/20 - 2018/06/20
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Weiwojingさん
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日光中禅寺湖畔にはイギリス、イタリア、ベルギー王国そしてフランスの大使館が所有する別荘があることは以前から知っていた。数年前に一度この辺りに滞在した折、イタリア大使館が「イタリア大使館別荘記念公園」として公開されていて、訪れたことがある。
しかし、英国大使館別荘とベルギー王国大使館別荘はその当時公開されておらず、見学することは出来なかった。今回、ベルギー大使館別荘が期間限定で公開されることを知り、訪ねてみることにした。同時に、イギリス大使館別荘もごく最近公開を始めたようで、イタリア大使館別荘と合わせて3館を見ることが出来た。残念ながら、フランス大使館別荘は現在公開されていないので訪れることは出来なかった。
1947年(昭和22)にGHQアメリカ人スタッフの保養所として造られた中禅寺湖畔ボートハウスへも足を延ばしてみた。中禅寺湖畔にかっては多くのアメリカ人で賑わったであろうボートハウスは、今は静かにひっそりとたたずんでいる。
- 旅行の満足度
- 5.0
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JR日光駅が今回の旅行の出発点である。前日黒羽城址公園で紫陽花を愛で、それから宇都宮に寄り、県立美術館での「国吉康雄と清水登之 二人の道」を見た。それから日光に来た。
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日光駅は1890年(明治23)8月1日、東北本線支線の終着駅として開業した。その時建設された駅は質素な平屋で、現在の駅舎は2代目となり、1912年(大正元年)の建設である。
建物はネオ・ルネッサンス式のハーフテンバ―様式木造2階建て、長らく設計者は誰だかわからなかったが、2012年に鉄道院技師の明石虎雄だと判明した。 -
入り口の天井部分を見上げると、格子状になっていて、そのひとつに龍を描い絵が一枚ある。この龍は東照宮の「鳴き龍」を思わせるもので、この龍の下で手をたたくと、天井が共鳴して鳴くそうだ。足元に印がある。
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バスの時間まで少し余裕があったので、駅の2階に上がってみた。ここは以前一等客が利用する特別待合室であった。「ホワイト・ルーム」と言われている。
かつて大正天皇が日光の御用邸を訪ねた際に使用された貴賓室も保存されているが、通常は非公開である。 -
豪華なシャンデリアが輝き、当時の華やかさを感じることが出来る。漆喰で装飾された天井から下がるシャンデリアは明治時代後期のままの姿を見せている。
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駅のすぐ前に「日光ステーションホテルクラシック」があり、前夜ここに宿泊した。
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JR日光駅側から見た同ホテル。
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前日夜に日光に着き、駅前の日光ステーションホテルクラシッスクに泊った。そのホテルからみたJR日光駅のライトアップされた姿を撮ってみた。闇夜に浮かび上がる姿は幻想的で大変美しい。
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これが宿泊した日光ステーションホテルクラシックの夜の姿である。このホテルには日本人だけでなく欧米人や中国人、韓国人が多く宿泊していて、様々な言語が話されていた。
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ホテルに着いて休憩した後、夕食をとりに街中に出てみた。ほとんどの店は閉まっていたが、食べ物屋だけが開いていた。そんな中でこの「梵天」というラーメン屋に入ってみた。
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梵天ラーメンというのをオーダ―してみた。
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宿泊したホテルを少々紹介してみたい。ここはレセプションのあるところで、落ち着いた雰囲気を見せていた。
このホテルの特徴は1階に大きな大浴場があることで、宿泊客は自由に利用することが出来る。 -
レセプションのあるロビーには冬場の寒さを想定した日光らしく暖炉がある。
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小生が宿泊した部屋。キングサイズのベッドがあり、快適であった。
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レストランの朝食時の様子。
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この日は先ずは中禅寺湖畔ボートハウスへ向かった。
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このボートはベルギー王国大使館から寄贈されたもので、実物が展示されている。
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ボートハウスはオリジナルではなく、再建された建物であるが、細部にわたり昔通りに作られている。この電気のコンセットを見ても手が込んでいる。
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ボートハウスの初期の写真が紹介されている。
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ボートハウス完成時の祝賀会の様子を撮った写真。
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軒先にベルがぶら下がっている。これは何の合図をするためのものか?
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ボートハウスの2階部分には広いテラスが設けられていて、いつでも椅子に座りゆったりと寛ぐことが出来る。
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湖上に張り出したデッキが特徴で、湖へ直接出ることが出来、下にボートをつなげるようになっている。
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「中善寺」が中善寺湖畔にあり、少々見学させていただいた。勝道上人によって建立された日光山輪王寺の別院で、ここには「立木観音」(十一面千手観世音菩薩)が祀られている。
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入り口には2体の仁王像が立ち、にらみを利かしているようだ。
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「立木観音堂」と書かれた文字が見える。特別拝観できるようで、案内していただいた。
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これが「立木観音(十一面千手観世音菩薩」である。
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10分位歩いて英国大使館別荘記念公園入り口に到着した。この別荘は在日英国公使であったアーネスト・サトウが1872年(明治5)に日光を初めて訪れ、この地が気に入り、その後何度も訪れ、1896年(明治29)に個人別荘として建設した。その後、英国大使館別荘として長年使われてきた。
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敷地内には色とりどりのニリンソウが咲き、その美を誇っている。
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白とピンクのニリンソウもたくさん咲いている。
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別荘の入口。
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イギリス大使館別荘全体の姿。イス等が置かれ、実際に使われているような様子がうかがえる。
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右側から見た建物の姿であるが、上の写真と比べると、少々異なる点があるのに気が付かれることと思う。この写真は現在の姿を撮った写真であるが、上の写真は数年前の写真である。
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現在、全館公開されていて、1階から2階まで自由に見て回ることが出来る。
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大使の執務室を再現した部屋。
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ちょとしたところにも気配りがなされていて、花や絵が飾られている。
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今は使われていないようだが、暖炉も何か所か作られている。
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英国大使館別荘を建てた大使アーネスト・サトウの若き日の写真がある。これは日本に来る前のもので、イギリスで撮ったものである(1861年9月30日)。
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外交官としてスタートし、日本に赴任したばかりのサトウ。
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サトウの壮年期の写真。彼は日本人女性武田兼と結婚し、2人の息子がいた。
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駐日英国特命全権大使のティモシー・マーク・ヒッチンズ氏のご家族の写真とサインが紹介されている(2018年)。
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2階に上がると、本来はプライべートな空間が広がるが、今は展示室やカフェとなっている。
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イギリスと言えば、アフタヌーン・ティーが知られているが、ここでは実際に注文し、楽しむことが出来る。
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アフターヌーン・ティーで用いられる3段重ねのトレーが置かれている。
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2階廊下。
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2階にはこのようなカフェが設けられていて、紅茶と菓子類(スコーン)が味わうことが出来る。ここは “Tea Room 南四番 classic“ という名前で、大使館シェフが作っているそうだ。
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1階南側には畳が敷かれたベランダがあり、ソファや椅子がたくさん置かれている(ただし、この写真は今回のものではなく、数年前に撮った写真で、現在はなにも置かれていない)。
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2階のベランダには見学者が休憩できるようにソファが置かれている。窓から目の前に迫る中禅寺湖は圧倒的な存在感が感じられる。
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このライティング・ビューローと書棚はサトウがイギリス留学中の息子・武田久吉(ひさよし)にプレゼントしたものである。1890年から1910年ごろの Arts and Crafts 運動中のもので、その頃の特徴がよく出ている。机の上に息子の写真が置かれている。
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イザベラ・バードをご存知ですね。旅行者、旅行作家、冒険家、写真家、ナチュラリストで、『日本奥地旅行』で知られるイギリス人で、1878年(明治11)に日光を訪れている。
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サトウと交友のあった日本人たち。
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こちらはサトウが在任していた時に日本で交友を持っていた英国人たちで、皆当時の著名人ばかりである。時計回りに、イザベラ・バード、ウイリアム・ジョ―ジ・アストン、バジル・ホール・チェンバレン、ジョサイア・コンドル、フレデリック・ビクター・ディキンズ、ウイリアム・ウイルズ、チャールズ・ワ―グマンである。
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この別荘の昔の古い写真が紹介されている。
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別荘の前には3層になった石垣が築かれている。
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別荘から湖岸に下りてみた。湖に張り出すようにして船を繋ぐ木で出来たはしけがあった。
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湖岸で何かしている人がいる。湖に生息している生物を調査しているのかもしれない。
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隣の敷地にあるイタリア地誌間別荘へ移動した。現在では「イタリア大使館別荘記念公園」となっていて一般公開されている。
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この建物はチェコ出身のアントニン・レーモンドが設計したそうで、なかなか見ごたえがある。
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別荘の裏側。電気がついているところが入り口で、ここから入る。
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中禅寺湖に面したベランダは一面ガラス張りになっていて、刻々変化する湖の姿を眺めることが出来る。
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天井の造りが素晴らしい。
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天井の模様に注目してほしい。
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1階リビングルーム。
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訪れた時は天気が良くなかったが、実際こんな具合で、寒くなってきた。
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そんな中で一人の男性が湖に入って釣りをしていた。マス釣りだろうか。
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次いで、ベルギー王国大使館へ向かった。入口にベルギー王国大使館別荘を示すこんな看板がある。
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玄関部分。
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ベルギー王国大使館別荘は、ホテルオークラの創業者である、大倉財閥二代目の大倉喜七郎男爵が大使館の夏季別荘とするために、当時のアルべート国王に寄贈したものである。現在も、現役の大使館別荘として使われている。
建設されたのは1928年(昭和3)と言われているが、そうならば今年で建築90年になる。湖畔に建っ他の大使館別荘が日本風な建築様式なのに対して、ここは純洋風の建築洋風を取り入れている。 -
建物の裏の方に星と三日月が描かれた扉があり、一体どういう意味なのか興味を覚えた。
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玄関を入ると、すぐホールがあり、その奥の所に2階への階段がある。
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国王ご夫妻のポートレートが飾られている。
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アールヌーボーの電気スタンドが目を引く。
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スタンドの明りに照らし出された人形が美しい。
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日本酒の瓶を利用したスタンドが目を引く。
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階段下のスペースにはいろいろなものが飾られている。空間を利用するのが見事だ。
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「サロン1」の部屋。
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ベルギー大使館別荘は現在大使館員たちが日常的に使用していて、一般公開は6月の土日月だけに制限されていた。
この部屋は「サロン2」で、中央の石造りの暖炉は、外から見える長く伸びた煙突とつながっている。 -
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ベランダには湖に向けて大きな窓があり、湖畔の眺めを楽しむことが出来る。湖との関係上、窓は南向きではなく、西向きになっている。
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キッチンは来客が多いので、かなり大きい。
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キッチンには大きな食器棚があり、今も使用中のため多くの食器類が置かれている。
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廊下にはこんなガラス窓があり、反対側の様子が見ることが出来る。
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湖側から見た別荘の全景。他の大使館別荘が日本風な建築様式を取り入れているのに対して、このベルギー王国大使館は純洋風な造りを取り入れている。
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他の大使館別荘と同様に湖に面して建てられていて、大使館員たちは朝な夕なに中禅寺湖を眺めながら過ごすことが出来、大いに英気を養うことが出来たものと思われる。
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敷地内には珍しい花や植物が咲いている。
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湖岸にはベルギー国旗が風になびいていた。
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こちらはフランス大使館の別荘であるが、公開はされていないので見学は出来ない。ただ外観を見るだけである。
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正面が入り口のようであるが、この時は誰も訪れる人はおらず、ひっそりとしていた。
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見たことがない花々が咲き誇り、あちこちにその美しい姿を見ることが出来る。
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この花はタイサンボクだろうか。
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最後に、中禅寺金谷ホテルに寄ってしばらく休憩した。
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リゾートホテルらしくゆったりと建っている。
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寒い所らしくロビーには大きな暖炉が備えつけられている。
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ホテルの別棟の所に大浴場「空ぶろ」があり、見させていただいた。
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係りの人がここが浴場ですと案内していただいたが、すでにお湯を抜いてしまい申し訳ありませんと謝られた。
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露天風呂も備えられている。
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庭にはエジプトのスヒィンクスを模したベンチがある。ただ石造りなので、座り心地はあまり良くなさそうだ。
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ホテルの前にはバスの山小屋風の待合い場があり、寒い冬の時期に使われるのだろう。
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中禅寺湖には大きな船が移動していたが、普通の遊覧船とは違うようだ。
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中禅寺湖畔のレストランで遅めの昼食をとった。勿論この湖で獲ったマス料理である。
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