2017/11/24 - 2017/11/29
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JIC旅行センターさん
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■ポーランドとの国境・ブレスト着
ベラルーシ最後の駅・ブレストには定刻22時40分着。8分停車。この間に、ベラルーシの国境検査官と税関検査官がコンパートメントに乗り込んでくる。特に言葉を交わすことなく、パスポートとロシア入国時に受け取っているミグレーション(入出国)カードを渡す。続けてやってきた税関検査員は、荷物の個数を確認するだけで去る。列車が少し動いてから停車。先ほどの国境検査官が再びやってきて、ベラルーシの出国スタンプが押されたパスポートが返却される。
廊下の向こうから、「サバーカ(犬)が云々」という、税関検査官の声が聞こえてくる。さっきの飼い犬のことだろう。無事に出国できるのだろうか。
列車は徐行、停止、再び徐行を繰り返す。恐らくこの間に線路上で自動的に車輪幅が広軌(1520mm)から標準軌(1435mm)に切り替わっているはずだが、特別な騒音や振動は感じられなかった。4年前の第23列車のときは、台車交換所に移動して、一両一両切り離してジャッキで車体を持ち上げ、台車を交換していたのだから、「タルゴ9」客車の投入による時短効果は目覚ましいものがある。
この間に時計をヨーロッパ標準時に合わせる。マイナス2時間。周囲は漆黒の闇だが、時折サーチライトが煌々と照らしているところがあり、明確な境界線はわからないものの、国境の緊張感は伝わってくる。
■ポーランドに入って再び国境審査
ポーランド側最初の駅・テレスポールには21時28分着。ブレストを発車して約30分。
しばしの静寂の後、21時55分ごろになって、ようやくポーランドの入国審査官がコンパートメントにやって来る。パスポートを確認、特に質問などはなく、その場で入国スタンプを押される。続けて税関検査官が来て、再びパスポートをチェック。ここではなぜかタバコの有無を聞かれるだけだった。
テレスポールには45分停車、定刻通り22時13分発。ロシア時間だと24時過ぎ、前日出発したばかりの日本時間ならばすでに朝6時。眠気がピークに達していたので、ここでコンパートメント内の専用シャワーに入ることにした。シャワーの湯量自体は普通だが、節水のためか、ボタンを押してから数秒でお湯が止まってしまうので、かなりの頻度でボタンを押さないとお湯を浴び続けることができない。身体が温まるまでかなりの時間を使ってしまった。バスタオルは、ビニール袋で包装されたものが便座上の棚に設置してある。
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■ワルシャワ中央駅着
ワルシャワ中央駅には23時51分着。12分停車で0時3分発。車窓風景への興味よりも、眠気の方が勝ってしまい、布団にもぐりこむ。
ワルシャワを過ぎたころから車両が極端に揺れるようになり、騒音もひどくなる。この区間は路盤工事をしていると聞いていたので、その影響だろうか。
途中のポズナンには4時20分着、10分停車で4時30分発のはずだが、深い眠りに落ちていて気がつくことはなかった。
5時半過ぎにはっと目が覚める。列車はポーランド国内を疾走している。5時56分、定刻より10分遅れでポーランド最後の駅・ジェピン到着。ここはもうポーランド最後の駅だ。本来5分停車で5時51分発のはずだが、わずか1分足らずの停車で出発。途中、貨物列車がたくさん止まった、保税地域のような場所で一時停車の後、定刻より5分遅れの6時17分、ドイツ側最初の駅・フランクフルト・アム・オーデルに到着した。
3分停車で6時20分発。定刻より5分遅れのまま。周囲は闇の中。少し走ると、待避線や車庫にSバーン(通勤電車)の車体がちらほら見られるようになり、列車がベルリン首都圏に近づいてきていることがわかる。しかしその日(11/26)は日曜日の早朝なので、ホームで待つ通勤客はまばら。 -
■翌朝7時17分 ベルリン東駅に到着
終着駅が近づいてきたので、名残を惜しむ思いで、反対側の車端にある給湯器まで歩きながら、乗車した225号車を眺めて回る。ふと、ドアが開け放たれた2つ隣のコンパートメントに、あの飼い犬が、こっちを向いてちょこんと座っているのが目に入った。無事にドイツまで辿り着いたようでひと安心。飼い主とは別に会話を交わしたわけではないが、同乗者に運命共同体のような気持ちを抱くのは、長距離列車の旅ならでは、かも知れない。
到着10分前頃から薄明かりが差し始める。間もなくベルリン到着との放送が流れ、定刻より2分早い07時17分、終着駅・ベルリン東駅に到着した。
お世話になった車掌とも別れを惜しんだ後、ホームに降り立って列車の先端まで行ってみると、やはり機関車は付け替えられていた。ポーランド・ドイツ区間を牽引してきたのは、携帯電話会社の派手なピンクの全面広告で彩られたポーランド国鉄のEU-44型電気機関車(シーメンス製)だった。
ベルリン東駅は対面式1本、島式ホーム4本の駅。4年前に第23列車で到着した、超近代的な、三重構造のベルリン中央駅に比べ、場末感が漂っている。もともとこのベルリン東駅は、旧東ベルリンの中心駅だったそうだが、東西ドイツが統一して既に25年が経過し、駅舎自体は社会主義時代の名残を残さない、近代的なガラス張りの建物に生まれ変わってはいる。
しかし、ベルリン発着の他の長距離・国際列車はほとんどがベルリン中央駅発になっているため、あたかも東京の上野駅のように、長距離列車は一部が停車したりするだけで、他の列車に乗り継ぐには、多くの場合、Sバーン(近郊電車)で中央駅に出なければならない。「ストリージィ」号がどうして中央駅発着でなく、この不便な、ベルリン東駅発着なのか。「ストリージィ」号は、大国と大国の首都を結ぶ定期列車にもかかわらず、今のヨーロッパとロシアの関係を反映して、冷遇されているのはないか、という、うがった見方をしてしまうのは、私だけだろうか。
それでも、揺れ動く国際情勢にも関わらず、ロシアと欧州をダイレクトに結ぶ国際列車が定期的に運行され、私たちも、その魅力ある旅を経験することができるのは特筆すべきことで、この拙い旅行記が、他の多くの方々の旅情を誘うことを願ってやまない。
【モスクワ-ベルリン間 チケット料金】※2017年11月
リュクス(デラックス)寝台 24680.9ルーブル(2名相部屋) 45172.5ルーブル(1名占有)
1等寝台 15117.7ルーブル(上段) 15913.1ルーブル(下段)18598.3ルーブル(下段占有)
2等寝台 11740.0ルーブル(上段&下段) 12357.9ルーブル(バリアフリー)
座席車 10824.6ルーブル
鉄路は続く ~モスクワ-ベルリン国際寝台急行列車の旅(1)
鉄路は続く ~モスクワ-ベルリン国際寝台急行列車の旅(2)
鉄路は続く ~モスクワ-ベルリン国際寝台急行列車の旅(3)
鉄路は続く ~モスクワ-ベルリン国際寝台急行列車の旅(4)
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