丹波立杭焼の窯元巡りから篠山城下と宝塚・池田市街の散策(一日目)~丹波焼は日本六古窯、最後の訪問地。登窯とガス窯をこんなに易々と併用するのは驚きですが、多様に見えるデザインにはしっかり歴史の跡が残っているように思います~
2018/02/23 - 2018/02/23
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たびたびさん
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丹波市と丹波の中心丹波篠山の篠山市の混同があって、篠山の探索が先送りになったままの状態。ここは早めに解決しておかないといけないと思って計画したのが今回の旅なんですが、すると、篠山の近郊には丹波立杭焼の里がある。これって、六古窯の丹波焼の里なんですね。焼き物が大きな趣味の一つである私にとっては、六古窯なんて、ひととおり回った気がしていましたが、丹波焼だけはまだでしたよ。それがこんな近くにあったとは。まだまだ分かってなかったなあと大いに反省です。
ということで、今回の旅は、篠山市街と丹波焼。それに最後の一日を使って、これもホントに長年の課題、小林一三の池田市を回ってみることにしました。
なんというか、私にとっては、かなりのドキドキ。こんなにたくさんの課題が解決できる旅って、なかなかあるようでありませんからね。さて、一日目は、丹波焼の散策です。
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朝一番の飛行機で羽田空港から伊丹空港へ。そのまま宝塚駅に到着しました。
朝飯はデリカフェ・キッチン。JR宝塚駅のエキマルシェに入っているパン屋さんです。 -
そんなに期待はしていなかったのですが、ここはなかなかいいです。パンがカリカリ、サクサクの焼き上がりでとっても香ばしい。奥にはイートインのコーナーもあって、ここも常連さんで賑わっていました。
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宝塚駅から福知山線で相野駅へ。丹波焼の里へはここからバスになります。
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ところで、丹波立杭焼の起源は平安時代にまで遡る、信楽、備前、 越前、瀬戸、常滑と並ぶ六古窯の一つ。
ただ、丹波焼ではなくて、むしろ丹波立杭焼とか単に立杭焼と呼ばれたりするので、これまで認識するのが難しかったのかもしれません。
丹波焼の里は、約60軒の窯元が集まる地域。範囲はけっこう広いので、一日で歩くのはかなり大変です。
ともかくも、一番下の方のバス停で降りて、そこから上の方に向かって歩き始めます。
まずは、バス停からすぐにあった直作窯。女将さんが出てきて、立杭焼の特徴を少し説明してくれました。鍋の中のお湯に浮かべたり、揺れの激しい船の上で使われたり、使用目的を考えたとっくりの形も面白いですね。ただ、ここは撮影禁止なので、それをお見せすることはできませんが。。 -
丹誠窯は、もう一つ下手の方の窯。
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イチオシ
ここの大将もなかなか雄弁。作品に個性もあるし、この境地にたどり着くにはそれなりの自意識がないと難しいでしょう。
つまり、焼き締めなんですが、白地というのが珍しいですね。灰を被ったのがいい景色になっていて、一見すると汚れのようにも見えますが、これがちゃんとしたところで出てくるとかなり迫力ある美しさを感じることになるでしょう。その姿を想像するととっても楽しい。ちょっとテンションが上がってきましたよ~ -
ただ、貫入などもそうですが、土ものなので使っているうちに着色したりするのはやむを得ない。そういう意味ではやっぱりプロが使う器かなあ。使ったらすぐに洗うといったことをしないと残念なことになるような気もします。
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三軒目は、まるまつ窯。
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焼き締めからなので色彩が目に入りますが、逆に、それが普通っぽい。新味に欠けるので、ここはスルーですね。
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次は圭泉窯。
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ここは、型ものですね。
黙々と作業をしていたご主人に声をかけると、その型を見せてくれました。
一つの作品を作るのに、こんなにたくさんの型を使わないといけないんですね。なるほど、これは機械ではできない作業です。 -
イノシシの作品。少しうずくまった足のところとか、細部までリアルな表現が行き届いていて、培った技を感じます。このレベルになるとお土産物の焼き物とはわけが違います。
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今度はココチ舎。
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店内は限られたスペースですが、
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ありゃりゃ。さりげなくモダンで美しい作品です。ちょっとうっとり。
きちんとしたベースがあるのに、温かい手作り感もあって。全体的に女性が好むタイプの作品が多いように思いました。 -
まるせ窯は、ちょっと大きな店構え。
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店内に入ると
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イチオシ
ろくろ整形の美しい器。
これは土ものですが、この色合いはガス窯でしょう。登り窯の作品を見た後だと、余計その美しさが目に沁みます。こういうの嫌いじゃないです。 -
吟兵ヱ窯はどうでしょうか。
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ややこじんまりした店内には
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お茶碗のシリーズ。有田焼とかでよくみるデザインのようでいて、やっぱり個性がありますねえ。
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テーブルセットのコーナーもあって、こうしてみるとまた使う実感が湧いてくる。
焼き物のお店ではまだ少数ですが、こうして使う姿をお客さんに見せるというのはもっと一般的になってもいいかも。
ただ、和食器の場合は、磁器と陶器を組み合わせたり、漆器なんかも組み合せないと本当の良さは出てこない。自分のところの作品だけではそうした組み合わせはできないので、それが難しいところです。 -
稲右衛門窯は、
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立杭焼では限られる茶道具を取り扱います。ここは休憩室。ほっと一息。しばし休ませてもらいました。
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信凜窯は、
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広い店内。
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この釉薬の使い方は伊賀焼みたいな感じ。
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イチオシ
これはモダンというか現代アートの匂いもする迫力あるお皿。家庭でこんなのを使ったら、とってもリッチな気分になること請け合いです。
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半分なまこ秞みたいな感じですが、あれこれ挑戦している風が面白い窯ですね。
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夢工房は、
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店内に誰もいなくて、
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仕方がないので、勝手に拝見しますよ~
実用本位の飾らないデザインです。 -
豪人窯もお邪魔しましたが、あいにく作品はない。ほかの売り場に持って行ってしまった後のようでした。
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窯元は山の斜面のあちらこちらに点在しているので、こんな歩道を上がったり下がったり。
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炎丹窯は、
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玄関先のような場所が展示場。登り窯の作品が中心になるので、くすんだ色合いはやむを得ません。
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昇陽窯は集落の中でも一番高い場所。敷地も広くて、他の窯元の何軒分もありますね。
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最初の展示場は、若い人の方の作品。
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なるほど、近未来のような感覚が溢れるデザインです。いろんなものに挑戦する姿勢が感じられます。
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奥の方には父親の方の作品。
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こちらは、伝統色が強い作品が中心です。
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立杭の伝統と言えば
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やっぱりこのとっくり。
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イチオシ
海老の絵柄もよく見かけました。白い化粧土の上に絵を描くタイプは白丹波というジャンル。落ち着いた美しさを放ちます。
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敷地内にある登り窯。登り窯はここだけではなく、あちこちの窯で普通に見られるんですが、維持するだけでも大変なはず。それを無造作に構えているところが立杭焼のすごいところです。
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稲右衛門窯
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ここも小さい窯元ですが、ちゃんと薪窯があっていい感じ。
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一方で、これが作品ですが、意表を突くカラフルさ。
どこからくる発想なのか。興味を惹かれます。 -
稲右衛門窯から、ここも面白いですよと勧められたのが、
お隣の信行窯。
しかし、残念ながら、今日はお休みです。 -
天気が良くて、今日は絶好の窯元巡り日和ですね。
まだまだ序の口。どんどん歩いて行きますよ~ -
「のぼり窯」というシンプルな名前の窯元。
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がらんとした倉庫のような空間に、2割引き3割引きの値札。少し大きめの食器が充実していますが、いずれにしても量で勝負の窯元のようですね。
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神社があって、ここも人家が集まるエリア。
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神木が青空に高く枝を伸ばして、ランドマーク的な存在ですね。
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イチオシ
そのすぐそばに登り窯。
ここまで大きな規模の登り窯はあんまり見たことはなかったかも。まだ、現役で使えそうでしたが、立杭焼のシンボルとして保存されているものです。 -
市野悟窯は、
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シャープな青が個性的。
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土の黒地と組み合わせると独特の世界観を感じます。
陶の郷の方でコーヒーカップを拝見しましたが、とってもいい。何かぴったりハマったような美しさがありました。 -
忠作窯は、山の上。
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無造作に土鍋がごろごろ置いてありましたが、これも雰囲気ありますよね。
ただ、土鍋と言えば、萬古焼。高温に耐える機能性についてもちょっと気になるところです。 -
この辺りは小さな窯元が集中していまして、
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丹満窯は
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ちょっと雑器といった感じもしなくはないんですが、こうした時は一つ一つよく見ないと分からないんですよね。
しかし、こおkで時間を取るわけにはいかない。先を急ぎましょう。 -
丹山窯も小さな工房。
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作業場で黙々と作業する姿を想像して、おしまいです。
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丹京窯は、別の場所に売り場があるようです。看板だけが出ています。
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延年窯もひとの気配なし。
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そっと覗いてみただけです。
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源右衛門窯も誰もいない。
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なんか黙って店内を拝見。
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薪窯の作品が中心ですが、
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少し淡い色合いもなくはない。
でも、まあ、地味な印象は否めないでしょう。 -
陶芳窯は、
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急須に湯呑。
平均的な感じかな。 -
午前中の最後はコウホ窯。
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白い地の作品は、
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大理石を思わせる色合い。
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イチオシ
白丹波ではないんですが、その伝統を引き継いでいる感じもしなくはない。
この色合いから洋風の食器がメインとなっていますが、ほかの活かし方。いろんな可能性があるような。今後の展開がけっこう楽しみな窯ではないかと思います。
写真も自由に撮らせてもらえました。ありがとうございます。 -
さて、この辺りで施設の方にも寄ってみなければ。
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ここは立杭の里の中央部。ただ、集落があるのと谷を挟んだ反対側。こちらは西日があたる側だし、風向きとか。人家が少ないのは何かの理由でしょう。
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これが丹波伝統工芸公園陶の郷。
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立杭焼の歴史を解説する資料館に陶芸体験や地元の作家の作品展示場、レストランがある有料の総合施設です。
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まずは、昼飯。
陶の郷の中にある獅子銀です。メニューからして、地元の郷土料理をリーズナブルに出している感じ。 -
私は鶏のから揚げとかの立杭定食1200円をいただきましたが、ぼたん鍋風のセットもあったりして、少し奮発すれば、ここで十分。丹波の本格料理が味わえると思います。いいお店です。
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一番高いところにある展示室から拝見します。
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現代作家というか、現在の窯元が腕を振るって作品を出品しているという感じ。その域を出ていないような。
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この展示場もまさしくそれ。
立杭焼の源流を感じてみたかったんですが、ちょっとそのニーズには会いませんねえ。 -
つまり、焼き物の組合がやっている施設なので、やっぱり一番の目玉は、この地域の窯元全部が出店するブースのエリアでしょう。
ここで自分の好みの窯元を見つけて、その窯元を訪ねるということなんですね。しかし、窯元は60くらいもあるので、ここであっても自分の好みを見つけるのはそう簡単ではない。ちょこっと寄ってすぐに何とかなるというものでもないように思いました。
やっぱり、自分の目線を合わせるためにはその源流を知らないとどうにもなりませんからね。まだ、そのポイントには近づいていないように感じます。 -
続いては、陶の郷の隣にある兵庫陶芸美術館です。
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広い敷地の中に建っている施設はどこが入口なんでしょうねえ。そこからして、迷ってしまいます。
エレベーターで上がった先が玄関ですか。。 -
さて、ここの自慢は田中寛コレクション。ちなみに、田中寛は、全但バスの創業社長。地元への貢献として、秀品の収集に情熱を傾けました。
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鎌倉時代以降の古い壷瓶の類は、力強い造形に灰かぶりや焼き締めの荒々しい姿。
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これこれ、これが見たかったんですよ~
私の感覚だと、六古窯といっても、古い時代の物は言うほどの違いはない。 -
しかし、どこからかでちょっとした違いが表れて、それが個性となって現れてくるんですよね。
この板を組み合わせた形とか -
四耳壺はまあ普通ですが、
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大胆に文字を刻んだデザインとか。
かなり特徴的。力強さの方にどんどん進んでいくような流れ。これは痛快です。 -
首が細いのは見た目もありますが、実用性もあってのことでしょうが、いずれにしてもどっしりとした堂々たる存在感が素晴らしいです。
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これはとっくり。
立杭焼の代表的なジャンルですね。 -
そして、絵柄が現れてきて、
柳に飛びつく蛙は、芭蕉の句。風雅の趣にも挑戦しています。 -
イチオシ
ただ、もう一つの極致は江戸期からの白丹波でしょう。
白い化粧土に磁器のような文様を描く優雅な作品。ありゃあ。白丹波って、ここまできれいなものでしたか。有田を意識したのもあったかもしれませんが、土ものでもここまでできるんだぞといった技術の奥深さも感じます。
コレクションはレベルが高いし、なかなか多彩。長い歴史の中での変化が感じられるのも楽しいと思います。立杭焼は、まずここを見ないと始まらないかもしれません。 -
ちょっと、もやもやが晴れてきたところで、窯元めぐりの後半がスタートです。
陶芳窯は、 -
湯呑やお椀がたくさん。日用品が中心のお店ですね。
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丹波丸一窯
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こちらも日用品なんですが、ガス窯の作品が中心。ろくろもうまくて、整った形に安心感がある。立杭焼というより焼き物の入口としては、こういう作品がお勧めです。
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丸八窯は、
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ここも日用品。棚には商品が大量に並んでいます。
しかし、こういう並べ方って、お客さんの方にいいものを掘り出してもらいたいってことですよね。今の時代、そこまで時間に余裕のある人はいない。お店の方で、もっと主張していかないといけないんですけどね。 -
雅峰窯は、その対極。
少ない作品ですが、一つ一つが芸術作品のよう。 -
それをちゃんと細かいところがコントロールしにくい登り窯で作っているのが驚きですね。
何人かの職人さんが真剣な面持ちで作業しているのも印象的でした。 -
丹波やまき窯
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展示室は座敷。これもよくあるパターンなんですが、自宅でこんな風に楽しんでくださいねということ。
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骨董を楽しむように拝見できるのが利点です。
ただ、ここも商品が多すぎて、目の付け所に困る。埋もれてしまいそうな感覚です。 -
壺市
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刷毛目なんて普通なんですが、そういえばほかにはなかったような。
そういう意味では、新鮮な感じがします。 -
この皿もそう。よく見る感じなんですが、立杭でみるとなぜかとってもさわやか。
面白いからちょっと買ってみるかなという気にさせるお皿です。 -
まるか窯
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ここも大量の商品を置くお店。
一生懸命、どんどん作ってますということなんでしょうが、見せる工夫が足りないかな。実際にどう使うんですか。そうするとどういう風に見えるんですか。
薪窯の作品は色が地味なので、大量に置くとそっちの方が目立ってしまう。一工夫が必要なように思います。 -
窯元やまの
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ここも窯元なんですが、むしろ販売に力を入れていて、売り場は窯元というより販売の専門業者みたいな悠々とした構え。店内には大物がずらりと並んでいて、これならゆっくり見れますね。
ただ、大物の方は少し難しい。自宅において楽しめるという事情の人は少ないですからね。私も大物は玄関にあるのが一点だけ。それ以上となると、実家に送るしかなくなってしまいました。 -
ギャラリー丹泉
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商品がほどよく並んだ店内ですね。
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イチオシ
ここでも、コウホ窯のような作品を発見。私は染付が好きなので、こうしたものに目が行ってしまうんでしょう。ただ、これも白丹波の伝統があることが確認できると、やっぱり味わい深く感じられる。大きさもあるし、魅力的な作品です。
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丹水窯
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こちらもすっきりした店内。お店が何をどうしたいのかが伝わってきます。
悪くなんですが、日も傾いてきているし、次に行きますね。 -
かねと窯
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ここもすっきり。
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現代アートのような作品がちょこちょこ飾られていて、なるほど~。
マンションとかだと壺や花瓶なんかよりもこうしたものの方がフィットするかも。焼き物会は意外にこうした分野は未開拓かもしれません。 -
大熊窯
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工房の中を少し拝見。
さらっとお邪魔しました。 -
陶勝窯は、
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見せる工夫に長けたお店。
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イチオシ
そして、これはどうですか。この個性。美しさ。
このデザインで統一したテーブルセットとかできないんでしょうか。丹波焼の何かを打ち破った作品です。 -
信水窯は、
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お茶の関係。
ただ、茶道具としての歴史が丹波焼にどれほどあるのか。そのあたりはちょっと曖昧です。 -
末晴窯は、比較的大きな窯。
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こっちは伝統的は伝統的なんですが、このちらり感じる美しさ。
名窯の匂いがするんですが、どうなんでしょう。 -
もう一つの展示場にも入ってみると、こっちは娘さんの方の作品ですよね。
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ほー、これはすごい。
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イチオシ
見事な鯛ですよ。
さっきのお父さんの伝統的な作品もよかったんですが、これもいい。目新しいことをやっているというだけでなく、確かな技術が感じられるのがいいところ。形、デザイン、色彩。すべては技術がないとこれだけのものは生まれないように思います。 -
省三窯
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これは柚で見せる作品。ガス窯でしょうが、これに徹しているというのがいいでしょう。
ただ、こうした作品だと寸分たがわぬ統一感が重要。一般的な焼き物の自由さとは決別して、その辺りがないと価値がないように思います。 -
陶幸窯
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売り場を覗いただけ。ここが最後となりました。
これで、なんとかざっと見て回りましたが、どうだったかなあ。
結局、気になった窯は、丹誠窯、ココチ舎、昇陽窯、コウホ窯。イチオシは末晴窯かな。親子のコラボもとっても興味深い。お父さんの作品の美しさも凄味があるように思いました。 -
さて、帰りは最終のバス。
この時間だと窯元も閉まってしまうので、まあちょうどいいですね。
ここから相野駅まで帰って、篠山口駅に向かいます。 -
今夜の宿は篠山口駅からまたバスなんですが、晩飯は、駅周辺で人気があるという牛屋たなかへ。駅周辺といっても、実は少し遠かったのですが、そこは例によって強引に歩きます。ただ、それは大正解だったようで。
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何かの大会で神戸牛のグランプリを取ったみたいな旗が飾ってありましたが、それにふさわしい肉のうまさ。
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これまでの経験だと米沢牛、前沢牛が圧倒的においしかったんですが、このジューシーさはその確信を揺るがせる衝撃的なもの。例えば、厚く切った牛タンがこれほどおいしいとは。。
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仙台の牛タンとかまったく論外。神戸牛恐るべし。 牛屋たなか恐るべし。
まあ、神戸でそれなりに金を出せば簡単に食べれる味なのかもしれませんが、それではおいしいものをただ食べたいだけの人。そうではなくて、こんなお店がある篠山にまた興味が湧いてくる。そっちの方も同じくらい重要なポイントです。 -
今夜の宿の新たんば荘は、篠山市街からちょっと離れた場所。最寄りのバス停から歩きましたが、神社の前の寂しい道を上って行ったりするし、初めてだと不安になるかもしれません。
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そして、建物は公共施設のように大きなものでゆったりはしているのですが、部屋にスースー隙間風が入るし、それにもちょっと閉口しました。いい季節なら問題はないでしょうが。。
まあ、それはそれとして。
明日は篠山市街の散策。本当に楽しみです。
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