2017カタルーニャ紀行 低エンポラーダ地方のロマネスク教会（Romanesque Churches of the Baix Empordà）

2017/11/03 - 2017/11/11

４回目のスペイン。今回タラゴナ県には立ち寄らなかったが、仏領カタルーニャを含めたカタルーニャ地方のロマネスクの教会を訪ね歩く。
【旅程】--------------------------------------------------
11/３(金)~11/11(土)　７泊９日
　1日目　 羽田→バルセロナ（カルドナ泊）
　2日目　 アルティエス
　3日目　 フォア
　4日目　 アルジュレス＝シュール＝ラメール
　5日目　 アルジュレス＝シュール＝ラメール
　6日目　 ベサルー
　7日目　 ペラタリャーダ
　8日目　 ペラタリャーダ→バルセロナ→フランクフルト→羽田
　9日目　 帰国

エリア スペイン

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

サン＝エステヴェ＝デ＝カナポスト（Sant Esteve de Canapost）教会は村の中心にある。古い物は９世紀、写真正面の扉口は18世紀に付け足し部分といわれる。

前回旅行記のサン＝ミケール＝デ＝クルールス修道院から東に7.5km。
カナポスト（Canapost）という人口50~60前後の村につく。この日宿泊予定のペラタリャーダ（Peratallada）からは約2kmの至近距離になるが、この辺りが低エンポラーダ地方の地理的な中心になる。

正面から右手の部分が最も古く、鐘楼から後陣にかけては10世紀から11世紀物だという。

鐘楼のブラインドアーチに彫られた人頭や獣の彫刻。小さくて肉眼ではよくわからなかったのでトリミングしてみた。

この教会は中が見たかったが、残念ながら閉まっていた。13世紀初頭のフレスコ画があるという。

ほぼ並列のロンバルデイア帯帯のある半円のアプトと方形のトランセプト。プレロマネスクとロマネスクの二つの教堂を継ぎ足した物らしい。

教会横の墓地の石棺。

11世紀の物で中世の墓地を発掘した物が残されている。

この教会の祭壇画もジローナ美術館に移設されている。

この写真、15世紀後半のｺﾞｼｯｸ祭壇画で「授乳の生母」である。

こちらはカナポストから北に３kmの所にあるウラストレ（Ullastret）の村。人口は300人弱だという。

城塞構造を持った都市で、中心部は円形の城壁で囲まれた高台の上。

イベリア族の住居跡遺跡が近くにあり、この町はイベリア人の町といわれている。

高台の上にある教会はサン＝ペーレ教会（Esglesia De Sant Pere）。

11世紀のロマネスク教会だが、17,8世紀に大きな改装が行われたとある。

これは教会前の風景。教会前広場と名づけられている。

内部は改装の影響でバロック的な色彩が強い。入れなかったがここは、外を見られれば問題ない。

方形のクーポラと前に飛び出た方形のトランセプトは後付けの物である。

柱のいくつかに浅レリーフの彫り物が残されている。

ここもブラインドアーチ下に、いかにも古そうな彫刻がある。

この教会はロンバルデイア風の後陣風景が見目に良かった。

教会から駐車場に戻る。

次の紹介するのはサン・ジュリア・デ・ボアダ教会（Iglesia de Sant Julià de Boada）。教会と同じ名前の村にある。人口は30人余り極めて小さな村になる。

カタロニアで最も保存状態の良い古い教会とある。934年にこの教会の存在が確認できている。

10世紀のプレロマネスク教会で、モサラベ様式と分類する資料もある。

西ゴートの影響のある馬蹄形アーチの窓。

17世紀に他の教区との統合が行われ、それ以降衰退し18世紀頃より倉庫として使用されていた。

1982年より修復作業が行われたというが、倉庫として使用されていた事が保存の上ではむしろ良かったそうだ。

扉口にはガラス製のドアが取り付けられていた。

内部は閉まっていたが、ガラス窓越しに撮った一枚。

側面にある扉口にも馬蹄形アーチが残されている。

内陣とのつなぎ目にアーケード式鐘楼の後。

粗い石積みは一度崩壊し、修復の後が残っているようだ。

ここは、実はホテルのチェックインを先に済ませてから来た。

ホテルからは３km。この地方には他にもロマネスクがあるが、この１日では廻り切れない。古い物から優先的に廻った結果、今回は３教会を紹介させていただきました。