2015/09/22 - 2015/09/22
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モボ101さん
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オーストリアの中央やや北より、ザルツブルクの南東に広がる2000m級の山々と数多くの湖で構成する、大自然が美しいザルツカンマーグーと地方。映画サウンド・オブ・ミュージックの舞台としても知られています。
9月のシルバーウィークの一日をザルツブルクからザルツカンマーグントへ。最初の目的地は登山列車の始発駅、ヴォルフガング湖畔のザンクト・ヴォルフガング。
早朝のザルツブルク駅前から、ザンクト・ギルゲン行き150番の国鉄ポストバスに乗って向かうことに。乗客の大半は通学の小学生。途中のバス停から乗っては、学校の近くまでくると下車していきます。
バスを乗り継ぎザンクト・ヴォルフガングに到着。始発の登山列車で山に向かおうとしたら、何と蒸気機関車ではなくディーゼル機関車が登場。でも、車窓のすばらしさは同じ。
シャーフベルク山から見渡す360度、ザルツカンマーグントの眺めは秀逸です。下山は無事に蒸気機関車の列車に乗車。
こちらには動画もあります。
https://omoidenoshasoukara.web.fc2.com/tabinoshasoukara/schafberg/schafberg3.html
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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早朝にザルツブルクを出発したザンクト・ギルケン行き150番の国鉄ポストバスの乗客の大半は、通学の小学生。
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バスの車窓は山と湖と緑の牧草地。ザルツカンマーグントの典型的な風景が広がります。ザルツブルクから50分ほど。バスは定刻から5分余り遅れ、東西に長いヴォルフガング湖の西端の小さな町、ザンクト・ギルゲンに到着。
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ここで乗り換えのために下車。ヴォルフガング湖にはザンクト・ギルゲンから登山列車の出発地点、ザンクト・ヴォルフガングに立ちより、湖の東端のストロブルをむすぶ旅客船があるものの、船の始発を待っていると遅くなるのでバスに乗り継ぎ先行することに。運転士はここでしばらく待つようにと言って、バスの系統番号を156番に変えて発車して行きます。
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ザンクト・ギルゲンはモーツアルトの母の生家があるところ。市庁舎前広場には幼いモーツアルトがバイオリンを弾く像があるのだとか。15分の乗り継ぎ時間で、バス停から市庁舎を急いで往復する計画を立てていたものの、バスが5分以上遅れたため断念してそのまま待つことに。
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先ほどのバスが周辺を一回りして、通学の小学生を乗せて戻ってきました。彼らが降り、150番のバート・イシュル行きになった同じバスに再び乗り込みます。
ザンクト・ヴォルフガングは、東西に長いヴォルフガング湖の中央付近の北岸の町。でも、道がないのかザンクト・ギルゲンから直行するバスはなく、一旦南岸の道を湖の東端のストロブルまで行き、ここで北岸を通るザンクト・ヴォルフガング行きに乗り換え、湖を4分の3周することに。
南岸の道を走るバスの車窓から、ヴォルフガング湖の向こうにこれから登るシャーフベルク山が見えます。 -
15分程で乗り換えのバス停、ストロブル・バス駅に到着。待合室のある立派な木造の駅舎。さすがは国鉄バス。
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次は546番のザンクト・ヴォルフガング行きのバスで10分余り。町の裏山に掘ったバイパスのトンネルを抜けた先で運転士に登山列車に乗り換えたいんだけどと尋ねると、この先だと言って降ろしてくれました。バスはまだ先まで行くようで、聞いてよかった。降りたバス停の名前は、St.Wolfgang im Salzk. Schafbergbf。
映画サウンド・オブ・ミュージックでマリアと子供達が乗ったシャーフベルク鉄道は、他の鉄道とは孤立した路線で、接続する公共交通機関はバスと船だけ。
シャーフベルク鉄道の開通は1893年。ヴォルフガング・シャーフベルク駅には、アプト式のラックレールと車軸の真ん中に歯車がある機関車の動輪のモニュメントが置かれています。 -
駅前のヴォルフガング湖畔には、接続する遊覧船の桟橋があります。船で来た場合、下船する場所はザンクト・ヴォルフガングではなく、シャーフベルクバーンなので要注意。
駅では、客車の後部に機関車を連結した何本かの列車が待機中。列車の始発は9時15分。早朝にザルツブルクを出てきたのでまだ1時間近くあり、運行の準備は始まっているものの駅の出札窓口は開いていません。 -
時間つぶしに湖畔のザンクト・ヴォルフガングの町へ散策に出かけることに。
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教会を見学して30分ほどで駅に戻ってくると、平日にもかかわらず観光客が増えています。
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シャーフベルク鉄道にはZ11からZ14号まで4両の1992年製、軽油炊きの蒸気機関車があり、スイスのプリエンツ・ロートホルン鉄道の蒸気機関車と同型機で、煙突の形状以外はそっくり。
往復切符を買って、調整中の蒸気機関車Z12号機の横を通って案内された始発列車は…。 -
何と、ディーゼル機関車が付いてる!!。増発時には電気式のディーゼル機関車Vz31が加わるそうで、これに当たってしまったようです。
あらかじめ調べてあった時刻表では、9時15分の始発の次は10時。この日は、ザルツブルクへの帰着が20時を過ぎるハードスケジュールのため、はじめから遅らせるわけにはいかず諦めて乗り込みます。 -
客車は、各コンパートメント毎にドアのあるタイプ。ドアの窓だけが開き、閉めるときは窓枠の下端に取り付けた革のベルトを引き上げるタイプ。
2両のうち、前の客車の先頭に前方を監視する職員が乗り、後部に連結した機関車で押し上げます。古そうに見えるけど実は最新型のようで、車内の照明はLED。 -
本日の始発列車のためか、2両目の最後部には山上に届ける荷物が積み込まれています。
ヴォルフガング湖が見えて眺めのよい、進行左側の席を確保。 -
シャーフベルク鉄道の軌間はメーターゲージ。全長5.85kmの全線にアプト式のラックレールが設置され、標高542mのヴォルフガング・シャーフベルクバンホフから最急勾配1000分の255で、標高1732mのシャーフベルクシュピツェまで、機関車の歯車を噛み合わせ45分かけて登ります。
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車窓のヴォルフガング湖。
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客車を先頭に登っていく。
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後ろからディーゼル機関車が押し上げる。
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全線単線のため、始発から1.1kmと2.7km地点に列車交換のための信号所があり、4.1kmの標高1363m地点にある唯一の中間駅シャーフベルクアルペで列車交換が行われます。でも本日の上りの一番列車のため、まだ降りてくる列車との交換はありません。
途中駅のシャーフベルクアルペが見えてきました。この付近で森林限界を超えるようです。 -
2個所のトンネルを抜け、列車は山上のシャーフベルク・シュピツェに到着。まずは、駅舎内で下山時の列車の予約です。多客時にはこれを忘れると、いつまでも下山できずに待つ羽目になるのだとか。
始発列車で登ってきたのでまだ下山客は少なく、職員に次の次の列車と伝えたら、予約は要らないよとの返答が帰ってきました。 -
駅舎から見上げる山上のホテル。ここからは歩いて登ります。
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到着した列車がバックして貨物用の小さなホームに横付けし、乗せてきた荷物が下ろされます。
眼下に見えるのはヴォルフガング湖。 -
貨物ホームから山上のホテルへ細いレールが敷かれ、専用のケーブルカーで荷物が登っていきます。
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シャーフベルク山から周囲360度、ザルツカンマーグントの絶景が広がります。この景色を見れば、ディーゼル機関車で登ってきたモヤモヤなど吹き飛びます。
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シャーフベルク山の裏側、北西に広がるモント湖。一番奥に家並みの見える町は、サウンドオブミュージックでマリアとトラップ大佐が結婚式を挙げる教区教会のあるモントゼー。
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北東側は、ザルツカンマーグントで一番大きなアッター湖。
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近くの切り立った嶺は、1782mのシャーフベルク山頂です。
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遥か遠くには、氷河のかかるオーストリアアルプスの山々が望めます。
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ヴォルフガング湖に目を転じれば、乗車前に訪れた湖畔の教会の姿も。
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シャカシャカと音をたてて、トンネルを抜けて二番列車が登ってきます。
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今度は間違いなく蒸気機関車の後押し。
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でも、燃料が石炭ではなく軽油の新型蒸気機関車では黒煙ははかず、煙突から薄いわずかな白煙が見えるだけ。
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二番列車がシャーフベルク・シュピツェに到着。
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シャーフベルク・シュピツェ駅では、降車ホームと乗車ホームを使い分けているようで、乗客を降ろした列車は一旦バックの上、ポイントを切り替えて隣のホームに据え付け。
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二番列車を押してきたのはZ13号機。
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多客時には、駅構内に乗車待ちの行列ができるのでしょうか。1時間半ほどの滞在で午前中に山を下りる人は少なく、まだ閑散としています。
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機関車は軸配置C1のZ13号機。ボイラ回りのパイピング等がなくすっきりとしたスタイル。急勾配区間でもボイラが空だきにならないよう、あらかじめ前屈みで傾斜を付けています。
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下りの二番列車はご覧のような乗車率。閑散とした車内。
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帰りは機関車の次位の客車の前方席に陣取ります。
壁にはシャーフベルク鉄道の紋章。
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Z12号機が押して登ってきた、時刻表に載っていない臨時列車の到着と入れ替わりに発車します。
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山を下る蒸気機関車は、蒸気をシリンダに送ってブレーキにしているのでしょうか。モーター駆動の電気式ディーゼル機関車に比べ、2気筒では客車内に絶え間ない前後方向の加速度を感じ、ガクガクなって乗り心地はイマイチ。
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唯一の途中駅、シャーフベルクアルペで上りの定期列車と交換。さらに降りてくると、森の中を走るように。
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標高1010m地点に、列車交換のための信号所があります。登ってきたのは臨時列車を押すディーゼル機関車のVz31号機。ポイントの切り替えは手動で、列車から降りた車掌が操作しています。
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電気式ディーゼル機関車の運転室の屋根に乗った銀色の箱は、山を下りるときに使う電気ブレーキの抵抗器でしょう。
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最急勾配1000分の255は、箱根登山鉄道やアプト式の大井川鉄道井川線の約3倍。角度にすると14.3度。車体はこのように大きく傾斜します。
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もう1個所の信号所で待っていると、これも時刻表にないZ14号機の押す臨時列車が山に向けて通過していきます。
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ヴォルフガング・シャーフベルク駅の構内まで降りてきました。側線で休むのは、タイプの異なる車体の前後にドアのある客車。
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構内には蒸気機関車のボイラが置かれ、その傍らには石炭。夏季の日曜日には、サウンド・オブ・ミュージックに登場する石炭炊きの動態保存機関車が登場し、特別料金で乗車できるのだとか。
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こうして山上から45分でヴォルフガング・シャーフベルク駅に到着しました。
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駅には山に向かう大勢の乗客が待っていて、列車は10分後には折り返していきます。
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駅前から湖越しに見えるザンクト・ヴォルフガングの町。
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町中で昼食後に、ザンクト・ヴォルフガングの桟橋へ。
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ヴォルフガング湖の東端、ストロブル行きの旅客船が来ました。
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ヴォルフガング湖を行く船から見たザンクト・ヴォルフガングの町とシャーフベルク山。頂上近くのホテルが米粒のよう。
シャーフベルク鉄道の運行は、毎年4月中旬から10月中頃まで。詳しい運行日や時刻等は、公式ホームページへどうぞ。
http://www.schafbergbahn.at/
シャーフベルク鉄道の動画は、こちらへどうぞ。
https://omoidenoshasoukara.web.fc2.com/tabinoshasoukara/schafberg/schafberg3.html
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