2017カタルーニャ紀行 サン=ジェニ=デ=フォンテーヌ（Saint-Génis-des-Fontaines）フランス編

2017/11/03 - 2017/11/11

４回目のスペイン。今回タラゴナ県には立ち寄らなかったが、仏領カタルーニャを含めたカタルーニャ地方のロマネスクの教会を訪ね歩く。
【旅程】--------------------------------------------------
11/３(金)~11/11(土)　７泊９日
　1日目　 羽田→バルセロナ（カルドナ泊）
　2日目　 アルティエス
　3日目　 フォア
　4日目　 アルジュレス＝シュール＝ラメール
　5日目　 アルジュレス＝シュール＝ラメール
　6日目　 ベサルー
　7日目　 ペラタリャーダ
　8日目　 ペラタリャーダ→バルセロナ→フランクフルト→羽田
　9日目　 帰国

エリア フランス

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

ル・ブールからは東に10km。オシタニアのピレネーオリエンタル県所属のサン＝ジェニ＝デ＝フォンテーヌ。人口は2744人（2014年調べ）。人口の割に旧市街区は小さい印象を受けるが、郊外に住宅街が広がったドーナツ現象のせいと思われる。
表記には、修道院と聖ミッシェル教会（Cloître et Eglise Saint Michel）とある。

ちょうど西日が扉口にかかり、また道路が狭く全体像がフレーム内にはいらず良い写真が撮れなかった。

修道院の創建は819年に創建者の名を記した文書が見つかっている事から、８世紀から９世紀の初めと推定されている。また981年には、フランク王国のロタール王が修道院の修復を行った記録がある。アラゴン王を始めとしたこの地域（ルーション）の王族たちが庇護したことにより12世紀に現在の建物の骨幹が出来上がったようである。

扉口左にある墓標。修道院の関係者とあるが、誰なのかはわからない。

リンテルの左右にある人頭彫刻。

その上部にも左右に一体ずつの彫刻がある。

左右に天使、マンドラの中のキリスト像。白大理石で作られたリンテルは、1019年から1020年にかけての製作で、石造りのロマネスク最古のリンテルとの評価である。

左右に３人づつの使徒を従えている。

修道院は、フランス革命により修道士が追われ、回廊部等は国家財産として売却処分された。20世紀に国家が買戻し、1994年に修復が終了したとある。

扉口部分は幸いオリジナルが残されていた。

回廊部は、アメリカに渡った物があり一部コピーが使われているとの事だ。

大理石で彫られた柱頭はどれも面白い。

回廊から教会への入口。

こちらは扉口のある正面の内側。

トンネルボールト構造で、小さなkクーポラが設けられている。中はだいぶ暗い。

この教会は大天使ミカエルに献堂されている。

主祭室のサン・ミケルの祭壇は18世紀の作品である。

見学を終えて外に出ると日が陰り、影が気にならなくなった。

書き忘れていた。この扉口のすぐ横に受付施設がある。見学は有料で一人２エウロとなっている。この受付嬢とはいろいろ話をしたが、周辺の情報を得る事が出来た。残念だったのは、サンタンドレ＝ソレドの教会が３月まで閉鎖という話で見学を断念した事だ。

この旅行記へのコメント （2）

• shinkaiさん 2017/12/29 16:18:54

  サン＝ジェニ＝デ＝フォンテーヌ

  こんにちは！
  またまた記事が溜まってしまいましたが、めげずに拝見しませんと、ね。
  
  扉口の彫りが素敵ですねぇ！　11世紀初めのロマネスク最古、の物ですか？！
  浮彫とはいえ、余りボリューム感を出そうというのではなく、背後と前景という感じの浮彫なのですね。
  こんな古いオリジナルが残っているだけでも素晴らしいですね。
  内部の暗い、狭い深い祭室も時代を感じます。
  
  回廊も広く美しく、柱頭彫刻なども面白そうです。
  
  それにしてもフランス革命の際の修道院解体、イタリアでもナポレオンはやったのですが、内部の破壊もかなりすさまじいのをあれこれ見ましたので、何とか残ったのを良しとしないといけませんね。
  

  クリスさん からの返信 2017/12/29 20:29:04

  RE: サン＝ジェニ＝デ＝フォンテーヌ

  今晩はshinkaiさん、書き込みありがとうございます。
  この浮彫は、私もかなり好きな物です。
  今回行かなかったサンタンドレ＝ソレドにも同じような物があるのですが、それはここの模倣だそうです。
  地味な教会なのですが、良かったですよ。ロマネスク好きがわかって受付の女性とも意気投合して話せましたし。
  
  教会前の道路が狭かったので、ひいても恐らく全景は入らなかったと思いますが、扉口に気をとられ過ぎてましたね。
  
  教会にとってはフランス革命は悪でしかなかったようです。