2017/11/20 - 2017/11/21
197位(同エリア324件中)
ペコちゃんさん
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旅の2日目は、大井川鉄道のSLとトロッコ列車に乗って、奥大井の紅葉を楽しむ旅です。
奥大井といえば、1968年に寸又峡温泉の「ふじみや旅館」に金嬉老が立て籠った事件を思い出しますが、大井川鉄道は今や静岡の代表的な観光スポットの一つ・・・金谷~千頭間を走るSLの「大井川本線」と、千頭~井川までをつなぐアプト式鉄道の「南アルプスあぷとライン」は、マイカーで来て乗るのは面倒なので、バスツアーが一番です。
この日は山々の紅葉も見頃で、天気にも恵まれ、列車の旅を楽しむことが出来ました。
写真は、「奥大井湖上駅」があるレインボーブリッジに差しかかるトロッコ列車。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- クラブツーリズム
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2日目。
宿泊した「つま恋リゾート 彩の郷」の「ホテル サウスウィング」は、山の斜面を利用して建てられた4階建てホテルで、全客室テラス付き。 -
「森林の湯」で朝風呂に入った後、「レストラン ビュッフェテラス」で朝食・・・バイキングメニューも豊富で、美味しく頂きました。
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ホテルからSL始発の新金谷駅までは30分ほどなので、ホテル出発は9時20分。
時間があるので「つま恋リゾート 彩の郷」の広い敷地を散策。
これはレストランから見えた動物の像。 -
おしっこブルドッグの置物・・・愛嬌がありますね。
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その先に、神社がありました。
ホテルの敷地内に神社があるのは、初めての経験です。 -
小高い丘の上にあるのは、掛川市内にある「事任八幡宮」から、昭和50年に分霊された「事任神社」。
事任八幡宮は、大同二年(807年)に本宮山より掛川市八坂の現在地に遷座されたと伝えられる神社。
事任は「ことのまま」と読み、古くから願い事がかなう神社として崇敬されてきました。 -
つま恋ミュージックガーデンは、ミニコンサートや発表会が出来る多目的ホールや、音楽スタジオなどがあります。
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ミュージックガーデンの建物に囲まれた野外ステージは、緑に囲まれた屋外ステージ。
中央には、昨夜のイルミネーションで光り輝いていた「バラの球体ブーケ」。 -
ホテルを出発して、10時前に新金谷駅に到着。
SLの起点は、JR金谷駅ではなく、車両基地がある新金谷。 -
駅前の土産屋「プラザ ロコ」に入ると、SLが展示されています。
上の写真は、1921年にドイツで製造された「いずも」・・・一畑軽便鉄道から住友セメント七尾工場に譲渡されて活躍した後、大井川鉄道に再譲渡されました。
「いずも」の名は、山陰の一畑軽便鉄道に由来します。
下の写真は、1953年に製造された定員16名のミニ列車「Cスロフ1形」。 -
新金谷駅の転車台に展示された「C12形164号機」・・・昭和12年に簡易線用として経済性を求めて日本車両で製造されたSLです。
現役時代は岡山や長野を走っていました。 -
天気が良いので、SLの旅が楽しめそうです。
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これから乗車するSLが待機中・・・このSLは、昭和15年に川崎車両で製造された「C11形 190号機」。
昭和天皇の特別列車を牽引するなど活躍し、昭和49年に熊本で廃車となり、八代市の個人の方が所有していましたが、平成13年に大井川鉄道に譲渡。
2年近い大規模な改修を経て、平成15年から営業運転を開始した現役プレーヤーです。 -
左側は、昭和5年に川崎車両で製造された「C10形8号機」・・・昭和36年に会津若松区で廃車となりましたが、昭和62年に宮古市で “ SLリアス線 ” として復活。
平成6年に大井川鉄道に移籍し、平成9年より営業運転を始めました。
右奥は、昭和17年に製造された「C11形227号機」・・・昭和50年に北海道・標津線から大井川鉄道に移り、今もなお活躍し続ける大井川鉄道を代表する機関車。
大変優れた性能で、時速85キロの高速で走行出来ます。 -
昭和40年に近畿車両で製造された「16000系」電車・・・近鉄特急が大井川鉄道で普通電車として活躍しています。
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10時38分発のSL急行で、7つ先の「家山駅」まで乗車します。
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SLがいよいよホームに入線・・・我々を運んでくれるのは、先ほど車両基地で見た「C11形 190号機」。
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C11形はC10形の改良車として1932年から登場・・・薄鋼板部品の接合に電気溶接を採用して軽量化を図っています。
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SLに貼られたプレート。
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出発を待つSL機関室。
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観光客中心のSLには車掌さんが4名乗って、沿線の説明やお客さんの対応をしてくれます。
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いよいよ出発進行!・・・駅員さんも手を振って見送ってくれます。
後ろの電車は、南海電鉄・高野線の急行・特急用で使われていた「21000系」・・・高野山への急勾配を登り、河内平野を時速110kmで走行するという高性能を誇りました。 -
駅員だけでなく、沿線の皆さんもSLを見かけると、みんな手を振ってくれていました・・・何だか、嬉しくなりますね。
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客車は4人掛けのボックスシートと網棚、天井には古めかしい蛍光灯と扇風機、それに板張りの床・・・駅弁やSLグッズの車内販売もあり、まるで昭和中期にタイムスリップしたかのよう。
進行方向に向かって右側に乗るのがおすすめと駅の方に教えてもらいました。 -
静岡県は、全国の茶園面積・収穫量の約40%を占める日本一の茶どころ・・・大井川の扇状地だった牧之原台地とその周辺地域が最大の生産地で、大井川流域も延々と茶畑が続きます。
牧之原台地は石が多い赤土で、米作などには向かない不毛の土地でしたが、明治維新の後、多くの士族が入植・開拓し、茶樹を植える事が推奨されたため、現在のような茶畑が広がる日本一の製茶地帯になりました。 -
大井川と茶畑を交互に見ながら進みます。
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大井川は、南アルプス南部・間ノ岳に源を発し、赤石山脈・白根山脈の間を南下して駿河湾に注ぐ、全長168kmの一級河川です。
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いくつものトンネルを潜り、昔懐かしいSLの汽笛が響く中、車掌さんがSLの歴史や周りの景色について解説してくれます。
河原にはシラサギがいました。 -
千頭行きの急行の最初の停車駅・家山駅に到着し、下車してバスに乗り換えます。
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駅前にある島田市役所・川根庁舎。
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バスの中で「うなぎ弁当」を食べながら、奥泉駅に向かいます。
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12時20分に奥泉駅に到着。
30分ほどの待ち合わせで、12時58分発の「南アルプスあぷとライン」のトロッコ列車に乗り換えます。 -
この近くで縄文時代の遺跡(下開土遺跡)が発見されたことにちなみ、駅前ロータリーには縄文人の像があり、トイレは竪穴式住居を模した外観(下の写真)となっています。
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奥泉駅から寸又峡温泉まではバスで約30分。
今度は寸又峡に行って「夢の吊り橋」を渡ってみたいですね。 -
お茶農家の上の山も、美しい紅葉。
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奥泉駅の標高は386m。
トロッコ列車で奥泉駅から接岨峡温泉駅まで行きます。 -
千頭行きの上り電車が反対車線を通りました。
トロッコ列車といっても、通常の箱型客車の間にオープンなトロッコ1両が連結されており、すべての客車がトロッコではありません。
後ろから3両目がトロッコです。 -
我々が乗る井川駅行きの「関の沢」号が来ました。
全線ディ-ゼルで走りますが、「アプトいちしろ駅」~「長島ダム駅」間は、日本の鉄道路線で最も急な区間を登るため、「アプトいちしろ駅」でアプト式機関車を連結します。 -
「南アルプスあぷとライン」のシートは、1人掛けと2人掛けのBOX席。
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奥泉駅から少し走ると、大井川鉄道の絶景ポイントが見えてきました。
これは、大井川の峡谷にかかる、赤い塗装が印象的な高さ70mの「泉大橋」。 -
橋の下を通って列車は進みます。
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この辺りの山は、紅葉のオンパレード。
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「アプトいちしろ」駅で4分停車・・・ここで最後尾にアプト式機関車を連結します。
アプト式は碓氷峠が有名でしたが、現在ではこの路線が日本で唯一のアプト式鉄道です。 -
アプト式機関車が後ろからやってきました。
線路を見ると、2本のレールの間にノコギリの歯のようなラックレールが施設されています。 -
4分間の停車なので、列車から降りて連結作業を見れます。
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うまく連結できました。
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アプト式機関車の車体にあるアプト歯車のマーク・・・アプト式とは、レールの間に施設されたラックレールと機関車の車輪の間に備えられた歯車を噛ませながら急勾配を走行する仕組みです。
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アプトいちしろ駅から見える産業遺産「市代吊橋」・・・この吊橋は、昭和11年に木材輸送用の鉄道吊橋として建設されましたが、昭和29年に鉄道を井川まで延長する際に鉄道ルートが変更になったので、その後は通路橋として使われています。
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アプトいちしろ駅(標高:396m)と次の長島ダム駅(485m)の区間は、たったの1.5kmしかないのに、89mもの高さを登る、正に登山電車です。(写真はHPより)
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大井川沿いに曲がりながら、急勾配を登って行きます。
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後ろを見ると、アプト式機関車が頑張って列車を押してくれています。
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渓谷の眺めが乗客を楽しませてくれます。
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放水中の「長島ダム」が見えてきました。
大井川水系には13の電力発電用ダムがありますが、長島ダムは水力発電を行わない唯一の多目的ダムで、洪水調節・不特定利水・灌漑・上水道供給のために2002年に造られました。 -
また、大井川上流の山岳部は崩落が激しく、それによる河水の白濁化が問題でしたが、長島ダムと下流の大井川ダムで浄水するので、下流は綺麗な水が流れています。
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車掌さんの話では、放水は通常は1カ所からだそうですが、今日は2カ所から・・・ダイナミックな水煙が上がっています。
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長島ダム駅に到着。
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アプト式区間はここまで・・・お疲れさまでした。
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アプト式機関車は長島ダム駅で切り離され・・・
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帰りの上り電車のブレーキ役となって下って行きます。
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上り電車と下り電車が並んだ先にも、美しい紅葉が・・・
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長島ダムによって形成された人造湖は、2001年に「接岨湖(せっそこ)」と命名されました。
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紅葉は綺麗ですが、接岨湖は白濁状態。
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奥大井湖上駅がある「レインボーブリッジ」に近づいてきました。
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長島ダムから二つ目の「奥大井湖上駅」・・・その名のとおり、湖上に架かったレインボーブリッジの真ん中にある駅です。
人家も何もない、まさに観光用の駅ですが、「秘境駅」に数えられることもあります。 -
この駅は、路線の一部が長島ダムの建設によってダム湖に沈むことから、1990年に新線に移設された際、新駅として開業しました。
駅から線路に沿って遊歩道があり、線路も遊歩道も湖の上です。 -
鉄橋から湖面までは70m・・・今回は行けませんでしたが、この駅で降りて展望台に登ると、湖の上に造られたレインボーブリッジと奥大井湖上駅を見下す絶景が待っています。(写真はHPより)
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これは、ダム建設による切り替え前の旧線の橋。
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大井川の治水と利水に貢献する長島ダムですが、ダム建設によって本川根町の39戸が水没し、井川線も付け替え工事を余儀なくされました。
付け替えによってアプトいちしろ駅から長島ダム駅の間が急勾配となり、アプト式のラックレールが採用された訳です。 -
2000年に竣工した「接岨大吊橋」・・・長さは240m。
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接岨峡温泉駅で下車・・・駅毎に標高が少しずつ上がり、ここは496m。
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大井川の流れに沿って山間を縫うように走る「南アルプスアプトライン」は、全線の1/3がトンネルと橋梁・・・接岨峡温泉駅も、このトンネルを出た所にあります。
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こんな里山の景色を見ると、またゆっくり来てみたくなります。
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バスの駐車場から対岸をよく見ると、宮沢橋が見えます。
水平距離が62m、真ん中あたりの高さが約29mで、日本一の階段式吊り橋だそうです。 -
2日間お世話になったバス・・・ドライバーさん、帰りも安全運転でよろしくお願いします。
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川根町の農家の軒先に吊るされた干し柿・・・のどかな里山の晩秋の風景ですね。
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帰りも島田金谷ICから新東名を走ります。
行きは曇りで見えなかった富士山が、夕日に染まって神々しく見えます。 -
そして、駿河湾のサンセットも見事。
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新東名の駿河湾沼津SAで小休止。
新東名のSAやPAは新しく、店内も充実していて、見て廻るだけでも楽しいものです。 -
そしてここから見る沼津市内の夜景も、なかなかのものです。
東海地方の紅葉を巡る2日間の旅も終わりですが、寸又峡・接阻峡がある奥大井は、もう一度訪れたくなる秘境でした。
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