2017/08/30 - 2017/09/03
84位(同エリア335件中)
くろへいさん
毎年イスラム世界で開催されるイード・アル=アドハー
モスリムにとってはお正月のようなワクワクするお祭りで、日本語では別名「犠牲祭」ともいふ。
ヒジュラ暦の12月10日から4日間にわたって行なわれるそうだが、今年は西暦の9月1日から4日間なのだ。
この祭典にあわせて、バングラデシュでは多くの家畜が屠殺されるが、国内では賄いきれずに、隣国インドから大量の牛や羊、山羊を連れてくるのだ。
バングラデシュの首都ダッカも例外ではなく、元々人口密度が世界一の超過密都市に数えきれないほどの家畜がやって来るのだ。
これら大量の家畜が路上で屠殺を待機しており、人も家畜もごちゃごちゃのカオスと化してしまうのだ。
そして、いよいよイード・アル=アドハーが始まると、ダッカの街中の至る所で屠殺がはじまる!
凄まじい血潮が飛散し、誇張では無く本当に道路が血で真っ赤に染まるのだ。
という訳で、凄まじいという噂の真実を確かめに、くろへいはダッカの空港に降り立った。
★2日目
犠牲祭前日に帰省ラッシュの鈴なり列車を撮り鉄し、午後は市内に戻り対岸のスラムの一画にあるship breaking yardと呼ばれる周辺を観光。
撮り鉄の次は撮り船と一日で鉄オタと船オタのひとり2役
珍しくアクティブな一日なのだ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 1.0
- グルメ
- 1.0
- ショッピング
- 1.0
- 交通
- 1.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
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撮り鉄後トゥクトゥクで市内に戻りました。
取りあえずオールドダッカでチキンビリヤニを食べて体力をつけます。
いつもなら冷えたビールでスタミナをつけますが、此処はムスリムの国なのでダメ。
ミネラルウォーターで喉の渇きを癒します。 -
目指すShip breaking yardは対岸の一画にあります。
橋が無いので、ボートタクシーで対岸まで渡ります。 -
因みに船は人力
大型フェリーターミナルに隣接したタクシースタンドで船頭さん達と交渉
片道100タカ
ちょい高いような… -
水害大国のこの国では、多くの船が国内各地の都市を結んでいます。
人力ボートの傍を大型フェリーが大迫力で通過します。 -
ようやく対岸に近づいてきました。
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ひょうきんなスラムのお友達
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さっそく老朽化した船が出迎えてくれます
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赤錆びて老朽化した船が何隻も陸に揚げられ、此処で解体されていきます。
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これらの船は、世界中を航海した末に解体費用が安価な超貧国でその寿命を全うします。何と、世界中の全ての船舶の約80%がバングラデッシュで解体されるそうです。
因みに、この国で解体される船の多くはインド洋に面したチッタゴン沿岸で解体されますが、中型船の一部はベリガンガ川を遡ってダッカ市近郊のこの場所で解体されます。 -
チッタゴンの「船の墓場」と比べると、若干スケールが小さいようですが、それでも赤錆た船がゴロゴロ並んでいる姿は爽快な風景です。
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これらの解体船を先頭にしてスラムが形成されています。
此処で働く労働者は世界で最も過酷で危険と言われ、4-5年前にナショナルジオグラフィック社がその実態をレポートしたのをきっかけに、海外メディアによる取材は非常に難しくなりました。 -
これら解体業を管理しているマフィアや行政にしてみれば、現場をメディアで紹介される事で、児童就労や環境破壊等西側諸国の連中やNGOが騒ぐので規制が入るようになったそうです。(スマホのカメラはOKだけど一眼レフはダメとか、場所によって規制は異なる)
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おおっ
少年労働者諸君、今日もお疲れ様でした!
仕事をやり遂げた達成感から、ガキんちょのくせにイッパシの労働者風の顔つき。
事故だけは気をつけろよ! -
ちょっと写真に動きが欲しかったので、マシュマロ一袋で走って貰いました。
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この日は犠牲祭前日にあたり、船の墓場で働く人の殆どは既にお休み。
お蔭で、当局や管理者への申請も無く、勝手に歩き回れます。
オフィシャルに取材申請すると難しいモンですが、実際に行けば何とかなるかも。 -
スラムと呼んでいますが、実際には解体業を生業にした人達が住むドヤ街という印象。
児童就労といっても、彼らには現金収入がある為、線路脇のど貧乏の硬式スラムに比べると汚物や腐敗物も無く、町として機能している感を受けます。 -
これらの廃材を殆ど手作業で解体しています。
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多くの店舗や工場はクローズしていますが、何軒かは営業中。
此処はサーチライトばかりを売っている専門店です。 -
この工場は摩耗した部品を再度研磨して再加工しています。
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危険な雰囲気は無く、自由に撮影させて貰っています。
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此処が船の墓場のオペレーションセンター
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何千 何万トンもの船を重機で手繰り寄せます。
凄い光景だ。 -
ちょっと怖い
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シュールな光景
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肉体労働者発見!
爺さんみたいだけど、凄いマッチョな筋肉。 -
此方の方も負けずにマッチョ!
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肩に背負っていた鉄パイプを下して撮影に応じてくれました。
けっこうノリノリです。 -
ご協力ありがとうございました。
それにしても、この鉄管だけで何キロあるのだろう? -
船と船の間に道があったり
ちょっと迷路ぽい箇所もあって楽しい… -
-
少し上流に移動すると、そこはボートタクシーの造船工場
ひとりでボートを造船してます。 -
おっ先ほどのマッチョ君
さらばじゃ
事故には気をつけろよ! -
この一帯は船の給油所
廃液や腐食したドラムから廃液が川に流れています。 -
-
給油場のすぐ隣で生ごみを燃やす焼却場が
マニラのスモーキーマウンテンみたいに、ダラダラとゴミを燃やしていますが、給油場に引火したら大変な事に… -
船の近辺にも引火しているし…
これも日常なのかな? -
川の岸辺はコールタールでドロドロ。
得体のしれない液体が表層を覆っています。 -
ボートの造船場かタクシースタンドか分かりませんが、とりあえず声を掛けてきた船頭と交渉して対岸に戻ります。
-
「新車だぜ!」
得意げに船頭の勧めるボートタクシーに乗り込むと…。
両手が塗り立てのコールタールで真っ黒ドロドロ。
洗えば落ちるのでマイペンライ。 -
という事で、午前に撮り鉄と午後に撮り船の贅沢な一日を過ごし、夕陽を浴びてキラキラ水面が輝くベリガンガ川を背にしながら混沌としたダッカの街に戻りました。
いよいよ明日は犠牲祭です。 -
Ship breaking yard
通称船の墓場と呼ばれる解体場所はチッタゴンが有名ですがダッカにもあります。
然しながら、此処は解体業を生業にする人達が居住するドヤ街でもあります。
少年労働者もいれば、両親の生業のお蔭で学校に通う子供達も生活しています。
此処で就労している人達の多くは快く撮影に応じてくれたばかりか、チャイまで御馳走になったりしました。
それは当初抱いていたイメージとはかけ離れ、くろへいにとっては素晴らしい被写体に囲まれた貴重な体験でした。
然しながら、誤解の無い様に伝えたいのは「此処は観光地では無い」という事です。
幸い無事に帰って来る事ができたからといって、そこがいつも安全という保証は何処にもありません。
多くの人達はフレンドリーでも、必ずしも全員がウェルカムで旅行者を迎えてくれる訳ではありません。
もし、どうしても興味があれば地元でガイドを雇い、且つ4Gで自分の位置を常に把握できる状態にし、現地の人には敬意を持ちながら接する事が重要と思っています。
とても海外旅行初心者や女性にはお勧めする場所では無いので、予めご理解下さい。
くろへい
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この旅行記へのコメント (2)
-
- morisukeさん 2017/09/29 23:39:52
- こいつはスゴイ
- くろへい様
すごいもの見せて頂きました。バングラディシュと言えば船の解体、チッタゴンでは航空写真にその姿がはっきり写るほど有名ですが、ダッカ近郊でも解体が行われているのは知りませんでした。
船の解体現場も臨場感がたっぷりですが、それを上回るのは生き生きとした現地の人達の表情でしょうか (*゚∀゚)b やっぱバングラは「人」の国ですね。
スラムに飛び込む勇気は然ることながら、フォトグラフのアングルや躍動感、ただただ見入ってしましました (o´Д`)=з
またスケール感の違う旅行記を拝見できるのを楽しみにしております。
Mori Neko
- くろへいさん からの返信 2017/09/30 17:14:56
- RE: こいつはスゴイ
- モリネコさま
コメントお寄せ頂きありがとうございます。
モリネコさまの旅行記は旅のスタイルや行先も似ており時々参考にさせて頂いております。
写真の構図や色彩にもちかいものを感じており、似た者同士の匂いがします。
まあ、小生の方が男前だとは思いますが…
チッタゴンの船の墓場ですが、実は半年前から潜入取材を試みておりました。ようやく現地の写真家の力添えで実現するところでしたが、突然のフライトキャンセルでダメになりました。
その後、ダッカにも小規模ながらある事を聞きつけ、犠牲祭のタイミングでバングラ入りをして撮ってきました。
写真の題材とすれば宝の山のような国ですが、ビール&酒類を気軽に飲める場所が無く、アル中のくろへいからすれば地獄のようにハードでした。
(ビアシン10缶&ジン1本ハンドキャリーしましたが)
BKKから僅か2時間と弾丸旅行が可能なので、これからもリピートして行きたいと思っています。
ではでは
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