2017/08/31 - 2017/09/04
104位(同エリア336件中)
くろへいさん
毎年イスラム世界で開催されるイード・アル=アドハー
モスリムにとってはお正月のようなワクワクするお祭りで、日本語では別名「犠牲祭」ともいふ。
ヒジュラ暦の12月10日から4日間にわたって行なわれるそうだが、今年は西暦の9月1日から4日間なのだ。
この祭典にあわせて、バングラデシュでは多くの家畜が屠殺されるが、国内では賄いきれずに、隣国インドから大量の牛や羊、山羊を連れてくるのだ。
バングラデシュの首都ダッカも例外ではなく、元々人口密度が世界一の超過密都市に数えきれないほどの家畜がやって来るのだ。
これら大量の家畜が路上で屠殺を待機しており、人も家畜もごちゃごちゃのカオスと化してしまうのだ。
そして、いよいよイード・アル=アドハーが始まると、ダッカの街中の至る所で屠殺がはじまる!
凄まじい血潮が飛散し、誇張では無く本当に道路が血で真っ赤に染まるのだ。
という訳で、凄まじいという噂の真実を確かめに、くろへいはダッカの空港に降り立った。
★3日目
いよいよ犠牲祭当日
まるでお正月のようなワクワク感が朝から街全体を包んでいる。
女の子達は着飾り、男達は正装に着替えてモスクで祈る。
ほぼ全ての店舗がお休みとなり、この日は家族全員で犠牲祭をお祝いするのだ。
本日のメインイベントは何といっても国立モスクを埋める大勢の人達。
サウジのメッカを除くと、これだけの大勢の人々が一堂に会して礼拝する光景は今日この日、この場所しか無いのだ。
そして、朝のアザーンの声と共に始まる屠殺。
街全体が血に染まるという噂は本当なのか?
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 1.0
- グルメ
- 1.0
- ショッピング
- 1.0
- 交通
- 1.0
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犠牲祭当日
殆ど効かないエアコンのせいで、寝苦しい夜を過ごしましたが、今日が本番です。
今日はリキシャに乗って国立モスクを目指します。 -
「ハイ、ジャパニ何処行くんだ?」
モスクだよモスク
お前らもモスクに行けよ! -
モスクの近くで可愛らしい姉妹を発見!
犠牲祭当日は皆さんお洒落に余念がありません。 -
国立モスク到着
午前8時のサラート(礼拝)に合わせて市民がモスクに集まりはじめました。 -
皆さんが礼拝する先は、勿論メッカの方向です。
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モスク1階のウドゥー(洗い場)の横です。
正式には、ウドゥーにも作法があります。
手を洗う(3回)
口に水を含みすすぐ(3回)
鼻の穴に水をいれそそぐ(3回)
顔を洗う(3回)
手首からひじまで、左右の順に洗う(3回)
手をぬらし額からうしろの方向に髪をさわる。
続いて、人差し指で耳の穴をさわる。
足を洗う(足くびまで3回)
実際には、結構いい加減にやっている人が殆ど -
礼拝に備えて撮影場所を決めます。
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長時間の露出でスローモーション風な表現を狙って、礼拝前に何度かテストします。
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このモスクは写真家の間では有名。
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事前に国立モスクで撮られた作品をweb上で検索し、他の写真家と異なる表現を模索します。
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そこで長時間露出によるスローモーションで異なる動きを画面の中で作り出せるように工夫したいと思います。
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礼拝中のラクアト(礼拝動作)を撮る為に、適切なシャッター速度を探ります。
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かなりの人が集まりました。
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あと10分ほどでイカーマ(礼拝)がはじまります。
ここで撮影場所を正面に移ります。 -
午前8時ちょうど
アザーンを略したイカーマという祈りに合わせて全員起立 -
シャッター速度2秒で撮影
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タイマー2秒
シャッター速度2秒で撮ります
まだ早いか…? -
シャッター速度3秒
まだ少し早く動きが鈍く感じます。 -
5秒でようやくイメージしていた動きに近づいてきました。
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最期にサジダという頭を地につけておじぎをする動作を狙いましたが、タイマーを解除するのを忘れて逃してしまいました。
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2時間後の礼拝で再挑戦
今度は上手くいきました。 -
起立時には前回の感触で5秒に設定
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成功です。
サジダの動作に入る直前に、タイマーからA優先に切り替えて撮りました。
平凡ですが、イメージ通りに撮れたので満足! -
イチオシ
今度は3階に上がります。
2階は自然光で1階は白熱灯と色温度が異なる構成と俯瞰した構図で撮ってみました。
おそらくこのコンセプトでこの場所を撮った写真は記憶に無いので、個人的には大成功! -
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吹き抜けの上から1階を撮りました。
どうしてもシャンデリアの光源が強く、露出もピントも光源に引きずられるので全てマニュアルで設定。
身を乗り出してファインダーを覗かずに撮影しました。
技術的に一番難しかった一枚。 -
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2階に下りて、次の礼拝に備える人達を撮らせてもらいます。
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けっこう可愛い被写体ですが、子供がカメラ目線になってしまい、ようやく撮れた一枚。
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アザーン前にも関らず熱心に祈りを捧げる人達
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バングラの人達は、異教徒のくろへいをモスクに入れて頂き、好きなだけ撮影させてくれました。
様々な無礼をお許し下さい。 -
充分撮りつくしたので一旦ホテルに帰ります。
往路はリキシャに乗りましたが、帰路は犠牲祭で繰り広げられる路上の屠殺風景を眺めながら徒歩で帰る事にします。 -
くろへいがモスクで撮っている間、街中では犠牲祭の屠殺が始まっていました。
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路上では10mおきの間隔で牛が屠殺されています。
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「やべー 次は俺かい?」
そんな牛の声が聞こえてきそうです。 -
「フォットミー」
声を掛けられた方を見ると牛の頭が…
牛に声を掛けられたかと一瞬勘違いしました。 -
革を剥くと体を包んだ脂が白く写ります
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喉を切られ、頭部を皮一枚残して切断された牛。
大量の血が飛翔し、くろへいの服にも顔やカメラにも血が付きます。
断末魔に両脚が激しく動く瞬間を撮りました。 -
絶命しました。
-
「This is not genocide.」
(これは虐殺とは違う)
吐き気を堪えながらシャッターを切る傍で、誰かが英語で話しかけてきました。
「Yes I agree you, we can life by their sacrifice.」
(そうだね、彼らの犠牲で僕らは生きている)
そう答えると
彼は満足そうに頷きました。 -
因みに、屠殺された家畜は料理して家族や友人知人に振舞います。
1/3は貧者に与え、犠牲になった家畜の一部は金品に替えてはならない。
というイスラムの掟があるそうです。
この国に住む多くの貧しい人々が唯一肉を食べる事のできる日が今日です。 -
それにしても目を塞ぎたくなる様な光景ですが、吐き気を堪えながらシャッターを切ります。
凄まじい臭気と獣臭、路上は文字通り血に染まり、履いている靴はどす黒く変色しました。 -
大量の血に染まる路上
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全ての肉塊を取り除き、残った部位が血の中に置かれています。
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剥ぎ取られた皮は、なめし革として利用されるため業者が回収します。
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各路地毎に皮を集めて、その後荷車やトラックで回収されます。
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ホテルのそばにあるゴミ捨て場。
此処では、ゴミ箱に捨てられた大腸をホームレスが奪い合っていました。
もの凄い腐敗臭の中、糞に塗れながら大腸を奪い合う光景を撮る前に、ついに堪えきれず吐いてしまいました。
これは、大腸大合戦の後に大腸から出た糞をゴミ箱に戻す人。 -
ホテルの裏のスラムで喜捨された肉を料理して食べる人達。
年に一度だけお腹いっぱい肉を食べる事ができます。
今日も朝から活動し、何度も吐いたお蔭で空腹になりホテルに戻りました。
エアコンの効いたホテルのレストランで頼んだのはベジタブルスープ。
「今日くらいは肉を食べないで過ごそうかな…」
ダッカに来て、少しナーバスになってしまったかもしれません。
しかし、まだまだダッカには見なければならない場所があります。
つづく
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