2017/09/09 - 2017/09/11
21位(同エリア39件中)
ミータさん
通り過ぎることが多かった大槌町。今回、ようやくこの街に泊まることができた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今回の東北復興応援の旅は、この本がきっかけとなった。
自殺率日本一だった秋田県で自殺者対策の相談所を立ち上げた
佐藤久男さんの活動を紹介したルポルタージュである。
東日本大震災後、釜石周辺にも出張して相談に乗っている。 -
その本の中に『絆館』という一章がある。
幕末の頃に創業した老舗旅館を津波とその後の火事で失い、
その後仮設で旅館の営業を再開した女将さんのことが書いてある。
震災前は単に小川旅館といい、仮設での再建の際に『絆館』が付け加わって、
小川旅館 絆館(https://ogawaryokan.jimdo.com/)となった。小川旅館 宿・ホテル
-
和室もあるが洋室のシングルに泊まる。
-
洋室にはシャワーが付いているが、仮設の建物なので設備は最小限のものになる。
お風呂は共同になるが、他に宿泊者がいなかったので気兼ねなく入れた。
いえ、他に宿泊者はいないのにわざわざお風呂を沸かしていただき、
申し訳ない気もした。 -
16:00過ぎにチェックインしたので、周辺を散策する。
小鎚神社。小鎚神社 寺・神社・教会
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現在の町役場。
町の中心部が津波やその後の火災の被害を受けほとんど壊滅状態だったのに、
町役場が立派過ぎると思われる人もいるかもしれない。
被害を逃れた学校の建物を利用しているからだそうだ。
元の町役場は津波の被害を受け、多くの職員が命を落とした。 -
その現在の町役場の横から城山に登る道が出ている。
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「城山」という名前の通り、高台には元々はお城があったそうだ。
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高台から見下ろすと、新しい家がほんの少しだけ建てられているのが見える。
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大槌町は津波の被害が特に大きかった町の一つで、
震災から6年以上経過してようやく宅地造成がある程度進んだ。
本格的に家が建つのはこれから。 -
電信柱と電線ばかりが目立ち、建物はごくわずか。
それでも何もない荒涼としたが景色が広がっていた頃よりは
「復興」が進んだといえるのだろう。
復興応援で何度も三陸地方を訪れ、
宮古と釜石の間にある大槌町も何度か通り過ぎたが、
ほとんど立ち寄ることはなかった。
2016年の5月に蓬莱島を訪れた程度である。
蓬莱島を訪問した時のことは↓参照
http://4travel.jp/travelogue/11130254 -
大槌町の被災した旧町役場。
何度かバスで側を通り過ぎたが、近くでじっくり見たのは今回が初めて。
津波の被害だけでなく、年月を経て風化でさらに崩壊が進んだように見える。
今まであまり大槌町に立ち寄らなかったのは、
町の中心が壊滅状態でほとんど何もなく、
仮設商店街は奥まったところにあり、
「復興応援の為にお金を落とす」ことが難しそうだったためだ。
インターネットで調べても情報もあまりなかった。
隣の山田町が割と早い時期に仮設の「やまだ観光物産館とっと」を造って、
インターネットで情報を発信していたのに比べると、
もう少し何とかならないのか気になっていた。
いや、私も情報を得る努力が足りなかった。 -
夕食は家庭的な料理がいくつも並んでいる。
私の為だけに用意してもらい、申し訳ないやらありがたいやら。
テレビでは東日本大震災から6年半ということで、
未だに仮設住宅に住んでいる人が2万人以上いるとか、
「語り部ツアー」の参加者がピーク時より40%減っているとか、
震災関係のニュースがいくつか取り上げられていた。
私は年に数回程度だが三陸地方を訪れているので、
復興がまだ十分に進んでいないことを実際に見ているし、
まだまだ「復興応援の旅」を続けなければと思う。
でも、6年半の歳月が経過し、
「被災地」とその他の地域の意識の差は大きくなっている、
被災地以外の場所では「風化」が進んでいることも感じている。
私の中でも「風化」が進みそうになるから、
定期的に三陸地方を訪れているとも言える。 -
朝、窓から外を眺める。
奥に”MAST"という看板が見えるが、
スーパーや飲食店の入ったショッピングセンターである。
大槌町にお金を落としたければ、あそこに立ち寄れば良かったのだ。 -
朝食も品数が豊富。
8時過ぎのバスに乗りたかったので、早めに宿を出る。 -
バスで終点の「道の駅やまだ」まで行く。
今は運行休止中の山田線の線路。
JRから三陸鉄道に運営を移され、2019年に運行再開予定。
しかし、線路が流された場所も多いし、
設備を整えても沿線人口が減少している中、
運営を維持していくのは大変なことである。
観光客がどの程度やってくるのか。
埼玉からは釜石や宮古もかなり遠いのだが、
山田町や大槌町に行くのは本当に大変なのだ。 -
線路を渡ってたどり着いたのは「鯨と海の科学館」
津波で被災し長い間閉館していたが、2017年7月の再開した。 -
入場料は大人300円。
-
大きなマッコウクジラがお出迎え。
これだけでも300円の入場料の元が取れる。
津波で館内もかなりの被害を受け、
周辺には瓦礫の山が築かれていたが、
多くのボランティアの協力があり、
再開にこぎつけることができた。
そのボランティアの活動を紹介するスライドとか見ていたら、
思いの外、時間が経っていた。 -
マッコウクジラの全身像。
全身を写真に収めるのは結構大変だった。 -
鯨の骨格標本。
奇跡的に津波の難を逃れた。 -
正面から見た鯨の骨格標本。
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鯨の鬚にはさまれて記念撮影ができるコーナーもある。
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鯨の肋骨のトンネルを通ることもできる。
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鯨を使った工芸品の展示もある。
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津波の被害の様子。
バスの時間が近付いてきたので、かなり駆け足の見学になった。
本当は道の駅で買い物をする予定だったがその時間も無くなってしまった。
バスの本数が少ないので、どうしても慌ただしくなってしまう。 -
バスの車窓からオランダ島を眺める。
牡蛎などの養殖いかだも見える。オランダ島 名所・史跡
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山田町の中心部は商店の再建も進み、
2019年の鉄道再開に向け駅や線路の建設が行われていた。 -
何度も訪れているけど、今回もやまだ観光物産館「とっと」に立ち寄る。
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ここは一人でも、予約なしでも海鮮焼きが楽しめる(ただし種類は少ない)。
牡蛎もあったが、シーズンには早いのでホタテ貝だけにする。 -
大きなホタテが1個300円。
コンロ代が250円で計850円。 -
それでは現在の山田線の様子を。
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2019年の運行再開に向け工事中。
沿線住民が減少している中、その建設費用、
再開後の経費をどうやって賄っていくのか。
JRは赤字路線を切り捨てる。
頑張れ三陸鉄道。
鉄道再建に向け三陸鉄道オーナー募集中↓。
http://www.sanrikutetsudou.com/?page_id=6871 -
津軽石駅の駅舎。
津軽石駅 駅
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昼前に宮古に到着。
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お昼はここ魚元さんに。
やはり津波で浸水したそうだ。魚元 グルメ・レストラン
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800円のランチはお刺身や焼き魚などが並んでいる。
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時間がないので三陸鉄道北リアス線には乗らない。
代わりに売店でお買い物。
13:05のバスで盛岡に向かう。 -
帰りの新幹線の中で小川旅館絆館からお土産にもらったお菓子をいただく。
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今回買ったもの。
季節限定の栗のかもめの玉子。
三陸鉄道の「赤字せんべい」や「かりんとう」。
食べる三陸鉄道支援も行う。
終わり
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この旅行記へのコメント (4)
-
- ほいみさん 2017/09/21 23:12:18
- もう6年半
- になるんですね。
時間が経てば経つほど、地震と津波の被害の深刻さが分かります。
6年といえば小学1年生が中学生になっちゃうわけで、そりゃ避難先に生活の場が出来ちゃって当然。新たに家を建てて帰るってことは現実的じゃないかも。
私とシフォンも、今年も東北を走ることになるかもしれません。これで最後かなぁ・・・シフォンは。
- ミータさん からの返信 2017/09/22 08:20:13
- RE: もう6年半
- 復興住宅なども建てられていますが、
入居後数年経てば家賃の負担がかなり増える場合があり、
住み続けられない人もいるという新聞記事もありました。
本当に時が経てば経つほど、震災からの復興の難しさを感じます。
車なら福島の浜通りも行くことができますね。
あそこにはなかなか行けないので、気になっています。
-
- くろねこだりゅんさん 2017/09/13 17:14:26
- 大槌町の今
- 前篇・後編と続けて読ませて頂きました。
今回も「復興応援の旅」お疲れ様でした〜(*^_^*)
あれから6年半、早いような長かったような…
こうやって毎回三陸の街を旅しているミ〜タ様にとってはもどかしく思われる部分も多いですよね。
今回特に感じたのは被災した街でも復興速度に違いが出てきたように思います。
人が戻らない…深刻です。
若い方は生活基盤が避難先で定着してしまっているので、戻られるのはある程度の年齢を重ねた方がどうしても多くなる。
以前住んでいた方々が戻っても安心して生活できる魅力的な街づくりを行政も頑張っているとは思うのですが…やはり風化させずに応援しつづける事が大事なんですね。
ホタテ相変わらず美味しそう♪
三陸は食べ物がおいしくてどれをお腹に入れようか迷いますね(笑)
カモメの玉子栗版〜黄味の部分に栗入りかな?
- ミータさん からの返信 2017/09/13 19:25:35
- RE: 大槌町の今
- 東日本大震災から6年半。
「もう6年半」なのか「まだ6年半」なのか。
私もテレビのニュースを見るまで、
6年半目ということに気付きませんでした。
被災地応援の旅=お金を落とす旅と続けてきましたが、
そう何度も行けないし、落とせるお金も限られるし、
個人の力では限界を感じます。
だから、こうやって発信することが大切だと思っています。
復興が進んでも色々な問題があり、
震災前と同じような生活に戻るのは難しそうです。
「かもめの玉子」はまだ食べていないので、
中がどうなっているのかはこれからのお楽しみです。
他にもりんごやチョコのかもめの玉子も売っていました。
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