2017/08/21 - 2017/08/22
2808位(同エリア6844件中)
おこめさん
ハッとするような魅力的な女の子,映画のシーン,書籍の表紙.辿ると必ず行きつく名前が近藤勝也さんでした.本展の開催を知った時は一体何のご褒美だろうと思って,神様とか新居浜市とかスタジオジブリに感謝しながら,そわそわ待ちわびる時間さえも幸せで.そういえば2年前の夏にも,その時は近藤喜文さん展を観に香川まで行ったのです.四国には舞台のモデルとなる場所が所々にあったり,なにかとジブリと縁深い土地です.
加えて愛媛まで行くのならいっそ,かねてから見たかったあの子がいる最南端へとひとっ走り.が,遠かった.
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
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物理的にそう遠くはない筈なのに,どうしても交通手段で足踏みしてしまう四国ですが,今回は丁度よくJALのマイルがあったので飛行機で松山空港へと向かいます.機内本は『坊っちゃん』でも『坂の上の雲』でもなく,343空の菅野直.
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到着ロビーを出てすぐ,蛇口からみかんジュース.愛媛都市伝説がここに.
松山空港 空港
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空港からシャトルバスにて道後温泉駅へ.元気があれば松山市内で降りて,とも思ったのですが,明日のことを思うと体力優先.ここは温泉地らしくのんびりすることにします.
道後温泉駅 駅
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ハイカラ通りを歩きながら,顔抜きパネルの多さに苦笑.商店街の方々の渾身の一作でしょうが,ごめんなさい,ひとり者にはハードルが高くて.入ってすぐの坊っちゃん&マドンナにはじまり,みかん,坊っちゃん団子,タルトもあったでしょうか.
道後ハイカラ通り (道後商店街) 市場・商店街
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とりあえず,千と千尋の神隠しの湯屋のモデルとしてぐんと知名度の上がったであろう,道後温泉本館を拝みます.湯屋の像が先行して,勝手にそびえ立つ大層なイメージを持っていたのですが,思ったより小さな3階建ての建物でした.
道後温泉本館 温泉
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近くのどんぐり共和国,東電鉄のバス停がちゃんと道後温泉になっているのがにくい.そしてここにもどんぐりの顔抜きが.
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夜の方が湯屋の雰囲気が出ますね.庇越しに見える透かしの入った電灯のデザイン,蚊取り線香の交じった夏の匂い,この既視感は,お盆に行った田舎の祖父母の家にも近い.休憩所には入らず,少し熱めのお湯のお風呂だけいただきました.
道後温泉本館 温泉
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お向かいのお寿司屋さんで風呂上りの1杯のつもりが結局ごはんまで,松山鮓.ちらし寿し好きなのです.
すし丸 道後店 グルメ・レストラン
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宿に戻り,蛇口からみかん再び.これがしたくてこの宿に決めたと言っても良いのですが,名前も知らない色とりどりの野菜が何十種類も並んだ朝食バイキングが素敵で,近年自制できるようになったと思ったのに,まあ食べ過ぎました.時間替わりで登場するおもてなしの品も楽しかったです.
道後 やや 宿・ホテル
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坊っちゃん電車は眺めるだけ.伊予鉄道で松山市内に行き,レンタカーを借りて今日は走ります.遠方でのひとり長距離ドライブは初めてですが,頑張るしかありません.
坊っちゃん列車 (伊予鉄道) 乗り物
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松山から約1時間,新居浜市総合文化施設内にある,あかがねミュージアムに到着.手前に見えるミュージアムのロゴも,新居浜ふるさと観光大使である近藤勝也さんが手がけたものです.
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ここではジジが道案内を.
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児童期に描かれた絵画より始まる展示は,数々のジブリ作品を経て,多彩な現在の仕事までをほぼ網羅します.スタジオジブリという大樹の傍に常にいながら,どうしてかそれとわかってしまう勝也さんだけの色,手つきに吸い寄せられてきました.
アニメーターの方に対し言ってしまっては本末転倒ですが,原画もキャラクタースケッチも,その美しさに他の手を加えて映画になることが勿体なく思え,でも一方で,この方の描いた映画がまだまだ観たいとも切に願う.抑えがたい思慕は時に矛盾をはらむのです. -
バス停を越えた別室には,旧スタジオジブリ時代と思わしき,若かりし日の写真が展示されていました.ここまで来るともはや,勝也さん自身の姿にどきどきしてしまうような勘違いが生じる程.
この心配になるほど細い腕で,こんなにも素敵な子が,作品が生み出されてきたのかと,思わずしみじみと浸ってしまいます. -
ミュージアム自体,まだ完成して日が浅いそうで,白くシンプルで円弧の美しい好みの建物でした.大した教養も高貴な嗜みもなく生きていますが,それでもやはり大好きな絵画や音楽を愛でる時,器となる建物が鑑賞に与える影響は大きいと思うのです.
新居浜太鼓台が静かに鎮座しており,なんだか神々しかった. -
さて,うっとりを抱いたまま,ラジオの高校野球中継を友達に走ること3時間弱,県の南西端へ.宇和海展望タワーを正面に臨みます.塔があれば上るがポリシーですが,展望台に位置するここまでで十分上がってきた感があるので,もういい.
宇和海展望タワー 名所・史跡
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ありました,局地戦闘機 紫電改!松山を拠点とした343空,通称剣部隊の精鋭達を乗せ戦った終戦間近の幻の新鋭機が,日本では唯一この愛南町に展示されています.
これ,さりげなくA15と書かれているのは隊長機…?だったら黄色いラインを書き足してあげたい.紫電改展示館 美術館・博物館
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やはり零戦と比べると骨太,でかっという安直な感想がまず.機体は昭和20年7月,豊後水道上空にて交戦後,未帰還となった6機のうち誰かのものであると言われています.取り出されたパーツも細かく陳列され,自動空戦フラップの仕組みも拝めて,わからないながらも興味深い.なんとなくわかる気もする.気だけ.
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久良湾より引き上げられた時の写真.搭乗員を特定して示す証はどこにも残されていなかったそうです.引き上げの際には,6人の遺族の方々も駆け付け見守られたそうですが,果たして我が子の,兄の,夫の乗った機体であると思いたかったのか,否定したかったものか.彼女らの胸中を思うと,喉の奥がつかえます.
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当時の松山基地を摸したジオラマなんてもあり,やはりつい隊長機を探してしまう性.実は紫電改自体はそう好みの飛行機ではないのですが,菅野直が好みなのです。あと343空,各前線からエース級の戦闘機乗りを集めて編成された部隊という誕生背景だけで,もうまっしぐらに追いかけていける.どうせこんな旅,誰も巻き込めやしないのだから.
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帰りも一目散に走るだけ.伊予灘に落ちる夕日.ゴールまであと少しです.さすがに疲れました.無料道路と高速の境を見極められず,道の駅に寄り損ねたのが失態.あと1みかん,2みかん位堪能したかったのですが.
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行く時は慌てていてよく見なかったのですが,松山空港にあった大きな展示物は,訪れた新居浜の太鼓台でした.膝元には近藤勝也展の割引券が.しまったなあという思いもありますが,敬意を示すものにはきちんと対価を払いたいと思っていますので,本当に目にできたことが幸福でした.それを思うと,紫電改,あれだけのものを無料で見せてもらえてなんだかすみません.
松山空港 空港
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