2017/07/01 - 2017/07/01
11位(同エリア271件中)
かっちんさん
室蘭は、明治時代より「鉄のまち」、「石炭の積み出し港」として発展してきました。
噴火湾と太平洋の境に突き出た絵鞆(えとも)半島は、太平洋側に風光明媚な断崖絶壁が続き、噴火湾側に室蘭港とそれを取り囲む工場群、商業の町があり、海岸町には明治・大正・昭和のレトロな建物がわずかに残っています。
室蘭港湾口を跨ぐ「白鳥大橋」は東日本最大のつり橋で、平成10年(1998)に完成。美しい夜景の一つになっています。
旧室蘭駅舎は明治期の洋風建築駅舎です。室蘭本線で使われていた鉄道用品の展示コーナーでは懐かしいものが見られます。
今日の午後は、絵鞆半島先端にある道の駅・絵鞆岬から、レトロな建物と旧室蘭駅舎を訪ねます。
旅行記は、室蘭観光情報サイト、北海道近代建築研究会編「道南・道央の建築探訪」、レールメカの巣「鉄道用合図灯ギャラリー」などを参考にしました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
室蘭市街の地図
地球岬見学後、路線バスで絵鞆半島の先端にある道の駅「みたら室蘭」まで移動します。
白鳥大橋を眺め、絵鞆岬、海岸町のレトロな建物、旧室蘭駅舎をめぐります。 -
道の駅「みたら室蘭」に到着
展望デッキから白鳥大橋や大黒島、エンルムマリーナなどの眺望が楽しめます。
1階ラウンジには、室蘭や室蘭近郊の特産品の売店、喫茶コーナーがあります。
白鳥大橋記念館も併設され、白鳥大橋の建設や室蘭港に関わる貴重な資料が展示されています。 -
ここは噴火湾耳づり「ほたて街道」
ホタテには、オホーツクの天然もの(地まき)、噴火湾の耳づり方式(養殖)があります。
耳づりはホタテ貝の耳の部分に穴を開け、ロープで吊るして養殖するので、砂かみがなく良質とのこと。
噴火湾沿いの8漁協(鹿部、砂原、森、落部、八雲、長万部、いぶり噴火湾、室蘭)は、まさに「ほたて街道」です。 -
母恋めし(ぼこいめし)
道の駅に「母恋めし」(1,190円)があったので、これを昼食にします。
ホッキ貝の炊き込みご飯のおにぎり2個に、燻製卵、スモークチーズ、漬物、ハッカ飴が入っています。
歯ごたえと甘みのあるホッキ貝はまさに北海道の味です。
デザートには珍しい「うずらのプリン」(430円)も買いました。 -
美しい姿の「白鳥大橋」
室蘭港に架かる東日本最大のつり橋です。
室蘭港は白鳥湾と呼ばれているので、白鳥大橋と名づけられました。 -
絵鞆臨海公園
道の駅に面する海岸は水遊びが楽しめるところです。 -
海から飛び出した大きな魚
ここに水の出る足洗い場があるので、その目印になっています。 -
ブタナの咲く海岸
道の駅を後にし、絵鞆岬へ向かいます。
遠くに見えるのは大黒島。 -
イルカ・鯨ウオッチング乗船場
絵鞆半島の太平洋側はイルカ・鯨の泳ぐ姿が見られます。
今回は乗船をパスします。 -
エンルムマリーナ室蘭
噴火湾に面した天然の入り江に造られたマリーナです。
マリーナでは釣りもできます。 -
絵鞆町の住居
絵鞆半島の丘陵に建つ家々です。 -
イチオシ
室蘭港に架かる「白鳥大橋」
白鳥大橋により、馬蹄形をした室蘭の町のアクセスが便利になりました。 -
遠くに見える風車群
噴火湾の風況に恵まれた「ユーラス伊達黄金ウインドファーム」です。 -
宮越屋珈琲 Mutekirou
絵鞆半島の先端の高台に位置し、テラス席から夕日やライトアップされた白鳥大橋、工場夜景の絶景が眺められます。
2015年7月にオープンした創作和食と美酒のダイニングバーです。
いつか訪れたいところです。 -
大黒島
室蘭港の入口に浮かぶ周囲700mの無人島です。
島の頂上に今は使われなくなった明治42年(1909)建築の鉄筋コンクリート造の灯台が残されています。 -
絵鞆岬に到着
道の駅から1.5kmの距離です。 -
絵鞆岬展望台
舵と白鳥を組み合わせたモニュメントは、室蘭の町がイメージできます。 -
噴火湾と大黒島(絵鞆岬からの展望)
遠くにうっすらと有珠山が見えます。
天気が良ければ羊蹄山も見えるところです。 -
太平洋と断崖絶壁(絵鞆岬からの展望)
断崖絶壁が地球岬の方向に続いています。 -
絵鞆地区の複雑なバス路線
バスは絵鞆岬の丘陵地帯にある住宅地をまわっています。
但し、一方向に走るので、どこから乗るといいのか迷ってしまいます。 -
ようやく見つけた「絵鞆中央」バス停
丘陵を下りた「絵鞆中央」からバスに乗ります。 -
「中央埠頭入口」でバスを降ります
貼り紙の下にうっすらと「港の文学館前」の文字が浮き出ています。
実は文学館が室蘭駅前に移転したので、バス停の名前が変わったのです。
このあたりからレトロな建物が並んでいます。 -
室蘭港の中央埠頭
-
鯨のマンホール
室蘭市のマスコットキャラクター「くじらん」です。 -
長谷川貿易ビル(海岸町)
大正8年建築の木骨れんが造2階建てです。
大正期に楢崎倉庫として使われました。
そして、大正12年(1923)から昭和2年(1927)まで室蘭商業会議所の事務所となり、戦後昭和22年から長谷川貿易の所有となりました。 -
イチオシ
北ヨーロッパを歩いているような木造建築(長谷川貿易ビル)
一般に木骨れんが造とは、木造の軸組みにれんがの壁を張り付けるものですが、この建物は木軸の中にれんがを充てんしたいわゆる「ハーフティンバー構法」となっています。北ヨーロッパでよく見られる風景です。 -
旧三ツ輪商会の石蔵(海岸町)
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旧三ツ輪商会(海岸町)
港大通りを挟み、石蔵の向かい側に今は使われていない事務所があります。
(株)三ツ輪商会のルーツを調べてみると、現在の(株)栗林商船から分かれた会社になっています。
大正2年(1913)室蘭市海岸町に「栗林合名会社」の新社屋を建設しているので、室蘭が発祥の地といえます。 -
若林金物店(海岸町)
海岸町の港大通り沿いにレトロな建物が並んでいます。 -
タケヤのホウキ・ブラシ(若林金物店)
お店の掃除用具が立て掛けてあると思っていたら、実は売り物でした(笑) -
北海道船用品(海岸町)
2階の縦長窓は上げ下げ窓でしょうか。
明治43年(1910)の建物のようです。(室蘭近郊の情報BLOGを参照) -
室蘭産業(海岸町)
正面の建物は改修されていますが、後ろに木造の建物が続いています。 -
イチオシ
板張りの建物(室蘭産業)
裏にまわってみると、もともとの建物が現れました。
大正時代の建物です。(むろらん・てつのまち写真館「むろらんの建物Part2」を参照) -
ツタに覆われた家(海岸町)
今は使われていない民家です。
車の陰になっていますが、「日本一の坂」の案内標識が・・・
どんな坂なのか、いつか行ってみようと思います。 -
イチオシ
明治期の洋風建築駅舎「旧室蘭駅舎」(海岸町)
旧室蘭駅舎は明治45年(1912)に建設され、北海道の駅舎の中では最古の木造建築物です。
建築様式は文化的価値の高い寄せ棟造りで、緩い勾配の屋根には六つの三角破風の屋根窓が取り付けられています。 -
がんぎの駅舎(旧室蘭駅舎)
外回りは入母屋風で「がんぎ」と呼ばれるアーケード様式を取り入れています。 -
三角破風の屋根窓(旧室蘭駅舎)
煙突は煉瓦造りで、軒下の持ち送り飾りが素晴らしいです。 -
正面車寄せの天井(旧室蘭駅舎)
花模様の飾りを中心として一面に格子状の浮き彫りをめぐらせた漆喰仕上げとなっています。 -
駅舎の内部(旧室蘭駅舎)
現在は観光案内所として使用され、展示コーナーや休憩所が一般市民に開放されています。 -
美しい天井飾り(駅舎内部)
-
イチオシ
大きな目玉の「カンテラ」(展示コーナー)
鉄道用品が展示されているので、「合図灯」から見学します。
右側がカーバイドを用いた「カンテラ」で、カルシウムカーバイドに水を反応させて得られるアセチレンガスを燃焼させて光源とします。
その後、左側の蓄電池を用いたものが登場し、現在に至っています。 -
現金輸送袋(展示コーナー)
売上金を入れ列車で集約箇所に送付する袋です。 -
日付印字器(展示コーナー)
硬券に日付を印字する装置です。 -
改札挟とチケットケース(展示コーナー)
改札時に硬券に鋏を入れる「改札鋏」、同じ種類の硬券を並べて収納する「チケットケース」があります。 -
券売機の硬貨ブロックの備品(展示コーナー)
左が釣銭準備金の金庫、右がきっぷを購入するため投入された硬貨の収納金庫です。 -
室蘭駅名板(展示コーナー)
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集札袋とキャリヤ(展示コーナー)
集札したきっぷを入れる「集札袋」、タブレット閉そく機から取り出した「タブレット(通行票)」を運転士に携帯させるための革ケースが「キャリヤ」です。 -
タブレット閉そく機(展示コーナー)
閉そく区間の端の駅と連絡を取り合い、タブレット閉そく機から通行票(タブレット)を取り出します。
単線区間に列車を1本だけ通すための信号保安装置です。 -
行先板(展示コーナー)
列車の側面中央に掲げる行先板です。
今でも自動表示器のないディーゼルカーには、行先板が使われています。 -
昭和19年の路線図(展示コーナー)
樺太の路線図があり、道内は鉄道王国です。
この時点でまだ開通していない路線を調べてみると、興浜南・北線、美幸線、湧網線、札沼線、白糠線、砂原線、石勝線など。
興味深い路線図です。 -
昭和19年の時刻表(展示コーナー)
東亜交通公社(後の日本交通公社)が昭和19年12月1日に発行した時刻表です。
室蘭本線(長万部・室蘭間)を見ると、函館23:55発の稚内行きの普通列車があります。稚内には翌21:10着なので、21時間15分の長距離列車が走っていたのです。
右側のページには、野幌・新夕張間に夕張鉄道、本様似・幌泉間の日勝本線(バス)、羽幌炭礦鉄道、道南乗合自動車洞爺湖線などがあります。
鉄ちゃんにとっては、眺めているだけでいろいろと想像できます。 -
象のデザインマンホール
旧室蘭駅舎を後にし、JR室蘭駅へ向かっています。
絵鞆半島・外海岸のマスイチ浜に、通称「象岩」と呼ばれる象が寝そべった形そっくりの岩があります。
それらしき象が消防士となり、消火活動しているように見えるのですが・・・ -
イチオシ
銅板貼りの「北海屋」(海岸町)
明治末頃の建築で、昭和22年(1947)に改修されています。
銅の緑青が青光りし、いい雰囲気です。 -
古い建物(中央町)
詳細は不明ですが、1階は車庫になっているようです。 -
JR室蘭駅に到着
平成9年(1997)旧駅舎から東へ1.1km移動したところに現在の駅舎を新築しました。 -
特急すずらん
室蘭~東室蘭間は普通電車として運転されています。
いったん東室蘭に戻り、夕方から「室蘭の夜景見学」に出かけます。
レトロな建物はほんの一部を見学しただけなので、また再訪したいと思います。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 横浜臨海公園さん 2017/08/28 10:29:49
- 旧室蘭駅本屋
- かっちんさま、こんにちは。
旅行記を拝見させて頂きました。
旧室蘭駅本屋は風情のある木造建築で、現役時代に何度か利用した事がございます。
御存知と思いますが、室蘭は、大東亜戦争末期たる昭和20年(1945年)7月15日21時30分頃より戦艦を含めた米英連合艦隊の艦砲射撃を受け街全体が壊滅状態になった経緯がございます。
旅行記中の昭和22年(1947年)復旧とあるのは、艦砲射撃で損壊した建築物の復旧だと思われます。
因みに、当時の鉄道は連合軍にとって邪魔な存在だったと思われますが、意外と被害は受けておらず、室蘭本線室蘭-東室蘭間では線路破壊33箇所、軌条1780mが損壊したものの、開通は、上り線が17日5時35分、下り線は同日17時24分だったそうです。
ただ、竹浦-萩野間の敷生川橋梁12.19mは、艦載機機銃掃射攻撃で37箇所の貫通孔が発生し、輪西工場では職員食堂が全焼被害が発生した以外、特に被害は発生していないようです。
戦艦の40cm主砲で静止物への攻撃では、レーダー射撃で誤差7mとされている事から、煉獄国軍側は、北海道占領時に於ける鉄道活用を考え、敢えて主攻撃対象としなかったものと推定しております。
横浜臨海公園
- かっちんさん からの返信 2017/08/28 12:28:32
- RE: 旧室蘭駅本屋
- 横浜臨海公園さま
こんにちは。
室蘭の昭和20年前後の状況を聞かせてもらい、ありがとうございます。
歴史的背景を知ることで、より理解が深まりました。
かっちん
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