2017/08/09 - 2017/08/09
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belleduneさん
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予々来たいと思っていた清春芸術村へやっと来ることができました。以前、清春小学校だった跡地に清春白樺美術館、ラ・ルーシュ、光の美術館、ルオー礼拝堂、茶室、梅原龍三郎アトリエ、白樺図書館、清春陶芸工房などの他に、エッフェル塔の階段、その側に佇むエッフェル像、セザールの彫刻「親指」、オシップ・ザッキンの彫刻「メッセンジャー」、高田博厚の彫刻「遠望」、オーギュスト・ロダンの「歩く男」などを見ることができます。
横の駐車場奥に、統制小林勇の自宅「冬青庵」があります。5時で閉館で、静かに見ることができました。安藤忠雄氏設計の光の美術館では、内部は撮影禁止なのですが、係りの人が「今日は特別に撮って、宣伝してください」と言ってくださったので、建物だけをしっかりと撮らせて頂きました。
- 旅行の満足度
- 4.5
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午後2時過ぎでしたが、訪れている方は少なく、静かな芸術村をゆっくりと見て周ることができました。吉井画廊の吉井長三氏が、旧北巨摩郡長坂町の清春小学校跡地を買い、昭和50年(1980)に清春アートコロニー(清春荘)、翌年にラ・リューシュを建設しました。平成15年に白樺図書館が開館しています。清春芸術村の基本設計は谷口吉郎氏が担当しましたが、彼の死後、息子の吉生氏が引き継ぎ、清春白樺美術館、ルオー記念館を設計しました。清春白樺美術館の館長は、2000年から岸田劉生の孫である画家岸田夏子さんです。
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芸術村らしいアイアンワークの門です。
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入るとすぐ、目の前にある建物が「ラ・リューシュ」。
2010年9月にパリに居た時に、La Ruche を訪れましたが、入居者しか入れないため、門から覗くだけでした。建物に蔦が絡まり、前の通りが小さいので、全体図が全く分かりませんでした。you tube の動画で、住んでいるアーティストのアトリエを見ることができました。今日はそれと同じ設計図で建てられたこの建物を実際に見ることができて、良かったです。しかし、内部は見ることはできません。
左に見えているのは、プラタナスです。
2020年、冬に行った時には、プラタナスの葉が落ちて、たくさんの枝が箒のように下から上に向かってへている様は、滑稽でした。是非、2020年編もご覧ください。 -
これは陶器でできていますが、実物と同寸のミニチュアです。屋根の部分が取れて、物入れとして使っていました。
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オシップ・ザッキンの「メッセンジャー」
右手で船を抱いています。 -
左手はというと
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マントに手をやっていますね。
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ラ・ルーシュの正面玄関
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玄関からメッセンジャーを眺めたところです。桜の咲く季節は向こうに見える桜が満開となって、綺麗でしょうね。
大正14年(1925)に旧清春小学校舎落成記念に植えられた桜の老木が校庭の周りを囲んでいます。清春の桜群として山梨県の天然記念物に指定されているそうです。 -
ショップとなっているところが1箇所ありました。
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2、3階の部屋
世界の建築(20)La Ruche 2010 9月編で、パリのラルーシュを塀越しに見ています。 -
全体の外観です。パリでは周りが建て込んでいるので、こんなにゆったりとした景色は良いですね。グスターブ・エッフェルが見たら、感激すると思いますが。1900年のパリ万博のパヴィリオンでしたが、老朽化のため、取り壊しが決定した際、吉井長三氏が買い取って、日本へ移築しようとしました。しかし、パリで保存することになり、吉井氏は設計図を買い取り、ここに1981年に再現しました。ここに造るに当たっては、建設反対があり、苦難の道だったそうです。パリのこの建物を見に行きました。その当時、取り壊し反対の張り紙があり、無くなってしまうんだと思って塀の外から眺めていましたが、保存されることになり、ひと安心でした。
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清春白樺美術館へ歩いていると、セザールの「親指」があります。これは、右手の親指です。如何してかは、ご自分の親指を見ると分かります。
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反対側に周ると指紋など細かい部分までそっくりです。
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正面が、清春白樺美術館
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親指の反対側には、岡本太郎の「無題」があります。その奥は、オーガニック・レストラン「ラ・パレット」です。このレストランの設計も、白樺美術館と同じく谷口吉生です。現在、このレストランでは、軽食やお茶などカジュアルなメニューだけになっていますが、もう少し早い時間に来れば、このテラスで広々とした景色を眺めながら、本を読んだり、ゆったりとした時間を過ごせるのですが。
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レストラン
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岡本太郎の「無題」
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「無題」という芸術作品は、見る人が自由に解釈すれば良いのでしょうね。
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1983年に完成したこの清春白樺美術館の設計は、谷口吉生です。白樺派の文人、画家である武者小路実篤、志賀直哉、東山魁夷、梅原龍三郎、岸田劉生、有島生馬、バーナード・リーチ、中川一政、高村光太郎、千恵子、里見弴、ロダンのデッサン、ゴッホの4点の作品、書簡、原稿、遺品、そして、彼らが愛したルオーの作品の展示室では、オーギュスト・ロダンの「歩く男」や「マダムロダン」のブロンズ像や高田博厚の「ルオー像」を見ることができます。
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高田博厚の「遠望」が美術館前にありました。
この白樺美術館の総建築面積は、4000平方mで、1階の高さ 4,5m 、2階の吹き抜け部分の高さは、8,5m です。 -
こちらのガラス扉から右側にはルオーの作品が展示してあります。
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面白い設計ですね。
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美術館の館内図。青い矢印のところから入ります。左が白樺派の作品。右は、ルオーの作品が展示されているエリアです。
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館内は撮影禁止ですが、展示室から外の庭が面白かったので、係りの方に了解を得て、撮らせて頂いた1枚です。この庭の設計、彫刻の配置なども面白いです。
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鑑賞後、白樺美術館の右手にルオー礼拝堂が見えます。
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この通路にガーデンチェアが置いてあるので、木陰に座って、暫し景色を楽しみました。
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ルオー礼拝堂の設計も、やはり谷口吉生氏です。
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祭壇背後のキリスト像(17世紀)はルオーが製作し、彩色したものだそうです。
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天井部分
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礼拝堂天井部分
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入り口上にあるのが、ステンドグラス「ブーケ」は、ルオーの次女イザベルが吉井長三に贈ったもの。このことが切っ掛けとなり、この礼拝堂が造られたそうです。
この壁面には、ルオーの銅版画「ミセレーレ」も展示してあります。 -
礼拝堂外観
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真横から見たところです。
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梅原竜三郎のアトリエは、新宿市ヶ谷から移築されたものです。傍には鎌倉の小林秀雄旧宅から桜の木が移植されています。鎌倉市の旧小林秀雄旧宅も吉井画廊が保存管理しているとのこと。
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玄関辺り
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アトリエ内部
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鬱蒼とした林が続いています。
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光の美術館手前にあった実のたくさん付いた木がありました。
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安藤忠雄設計の光の美術館へ
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Clave Galerie
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内部は、斜めの構成になっています。天井からと壁に1箇所開けられた細長い窓から入る光だけで鑑賞します。
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1階から天井部分を見上げたところ
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下の方に見えるのが、直方体の上部角に開けられた三角の窓です。
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1階には、表紙の写真の横長の窓があります。
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2階への階段下
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1階から2階を眺める
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この鋭角な三角ガラス天井
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2階へ上がります。1階の左手に細長い窓が見えています。
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2階から三角窓とガラス天井
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2階は細長い台形になっています。
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展示の絵は全て黒塗りにしていますので、少し暗い感じがしますが、実際は天井からの採光で明るいです。
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ここが1、2階通しの細長いガラス窓採光部分です。
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安藤さんらしいコンクリートと窓からの採光の建物です。
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2階の展示室奥。右手に2本の採光窓が見えています。
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1階の細い横長窓
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1階入り口横の細長い採光窓は、1、2階通しになっています。
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入り口から内部非公開の図書館が見えます。
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外観はこんな風に三角に切り取られています。
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真横から見たところ
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こちらはエッフェルツオの階段の一部とセザールの「エッフェル像」です。1989年エッフェル塔100周年の際に、フランスから清春芸術村に移設されたものです。
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こちらは、2006年に完成した藤森照信設計の茶室・徹です。茶室を支える木は、清春芸術村に植えられていた樹齢80年の檜です。縄文建築団のメンバーや赤瀬川源平、南伸坊、林丈二らによって造られました。高さ4m、茶室の広さは 1,7 坪です。藤森さんの設計による高過庵、空飛ぶ泥舟など各地に数点ありますが、どれもユニークなものです。
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長野県には藤森照信さん設計の建物がたくさんあります。ユニークな空に浮かぶ泥舟などがあります。
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煙突があるので、炉が切られていますね。嘗て煎茶の茶室を設計された時の話が思い出されます。煎茶には炉はなく、沸かした湯を運びます。
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樹齢80年の桜の老木・清春臥龍桜です。
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西から見ています。夏は西日が当たって、暑そうです。モンゴルのパオみたいです。
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横手に清春電気窯があります。シャトル式電気窯で、陶芸体験用工房だそうです。この他に、茶室の奥に、清春統計芸工房があり、唐津や志野、織部と紅葉の五連の登り窯となっています。春と秋に火入れを行うそうです。一度見て見たいです。問い合わせは、公益財団法人清春白樺美術館・kiyoharu-art-colony@royal.ocn.ne.jp へ。
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現在、書庫整理中で閉鎖されている白樺図書館です。雑誌「白樺」の復刻版や白樺派文学、美術書を中心にした図書館です。図書館長は谷川俊太郎氏ですので、勿論絵本も揃っているそうです。
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ガラス越しに、展示してある「ラ・ルーシュ」の模型を。
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裏門近くにあった細長い灯篭
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こちらは、芸術村の駐車場奥にある岩波書店元会長である小林勇氏の旧居・冬青庵です。小林勇氏は吉井長三氏の友人であり、文人画家でもありました。その雅号が冬青です。小林勇の絵画展「冬青展」を吉井画廊で開催し、清春芸術村、白樺美術館の実現に大きな力を果たした一人でした。地元の長坂町会議員の一部が頑なに建設反対していましたが、小林氏は説得を重ねて、病床にあった吉井氏に芸術村建設の状況を詳細に報告していましたが、完成前に吉井氏は亡くなり、完成を見ることはできませんでした。
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塀が竹箒を逆さにして作ってあります。何垣というのでしょうか。
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幸田露伴に親灸した文人画家、随筆家出会った小林勇の自宅を移築し、1992年に棟梁・山田源一が農家を改造して、露伴の命名を得た茶室に因んで、冬青庵と称しているそうです。
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現在、STOVE・素透撫というレストランです。
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