2017/07/03 - 2017/07/11
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kiro184さん
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今回は、北欧フィンランドとエストニアへの旅行である。私にとっては、フィンランドは航空機の乗り換えのために一度立ち寄ったのみ(空港からは出ず)、エストニアは初訪問だ。
フィンランドを含む北欧は治安が良いこと、治安にも関係するが強引な客引きやボッタクリが少ないこと、そして夏の時期は日が長いことと日本よりも過ごしやすいことから旅行にはうってつけだ。短所?と言っていいのか言葉に迷うが、物価が高いことは仕方がない。
エストニアについては予備知識がほとんど無く、単にフィンランドから船で2時間で行けることから旅程に組み入れてみた。
毎度のごとく鉄道に乗ってばかりの旅だが、何か参考にして頂けることがあればありがたいと思う。
【大まかな行程】
0日目 新千歳空港→成田空港→流山セントラルパーク→成田(成田泊)
1日目 成田空港→ヘルシンキ・ヴァンター空港→ヘルシンキ(ヘルシンキ泊)
2日目 ヘルシンキ→ヌルメス→ヨエンスー(ヨエンスー泊)
3日目 ヨエンスー→ピエクサマキ→コウヴォラ→コトカ→リーヒマキ→ハーメンリンナ(ハーメンリンナ泊)
4日目 ハーメンリンナ→タンペレ→オウル→ロヴァニエミ→ヘルシンキ行き寝台列車乗車(車中泊)
5日目 →タンペレ→ポリ→タンペレ→トゥルク→ヘルシンキ(ヘルシンキ泊)
6日目 ヘルシンキ→(エストニア入国)→タリン→ナルヴァ→ユフヴィ(ユフヴィ泊)
7日目 ユフヴィ→タリン→(フィンランド再入国)→ヘルシンキ(ヘルシンキ泊)
8日目 ヘルシンキ→ヒュヴィンカー→ヘルシンキ→ヘルシンキ・ヴァンター空港→(機内泊)
9日目 →成田空港→新千歳空港
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
◆0日目
フィンランドへ旅立つ飛行機は、成田空港を朝9時台に出発する。私の地元からでは当日向かうと間に合わないので、海外へ行く際は成田に前泊するのが恒例になっている。今回はその「前泊する日」を0日目として紹介したいと思う。
首都圏在住の方には想像も付かないかもしれないが地方民の宿命である。せっかく本州へ行くのだから何かしておこうという算段だ。
(自宅を朝7時に出て)新千歳空港を飛び立ち、成田空港には14:10頃に到着した。今回はLCCを利用したので第3ターミナルに到着した。鉄道駅のある第2ターミナルまでは約600mの連絡通路があり、そこを歩くことにする(ターミナル循環バスもあるがそれを待っているより歩いてしまった方が早いと判断)。
事前の予報では大雨であったが、曇ってはいるものの雨は降っていないため事前に用意しておいた計画を実行する(雨が降っていたら、芝山千代田と東成田を見てからホテルへ行こうと思っていた)。
空港第2ビル駅14:46発京成アクセス特急で東松戸まで行き、武蔵野線に乗り換えて南流山まで、さらにつくばエクスプレスに乗り流山セントラルパーク駅には15:50に到着した。(画像は東松戸) -
なぜいきなりここへやって来たかというと、私の趣味の1つでもある保存されている鉄道車両を見るためだ。つくばエクスプレスへの乗車も流山市に来ることも初めてである。
駅から10分弱歩くと、広い流山総合運動公園に保存されている車両が見えてきた。D51型蒸気機関車と流山鉄道のガソリンカーだ。屋根は付いているものの塗装が若干荒れており、周囲には高い柵があり車両には近付けない。
一通り見学してからは流山セントラルパーク駅に戻り、16:32発の守谷行に乗り流山おおたかの森へ、そこから東武アーバンパークラインに乗り柏へ、次に常磐線に乗り換えて我孫子へ、さらに成田線に乗り換えて成田(JR)には17:55に到着した。
成田に前泊する際は、空港内のホテルだと高いため成田駅付近のホテルをいつも利用している。JR成田駅前にあるオリジン弁当で夕食を買うのも恒例だ(地元には全く無いため)。弁当とコンビニのビールで0日目は終了した。 -
◆1日目
フィンランドで旅立つ日であるが、まだ0日目の延長戦が続くことにご容赦頂きたい。
今まで勉強不足で、成田空港に幾度も来ていながら訪問したことが無い東成田駅へ寄ってみる。京成成田7:00発の芝山千代田行に乗り、1駅乗車して東成田で下車した。
東成田駅の詳しい生い立ちや駅の雰囲気はネット上にたくさんの訪問記があるのでそちらを参照して頂きたい。
私の感想としては、北海道には過疎化や炭鉱の閉山で無人になってしまった廃墟は数え切れない程あるが、このような「生きた廃墟」はなかなか新鮮だった。(画像は不鮮明ですが有名な?「なりたくうこう」の駅名板) -
すでに空港第2ビル駅や(現)成田空港駅へ行く列車が多数走っているにも関わらず、空港職員と思われる人が数人下車する。東成田で下車する方が運賃が安いため、こちら経由で通勤するよう指定されているのであろうか。
空港ビルへは約500mの連絡通路があり、ここを歩いて空港へ向かう。段差は無いが緩やかな勾配があり、重い荷物があると少し大変だろう。
その後は成田空港でイミグレーションを通過し、ヘルシンキ行きの航空機はほぼ定刻の9:35頃に出発した。 -
ヘルシンキ・ヴァンター空港には定刻よりも20分程早い13:30頃だった。しかしイミグレーションが異常に混雑しておりイミグレーションを出たのは14時頃だった。
空港からはヘルシンキ近郊列車のP系統でヘルシンキ中央駅まで向かう。ドイツや北欧各国でも見た固定クロスシートの電車だ。ヘルシンキ中央駅は頭端式(行き止まり)の駅だが、空港アクセス列車は屋根の無いホームに発着する。雨が降っているときは大変だろう。 -
ホテルに荷物を置いてから、街を散策する。
最初に下調べしておいたトラム博物館へ向かう。オリンピックスタジアムの近くで、トラムの車庫に併設された博物館のようだ。 -
入場は無料。トラム車両の展示は6両のみと少なめだが、昔の資料や写真が数多く展示されており見応えがある。建物中央付近は何やら工事中だったので、今後展示物や車両が増えるのかもしれない。
なおこの博物館についてネット上で「11~22時開館」と書かれている情報を見つけたが、博物館の建物は「11~17時開館」である。敷地内にバーが併設されており、そちらが22時までの営業なのだろう。毎日開館しているようだが、年末年始は開いているのかは分からない。 -
トラム博物館を出てからはオリンピックスタジアムの横を通り、ヘルシンキ中央駅の東側へ行ってみる。
途中に線路を跨ぐ歩道橋があったのでしばし撮影する。4複線(8線)以上もある区間で、近郊列車やインターシティがひっきりなしに発着する。画像の客車は留置されているものであるが、2階建て客車は平屋の客車より1.5倍ぐらいの高さがある巨大なものだ。 -
その後は、カイサニエミ植物園付近の公園に巨大な鴨のような鳥がいるのを空港アクセス列車から見ていたので、そちらへ行ってみる。
詳しい鳥の種類は分からないが、鴨の2倍以上はあろうかという鳥がたくさんいる。
遠巻きに写真を撮っていると、緑地から道路の方へ出て行ってしまった。交通量は少ないものの車や自転車が通りがかるが、鳥たちが横断するのをクラクションを鳴らさずに待っている。轢くことはしないにしても自転車なら鳥たちの隙間を強引に通り抜けてもおかしくはないだろうが、これがフィンランドの国民性なのだろう。
(私が鳥を追いかけまわして道路に出したわけではないので念のため) -
さらに歩いてウズベンスキー寺院や大聖堂の周辺を散策する。すでに夕方なので寺院には入らず外から写真を撮るだけだが、途中の街並みも含めてすべてが絵になる。
大聖堂付近にはたくさんの観光バスが停まっており団体客であふれかえっている。トラムが街の中の狭い道を縦横無尽に走っており、それらを見ているだけでも楽しい。
その後はスーパーでパンと惣菜とビールを買い(今後旅行中の食事は全てこれになる)、ホテルへ戻った。 -
◆2日目
この日から本格的にフィンランドでの鉄道旅行が始まる。
ヘルシンキ7:28発のインターシティ(以下IC)でヨエンスーへ向かう。車両は機関車が2階建て客車を5両牽引するものだった。指定している1階部分の座席へ向かった。
(今回の旅行ではレイルパスを使わず、ほとんどの行程分の切符をVR公式サイトで事前に購入している) -
2階建て客車の1階部分ではあるが、日本の2階建て車両のように地を這うような低さは感じられない。また客室内の高さも平屋の客車と遜色は無く、車内だけ見ると2階建てと感じさせないのもさすが広軌の客車だ。
コウヴォラを出たあたりで、広大な操車場が見えてきた。大量の木材が貨車に積まれたり操車場に山積みされていたりする。長さも短く切られたものを多数見かけたが、木材チップ用なのだろうか。
操車場を過ぎてしばらく走り、9:18頃にそれまで複線だった線路が単線になる。 -
ヨエンスーには5分遅れの11:50頃に到着した。ヨエンスーでヌルメス行きの普通列車に乗り換えるが、元々乗り換え時間は7分しかない。しかしICからの乗り換え客を待っており、ヨエンスーを発車したのは3分遅れだった。気動車1両だけの列車だが、座席が半分埋まる程度であり混んではいない。
ヨエンスー駅を出ると次の停車駅は30分程も走ったエノだった。エノ駅は交換設備はあるもののホームが1面しかない。
ヨエンスー~ヌルメス間は旅客列車が1日2往復しか走っておらず、今回の旅程はここを中心に組み上げた。ヌルメスからさらに先のコンティオマキまで線路は続いているが、貨物専業になっているらしく旅客列車は走っていない。 -
ヨエンスーからヌルメスまでは約150kmあるが、途中の旅客駅は7個しかない。しかし廃駅になったのか貨物駅のようなところはいくつも通過していく。
ヌルメスには定刻より3分遅れの14:01頃に到着した。1日2往復しか旅客列車が無いのに立派な駅舎で、中ではカフェも営業している(鉄道会社の窓口は無い模様)。
ここで1時間40分の待ち合わせで折り返すため、街を散策する。 -
駅から5分程ヨエンスー方に歩いたところに機関区があるので、まずそこへ行ってみる。転車台もあるが今は機関区としては使われていないらしく、客車や貨車が留置されていた。
客車は木造でかなり古いだろうがきれいに復元されており、保存されているのだろう。貨車も保存されているのかは分からないがかなりボロボロなものもあり、おまけにSLのテンダーや古い乗用車の部品まで転がっている。
てっきり廃墟なのかと思っていたが、扇形庫の中から「カン、カン」と金属を叩く音が聞こえてきたので何か作業をしているようだ。車両の保存に関わる事なのか、保線や電気関係の作業場になっているのかもしれない。 -
ヌルメスは人口9000人弱の町で好ましい田舎町と言った感じだ。どことなくロシア・サハリンのノグリキに似た雰囲気だなと思う(ノグリキは人口約10000人)。
ヌルメスは駅や中心街が湖に挟まれた町で、ささやかな市街地を抜けると広大な湖が広がる。 -
その後もヌルメスの町を歩き教会なども見学し、ヌルメス駅に戻ってきた。
駅横にあった記念碑のようなもの。客車か貨車の車輪と軸バネ装置を使った変わった記念碑だ。帰国後に碑文を翻訳してみると、「ヌルメス鉄道75周年 1986年」という内容らしい。
1両編成の気動車に乗り、15:40にヌルメスを出発する。行きよりも乗客は少なく15人程度しか乗っていない。 -
途中のKohtavaara駅だが、粗末な木製のホームと雨しかしのげないような待合小屋だけがある駅だった。北海道に多くある仮乗降場起源の無人駅顔負けの設備だ。ここでの乗降は無かった。駅の周りには民家が見当たらず誰が使うのだろうか。
Uimaharji駅やエノ駅で5人ずつぐらい乗車する。大きなカバンを持っている人が多く、これからヘルシンキへ向かうのだろうか。1日2往復しか無い路線でも地域の大切な足なのだろう。 -
終点のヨエンスーには3分早い17:42頃に到着した。この車両が折り返し、18:00発ヌルメス行きになる。ヨエンスー~ヌルメス間の旅客輸送は1両の気動車だけでこなしているようだ。
-
ヨエンスー駅前には、950という番号が付けられたSLが保存されている。フィンランドの大きな駅ではSLが静態保存されていることが多く、この後も各地で見かけることになる。
駅から川を渡り10分ほど歩いたホテルに到着した。 -
◆3日目
ヨエンスーを7:00に出発するピエクサマキ行き普通列車に乗る。このヨエンスー~ピエクサマキ間は旅客列車は1日2.5往復しか走っておらず行程を組むのに苦労するが、ヨエンスー~ヌルメス間と組み合わせて何とか効率の良い行程で回ることが出来た。
車両はヌルメス往復で乗車したものと同じタイプの気動車1両だった。客車列車を期待していたのだが少し残念。 -
ピエクサマキへ向かう途中の駅。駅裏の引込線横に大量の木材が積み上げられている。これ以外にも沿線には油槽所への専用線や工場への引込線もいくつかあり、旅客輸送よりも貨物輸送が主体なのだろう。
ピエクサマキには定刻の9:12に到着した。駅舎からは一番離れたホームで、他のホームとは地下道で結ばれている。
次に乗車するペンドリーノは駅舎側の1番線から発車するが、1番線へ上がったところで先程下車したホーム付近にSLが保存されていることに気が付いた。しかし乗換時間が10分しか無いことから戻るのは諦めた。事前に知っておけば下車してすぐ見に行ったのになと思う。 -
ピエクサマキ9:22発のペンドリーノでコウヴォラへ向かう。今回の旅で初めてそして唯一のペンドリーノだ。列車番号はSから始まるものが付けられているので、時刻表からの判別も可能だ。
乗車してみると、振り子式車両のため車体を傾斜させる時に油圧動作音が小さく聞こえてくる。それ以外は客車のICと変わることは感じられない。カーブへ差し掛かると車体を傾けているのであろうが、日本の振子車両のように大げさに傾くことは無く言われなければわからない。 -
11:06の定刻にコウヴォラに到着した。ホーム端にはSLが静態保存されている。
ここで2時間弱の待ち時間があるため、街を見学する。先ほどまで降っていた雨はあがっているが14℃しかなく肌寒い。
(画像は保存SLと乗ってきたペンドリーノ) -
コウヴォラ12:53発の列車でコトカへ向かう。地下道を通り駅舎から一番離れたホームへ行くと、2両編成の電車が待っていた。ヘルシンキ近郊で6両や8両編成で走っているのは見かけたが、このようなローカル運用にも使われている。
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コウヴォラを出発すると右手に操車場がありたくさんの貨車が留置されている。ヨエンスー方面の線路から離れたかと思うと再び合流してくる線路がある。コウヴォラの操車場付近で三角線になっているようだ。
複線なのか旅客線と貨物線が並行しているのか、2本の線路がある状態が続く。重量のある貨物列車が走るため線路は立派で、そこを120km/hで突っ走る。
コトカには13:37に到着した。実はこの路線の終点はコトカだと思い込んでおり、恥ずかしながら現地に来て初めてもう1駅先のコトカ・サタマ(コトカ港)まで走っていると知った次第である。
購入済みの切符はコトカまでだったのでコトカで下車する。レンガ造りの立派な駅舎だ。 -
コトカ駅から道路の跨線橋を渡り街へ向かっていると、大きなトンガリ屋根が見えたので行ってみる。とても立派な教会があり、様々な角度から写真を撮った。
その後はコトカの街を適当に歩き、駅へ戻る。 -
コトカ駅~コトカ・サタマ駅間にある跨線橋から見た様子。遠くにコトカ・サタマ駅が見える(車両が停まっているところ)が、ホームしかないバス停のような駅だ。
コトカ駅から歩いても10分程度で行けそうだ。帰りはコトカ・サタマ駅から乗ってみようかとも思ったが、跨線橋の上から全景を見れたのでコトカ駅で待つことにした。 -
コトカ駅は立派な駅舎だが、駅員はおらず駅舎内は中央に待合室とトイレがあるだけで使っていないスペースが多い。
駅員はいないがVRの端末機があり、これで切符を購入することが出来る。しかしクレジットカードにしか対応しておらず、そのクレジットカードもJCBは不可、ICチップの入ったものでないと使えないなど制約が多い。 -
コトカを14:28に発車する。順調に走行していたが途中で先行列車がいるのかノロノロ運転になり、コウヴォラには3分遅れで到着した。
コウヴォラからは9分の待ち合わせでICに乗りラハティまで、ラハティからはコミューターに乗りリーヒマキへ向かう。リーヒマキ行きのコミューターはコトカ往復で乗ったのと同じタイプの電車2両だった。
途中小雨が降っており、加速時には激しく空転する。駅に停車する際も激しく滑走し、ブレーキ緩解→強めのブレーキ→ブレーキ緩解を繰り返しやっとのことで途中駅に停車する。 -
リーヒマキには16:46に到着した。30分程の待ち合わせがあるがホームで待っていると、タンク列車が通過していった。貨車にはプロテクターのようなものが付いているのが珍しい。
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乗車するハーメンリンナ行きのコミューターは2両ユニットの電車4組(計8両)で到着した。先頭車両の行き先が「ハーメンリンナ」になっていることを確認して6両目に乗り込んだが、車内には誰もおらず降りていく乗客もみんなこちらを見ているなどどうも様子がおかしい。
発車までまだ時間があったので先頭まで行ってみると、車両が切り離されているではないか。ハーメンリンナ行きは先頭の2両のみで、後ろ側6両はリーヒマキ止まりのようだ。
駅の電光掲示や放送などで一切案内は無かったが、腹を立てても仕方がないのでおとなしく先頭車両に乗車する。 -
ハーメンリンナには定刻の17:36に到着した。
ヘルシンキ近郊で走っているコミューターとは違う2ドアタイプの車両で、郊外のコミューターに使われているようだ。 -
ハーメンリンナ駅は立派なレンガ造りの駅舎で、中ではキオスクやパブも営業している。
残念ながら到着した際に雨が降っており、晩飯を探し軽く街を歩いただけでホテルへ入った。 -
◆4日目
この日は、ハーメンリンナからひたすら北上しロヴァニエミへ向かう。
ハーメンリンナ駅で待っていると、ケミヤルヴィ発ヘルシンキ行きのIC274が到着した。今晩、このIC274にロヴァニエミから乗車する。定刻通り走っているようだ。 -
ハーメンリンナからは昨日乗ったのと同じタイプの近郊電車でタンペレへ向かう。
タンペレに到着すると、隣の線路でNOHAB製と思われる古いディーゼル機関車が木造客車を動かしているではないか。機関車や客車はきれいに塗装されているため、動態保存かイベント用なのではないかと思う。車内には鉄道職員が数人乗っており、試運転なのかイベントの準備をしているのであろうか。 -
タンペレでは12分の待ち合わせで、8:00発オウル行きICに乗車する。この列車で初めて2階建て客車の2階席に乗った。2階席は1階席よりも空いている。大きな荷物があったり階段を上がるのが面倒な人はドアから段差無しで行ける1階席を予約するからだろうか。
定刻にタンペレを出発したが、途中のYlivieskaには4分早着。その後は橋の架け替えのため工事している区間を徐行運転したためKempereには7分遅着した。 -
オウルにはほぼ定刻の12:18に到着した。向かいのホームには接続するロヴァニエミ行きのICが停車している。
この列車に乗ればロヴァニエミに行けるが、ロヴァニエミに早く着いても仕方がないので1本後のICに乗る予定だ。 -
オウルの街を歩くが14時になっても気温が9℃しかなく、風があるため非常に寒い。まさか真夏に手袋が欲しくなるとは思いもしなかった。
駅裏のショッピングモールで暖をとるついでに昼飯を購入する。どこのスーパーへ行ってもパンだけは安くてたくさんの種類があるため、フィンランドに来てからはパンばかり食べている。
(画像はオウル駅) -
15:03発のロヴァニエミ行きICでオウルを後にする。編成は、機関車+14号車(ダブルデッカー座席車)+レストランカー+12号車(ダブルデッカー座席車)で、座席車が2両しかないのにレストランカーが連結されている。
ヘルシンキから到着する列車が遅れているため、発車が15:11になると電光掲示板で案内されている。遅れていたヘルシンキ発のICから接続をとり、オウルを発車したのは15:16だった。
ロヴァニエミ駅の2番線に到着したのは14分遅れの17:31だった。 -
ロヴァニエミ駅の1番線には、18:00発のヘルシンキ行きIC266が停車している。寝台車も付いた列車だが、この列車には乗らず次の列車を待つことになっている。
街の散策と晩飯を探すために歩いてみる。駅を出てすぐのところにSLが保存されていた。 -
駅裏に機関区や放置車両があるかもと思って来てみたが特に何もなく、周辺道路が工事中のため行き止まりになってしまった。
その後はロヴァニエミ教会を見てから川の対岸まで行ってみる。渡った橋は上段が線路になっていて下段が車道、車道の横に木製の歩道が付いた変わった橋だった。橋のすぐ横には交差点もあるため、結構なゴチャゴチャ具合だ。車道の幅が狭く普通車がやっとすれ違っているが、隣のロウソク橋が出来るまではここが唯一の橋だったのだろうか。 -
発車の1時間程前にはロヴァニエミ駅に戻ってきた。20:25頃にデイーゼル機関車がやってきて、車を積み込む貨車をホーム端付近まで引っ張り出した。それまでは駅の端にある自動車が乗り込むランプに貨車が接続されていたため、自動車やバイクを載せるなら発車1時間前までには締め切りになるのだろう。
-
20:50になると、ケミヤルヴィ始発のIC274が定刻通りやって来た。今夜はこの列車に乗りタンペレへ向かう。
ロヴァニエミ駅のホームが無い番線に到着する。一旦停車するが客車のドアは開かないまま、ヘルシンキ方へ引き上げていった。 -
ヘルシンキ方へ引き上げたIC274は、今度はバックして駅舎側の1番線へ入線する。そして先程ディーゼル機関車が準備しておいた自動車運搬貨車と連結する。連結が終わると客車のドアが開いた。連結作業が終わったのは21:03頃だった。
そのような乗客はほとんどいないと思うが、ケミヤルヴィから乗ってロヴァニエミで降りる場合、時刻表上は20:50に到着することになっているが実際は21:03頃まで下車出来ないということになる。 -
今日の宿となる個室寝台車。2人用であるが追加料金を払って1人で利用する。室内にはトイレとシャワーも付いており快適そのもの。
列車は、21:15の定刻に発車した。
まずは軽くシャワーを浴び、ロヴァニエミ市内のスーパーで買っておいたビールと惣菜で晩酌をする。いつまでも明るいためいつまでも起きていてしまいそうなので、発車後1時間ぐらいで寝ることにする。 -
◆5日目
タンペレ到着の1時間前に起床する。目覚ましをセットしておいたが、その2分前に起きてしまった。
タンペレには定刻の5:46に到着した。朝早くにもかかわらずたくさんの乗客が下車する。
タンペレ駅では、到着した向かい側のホームにも寝台列車が停車している。右側が乗車したIC274で、左側がコラリ発ヘルシンキ行きP272だ。P272はケミからIC274の前を走っていたが、タンペレで50分も停車している間にIC274に追い抜かれる。 -
乗車したIC274の寝台車はダブルデッカーの客車だったが、P272は平屋の寝台車も連結されている。「在来型」とも呼ばれるトイレ共用・シャワー無しの個室車だと思われる。
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次の乗車まで約2時間あるため、タンペレの街を散策する。朝6時頃ではあるがすでに明るく、天気も良いためすがすがしい。
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街の散策を終えて、タンペレ8:07発のIC461でポリへ向かう。ポリ行きのICは運転台付きのダブルデッカー客車3両編成だが、機関車が先頭に連結されており客車の運転台は使わないようだ(画像のような状態で出発準備完了。入換中ではない)。
同じように客車に運転台を持ちながらそれを使わない列車は、オウル~ロヴァニエミ間でも見かけている。機関車を先頭にしなければいけない何らかの事情があるのだろうか。それとも担当する乗務員への養成を行っていないからなのだろうか。 -
8:21にノキアに停車する。携帯電話で有名なノキア社があった場所だが、現在は本社や工場がノキアにあるわけではないのでありふれた田舎の駅といった感じだ。
この列車はICであるがレストランカーが無いため、車内販売員がワゴンを押して回っている。ダブルデッカー車両だがワゴンを移動させるエレベーターがあるため、2階席にもやって来る。 -
定刻9:37にポリに到着した。ポリでは30分程しか折り返し時間が無いため、駅前を少し歩いただけで駅へ戻った。駅前はバスターミナルか広場を作るために全面的に工事中である。
タンペレから乗った列車と同じ車両でタンペレへ戻る。 -
タンペレには11:40に到着した。ここでは30分の待ち合わせで再びICに乗り、トゥルクへ向かう。駅のキオスクでパンを買っただけですぐホームへ戻った。
ホームへ戻ってみると、2本の線路に4本の列車が縦列駐車?していてとんでもないことになっていた。出発列車が輻輳するためこのようになっているらしい。各車両の横にはきちんと行先が表示されているので、それを見ていれば間違うことは無い。
トゥルク行きのICは、ポリ往復で乗車した編成がそのまま使われていた(つまり降りる必要が無かった)。 -
トゥルクを12:11に発車する。座席の9割が埋まるほど乗っており、大きな荷物を持った若い人が多い。トゥルクからスウェーデン行きの船が出ているので、それに乗り換える人たちなのだろうか。
13:55にトゥルクに到着する。線路はさらにトゥルク・サタマ(トゥルク港)駅まで続いているが、トゥルク・サタマまで行く列車の本数は極端に少ないため乗車は諦めた。全線完全乗車を狙っている訳ではないので支障は無い。 -
トゥルクでは1時間半程待ち時間がある。まずは駅を横断する跨線橋を渡り、車窓から見えた保存SLを見学する。
駅の裏手に当たる場所だが、道路を作る工事をしておりSLは重機や工事資材に囲まれている。 -
SLを見てからは街の方へ行こうとしたが、工事中の道路はどうも歩行者は通行止めではないらしいので入ってみる(車は通行止め)。作業はしていなかったが未完成の道路を歩いていくと、駅の操車場のすぐ裏まで来れた。入換用と思われるが、異様に細い電話ボックスのような運転台を持つ機関車が留置されている。
その後はトゥルク大聖堂を見ようと跨線橋を渡り中心部へ向かったが、途中で時間切れとなり駅へ向かった。大聖堂は見れずじまいだった。 -
トゥルク15:30発のICに乗りヘルシンキへ向かう。ダブルデッカー客車の2階部分に乗車するが、天井が高く2階建てということを忘れそうだ。
丘陵地帯を走っていくが、短いトンネルをいくつも通過する。峠越えしているという訳ではなく、丘陵は迂回せずにトンネルを掘ってしまっているのだろう。沿線には北海道ですら時期が終わってしまった菜の花が咲いている。 -
16:29にKarjaaに到着する。ここも駅前にSLが展示されている。
途中駅を6分程の遅れで運転していたが、ヘルシンキの直前で停止信号のためか停車する。結局ヘルシンキに到着したのは14分遅れだった。 -
夕方になったからか、ヘルシンキ中央駅の近くにはパブトラムが停まっている。乗ってみたいものだが、一人旅なので実行出来ず(この手のものは家族連れかカップルと相場が決まっているだろう)。同様の理由で私は旅行中にレストランにも入らないことが多い。
-
ヘルシンキで見逃していた鉄ネタとして、トラムのガントレット区間を見に行く。
ガントレットとは複線ではあるが双方のレールが重なって敷かれているものである。複線分の用地が無い場合などに取られる手法だが、日本では現在ほとんど存在しない。
ポイントを使って複線から単線にするのと比較すると、ポイントが無いため機械的なメンテナンスが大幅に軽減されるメリットある。
しかしすれ違いが出来ないので結局は単線と同様に対向列車とかち合わないようにする設備が必要なこと、ポイントが無いため折り返し運転が出来ないことなどから通常の単線・複線と比較してどっち付かずで中途半端になってしまうという見方も出来る。そのため、日本国外であっても各地で見かけるというものではない。
ヘルシンキのガントレット区間は、ヘルシンキ中央駅近くの2番系統・Mikonkatuk~Aleksanterinkatu間にある。
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