2014/07/16 - 2014/07/21
22位(同エリア162件中)
国電さん
フィンランドの鐡旅、後編になります。
@ヌルメス駅にて
- 旅行の満足度
- 4.5
-
■2014.7.19
朝5時過ぎ、ホテルを出て散歩に出かけた。いかんせん、「すでに明るい」「治安も良い」「なにより暑くない」という条件が整えば、出歩く以外に方法はない。まずは高台へ行き(展望はあまり良くなかったが)、市街地へ降りてからは湖のほとりまで行ってみたりした。内陸であるが大きな湖があるため、カモメのような鳥がニャーニャー鳴いており、なんだか海辺にいるような錯覚に陥ってしまう。
@今日も天気が良い -
ホテルへ戻ってから荷物を纏めて、駅へと向かった。構内は広く、木材用の貨物列車が係留されている。
駅舎に一番近いホームには、ヘルシンキ行のペンドリーノ号が停まっている。それに沿ってぶらぶら歩いていると、ホームの端の方にSLが展示されているのを発見した。これまでも何度か見てきた光景であるが、ここのSLは屋根で覆われており、保存状態は良さそうであった。
@ただし、写真撮影には柱が邪魔であるが -
7時34分発のセイナヨキ行は、2両編成のディーゼルカーであった(旅情の点では客車を期待していたのだが)。ヌルメスやサヴォンリンナ行で乗車したのと同じ形式であるが、中に入ってみると、どうやら空調が聞いているようであった(これまでのは非冷房であった)。ぱっと見は同じでも、色々と差があるようである。
同駅を定刻に出発。沿線に人工物はほとんどなく、ひたすら森林、時々湖、である。景色自体は美しいが、いかんせん窓が薄汚れているため、写真を撮ることは難しい。
思い出したかのように駅に停まるが、周辺には幹線のような大きな集落はなく、駅構内も木材の山があるだけである。
@田舎駅 -
ヌルメス行に比べると比較的ゆっくり走っているように感じられたので、キロポスト間を図ってみると43秒であった(=時速83.7キロ)。もちろん、走行音は「ガタンゴトン」である。
8時半を過ぎ、右手に数えきれないくらいの旧型客車やSLが現れ(SLだけでも両手で数えきれないくらいである)、ハーパマキに到着した(逆光が強かったため写真撮影は不可能であった)。思わず、ヴァーサに行くのを諦めて途中下車しようかとも思ったが、次の列車が来るまで3時間もあるため断念した。
その後も長閑な風景の中を走り続け、少しずつではあるが人工物が増えていき、地形も平らになっていき、セイナヨキには定刻の10時21分に到着した。
続いて乗車するのは、港町であるヴァーサ行の列車である。4両の客車は、すでに入線していた。
@やはり客車の方が良い -
ヘルシンキ行のICが遅れており、それとの接続を取ったため、同駅を定刻から9分遅れの10時47分に出発した。
ただしこれまでと同様に、フィンランド国鉄(VR)の時刻は元々余裕をもって作られているので、駅に停まるごとに少しずつ回復していくはずである。予想通りに遅れは少しずつ減っていき、終着のヴァーサに到着したのは定刻から3分遅れの11時39分であった。
@ほとんどすべての列車に自転車を持ち込むことができる -
さて、遅れを取り戻したといっても、ヴァーサでの滞在時間は元から45分以下である。何をすべきか事前にあれこれ考えたが、フィンランドに来てから外食を一度もやっていないため、それをすることに決めている。かといって、レストランなどに入ったのでは目も当てられないくらい高くなってしまう(そもそも45分では無理である)。それに、「フィンランドらしい料理」というのも、意外に思い浮かばないものである(他の北欧諸国でも存在する料理だったりする)。
そこで思い至ったのが、HESBURGER(ヘスバーガー)である。フィンランドを中心にチェーン展開をしているファストフードであり、ある意味「フィンランドらしい」と言えなくもない。
とりあえず、事前に調べておいた店へ行って、フィッシュバーガーのセット(+ポテトとドリンク)を頼んだ。味は普通であるが、価格は7ユーロ強である(約1,000円)。とてつもなく高いが、この国の外食費は日本の倍(かそれ以上)ということを考慮すれば、恐らく日本円で400円くらいの感覚であろうから、まぁ普通なのであろう。
@バーガーの写真はあまりにも「普通過ぎ」だったので、店舗の写真を -
高いんだか安いんだかわからない(現地感覚で言えば安上りで、私の普段の感覚からすればやたら高い)昼食を食べた後は、散策して近場にあった教会や広場を見てから駅へと戻った。12時20分発の列車に乗り込み、13時18分にセイナヨキに戻ってきた。
@セイナヨキへ戻る -
先ほどまでは上記の写真のように晴れていたが、セイナヨキで乗り継ぎ列車を待っていると、急に雨が降り出し、遠くでは雷も鳴り始めた(しかし結果論からすると、今回のフィンランド行では、列車に乗車中や乗り換えの際には雨に降られたものの、散策時はほとんど快晴であり傘は一度も使用しなかった。また雨が降ったのも、ほんの数回、それも数分程度であった)。
入線してきたヘルシンキ行のICは、これまでで最長の12両編成であった(基本編成は6両であり、それが2編成繋がっている。なお、地域によっては5両以下のICもあるようであった)。最前部にあったエキストラに乗り込む。
@遠くに雷雲が(手前の車両はヴァーサから乗ってきたもの) -
13時38分に出発し、やはりこれまで同じくぼんやりと車中を過ごし続けた。途中、理由は不明であるが徐行運転の区間があり、タンペレに到着したのは定刻から24分も遅れた15時20分であったが、問題はない。というのも、今日はここでいったん終了だからである。
一昨日は20時過ぎ、昨日も19時過ぎまでレイルパスを最大限に活用するために鉄道に乗りまくっていた私がなぜこの時刻に乗り終えてしまうのかというと、普通に観光をするためである。いくら私が鉄道旅行を中心にしているといっても、その国に行って「外せないもの」くらいは見てくることにしている(ノルウェーに行った際にムンクの『叫び』を観に行ったように)。そしてここフィンランドで欠かせないのは、やはりムーミンであろう。
駅から歩くこと20分強で、ムーミン博物館に到着した。やはり、日本人観光客が多いようである。
@この銅像は博物館ではなく、図書館に併設されている売店の近くにあるもの -
ムーミンを堪能した後は、工業都市でありレンガ造りの建物が多いタンペレの市街地を適当に散策して、駅へと戻った。駅構内で名も知らぬ無線LANが飛んでいたのでそれを使ってネットをし、翌日のホテル入館コードをメールで取り込んだりした(明日は、ここタンペレにある「オメナ」に泊まることになっている)。
さて、これからは鐡旅をちょっとだけ再開することとなる。行先はノキアである。そう、あの携帯通信事業で一世を風靡したノキアである。
ポリ行の列車は7両編成であったが、前方にある新しい3両は使用不可であった(回送か何かであろうか)。後方の車両に乗り込み、定刻から10分遅れの18時17分に出発し、約18分後にノキア駅に到着した。
せっかく来たのはいいが、工事中であり、駅舎まで行くことができないではないか。
@右手にあるのがノキア駅舎 -
ノキアはあのノキアの由来となった都市名であるが、現在はここに本社があるわけでもなく、ましてや「ノキア博物館」などがあるわけでもない。正直何もすることはないが、適当に市内を歩いて公園などへ行ってみた。途中からは目的を変えて「猫探し」にしたが(旅先で猫の写真を撮るのも目的の一つである)、それもままならなかった。この寒冷地では、今はいいとして、冬場を越すのは野良猫にとっては難しいのかもしれない。
特に得るものはなく、ノキア駅まで戻ってきた。まぁ、この駅に訪問すること自体が単なるネタだった訳であるから、何もなくて構わないのであるが。
@駅舎に行けなかったのは心残り -
仮設のホーム上で待っていたのは最初は2〜3人であったが、次第に増え、19時27分発の列車が入線してくる頃には20人くらいになった。彼らを乗せ、列車はタンペレへ戻っていった。
タンペレの市内では、よくわからないがイベント(お祭り?)をやっているようで、各所で仮設ステージが設けられロックや民族音楽の生演奏が行われていた。人出も多く、皆片手にビールやその他のアルコールを手にしている。
賑やかな雰囲気の中で私もあれこれ散策していたが、20時半を過ぎてからコンビニに行ってビールを3本買った。というのも、法律により21時以降はアルコールの販売が禁止されているからである。川沿いまで行ってベンチに座り、昨日のチキンの余りをツマミにして一杯やり始めた。
@全員呑んでいる -
ただ気になるのが、日本のお花見の酔っ払いと違って、彼らは何も食べていないのである。ひたすらアルコールを呑むだけで、それ以外はおしゃべり+タバコだけなのである(そういえば、近場のオープンパブでも、客は飲み物だけを注文しており、机の上はグラスだけであった)。ある意味、彼らは「本当の酒好き」なのかもしれないが、おつまみがないと呑む気になれない私にとっては、少し理解し難いものでもある。「まさか、『公共の場所では、飲むのはいいが食べるのは禁止』なんていう信じられないローカルルールが」と少し本気になって考え始めた時、カップルが隣りに座ってハンバーガーを食べ始めた。少しだけ安心したが、しかし彼らが飲んでいたのはジュースであり、結局、モノを食べながら酒を呑んでいる人は最後まで見付けることができなかった。
目の前には夕日があり、今にも沈みそうであるが、そうはならずにほとんど真横に動いていくのが北欧ならではである。
@やっぱり日本人はツマミがないと… -
3本のうち2本を平らげてから、駅へと向かった。そろそろ、ロヴァニエミ行の列車が入線するためである。
通称「サンタクロースエクスプレス」は、フィンランドを代表する列車であり、観光ガイドブックなどでも紹介されているものである。これだけはどうしても乗っておきたかったので、今回は日本の代理店を通して、デラックスクラス(トイレ・シャワー付)の下段を予約してある。
21時45分頃、列車が入線してきた。ロシアと共通の広い軌道を活かして、車両自体も巨大である(米国のアムトラックのようである)。2階建て車両であり、2階の部分だけでも2段ベッド(つまり実質4段ベッド)である。日本の狭軌では、どうやっても不可能であろう。
@今日の寝床 -
指定された部屋へ向かったが、鍵が閉まっていてドアが開かない。ホームへ出て数両分歩いて車掌のいる所へ行き、「予約があるが、私の部屋が開かない」と言うと、手元にある予約一覧の紙を確認して、「他の客がすでにいるから」ということで、部屋まで来て鍵を開けてくれた。
室内の雰囲気は、ノルウェーで乗車した寝台列車となんとなく似ていた。無料のペットボトルの水も置いてある。様々な面において非常に機能的に出来ているが、欲を言えば窓と机をもう少し大きくしてほしいところである。
まずは、せっかくなので軽くシャワーを浴びることにする。写真ではトイレになっているが、洗面の部分をトイレ側にぐっと引くとシャワーになるのである。
@上部にある禁煙マークの少し右上にシャワーが見切れている -
シャワーを終えた後は、タンペレ市内のスーパーで買った焼魚と、ビールの残り1本で締めた。それが終われば、あとはもう寝るだけである。
シーツはVRの車両の塗装で多用されている動物シリーズのもので、枕はフクロウであった。
@室内全体の写真を撮りたいところだが、上段に人がいるため断念 -
■2014.7.20
5時前に起床。今日も申し訳ないような快晴である。とある駅に停まり、じきに出発したが、時刻からするとオウルのようである(駅名の確認まではしなかった)。続いて、ケミには定刻より4分早い6時09分に到着した。同駅を6時17分に出発。今日も相変わらずの景色である。
@やはり湖が現れると嬉しい -
起床していることの確認であろうか、車掌がドアを開けて何やら言っていった(フィンランド語のため判読できず)。次第にゆっくりとなり、ロヴァニエミには定刻より7分早い7時29分に到着した。
昨晩は乗り込むことで精いっぱいだったため、ここで改めて編成の確認をした。電気機関車を先頭に、寝台車(2階建て)8両、座席車、食堂車、座席車2両とあり、最後に2階建て車両と同じサイズの巨大な荷物車が3両連なっていた。この列車はこの先のケミヤルヴィまで行くのであるが、荷物車だけはここで切り離されてしまった。
ほとんどの乗客が降りてしまい、ケミヤルヴィまで行こうとしている人はほんのわずかである。
@無事到着 -
さて、ここで2時間ほど時間がある。かといってサンタクロース関連の施設へ行くような興味もないし(そもそもまだ開館している時間ではない)、普通に市内を散策するだけである。
駅を出て右手へ歩き始めると、いきなり鐡ネタとしてSLに出くわした(「鐡優フィンランド」再び)。その後しばらく線路に沿って歩いていると、先ほどまで乗っていた列車がケミヤルヴィ方面に向けて走り去って行くのが見えた。
本心からすれば、行けるところまで(終着駅まで)乗りたいところであるが、ケミヤルヴィまで行ってしまうと、戻りの列車が夕方までない=レイルパスをほぼ1日分無駄にしてしまうので、仕方なくロヴァニエミで降りることにしたのである。しかし、もしケミヤルヴィが「欧州最北の駅」とかであれば悔いが残るが、そういうわけでもないので、特に言うほど残念でもない。
@よって、普通にお見送り -
そのまま歩き続け、目的地であった教会の写真を撮り、続いてケミ川を渡った。
なおこの川を渡る橋であるが、上段が鉄道となっており、その下に車用の道路、そして両脇に人道があるという珍しい構造である。しかも、人が歩く部分は木製(木の板)である。果たしてこれが鐡ネタに入るかどうかは微妙ではあるが、個人的には、他ではあまり見られないもののように思える。
@それとも、欧州ではよくあるのでしょうか -
その後は市内を適当に歩き、「欧州最北のマクドナルド」(約1年前の2013年6月までは世界最北であったが、ロシアのムルマンスクに抜かれてしまった)を見たりしながら散策を続けた。
駅へ戻ろうとして歩いていると、道路脇に旧めの建物を発見した。そして偶然目に入ったのであるが、建物の脇に小さなSL印の入った銅版が貼ってあるではないか。もしやと思ってその建物と銅版の写真を撮り、あとになって銅版にあったフィンランド語を翻訳してみると、なんと昔のロヴァニエミ駅舎であった。まさかの鐡ネタである。
@偶然の発見(鐡の神様が私を導いたか) -
駅へと戻り、9時30分発のヘルシンキ行のICに乗り込んだ。ここからタンペレまで、8時間半近い道程である。
普通の旅行者からすれば、「せっかく夜行列車でここまで来て、たった2時間の滞在で戻るなんて」と思われるであろうが、これが鐡旅なのである。ただ、斯く言う私も、昼間の列車に8時間半も乗りっぱなしというのはあまり経験がなく、若干「修行」に近いものを感じなくもない。かなり昔に、特急「白鳥」で青森から京都まで乗ったことがあるが、それ以来の長時間移動かもしれない。
エキストラの車内に入ったが、指定された席(一昨日に買った指定席)は進行方向と逆向きであった。とりあえずそこに荷物だけ置き、車両後方の席へ移動した。列車は、9時33分に出発した。
修行といっても、景色が綺麗で晴れていれば、苦痛ではない。
@のんびりと -
ケミを過ぎ、時刻も11時を過ぎたので、レストランカーへ行ってみることにした。お腹が減っているわけではないが、鐡ネタの一つとして食堂車は欠かせないものである(すでに日本国内からはほぼ絶滅してしまっているし)。
せっかくなので温かいものを、と思ってソーセージや卵料理がセットになっているプレートを頼んでみたのであるが、品切れであった。仕方ないので冷たい一式にしたが、元よりネタ集めが目的なのであるから、これでいいとしよう。
@ただし、値段は高い(約1,100円) -
オウルには、定刻より1分早い11時50分に到着した。停車時間が5分ほどあるため、ホームへ降りて体をほぐした。
さて、ここから先は、重複区間といえども昨晩は寝ていた区間であるので、ある意味初めて乗るところと言っても過言ではないだろう。
オウルを11時58分に出発し、牧草地帯を走り抜け、次の停車駅であるヴィハンティには定刻より15分も早い12時42分に到着した。そんなに飛ばして走った訳でもないのに、えらい早着である(時刻表は手元にないが、VRのサイトで列車を検索し、列車番号をクリックすると始発から終着までの発着時間が表示されるので、それをすべて保存してある)。
駅構内は至る所で工事中であった。15分以上の停車時間となったため、乗客がわらわらと工事中のホームに降りてきて、タバコを吸い始めた。
@フィンランドの喫煙率は高い -
することもないので、駅舎の方や列車の先頭の方まで歩いてみたが、それでもまだ時間が余っている。
同駅を12時58分に出発したが(出発時刻は比較的正確である)、次のオウライネンは4分の早着であった。その次のユリヴィエスカこそほぼ定刻だったものの、その次のカンヌスはまたしても11分の早着であった。元の時刻設定が大雑把過ぎるのかもしれないが、まったくもって原因不明である(そもそも、そんなことを気にするのは日本人だけ、特に時刻表に精通しているような一風変わったほんの一部の人間だけ、なのかもしれないが)。
@景色が綺麗なので、そのうち時刻も気にならなくなる? -
なお各駅で停車時間がそれなりにあるのは、線路が単線であり行き違いをする必要があるからである。しかし、工事中の区間が多く、もしかしたら複線化をしているかもしれないので、そうなると今後かなりのスピードアップが期待されるであろう。
コッコラ到着も定刻より4分も早く、おかげで10分もの停車時間になったので、駅舎の脇に展示されてあったSLのところまで行ってそれを写真に収めたりした。
@もうこれで何機目のSLであろか -
コッコラを定刻の15時00分に出発。長かった修行も、約2/3を終えようとしている。
途中、スコールのような大雨に逢ったが、タンペレが近づくにつれて快晴に戻っていった(ありがたいことに、今回はこのパターンばかりである)。タンペレ到着は定刻の17時59分、結局最後まで進行方向に向かった窓側の席に座ることができ、指定した座席は無駄になってしまったが、それは結果論であろう(エキストラの窓側の半分以上は埋まっていたから、運が悪ければ追いやられていた可能性はある)。
ホテルに荷物を置き、スーパーで「レンジでチン」する安食材と、またもやデザイン重視でビールを3本選び、それらを頂いてからは時差ボケを解消するために早めに床に就いた。
■2014年7月21日
時差ボケ対策で、3時に起床(日本時間で9時なので、まだまだ寝坊の範囲であるが)。明るくなる時間も早いので、4時半過ぎには散策に出かけた。タンペレ市内は一昨日にさんざん歩いたが、早朝はまた別物である。
@爽やか(そして美しい) -
5時半過ぎにホテルを出て、トゥルク・サタマ(トゥルク港)行のエクスプレストレイン(ET)が入線しているホームへと向かった。
どうせRTみたいな旧い客車が連なっているのだろうと思っていたが、ICで使用されている2階建て車両を中心とした9両編成(+2階建ての荷物車1両)であった。しかし、最後尾の客車3両は寝台車であり閉鎖されており、途中に荷物車も1両挟まっているので、実質は5両分だけである。
@2階建ての荷物車とは(これに関する詳細は後述) -
さてさて、今日もまたしても晴れである。タンペレを定刻の5時57分に出発した(あまりにも明るいので、早朝ということを忘れてしまうくらいである)。
穀物畑の中を走り続け、トゥルクには定刻から5分遅れの7時55分に到着した。同駅出発後は超低速走行になり、大きな道路も高架ではなく踏切で渡っていった(まるで引込線の中を走るかのようである)。
終着であるトゥルク・サタマには、8時10分に到着した。ここは、スウェーデン方面に行く大型船が発着する港であるため、列車を降りてから大きなスーツケースを転がしている人が多い。
私は彼らとは逆の方向へ歩き、まずはトゥルク城へ行った。一応、普通の観光もせねばならない。
@定番は押さえる -
少し時間もあったので港の方にも行ってみたが、船舶の待合用の建物などがあったたけで、海まで近づくことはできなかった。
駅へ戻り、ヘルシンキ行のICに乗り込む。4両編成であり、列車の先頭がここに挙げるの写真のような形状になっているので「電車?」と思いそうになるが、実はそうではない。乗客がいる4両は客車であり、この後方に電気機関車がいて、後ろから押す形になっているのである。ただこのようにして運転席だけを客車の最後方に付けることによって、機関車の付け替えをしなくてよくなるのである。
@「なるほど」その1 -
トゥルク・サタマを定刻の8時30分に出発し、トゥルクには8時37分に到着した。ここで23分の停車時間があるので(これは元から時刻通り)、駅付近を散策することにした。有名な大聖堂まで行っている時間はないが、美術館の辺りまでは歩いて行くことができた。
この散策中に気づいたのであるが、ロヴァニエミや今朝のタンペレで私が「2階建ての荷物車」と言っていたのは、実は単なる荷物車ではなかったのである。写真にあるような施設を使用して、乗用車を積み込んで運搬する車両だったのである。もちろん貨車の一種であるが、まさかこういう用途であるとは知らなかった。
@「なるほど」その2 -
9時01分にトゥルクを出発した。景色はこれまでのように北欧的ではあるが、若干違う感じもする。やはりフィンランドにしては「南の方」ということもあり、森林の植生が異なっている感じがする(白樺類が少ない気がする)。また地形の違いもあるためか、牧草地が多く、これまでまったく見ることのできなかった牧羊も目にすることができた。どことなく、北海道やニュージーランドに近い感じがする。
@あくまでも「気がする」ですが -
しばらくすると、車内販売のワゴンがやって来た。おそらく、4両編成と短くレストランカーがないため、ワゴンで対応しているのであろう。
さて、この先はヘルシンキまで行って、その後はコミュータートレインでヒュヴィンカーにある鉄道博物館へ行く予定である。ただし双方とも手前のパシラに停まるので、せっかくなのでパシラで乗り換えることにした。
そう思って車内のWiFiで時刻を調べると、こちらのパシラ到着は10時52分でコミューターの出発は11時24分であった。もしかしてもう1本早いコミューターに乗れるのではと思って調べてみると、10時53分発があった。1分の乗継ではかなり難しいが、ホームが同じという可能性もあるし、あちらが遅れて来るということも有りうる。俄然やる気が出てきたが、パシラ到着は10時53分であった。4本くらい向こうのホームにそれらしき列車も同時に到着しており、残念ながら乗り継ぎはできなかった。急ぐ旅でもないのに、こんなどうでもいいことに必死になってしまうのは、これはもう悲しい性である。
時間もたっぷり余ったので、駅構内で気になっていたムーミン柄のジュースなどを買った。
@コンビニで買うと2.80ユーロなので、スーパーにて2.05ユーロで購入(それでも、約280円と思うと高い) -
長い形をした変なポテトチップを食べたり、駅付近を適当に歩いたりしてから、11時24分発のコミューターに乗り込んだ。思えば、フィンランドに来てから初めての「電車」である。コミューターということでいわゆる近郊路線なのであるが、時速160キロで飛ばしていくので、京浜東北線などのイメージとは全く異なるものである。
@右下にいるワンコといっしょに移動 -
12時00分にヒュヴィンカーに到着し、そこから歩くこと10分強で鉄道博物館に到着した。なぜこのような田舎町にあるのかは不明であるが、移動はレイルパスで可能であるし、パス保持者であれば入館も無料になる。
そそくさと受付を済ませ、まずは屋内展示場に向かった。かなり大型のSLや電気機関車、また旧い客車など、想像していたよりも豊富な展示量である。
続いて、数両のSLが展示されている扇形車庫の方へ行ってみた。その他、屋外の展示施設もあり、また資料を展示している施設もあって、なかなかの充実度合であった。
@月曜の割に見物人も意外に多かった -
歩いてヒュヴィンカー駅へ戻り、コミューターでヘルシンキへと戻った。名残惜しいところではあるが、あとは空港へ行き、帰国するだけである。
@ムーミンもさようなら
ちなみに、今回乗車した列車をすべて定価で買うと、約630ユーロになる。ファーストクラスのレイルパス(265ユーロ)と比較するとかなりお得なように思えるかもしれないが、実はそうはならない。というのも、これはフランスの旅行記にも書いたことであるが、普通の旅行者は私のような「キ○ガイ」染みた乗り方(朝から晩まで乗ってばかり)はしない。よって、普通に鉄道に乗って移動をして、普通に観光をする場合には、すぐにレイルパスを買ってしまうのではなく、VRのサイトで割引料金などを検索して、一番安い方法を慎重に検討することをお勧めしたい。
*旅行記および私の詳細については以下で。
「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
その他の都市(フィンランド) の人気ホテル
フィンランドで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
フィンランド最安
478円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
0
36