2014/07/16 - 2014/07/21
18位(同エリア162件中)
国電さん
■はじめに
今回の訪問先は、フィンランドである。同国に対する予備知識はムーミンくらいしかないので、ベタなタイトルになってしまった。
北欧への鐵旅は初めてではなく、昨年のほぼ同時期にノルウェーとスウェーデンを訪問している。北欧の良い点としては「治安が良い」「英語が通じる(しかもかなり流暢)」などがあり、反対の面としては「物価が高い」ということになる。フィンランドもやはり物価が高いが、通貨がユーロであるため、春に行ったフランスの残りを使ったりすることができるのが唯一の違いである。
利用するレイルパスはフィンランドパス(ファーストクラス5日間用)で、以下のような旅程とした。
初日:成田からヘルシンキへ飛び、夕方はヘルシンキ市内観光(ヘルシンキ泊)
鐵1日目:コウヴォラまで移動し、支線でコトカまで往復。ピエクサマキまで北上し、そこからヨエンスーへ。1日に2往復しかない列車で終着駅のヌルメスへ(ヌルメス泊)
鐵2日目:まずはヨエンスーへ戻る。パリッカラへ行き、支線でサヴォンリンナまで往復。コウヴォラへ移動し、再度ピエクサマキまで北上し、ユヴァスキュラへ移動(ユヴァスキュラ泊)
鐵3日目:まず、内陸を西へ横断して港町のヴァーサまで行く。セイナヨキまで戻り、タンペレまで南下。しばしタンペレ市内を観光した後、ノキアまで往復。その後、ロヴァニエミ行の夜行列車(通称「サンタクロースエクスプレス」)に乗車(車中泊)
鐵4日目:ロヴァニエミ市内を観光した後、ひたすらタンペレまで南下(タンペレ泊)
鐵5日目:トゥルクまで移動し、その後ヘルシンキへ。ヒュヴィンカーまで行き鉄道博物館を見学してからヘルシンキへ戻り、夕方の便で成田へ(機内泊)
最終日:午前9時に成田到着。いったん家まで戻り、夏休みの日数も限られているため、出勤日を増やすために遅刻扱いで会社へ…。
5〜10分程度の乗り継ぎがたくさんあり多少の不安を覚えるが、北欧の鉄道は雪のない季節は概して遅延は少ないし、仮に遅れたとしてもちゃんと接続を取ってくれるのは前回の北欧旅行で確認済みであるから、たぶん大丈夫であろう。
@タンペレ駅にて
- 旅行の満足度
- 4.5
-
■2014.7.16
毎度の如く格安バスで成田へ向かい、10時30分発のヘルシンキ行の便に乗り込んだ(カウンターでチェックイン時に「御座席の確認を」とどこかに電話していたので、「もしかしてビジネス!」と期待していたが、残念ながらインボラ(アップグレード)にはならなかった。しかし、元から非常口を指定していたので、それほど苦ではなかった)。
定刻より30分以上早着したが、イミグレが混んでいて空港の外に出たのは15時過ぎであった。到着時は小雨で、市内へ移動するバス車内でも時折強い雨に見舞われたが、ヘルシンキ駅到着時にはまさかの晴れ模様(快晴)であった。私を歓迎してくれているようで嬉しい。
@ヘルシンキ駅側面(有名な駅正面は改装中であった) -
さて、今日は特に予定がないため市内観光をすることにしている。ヘルシンキ市内で鐡ネタといえば路面電車などがあるが、明日からは嫌でも「鐡づくし」(乗りっぱなし)なので、今日くらいは「普通の観光」をすることにしている。
とりあえずヘルシンキ駅の切符売り場でレイルパスのヴァリデーション(利用できるようスタンプなどを押してもらう)をしてもらい、安ホテルへ行って荷物を置いた。安ホテルといっても日本円で8千円以上するが、北欧の平均からすればかなりの格安である。オメナホテルというチェーン店で、フロントは無人であり(部屋番号や入館用暗証番号などの連絡はすべてメール)、室内にはシャンプーすらないが、私のような安旅行派には逆にありがたい設備である。
@レンジや冷蔵庫もありますし -
身軽になり、市内を適当にぶらぶらして港付近にある寺院を見たりしてから、船でスオメンリンナ島(世界遺産)へ向かった。天気はこの上ない快晴となり、薄手の長袖シャツだけでも暑いくらいである(ただし、少しでも日が陰ると寒くなるのが北欧っぽい感じである)。
約1時間、島内をあれこれと散策した。
@おのぼりさん的に -
船で市内に戻ってからは、大聖堂を外から見て(もう中に入れる時間ではないため)、スーパーでいつも通りに「値引きシール」の貼ってある惣菜やソーセージを買い、ビールは「デザイン重視」で3種類ほど選んで買い、ホテルに戻った。
■2014.7.17
さて、フィンランドでの鐵旅の記念すべき第一日目である。6時半過ぎにヘルシンキ駅に行ったが、ヨエンスー行のインターシティ(IC)はすでに入線していた。機関車を先頭にした客車の6両編成(そのうち1両はレストランカー)であり、後方3両は2階建て車両である。側面にある猫の柄もかわいい。
@ついに始まる -
さて、ファーストクラス(フィンランドでは「エキストラ」と呼ぶ)の車両を探すが、パッと見どれも似たような車両である。最後尾の2階に「Extra」という表示があったので入ってみたが、なんとセカンドクラスと同じ座席ではないか。違いは、車両前方にセルフのコーヒー等が置いてあるのと、座席が革張りになっているだけである(革だとかえって硬いので、セカンドクラスの布張りの方が座りやすいくらいである。それどころか、セカンドクラスの2人〜6人用のコンパートメントの方が空間的にはかなりゆったりしているくらいである)。
両者にはかなりの価格差があり(5日間用で、ファーストは265ユーロでセカンドは179ユーロ。その差86ユーロ(約12,000円)である)、ファーストクラス用のレイルパスを買ったのは失敗のようであった(…と、この時は思っていた)。
@エキストラの車内(後日撮影) -
それはさておき、列車は定刻から1分遅れの7時13分に動き出した。いかにも「客車」という感じの、ゆっくりとした滑り出しである。エキストラの車内は、私を含めても3人だけである。
しばらくは霧模様であったが、じきに晴れてきた。雄大な景色を眺めつつ、乗り換えをするコウヴォラの到着は定刻より2分早着の8時36分であった。
車内であった乗り換えアナウンスに従って移動し(英語があるので安心)、コトカ・サタマ(コトカ港)行に乗り込んだ。先ほどまでのICとは異なり、めっきりローカル色が濃くなった2両編成の電車(リージョナルトレイン:RT)である。
@コトカ方面行 -
同駅を、定刻の8時45分に出発した。日本のローカル線と同様、途中駅には駅員がいない(切符が買えない)駅もあるため、そういう駅から乗車してきた客に対しては車掌がポータブルの機械で発券をしている。それにしても、2両しかないローカル線(乗車率は20%以下)なのに、車掌が2人もいるのは不可思議なことである。
右手に海が見えしばらくすると、瀟洒な駅舎があるコトカである。同駅出発後は、引込線に迷い込んだかのように超低速で走り、終着のコトカ・サタマには定刻の9時30分に到着した。
@天気よし -
それにしても駅舎すらないため、駅というよりは「操車場の片隅」といった感じである。
ここで50分ほど時間があるため、適当に街を散策した。駅のすぐ南側には高台があり(崖の側面には巨大なアリのオブジェもあり)、港方面を見渡すことができる。さらに南へ歩くと意外に賑やかな街並みもあり、ベリーの露店なども並んでいた。さらに公園などもあったので適当に歩いてから、コトカ・サタマ駅へ戻った。
@高台より駅と港方面を見渡す -
駅まで戻ってきたものの、まだ出発まで20分弱ほどあるためコトカ駅まで歩くことにした。散策にもなるし、あちらの方が立派な駅舎がある。
コトカ駅まで10分ほど歩き、そこで10時25分発の列車に乗り込み、コウヴォラへと戻った。
ここでもまた、1時間半ほど時間がある。駅付近の通りを適当に散策し、スーパーでアイスなどを買い、駅へと戻ってきた。
駅のすぐ西側には、SLが展示されている。それを見たりして時間を潰した。
@フィンランド各所で、このようなSLの展示があり -
それでもまだ30分以上時間があったのでホームでぼんやりしていると、ヘルシンキ行のICが入線してきた。立つ人まではいないものの、車内はかなり混雑しているようである(ただし、エキストラは空いている)。
鐵旅の基本は「窓側に座って景色を見る」ことであり、通路側では写真すら撮ることができなくなってしまう。当初はファーストクラスのレイルパスを買ったことを後悔していたが、セカンドクラスの混雑具合を目の当たりにすると、やはりファーストで正解であったと思った。
続いて入線してきたのが、ロシアのサンクトペテルブルグからやってきたアレグロ号である。あれにも一度くらいは乗ってみたいが、ビザが必須である限りロシアは行き辛い国であるため、乗るのはそれが緩和されてからになるであろう。
@今回は見るだけ -
じきに、私が乗るべきクオピオ行のICが入線してきた。ここコウヴォラでスイッチバックとなるのであるが、それにしてもセカンドクラスはかなりの混み具合である。今回はファーストもそれなりに混んでいたが、進行方向側の窓側に1か所の空席を見つけたので、そこを確保することができた。
同駅を定刻より3分遅れの12時55分に出発。景色は、相変わらず雄大なものである。地形的にノルウェーのような険しさはなく、どちらかといえばスウェーデンに近い。そしてスウェーデンとの違いは、時折湖がいきなり現れる点であろう(よって、フィンランドの方が印象が強い)。しかし湖がずっと沿うのであれば撮影もしやすいが、いきなり現れていきなり消えるので、なかなか撮影のタイミングが難しい。
@ベストショットを狙う -
少し意外な点としては、時折短いトンネルを抜けるということである。平坦な場所が多いためトンネルなどは皆無と思っていたが、岩盤のような凹凸がある部分があり、そういうところでは迂回をせずにトンネルを掘ってしまうようである。
北欧は短い夏の真っ盛りであり、ベリー類の季節でもある。市場などでは普通に売っているが、車内でもアナウンスがあり、若い女性2人がイチゴを売りに来た。
13時57分、ミッケリに到着した。駅舎のすぐ隣りには、旧い客車が展示されている(フィンランドは、意外に「鐡」に優しい国家なのかもしれない)。
@こんな風に -
14時43分、定刻より2分遅れでピエクサマキに到着した。地下道を潜ってヨエンスー行が入線しているホームに向かったが、この駅にもSLが展示してあった。
14時53分発のヨエンスー行のRTは、客車の3両編成であった。これまでとの違いは、牽引がディーゼル機関車になったという点である。また、車両が旧くて空調がないため、窓の一部が空いたままという点も違うところである。
この路線は1日に3往復しかないため、ここでの10分程度の乗り継ぎが可能かどうかが、今日の旅程の最大の懸念であった。一安心し、旧い客車に乗り込んだ。
@ローカル線 -
同駅を定刻に出発し、これまでと大差ないような景色の中を走り続けた。時折湖や廃駅などが見えてくるが、いかんせん窓がかなり汚れているため、写真撮影はままならなかった。
ヨエンスーには、定刻から2分遅れの17時04分に到着した(これまでのところ、概して正確である)。やはりこの駅にも、駅前広場にSLが展示してあった(「鐵優フィンランド」である)。
ヨエンスーでの待ち時間は約50分。急ぎ足で川を渡ってギリシャ正教会まで行ってきた。
@正教会 -
さて、次に乗るべきヌルメス行のRTの出発予定時刻は17時55分である。ホーム上ではヘルシンキからやってきたICから下車した乗客もその到着を待っているが(意外に多く、20〜30人は待っている)、どうやらヌルメスからやって来る折り返しの列車が遅れているようである。電光掲示板もの出発予定時刻も、18時15分になっている。
18時05分過ぎにヌルメスからの列車がやっと来たが、なんと1両だけであった(正確には「列車」ではない)。
@初ディーゼルカー(先ほどまで乗っていたのは「ディーゼル機関車が牽引する客車」) -
車内は混雑しており、立っている人もいるくらいであった(近郊列車以外で立ち客がいたのは、この列車だけであった)。その人らが降りてホーム上で待っていた乗客が乗り込んだが、やはりかなりの混雑である。立つ人まではいなくて、私も通路側に座ることができたが、もっと閑散としていると思っていただけに意外であった。
同駅を定刻から20分遅れとなる18時15分に出発。1日に2往復しかないローカル線であるが、路盤は高速化されており、ディーゼルカーは意外な速度で快走していった。
途中のリエクサで多くの乗客が降り、同駅を定刻から17分遅れの19時33分に出発した。なおこの駅から先は、走行音が「ガタンゴトン」になった。相変わらずの快走であるが、少しはローカル線らしくなった気がする。
ただし途中駅(ホルヤッカ)では大量のコンクリート枕木が置いてあり(おそらく今後の工事用)、もしかしたらこの響きも近い将来になくなってしまうのかもしれない。
@路盤工事の準備 -
走行音がガタンゴトンとするようになっても、相変わらずの高速である。路肩にある緑色の看板のようなものがキロポストのようであったので、それらの所要時間を計ってみるとちょうど30秒であった。これならば、超文系の私でも電卓なしで答えを出すことが可能である(分速2km=時速120km)。
田舎になってきたからか、沿線では超巨大な野兎みたいな動物が散見できるが、さすがに車内から写すことはできなかった。
徐々に遅れを取り戻し、終着のヌルメスに到着したのは定刻から13分遅れの20時14分であった。田舎駅らしく、ホームは板張りである。
@少し曇ってきた -
さて、この田舎町での問題点は、夕食(特に重要なのはビール)の調達である。事前に調べた限りでは駅前にスーパーがあるはずであるが、問題はその営業時間である(かなり明るいので錯覚をしてしまうが、すでに夜の8時過ぎである)。
いそいそとスーパーに向かってみると、平日は21時まで営業している店であった。安心して、今日もデザイン重視でビールを3本選び、あとは適当にハムなどを買って宿へ向かった。
宿の選択肢はほとんどないので、ネットの予約サイトで押さえておいたホテル(1泊34ユーロ)へ向かった。ネットの口コミサイトでの評判はあまり良くないが、たしかにかなりボロいものの、東南アジアで超格安(そして超ボロ)のホテルに泊まってきた私としては、特に問題はなかった。
■2014.7.18
ここヌルメスは、地図を見てもらえればわかるように、集落自体が湖に囲まれたようになっている。朝6時前にチェックアウトし(実際は昨日のうちに清算を済ませ、今朝は鍵を置いてきただけ)、静かな街並みを歩いてみた。
@♪静かな湖畔の -
湖を見てからは、教会を経由して駅へと向かった。駅付近では、昨日見かけた馬鹿でかいウサギが走り回っている。すぐに逃げてしまうので写真に収めることができないが、ちょっとした中型犬くらいの大きさがあるので、逆に向かってこられても困ってしまうだろう。
先述したとおりヌルメスは1両のディーゼルカーが2往復するだけのローカル線であるが、駅構内はかなり広い。というのも、この先線路は北進してカヤーニと繋がっており、その間を材木を積んだ長大な貨物列車が走っているのである(ある意味、この路線は貨物が中心であり、旅客列車は「間借り」をしているだけである)。今日も、カラの材木用貨車を連ねた貨物列車が係留されていた。
@これから出発する模様 -
さて、列車の出発時刻は6時40分で、まだ時間がある。わざわざ早くホテルを出てきたのは、昨日の到着前にヌルメス駅の少し手前に旧い客車が係留されているのを発見したので、それを見に行こうとしたためである。
駅から歩くこと5分くらいで、その付近までやって来た。ターンテーブルとレンガの扇形車庫が残っており(この駅だけではなく、フィンランド国内各所でたくさん残っていた)、その傍らに塗装し直された旧型客車が係留されていた。敷地に入っても特に問題なさそうであったので(そもそも柵も何もない)、あれこれ写真を撮った。
@動態保存かどうかは不明 -
駅へと戻り、6時40分発のディーゼルカーに乗り込んだ。乗車率は20%弱くらいであり、やはりこれくらいがローカル線っぽくてよい。
今回の鐡旅では、昨日のピエクサマキでの乗り継ぎと、今日のこの列車に乗り損ねないことだけが重要であった(いかんせん1日に2本しかないので、うっかり乗り遅れたら午後まで待たねばならない)。この後も5〜10分の乗り継ぎが多くあるが、万が一接続がうまくいかなくても、途中を省略したり(盲腸線往復をなくしたり)すれば、挽回は可能なのである。
同駅を定刻に出発後、昨日と同じ景色を見続け、徐々に乗客も増えていき最後には90%くらいまでになって、終着のヨエンスーには1分早着となる8時44分に到着した。
少し時間があったので今日も川を渡って広場まで行き、ベリーの露店などを見てから駅へ戻ってきた。電光掲示によると、9時17分発予定の列車は5分遅れとなるとのことであった。電光掲示の遅れの表示は、その後6分、7分と徐々に増えていった(意外に律儀である)。
折り返しの列車でも遅れているのかと思っていたのだが、9時15分を過ぎた頃、操車場に係留されていた列車が徐にヨエンスー方面に動き出して、それがバックで入線してきた。よくわからないが、車内準備でも遅れていたのであろうか。
@入線中 -
結局、定刻から11分遅れの9時28分に出発した。パリッカラで9分の乗り継ぎ時間で乗り換えなければならないが、先述したように、生真面目な北欧人ならばきちんと接続を取ってくれるであろう。しばらくして車掌が検札に来たので、予定表を見せながら「パリッカラでこの列車に乗りたい」と伝えると、「3番線」としか言わなかった。つまり、乗り継ぎ自体は問題ないということである。
朝から何も食べていないので、セルフコーナーに行ってコーヒーとクッキーをもらってきた。あまり美味しいクッキーではないが(まぁ無料のものであるから、あるだけでも充分であろう)、コーヒーを啜りながら景色を眺め続けた。
@こんなもの -
沿線風景は、これまでと同様に森林や草原であり、そして時折湖が見え、また畑などが現れる。人の姿がほとんど見えないが、時折ベリー畑でそれを摘んでいる人を見かけることができた。日本のビニールハウスのような過保護方式(またはフォアグラ方式)ではないので、味も違うのかもしれない。機会があれば、買ってみようと思う。
@ベリーを摘む人たち -
遅れたままパリッカラに到着し(急いでいたので到着時間は確認せず)、サヴォンリンナ行の列車(RT)が停まっているホームへと向かった。2両編成のディーゼルカーであり、すでに車内は8割程度が埋まってしまっている。仕方ないので、通路側に空いている席を見つけてそこに座った。
同駅を出発後、路盤は左手に逸れて先ほどまで走っていた路盤と別、北上をし始めた。走行音は、やはりローカル線らしく「ガタンゴトン」である。通路側なので写真撮影もままならないが、覗き込むようにして外を見続けた。
11時34分、定刻から7分遅れでサヴォンリンナに到着した。ヌルメスは「片田舎の終着駅」という感じであったが、こちらは「まさにリゾート地」という雰囲気である。
@天気も良くなってきた -
人々で賑わう湖畔を歩き続け、ここサヴォンリンナで有名なオラヴィンナ城へと向かった。短い北欧の夏の真っ盛りであるため、湖畔では水着で泳いでいる人たちもいる。人出もかなりあるが、それでも道路上が「大渋滞」というほどになっていないのは、そもそもの人口の差なのであろう(フィンランドは全人口が540万人程度しかいない)。
歩いて15分ほどで、オラヴィンナ城のほとりまでやってきた。時間がないため中に入って見る時間まではないが、外から見るだけでも充分に迫力のある建物である。
@まさに古城 -
駅付近まで戻ってきたが、広場では露店がたくさん出ている。時刻的にちょっとした飲食物(砂糖をまぶしたパンみたいなもの)にも惹かれるが、せっかくなのでベリー類を買ってみることにした。そこで1件の店でイチゴを買い(1パックで4ユーロ)、それをベンチに座って食べてみた。自分の意志でいちごを買うなど、もしかしたら初めてかもしれない(フルーツ好きではない男の一人暮らしなど、そういうものである)。
味は、甘すぎもなく酸っぱすぎでもなく、なかなか美味であった。若干柑橘っぽい爽やかさも感じられるものであり、この量で4ユーロならば、日本で買うのとあまり差はないようである。他の飲食物が日本の倍かそれ以上することを考慮すれば、安いくらいではないだろうか。
@イチゴ(形も大きさも不揃いなのが、逆にまた良い) -
駅へと戻り、12時30分発のパリッカラ行に乗り込み、ディーゼルカーに揺られること1時間弱でパリッカラに到着した。13時31分発のヘルシンキ行のICに乗るべくホームを移動したが、かなりの乗客が待っている。やはり、ヘルシンキ方面へ向かうにつれて乗客も増えていくようである。
じきにやって来たICに乗り込み、同駅を定刻に出発した。沿線風景はこれまでと特に何が変わるというわけではないが、やはり天気が良いので、ついつい景色に集中してしまう。
@北欧ならでは -
窓側に座ってそういう景色を眺め続けていたが、ラッペーンランタで指定券を持っいる客が乗ってきてしまった。もちろん席を譲って他の空いている席(進行方向とは逆側になってしまったが)に座ったが、エキストラであるにも関わらずすでに半分以上の席が埋まってしまっている(窓側はほとんど空いていない)。今後の旅程でいくつかのICに乗る予定であり、その多くは短時間(2時間程度)であるが、唯一気がかりなのは明後日に乗車する予定のロヴァニエミ−タンペレ間のICである。乗車時間は8時間半近くになるため、恐らく空いているであろうが、万々が一座れなかったりしたら大問題である。レイルパスを持っていれば座席指定料金は驚くほどは高くないはずなので、その区間だけは指定券を取することを決心した。
コウヴォラには、定刻より2分早い15時18分に到着した。ぐるっと円を描いで、1日がかりで戻ってきたことになる。さっそく駅の切符売り場へ向かい、件の指定券を手に入れた(料金は5.90ユーロ)。
続いて、15時45分発のピエクサマキ行に乗り込んだ。ヘルシンキとは反対側に向かう列車であり、すでに夕方でもあるため、エキストラの車内は私を含めても3人だけであった。
@昨日と同じ区間を走る -
同駅を定刻の15時45分に出発した。ここからは、昨日とまったく同じ区間を走ることとなる。
本来はこのようなルートにする予定はなく、できるだけ同一区間に乗らないような回り方をする予定であった(到着日に夜行列車に乗って北上し、オウルからイーサルミを経由してピエクサマキへ行くことを考えていた)。しかし、夜行列車の指定が取れなかったことから、仕方なくこのようなルートになった次第である。
しかし、経路が重なると言っても、昨日1回乗っただけの路線である(常磐線に何十回も乗っているのとは訳が違う)。よって、昨日座ったのとは反対側の窓側に陣取り、景色を眺め続けた。
@至る所に転車台あり -
ピエクサマキには定刻の17時42分に到着した。ここで少し時間があるため、駅近くにあったスーパーへ行ってみた。惣菜コーナーに鶏の丸焼きがあったので、今日のメインにすることにした(小さ目とはいえさすがに今日中に平らげるのは難しいが、余れば明日に持ち越せばよい)。
駅へ戻って18時27分発の列車に乗ろうとしたが、どうやら先ほどまで乗ってきた車両が宛がわれるようである。隣りのホームには、北上する(つまり私が乗ることができなかった路線を走る)電車「ペンドリーノ」号が停まっていた。そういえば、今回の旅程ではペンドリーノ号に一度も乗らないことになっている。この列車は全席指定であり、指定を取るのが面倒であったため割愛してしまったのであるが、1本くらいは旅程に組み入れればよかったとも思った。
@これも見るだけ
同駅を定刻から12分遅れの18時39分に出発し、少し遅れを取り戻して、ユヴァスキュラには19時24分に到着した。駅から歩いて5分ほどにあるホテル(今日も「オメナ」)に投宿し、近場のスーパーでまたしてもデザイン重視でビールを3本買い、レンジで温めた鶏の丸焼きを解体しながらの一献となった。
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