2017/05/04 - 2017/05/05
16位(同エリア311件中)
まつじゅんさん
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GW旅も2日目。
今日は、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」です。
選定理由は、環境に配慮し、自然と共生した鉱山運営を行っていたことが特に評価され、2007年7月に国内では14件目、鉱山遺跡としてはアジアで初めての世界遺産に登録されました。
本当に、訪れて、見て、歩いてこないと、分からない事が多くありました。
私達は、たまたまバスが着いた時に、案内をしていたガイドツァーに参加しましたが、きちんとガイドさんに話を聞かないと、『これが世界遺産?』『どこが世界遺産?』って感じになってしまいます。
この狭いエリアに、最盛期に20万人を越える人々が生活していたという事実に驚くとともに、今は崩れた石垣しか残っていませんが、そこで暮らしていた人々の生活を思い浮かべる事で、自然と共生した鉱山運営という選定理由が見えてくるように思いました。
龍源寺間歩まで歩いて往復して、大森の街並みを散策すると3時前になりました。
世界遺産のエリアでもある温泉津温泉に立ち寄り、大正建築の中で遅い目のランチを頂き、温泉ソムリエ推薦のお湯に浸かり、無事帰着しました。
天気にも恵まれ、新たな発見が多い旅でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
ホテルを出て、最初の訪問地はJR江津駅です。
山陰本線の駅ですが、なにより鉄道ファンの間で有名な三江線の始発駅で、平均400人/日弱の乗降客です。
Wikipediaによると、単式ホーム1面1線(1番のりば)と島式ホーム1面2線(2番・3番のりば)、合計2面3線のホームを持つ地上駅。
1番のりばは、駅改札口に直結している。
2番・3番のりばへは跨線橋(バリアフリーには対応していない)を渡る。
寝台特急「出雲」が浜田駅まで運転され当駅に停車した関係で、1番のりばと2番のりばが非常に長い。
1番のりばのうち、東側(大田市駅寄り)の嵩上げされていない部分は撤去されたが西側は撤去されずにそのまま残されている。
以前は3番線の外側に多くの側線が敷設され、広大な構内だった。そこから日本製紙ケミカル江津事業所(旧・日本製紙江津工場)へ専用線が延びていて、1番線と2番線の間には中線もあったが現在はすべて撤去されており、発生した空き地の向こうに三江線の0キロポストが取り残されている。
浜田鉄道部管理の直営駅であるが、早朝と夜間に無人となる時間帯がある。
また駅舎内にはキヨスクが営業していたが、2016年6月に閉店となった。 -
三江線は、2018年4月1日廃止予定となりました。
現在1日5本。江津と三次の直通列車は1本。
江の川に沿って結ぶ陰陽連絡路線として、1930年代から長い期間をかけて建設されたようですが、全通は1975年。
すでに地域間移動は道路利用に移行しており、加えて、「へ」の字状に流れる江の川に沿って狭い平地を縫うように走っているので、大きく迂回するルートを取っているので、全線108kmですが直線距離なら60km足らずという、両都市間の短絡路としては機能していない路線です。
また、島根県東部の主要都市である出雲市・松江方面、西部の主要都市である浜田方面と、広島県との連絡には、いずれも迂回路となってしまい、当初から陰陽連絡路線としての機能を果たせるものではなかったという指摘もあり、廃止は致し方ないのかもしれませんね。
ちなみに、輸送密度は83人/日で、2014年4月以後、三江線はJRの運行中の路線で最下位です。 -
江津から、R9、無料の自動車専用道路の江津バイパス経由で20分ほどで、石見銀山世界遺産センターに到着です。
石見銀山周辺は道が狭く、生活道路となっているので、銀山への車両入場は基本出来なくなっています。
石見銀山世界遺産センターの駐車場からシャトルバス、路線バスで向かうのが一般的です。
世界遺産センターは、GWで混雑していて仁摩にも臨時駐車場が設置され、バスが出ていました。 -
石見銀山は、パーク&ライド方式の交通規制を実施しています。
理由としては、遺跡や文化財が集中する大森地区、銀山地区は道幅が狭く十分な駐車スペースが確保できず、観光車両が集中すると町内の道路が渋滞します。
また、遺跡巡りや町並み見学は歩いての散策となることから、歩行者の安全を確保するためにも季節を問わず交通規制を実施しています。
こちらがシャトルバスです。
乗車時間5~10分程度。片道240~280円(降車場所による)です。 -
地区の方々は、このような表示を車に付けています。
これがないと銀山地区に入る事が出来なくなっています。 -
石見銀山公園でバスを降り、丁度出発時間になっていたガイドツァーに参加する事にしました。
結果的に大正解。
龍源寺間歩までの往復で、途中図解や写真を交えての解説を受けながら、約3時間。
出発前に全体模型で、行程、ルートの説明を受けています。 -
ガイドさんによって多少ルートなどの違いはあるようですが、よく勉強されているので、質問にもきちんと答えてくれます。
何より、石見銀山を大切にしている思いが伝わってきます。 -
石見銀山の規模は529ha(東京ディズニーランド約11個分)。
大航海時代に、世界的に注目を浴びていた石見銀山。
趣深い街並みには、人々の暮らし、歴史を伝え残しています。
風景から歴史、生活を分かりやすく解説して貰えました。
「石見銀山の風景には全て意味がある」ということですね。
ワンコインガイドがお勧めです。↓
http://iwamiginzan-guide.jp/ -
1600年代には、20万人もの人が暮らし、当時の鉱夫の平均寿命は30代という事ですが、狭い抗内で人力で掘り進め、肺に石がたまり亡くなる人が多かったようです。
当時、銀山百カ寺と言われるほど、100を越えるお寺があったようです。
墓標も数え切れない位、点在しています。
朽ちた石に歴史を感じます。 -
最新の調査では、石見銀山には770を越える間歩(採掘抗)が確認されています。
人が通れるかどうかの大きさの物や、明治時代の機械堀の跡など、様々な形態が存在しますが、一つ一つに番号が打たれています。 -
当初、石見銀山では、採掘から精錬までの作業が、すべて人力・手作業で行わていて、作業を行う製錬工房が多数集まることによって、高品質の銀を大量に生産することが可能となっていました。
このことを証明する600カ所以上もの露頭掘り跡や間歩が残っており、これらに隣接して、かつて製錬工房や生活の場であった平坦地が1,000カ所以上も残っています。
ガイドさんが何度も言われていて、印象深かったのは、今、見ると単に朽ち落ちた石垣だけど、これは山を切り開いて平坦地を作り、銀山で生活していた20万人を越える人々の生活の跡で、その歴史を感じ、残っている姿を見て欲しいと言う事でした。 -
「仙ノ山」。
標高470Mの山ですが、山頂付近に江戸時代は1,000軒近くの家が建っていたと言われています。 -
唯一公開されている龍源寺間歩の入場券売り場です。
「間歩」とは抗道のことで、石見銀山には大小合わせて約770の間歩が存在すると言われています。
江戸時代初期に開発され、永久・大久保・新切・新横相の間歩とともに『五ヵ山』と称される大坑道で、中期には代官所の直営として操業されていました。
龍源寺間歩は全長約600mに及びますが、見学できるのは入口から157mの地点までのところまでで、人が入れる大きさがそこまでという事です。 -
龍源寺間歩の入口です。
出口は、157mの地点から新たに設けられた観光用の坑道(栃畑谷新坑、全長116m)を通り、別の場所になります。
人口抗道には『石見銀山絵巻』という電照板が展示してあり、当時の銀山の様子を知ることができます。 -
16世紀初頭から大正後期にかけて、銀鉱石を求めて掘られた石見銀山の坑道内部。
坑道内の壁面には当時のノミの跡がそのまま残っており、当時の採掘の様子がよく伝わってきます。 -
当時の技術では、1日に掘り進める距離は30cmほどらしいです。
ノミ跡があらわに残る壁、そして、産出した銀を馬に乗せ、8キロ先の港まで
運び日本国内、世界へ流通する姿を思い浮かべると、過酷な労働が偲ばれますね。 -
抗道からは、鉱脈に沿って掘り進んだ20余りの横穴や、垂直に100mも掘られた竪坑も見ることもできます。
-
龍源寺間歩を後にして、江戸時代、幕府の直轄地だった石見銀山の町、「大森」に向かいます。
全長800mほどの「大森の町並み」も世界遺産・石見銀山の登録エリアです。 -
鉱山は、1923年(大正12年)に廃坑となりましたが、大森の街並みは武家屋敷や町家、社寺がおよそ250軒あります。
赤瓦と土壁の家が軒を連ねる街並みが状態よく残り、伝統的建造物群保存地区に指定されています。 -
石見銀山公園をスタートし、龍源寺間歩まで約2.3km。
龍源寺間歩に入り、大森の街並みまで戻ってきました。
街並みは約800m。
途中、アイスコーヒーを飲んでチョット休憩です。
色々寄り道もしていますので、ここまで7km近く歩いています。
4時間以上の滞在時間中、初めて座って休みました。
まだまだ歩ける・・・。 -
大森の街並みの入口にある「中村ブレイス本社」。
世界中から感謝の手紙が届くという、世界的なメーカーで、人口乳房「ビビファイ」や、ベルトやインソール(足底板)等の義肢、医療器具のメーカーです。
この会社、中村社長がいなければ、石見銀山の世界遺産登録は無かった、と言っても過言では無いと思います。
私財を投じて、歴史資料の収集や資料館の修復等を積み重ねてきた結果、歴史遺跡は蘇り、石見銀山は、昭和44年に文部省より重要鉱山史跡、昭和62年には街並みが重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
さらに、山頂一帯に貴重な中世の鉱山町跡が発掘され、銀を運び出した街道跡、積出港と共に、平成19年7月「石見銀山遺跡とその文化的景観」は、ユネスコの世界遺産に登録されました。
当初の答申は、延期勧告でC評価でしたが、700年の昔から、燃料として伐採した木材の本数を植樹する等、環境に配慮した文化遺跡をアピールした政府の尽力が功を奏し、2段階アップで世界遺産に登録され、大逆転と言われた位ですからね。 -
代官所前広場から世界遺産センターにバスで戻ります。
美味しそうな苺スムージーを飲みながら、バスの到着を待ちます。
石見銀山は世界遺産で観光地ではありません。
訪れる人の意見でも、何処が世界遺産、何が世界遺産という声が良く聞かれるようです。
そのように言われることに、地元人として大変残念な思いを抱き、世界的にも
類を見ない「本当の世界遺産たる価値」を知って貰いたいと、情報発信されています。↓
http://iwamiginzan.org/index.html -
石見銀山を後にして、再度江津バイパスで、日本の世界遺産の中で初めて「温泉街」として登録地になった「温泉津温泉」に向かいます。
銀を積み出した港町として温泉津温泉も栄え、古き良き日本の温泉街を色濃く残す、静かなその空間は「タイムリップ」したような感覚です。
約600mの通りに、小規模の旅館が並ぶだけの小さな温泉地です。
建物の殆どが、江戸末期から昭和初期に建てられた瓦葺きの木造家屋で、築100年を超える旅館も多く残っています。
到着は15寺。遅くなりましたがランチを大正建築の薬師湯旧館、震湯カフェ内蔵丞で頂きます。
ここは男湯の更衣室で、屋根から突き出した湯気だし塔や装飾棟を始め、ステンドグラスや軒下のアーチの細工等が珍しい、重厚な家具と共に歴史を感じる建物です。 -
メニューです。
食事はこの2種類でした。 -
窓からの景色も、木造の旅館街や路地に古い歴史を感じます。
ただ、旅館の中には裁判所の差し押さえ物件の標示がされていたり、経営的には厳しい状況なんでしょうね。 -
重厚な雰囲気と、アンティークな調度品に囲まれた店内。
-
奥様は、温泉津の奉行飯。
石見銀山・世界遺産にまつわる内藤家に口伝で伝わってきた食事で、商標登録されているようです。
プラス季節の野菜を薬師湯の源泉で蒸す「野菜蒸し」が付いています。
温泉たまごは品切れで、食後のアイスクリームに変わっていました。 -
野菜蒸しです。
温泉水の入った鉄板を加熱し、その蒸気で野菜を蒸すようです。 -
私はカレー。。。
アレッ、昨日のランチもカレーだったような気がするけど、こっちも美味しかったです。 -
温泉たまごの代わりにアイスクリーム。
こっちの方が良かったりして。 -
食事を済ませると、やはり温泉でしょう。
嫌がる奥様を説得し、外湯に入る事にしました。
旅の僧が、湯に浸かって傷を治している狸を見つけ、それが始まりといわれている温泉津温泉。
発見されてから約1300年の歴史があり、湯治場として評判の由緒ある温泉です。
外湯は2カ所。さすがに奥様に両方入って良いかな、とは言えませんでしたので、る・る・ぶにも載っていた「薬師湯」にしました。
この「元湯」は味があって、良い風情ですが三朝温泉の「株湯」的な地元の方が多い雰囲気ですね。 -
こちらが「薬師湯」。
ここの温泉の色は、季節や時間によって変化する天然温泉です。
浴槽の淵には、あふれ出た湯の花が幾重にもこびりつき、美しい姿を見せています。
入る時にスタッフさんから、余り長い間浸からない方がよいし、身体に掛けるだけで十分な効果がありますと念を押されましたが、本当に嘗めて入ると、湯あたりする濃さがあると思います。 -
泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉です。
源泉は、施設の真後ろにあり、源泉湯は約46度ですが、そのまま一切手を加えずに注ぎ込まれているので、湯船の奥と手前とで約3~4度異なり、湯船での湯温は温熱療法で最適といわれている40~42度前後となっています。
若干熱いめがお好みの方には良いですが、少し熱かったです。
本当に芯から温まり、湯ざめし難い湯だと思います。
何より、肌はすべすべ、帰って家の風呂に入ると、その違いが際立ちます。 -
薬師湯は、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた100%本物のかけ流し湯温泉です。
オール5は山陰では薬師湯だけとの事です。
源泉が脇にある自然湧出で、しびれるような心地良い「生の温泉」で、免疫力アップや未病対策に好評との事ですが、長湯をすると湯に身体が負けてしまいそうな気がする濃さがあると思います。 -
こどもの日という事で、湯船には菖蒲が浮いていました。
本当に、4,5分だけ湯に浸かり、かけ湯をしただけなのに、身体はホッカホカ。
2階の休憩所に上がり、温泉津の街並みを眺めます。 -
身体のぬくもりは半端無く、アイスが欲しくなり、コンビニに寄り道です。
車で旅行に行く時は一緒に行く、リック人形と倉吉では手に入らなくなっている大山乳業のいちごアイス。
大山乳業と倉吉総産高の生徒が共同で商品化した、湯梨浜町産イチゴ「紅ほっぺ」を使ったアイスクリーム「いちごアイス」です。
美味いと評判で、倉吉では品不足で手に入らなかったのですが、島根で手に入れる事が出来ました。
今回、これまで!
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この旅行記へのコメント (2)
-
- claritinさん 2017/05/24 22:14:13
- こんばんは
- 同じ日に石見銀山を散策していましたclaritinです。
まつじゅんさんの旅行記、はるかに詳しくて石見銀山の魅力を伝えていただいてます。
もと地元民として嬉しいです(^ ^)
温泉津温泉にも行かれたようで、私も何度か行ったことありますが、たしかに、熱くて、でも湯冷めしにくい印象があります。
ご夫婦で色々旅行されていて素敵ですね。
フォローもさせていただきます。
よろしくお願いします。
- まつじゅんさん からの返信 2017/06/15 08:31:18
- RE: こんばんは
- claritinさん
返信が遅れ申し訳ございません。
この度は、私の忘備録&地元巡りのページをフォローしていただきま、ありがとうございます。
昔から色々な所を廻ってきましたが、特に都会は2年行かないと全く別の場所?と思ってしまうほど、変化が激しいですが、山陰はのんびりと、まったり時間が過ぎていきます。
たまに都会に出て刺激を受けて、山陰で癒やされるという生活が理想ですが、まだまだ好奇心の虫がうずうずしています。
新しい街での出会いと美味しい旅を続けたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
matujyunn
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