2017/03/26 - 2017/04/04
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azianokazeさん
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2017年3月29日 アスワンからアブシンベルへ移動 夜は「サウンド&ライトショー」を楽しみました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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3月29日 朝のアスワン駅前
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同上
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駅を眺めるカフェで朝食
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「ローカルなサンドイッチ」と頼むと写真のようなものが出てきました。
40ポンド(250円) -
朝の一服を楽しむ男性
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カイロの日本人宿「ベニス細川家」手配で、この日は専用車でアブシンベルに向かいます。(AM10:00出発)
早朝の3時とか4時でよければ安いツアーがあるのですが、そんな早起きと言うか徹夜はしたくありません。
当初は、バスで・・・とも思ったのですが、手配先もバス時刻は把握しておらず、責任がもてない様子。ツアーでなければ、専用車でコンボイを組んで警官同乗で向かうのが普通とか。
コンボイとか警官とか聞いて、個人のバス移動は難しそうに思え、結局、専用車を頼むことに。
もっとも、あとでわかったのですが、近年はコンボイだとか、警官同乗といったことはなく、普通に車で移送できるようになっています。
それでも、アスワンを出たあたりの検問所で、ドライバーがパーミッション(入域許可証)みたいなものを係官に渡していました。(正確なところはわかりません) -
車は120kmぐらいのスピードで砂漠の中を走ります。
遠くに川か湖のようなものが見えます。「ナイル川だろうか・・・」とも思ったのですが、たぶん「逃げ水・蜃気楼」でしょう。 -
2時間ほど走って、砂漠の中の休憩所で一休み。
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休憩所にいた“きつね”の赤ちゃん。
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休憩所付近 砂漠です。
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風が作り出した風景でしょう。
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10年前、白砂漠・黒砂漠に向かった際にも、こんな風景を見ました。
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右端の円錐形の地形など見ると、「ピラミッドのような形は古代エジプト人にとっては、馴染みがある形状なのかも・・・」とも思えます。
なお、アブシンベルはスーダン国境が近く、スーダンに向かう荷物を満載した大型トラックもよく目にします。 -
アブシンベルまで3時間・・・と言いていましたが、途中休憩したのと、アブシンベル近郊になると速度を出せないように道路のあちこちにコブが作ってあることで(テロ対策でしょうか)、4時間近く要してアブシンベルの「ネフェルタリ・ホテル」に到着。
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広い敷地内にテラス形式で部屋は配置され、裏はアスワンハイダムでできた「ナセル湖」です。
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小規模ながらプールも。
観光客が急減しているせいか、宿泊客は誰もいません。(翌朝、欧米系の宿泊客を一組発見しました)
街とは離れているため、食事はホテル内で。
2時過ぎに遅めのランチをとったのですが、その際に夕食には何を食べるかまで訊かれました。まあ、客が少ないので、食材をそんなに用意もできない事情もあるのかも。 -
1泊90米ドル 普段はこんな高いホテルは使わないのですが、ネット予約できるアブシンベルのホテルの中では一番安かったので。
ホテルは神殿のすぐ近くになりますが、歩いて20分ほど離れた町に行けば安宿もあるのでしょう。ドライバーは今夜はそっちに泊まります。
あとで考えたら、私もそっちに泊まり、神殿への移動等はドライバーに頼めばよかった・・・とも。
室内はきれいですが、大きな問題がひとつ。ホテルのせいではありませんが、日本から持ってきたレンタルのWiFiサーバーが、利用通信会社の関係でアブシンベルでは使えません。
この地をわずかにカバーしている通信会社を使用したホテルのWiFiもあるにはあるのですが、遅くて使用に耐えません。フロントの男性が、正直に「とても遅い」と言っていました。
実際遅いですし、ページが開けません。
(翌朝、かろうじてブログ更新できる状態にはなりましたが) -
ホテルで昼食を済ませて、アブシンベル神殿に向かいます。
ホテルは神殿から500mほどで歩いて行けますが、ホテルのフロントの男性が街まで車で行くからということで、神殿の近くまで乗せてくれました。
わずかばかりの距離ですが、暑い中を歩くのは大変です。
エジプトは冬ですが、さすがに南部アブシンベル付近になると、日中は37℃~40℃ぐらいあるのではないでしょうか。(夏だと“ときには50℃を超えることも”【歩き方】あるそうです。
少しばかりのチップを渡そうとすると、「いやいらない」とのこと。気のいいヌビア系の男性でした。
写真は、車を降りて、神殿に向かう参道。 -
土産物屋が並んではいるのですが、写真のように半分ほどは営業していません。これも、観光客減少の影響でしょうか。
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ゲートを通ってすぐの小山 神殿はこの小山の裏手にあるようです。
入場料は100ポンド(約600円) -
ナセル湖を見ながら小山を回り込みます。
乾燥していますのでそんなには汗はでませんが、暑いです。無理せず、ゆっくり(フラフラ)歩きます。
それにしても誰もいません。貸し切りでしょうか。 -
崖に穿たれた神殿が見えてきました。
中央部が大神殿、右奥が小神殿です。 -
まずは大神殿へ。ようやく観光客発見。
神殿は今から約3300年ほど前の新王国時代の遺跡で、アスワンハイダム建設による水没を逃れるため、現在の場所に移築されたものです。
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オリジナルは、砂岩でできた岩山を掘り進める形で作られた岩窟神殿。大神殿と小神殿からなる。
建造主は新王国時代第19王朝の王、ラムセス2世。大神殿は太陽神ラーを、小神殿はハトホル女神を祭神としている(小神殿は最愛の王妃ネフェルタリのために建造されたものでもある)。
建設後、長い年月の内に砂に埋もれていたが、1813年にスイスの東洋学者ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトによって小壁の一部が発見され、1817年にブルクハルトの知人であったイタリア人探検家ジョヴァンニ・バッティスタ・ベルツォーニによって出入り口が発掘された。
1960年代、ナイル川にアスワン・ハイ・ダムの建設計画により、水没の危機にあったが、ユネスコによって、国際的な救済活動が行われた。
1964年から1968年の間に、正確に分割されて、約60m上方、ナイル川から210m離れた丘へ、コンクリート製のドームを基盤とする形で移築された。
現在ではアスワン・ハイ・ダムの建設によってできた人造湖のナセル湖のほとりにたたずんでいる。
この大規模な移設工事がきっかけとなり、遺跡や自然を保護する世界遺産が創設された。アブ・シンベル神殿は世界遺産の象徴的な遺跡で、文化遺産として登録されている。【歩き方】
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写真は【歩き方】より。
離れた場所から撮影すれば、このような全景も。しかし、暑いので、わざわざ遠くまで歩く気にはなれません。
それにしても、写真は大勢の観光客で賑わっています。 -
小さい頃、子供向け雑誌か何かで、この神殿移設の様子の絵などを見たような記憶があって、以来、是非行ってみたいと思っていた遺跡です。
高さ20mのラムセス2世の巨像が並んでいます。
ちょうど逆光になるため、撮影ポイントが限られます。
“ラムセス2世像のうち向かって左から2体目は神殿完成の数年後に起きた地震によって崩れ、頭部の一部が2体目の前に転がっている。”【歩き方】 -
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大神殿の四体の像はラムセス2世で、その前に並んでいるのは家族の像である。奥にはプタハ神、アメン・ラー神、ラー・ホルアクティ神、そしてラムセス2世の像がある。(中略)
壁には神聖化された聖なる船の前で儀式を行う場面が描かれている。
浮き彫りに王の業績、北の壁にはカディシュの戦い、南の壁にはシリア・リビア・ヌビアとの戦いが描かれている。【歩き方】
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壁に描かれたヌビア人捕虜
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残念ながらアブシンベル神殿は大小とも撮影禁止です。
大神殿入口に係員がいて、ときおり中をチェックしています。
その係員が、入口からなら内部を撮影してもいいとのこと。
内部は直線構造で、手前のラムセス2世の大列柱が並ぶ部屋の奥に前室、一番奥が至聖所になっています。 -
手にしているものは神殿の門の鍵でもありますが、より一般的には、アンク(生命の鍵)と呼ばれるもので、生命のシンボルです。
王、女王、神だけが所有できるものとされ、壁画の中に頻繁に登場します。 -
内部は撮影禁止ということで、入口付近に併設されていた「展示室」の展示写真を数枚。
かつては、このように彩色されていたのでしょう。
日本も今でこそ“わび・さび”の美意識がありますが、昔の神社仏閣は、現在の中国のお寺などと同様に、派手に彩色されていたようです。 -
大神殿壁画のなかでも有名な、カデシュの戦いで戦車にに乗るラムセス2世のレリーフ
なお、カデシュの戦いは、紀元前1274年にシリアのオロンテス川一帯で起きた、古代エジプトとヒッタイトの戦いです。
“史上初の公式な軍事記録に残された戦争であり、成文化された平和条約が取り交わされた史上初となる戦いであるともいわれている。”【ウィキペディア】 -
最奥に位置する4体の神像が並ぶ至聖所を照らす、1961年2月21日の朝日
春分・秋分の日の朝には太陽光線がこの至聖所に直接差し込み、プタハ神を除く(プタハ神は冥界の神)3体の像を照らすそうです。
春分の日なら3月21日だと思うのですが・・・そのあたりは、よくわかりません。 -
神殿の対岸から眺めた、古代エジプト当時の想像図
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1960年代に行われた解体・移設作業
重機が使える現代とは言え、非常に大変な作業です。 -
こちらは、アブシンベル小神殿
ハトホル神とラムセス2世の王妃ネフェルタリに捧げられた神殿。
立像が6体あり、そのうちの4体は王、2体はネフェルタリです。
脇には王子と王女を配置しています。
王妃ネフェルタリは、ネフェルティティ・クレオパトラと並ぶ古代エジプト3大美女(誰が見たのか知りませんが)の一人で、宿泊ホテルの名前にもなっています。 -
手前はラムセス2世:エジプト新王国第19王朝のファラオ(在位:紀元前1290 - 紀元前1224年、または紀元前1279 - 紀元前1212年)。
中央は王妃ネフェルタリ 足元には子供も。
古代エジプトにおいてはファラオが絶対的存在で、たとえ王妃といえどもこのように等格に扱われるのは異例のこととか。
ラムセス2世のネフェルタリへの愛の深さでしょうか。 -
画像は【世界遺産オンラインガイド https://worldheritagesite.xyz/contents/small-abu-simbel/】より
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神殿内部に入ると、まず列柱室があり左右に3本ずつハトホル柱(牛の耳をもつハトホル女神の顔を柱頭とする柱)が並んでいます。
壁や柱には、レリーフが描かれており王妃とラムセス2世が対等に描かれているのが印象的です。
列柱室の先にある前室には、王妃ネフェルタリの戴冠式や牛の姿をしたハトホル女神にラムセス2世とネフェルタリがパピルスを捧げる姿などのレリーフがあり、今も当時の彩色が残っているものもあります。
アブ・シンベル小神殿は、王妃ネフェルタリのために建造されましたが、同時にハトホル女神に捧げられた神殿でもあります。
神殿内のレリーフから一説には、ハトホル女神はネフェルタリ王妃を表しているという説もあります。【同上】
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改めて大神殿を正面から
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暑さで頭もクラクラしてきたので、いったんホテルに帰ります。
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ホテル付近のナセル湖畔に立つ像 ファラオ像でしょうか?ヌビア人でしょうか?
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夕方、「サウンド&ライトショー」のため、再び神殿へ。
昼に神殿のチケット売り場に訊いたところ6時からとのこと、ホテルのフロントでは6時半からと。
早めに行ったところ、ホテルの方が正解。
入り口前のベンチで、バッグを枕に寝転がって時間を潰します。昼間の熱気も薄れ、すごしやすくなりました。
そうしているうちに「おい!日本人 入るぞ!」と声がかかり中へ。(料金は75ポンド 500円弱ぐらいだったような)
付き添いガイドなどを除いた正味の観客数は私をいれて7名ではないでしょうか。ちょっと気の毒な感も。 -
夕暮れの大神殿
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開始前の小神殿
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ショーが始まって、ライトアップされた大神殿
観客7名のうち、日本人が私ともう1組の3名ということもあってか、ショーは日本語で行われました。(各国言語への翻訳イヤホンはあります) -
大神殿に投影された戦うラムセス2世
今回旅行では、アブシンベルのほか、ギザではホテルから“ただ観”し、ルクソール・カルナック神殿でも同様ショーを観ました。
その中では、ここアブシンベルのショーが傑出しています。
理由は、大神殿と小神殿を写真のようにスクリーンとして使用した投影が効果的なこと、ライトアップされたラムセス像自体がピラミッドやオベリスクなどに比べて“見栄えがする”こと、それと、ショーの構成をラムセス2世の戦いぶりやネフェルタリとの愛に絞っており、物語性が深まり統一感があることなどです。 -
短時間で切り替わる暗い映像は、なかなかうまく撮れません。
写真など撮らずに、ショー見物に集中すべきでした。 -
ショー終了後、ライトアップされたラムセス像 手前が観客席です。
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終了後の小神殿
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名残を惜しみつつ帰路につきます。
明日は、車でアスワンに戻り、ナイル川でファルーカ(帆船)を楽しんだのち、列車でルクソールへ移動します。 -
ルクソールのガイド氏から購入したCDにアブシンベル神殿の画像もたくさん入っていましたので、その中からいくつか。
ネフェルタリを描いた神殿の壁画のひとつ -
神殿内部
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ラムセス2世を描いた壁画
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神殿内部
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至聖所の神々
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「サウンド&ライトショー」
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同上
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移設作業の様子
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同上
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