日本の体験 - 日本に住む留学生 -（2）

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2000/10/01 - 2000/10/01

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#カルチャー体験

JIC旅行センターさん

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　前回は留学生の日本での怒りやとまどいの声を拾ってみましたが、今回は逆に、彼らが日本に来て感じた好意的な意見をご紹介したいと思います。

■「デパートのトイレが美しい！」

　デパートのトイレの清潔さは、旧ソ連諸国からやってくる留学生にとって共通した驚きとなるようだ。旧ソ連を旅行したり、シベリア鉄道に乗車したことがある方ならわかるかもしれない。日本の駅でも汚いトイレはあるが、それでもまだいい方に入る。とにかく日本のデパートのトイレは、とにかくキレイだ。

■「ファミリーレストランが素晴らしい！」

　最近の日本のファミリーレストランは、深夜営業が当たり前になり、コーヒーなど飲み物がお替り自由というのも標準的になった。お店の中では、時間を気にしないでおしゃべりしたり、勉強したり、比較的自由に過ごすことができる。留学生の多くにとって、そうした環境はとても新鮮だ。旧ソ連の国々では外食産業が増えてきているとはいえ、一般の人々にとっては、レストランで食事をするのは誕生日や結婚式のパーティーなどの特別な日に限られている。日常的に手頃な値段で楽しめ、店員の応対も丁寧なファミリーレストランは大変魅力的らしい。

■「教科書が充実している」

　旧ソ連諸国における日本語教育の現場は、教科書や日本に関する本が不足しているのが現状。そうした状況にも関わらず、日本語を一生懸命に勉強し、留学してきた彼らにとって、日本語の教科書が豊富に並び、様々な情報が溢れている書店は驚きの場である。「日本語の教科書ってこんなにたくさん存在していたのだ・・・」と驚くのだ。種類も数も多くあるのだが、海外の現場には十分に届いていないのが現状のようだ。

　日本の大学の図書館についても同じことで、資料も文献も豊富にあることは留学生にとっても喜びであるが、彼らの目からすると、日本の学生がこの豊富な文献を生かしきれていないように感じるようでもある。

■「100円ショップは本当に便利」

　留学生にとって、来日直後にやらなければならないことは、自分の部屋の様々な小物を揃えること。旧ソ連の国々からの留学生にとって、日本の物価は非常に高く、生活に必要なものが全て均一の値段で買える100円ショップは、非常に便利で経済的。商品によっては自分の国で買うよりも安いことが多く、彼らにとっては満足のいく買い物ができるとのこと。「すべて100円」というインパクトも大きいようだ。

■「省略されて使われる単語」

　例えば「セクシュアル・ハラスメント」を私たちは「セクハラ」という。これに限らず長い単語を省略して日常使うことが多い。中・高校生は同じ日本人でもわからない省略造語をつくりだす。「セクハラ」を使うことに抵抗はなくとも、「自己中心的」を「自己中（ジコチュウ）」と略すことにまゆをひそめる人はいるだろう。留学生の若者はそれらの言葉をどう受けとめるのだろう。「おもしろい」「省略のしかたがなかなかうまい」という意見が何人かからでた。ほめられてもちょっと複雑な気持ちをこちらとしては抱くのだが・・・。

★★★

　今回は、留学生に日本での生活にたいする好意的な意見をきいてみた。全体として見ると「日本は清潔」ということが大きなポイントのようだ。しかし、それによって現代の日本人は抵抗力が下がっているというのも皮肉なことで、海外に出た日本人旅行者や留学生は体調をこわして帰国する。ここには割愛したが他の意見として、「サラリーマンはほぼ同じ背広姿、学生は制服に身を包み会社もしくは学校に行く。秩序があってよい」、「雨の日、お店で傘を貸してくれて、大変感動した」というものもあった。好意的な意見を集めているうちに、反省点を指摘されているような気もしてきて複雑な気持ちになったことも確かである。