アルプスを一望する高山植物園

2016/10/03 - 2016/10/03

　五竜岳（ごりゅうだけ）は、北アルプスの後立山連峰の中央部にあり、雄大な山容をもち、標高2,814 mの日本百名山の一つに数えられる山です。

　登山ルートの途中に観光スポット「白馬五竜高山植物園」と「アルプス平自然遊歩道」があります。その観光スポットを散策した旅行記です。

　五竜岳の登山口である白馬五竜スキー場のアルプス展望ペアリフト沿いに開設されたのが「白馬五竜高山植物園」コマクサ、タカネナデシコ、など200種以上100万株の高山植物の花々が初夏から秋を通じて見ることが出来ます。また、ヒマラヤの青いケシやエーデルワイスなどの高山植物もパンフレットにありました。

　白馬五竜高山植物園の上部にあるのが「アルプス平自然遊歩道」です。「地蔵の沼」「地蔵ケルン」などを廻るコースで、一周約30～60分で廻ることができます。途中に紅葉ポイント・ビューポイントがあり、自然を満喫できる遊歩道です。遊歩道の一部は五竜岳への登山道で、登山客とも出逢います。ヘルメット姿に大きなザックを担いでいました。また、ザックにヘルメットを結び付けている人が殆どで、五竜岳の難易度が伝わって来ました。

エリア 五竜(長野)

• 旅行の満足度: 3.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩

　「白馬五竜高山植物園エスカルプラザ」の五竜テレキャビン（ロープウェイ）乗り場入口です。さあ、出発です。

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン

　ここは「白馬五竜高山植物園」のベースセンター「エスカルプラザ」内にある「とおみ駅」（標高818ｍ）です。ここ五竜ではロープウェイを「五竜テレキャビン」と呼んでいました。

　「五竜テレキャビン」は8人乗りゴンドラ・テレキャビンです。

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン

　乗車時間約8分で標高1,515ｍの「アルプス平駅」に到着しました。

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン

　「白馬五竜高山植物園」の案内図です。ここで「アルプス平自然遊歩道」に行く道順を確認しました。植物園沿いにある「アルプス展望ペアリフト」に乗車することに決め、リフト乗り場に向いました。

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン

　「アルプス展望ペアリフト」で山の風を感じながらゆっくり空中散歩。アルプスのナイフエッジのように鋭い岩峰が見えてきました。

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン

　乗車時間は約10分。アルプスの山々が雲の切れ間から顔を出してくれました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「アルプス平自然遊歩道」に着きました。どっち廻りがベストか、通り掛かったハイカーに聞きました。「時計回りの方が登りが少ない」と聞いたので、時計廻りで一周することにしました。

　下方にリフトの支柱が見えました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　木々は漸く色づき始めました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　湿原の中に木道が通り、そこを歩きます。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

ナナカマドの木です。まだ紅葉には早いようです。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

ナナカマドの果実が赤く染まり、一際異彩を放っていました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵の沼」です。静かな湖面にアルプスの山並みが映り神秘的でした。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵の沼」界隈がアルプス平自然遊歩道の中で唯一の湿原です。木道がしっかり整備され、こじんまりながら気持ちの良い湿原です。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵の沼」の案内板です。標高が1,648ｍです。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　この辺一帯は「ワタスゲ」の群落があった場所です。案内板には説明がありました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　10月に入り、「アルプス平自然遊歩道」界隈の木々も色づき始めました。

　湿原の中を通る木道が絵になり、大変印象的な光景でした。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

コバイケソウの群落があった場所です。白い可憐な花ですが、毒草として有名と案内板に書いてあり、驚きました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　楓の紅葉です。紅葉と言ったら楓ですね。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　アルプス平自然遊歩道の分岐点です。遊歩道から別れ、「五竜岳」へ行く登山道と遊歩道一周コースです。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　標高1,676ｍの「地蔵ケルン」が見えてきました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵ケルン」の手前に慰霊碑があります。黙祷し、祈りを捧げました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　生憎の天気でした。雨が降らないだけ幸運と思いました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　標高1,676ｍの「地蔵の頭」に到着しました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵の頭」から見える山々の案内板がありました。菅平高原・志賀高原方面の山々です。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　八ヶ岳・美ヶ原方面の山々です。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　地蔵ケルンに到着しました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵の頭」にある道標。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「地蔵ケルン」を正面から撮影しました。頭部には鐘がありました。霧が濃く、鐘の音が道標として、山にコダマするのでしょう。

　下部には石仏が安置され、浄財と書かれたお賽銭箱が置かれていました。山の安全を祈りました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　7月頃に咲く、キク科の「ハッポウウスユキソウ」と7月～8月頃に咲く、リンドウ科の「ハッポウタカネセンブリ」の案内板がありました。夏にはこの辺に群生を作り、可憐な花々が咲いているのだろう、と想像を掻き立てます。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「アルプス平自然遊歩道」の入口まで下って来ました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　「アルプス平自然遊歩道」エリアから「白馬五竜高山植物園」エリアに入ります。秋というのに小さな白い可憐な花が出迎えてくれました。

アルプス平自然遊歩道 公園・植物園

　キク科のユウガギクの花です。花期は9月～10月です。

　優雅な姿のキクに見えるのでユウガギク…ではなく、柚（ゆず）の香りがする事から『柚香菊（ゆうがぎく）』と名付けられたようです。それでもノギクの仲間では、花も大きく、優雅な姿に見える気もしてきます。

　高山植物の案内板が所々にあります。

　ここにもキク科のユウガギクの花が咲いていました。

　キク科のユウガギクの花、花期は9月～10月今から咲こうとする蕾の段階です。

　

　季節は10月、高山植物も寒さに枯れてきました。

　コマクサ群生エリアに来ました。ケマンソウ科で花期は6月～7月～8月です。

「高山植物の女王」として、日本の高山植物の代表的な植物です。高山の寒く厳しい環境では、花が咲くまでにとても時間がかかるようです。可憐ながらも強い植物です。

　訪れた日はコマクサの手入れに余念がなく、黙々と手入れする姿がありました。話を伺うと、「手入れをしなければ、うまく成長しない」と言っていました。野生でなく、植物園ならではの苦労もあるのだ、と思いました。

　キンポウゲ科のハクサンイチゲの案内板がありました。花期が6月です。左側に白く可憐な花が覗いていました。今頃あり得ない、と思いました。

　あり得ない花、「ハクサンイチゲ」が咲いていました。季節外れの花を見つけました。待っていてくれたのです。

　高山帯で様々な高山植物が一斉に咲く場所を「お花畑」といいますが、白い花を群生させるハクサンイチゲはその代表的な存在です。園芸植物で「アネモネ」と呼ばれる花に近い仲間ですが、野生ならではの美しさを感じることが出来ます。

　リンドウ科のオヤマリンドウです。植物園での花期は9月～10月だそうです。

　植物園内の空気も涼しくなる9 月の頃、紫色のリンドウがあちこちにみられます。同じ仲間のエゾリンドウは、花が茎の途中からもたくさん咲きますが、オヤマリンドウは先端のみに花が咲きます。

　根本にオヤマリンドウの花が咲いていました。桔梗の花のようにも見えました。

　「白馬五竜高山植物園」内にある人工の「白馬五竜池」です。「池の魚ヤマメです」と木柱にプレートが張り付けてありました。

　池を覗くと沢山のヤマメが泳いでいました。

　池は浅いので、ヤマメが手に取るように見えます。

　「白馬五竜高山植物園」イチオシの植物が「ヒマラヤの青いケシ」です。の案内板です。花期は6月下旬～8月上旬です。

　ヒマラヤのエリアに植栽。標高4000m 前後に自生する青いケシ『メコノプシス属』の代表種です。『ヒマラヤの青いケシ』というと本種を指すことが多く、また選別や交配による品種改良も多く、花の大きさも青さも見事なものです。

　キンポウゲ科のミヤマトリカブトの花です。花期は8月～9月です。

　

　毒草として知られるトリカブト。実は花は鮮やかで見応えがあるものです。

　トリカブトは毒草の代名詞、トリカブト。北アルプスの秋を彩る一種類でもあります。名前は知られていますが、花や姿を見たことある方は少ないかと思います。場所によって大群生します。毒の効果は何人分でしょうか…？

　タデ科のポリゴナム・アフィネの花です。花期は7月中旬～9月下旬と長い。

　タデ科のポリゴナム・アフィネの花はヒマラヤのエリアに植栽されています。和名ではヒマラヤトラノオとも。淡紅色の花を次々に咲かせ、ロックガーデンを彩ります。開花期間が7 月から時には10月と長いのも特徴です。

　「白馬五竜高山植物園」イチオシの植物が「ヒマラヤの青いケシ」。大きな看板があり、大々的にPRしていました。

　キク科のタムラソウです。花期が8月～9月。

　紫が多い草で「多紫草」、と名付けられたようです。アザミによく似ていますが、違った仲間でトゲが無いことでも区別できます。

　マーガレットのような白い大きなキクの花は「イワギク」です。日本産の野菊です

　ピンクの花は「ヒマラヤトラノオ」です。タデの仲間です。

　「白馬五竜高山植物園エスカルプラザ」内にある「白馬五竜アルプスビジターセンター」の入口です。

　

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン

　「白馬五竜アルプスビジターセンター」の入口にツキノワグマの剥製が飾ってありました。

　

白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ グルメ・レストラン