昭和の町と湯をめぐり。帰途はバスごとフェリーに乗る珍路線で。

2016/12/10 - 2016/12/11

七不思議とジオパーク、それに美味い魚がある姫島へ　～瀬戸内あいらんど紀行vol.12　http://4travel.jp/travelogue/11204018　からの続編です。
国東半島の伊美港に上陸、バスで「昭和の町」豊後高田へ。レトロ感漂う商店街をしばし散歩。バス、列車と乗り継ぎ、「泉都」別府へ。湯めぐり、味めぐりを楽しみました。帰途はバスの旅。2017年1月9日に廃止となる別府ゆけむり号に乗車。途中、バスごとフェリーに乗る日本国内では珍しい路線。中国地方と大分を結ぶ安くて便利な路線で、廃止は残念です。

【旅程】
○12月10日（土）
伊美港14：37（大交北部バス）15：29豊後高田16：54（大交北部バス）17：03宇佐駅17：35（JR日豊本線）18：32別府駅
○12月11日（日）
（午前中は別府街歩き）別府北浜12：14（大分交通・別府ゆめぐり号）17：49中筋駅（広島）18：17（中国JRバス・サンライナー）20：35岡山駅

エリア 宇佐・豊後高田(大分)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

伊美港から宇佐駅行きの路線バスに乗って豊後高田へ向かいます。

伊美港フェリーターミナル 乗り物

国東半島の北側を海に沿って走ります。

伊美港ｋら約50分（1,150円）で豊後高田バスターミナルに到着。バスターミナルの建物は廃止となった大分交通宇佐参宮線、豊後高田駅の駅舎跡。

豊後高田の中心商店街は「昭和の町」として観光客を呼び込んでいます。

休業中の銭湯はまさに昭和の佇まい。

商店街のお肉屋さんでコロッケを買い立ち食い。サクサクの衣とやや甘みのある具で、おやつとしてもイケます。

肉のかなおか 専門店

旧共同野村銀行。昭和8年に地元財閥により建築、平成5年まで銀行として使われていたとのことです。今は古銭などが展示されいる「博物館」になっています。

旧共同野村銀行 名所・史跡

商店街をボンネットバスが走り、乗車することもできますが、運行は原則土日の10：00～15：00。時間が遅く乗ることができませんでした。このバスが駐車されている場所は「昭和ロマン蔵」として昭和レトロに触れられる観光施設になっています。

「昭和の町」レトロカー大集合 祭り・イベント

豊後高田を後にし路線バスで約10分（250円）、宇佐駅に到着。宇佐には八幡宮の総本宮である宇佐神宮がありますが、駅から4kmほどあり時間がないので、参拝は諦めます。

宇佐駅 駅

ローマ字を強調した駅名標。

宇佐駅から普通列車に乗って約1時間（840円）、別府駅に到着。

別府駅 (大分県) 駅

別府駅近くにある、別府高等温泉宿に投宿することにします。ここは共同浴場でもありますが・・・

別府高等温泉館 宿・ホテル

レトロな階段を上がった２階には個室と大広間の宿泊場所があります。

個室は満室だったことから大広間にします。大広間（10名収容）は和風ドミトリーといった感じです。１泊1,700円（入湯税含む）、スマホの充電などでコンセント利用する場合は別途100円。当日の同室者は4名で空いていました。

夜の北浜へ繰り出します。

居酒屋、チョロ松に入ります。

チョロ松 グルメ・レストラン

昨晩は魚づくしだったので、今晩は肉系で注文。まずは牛すじジ酢ものとビール。

若鶏からあげと麦焼酎を数杯。大分は鳥天が名物ですが、ここのから揚げは絶品。

名物のかも吸そば入り。シメとして注文しましたが、鴨肉の美味しさに思わず焼酎を追加。ヘベレケになって店を後にしました。

味のある路地裏。

商店街に人だかりができているジェラートの店がありました。飲んだあとのアイスは最高。

別府 ジェノバ グルメ・レストラン

美人ねこちゃんに呼び止められました。どこのお店にお勤めですか？ついて行きますよ。このあとは宿に帰って寝たことにしておきます。

朝は朝風呂から。ここには「あつ湯」と「ぬる湯」の2つの温泉があります。宿泊すると、どちらも自由に入浴することができます。

別府高等温泉館 宿・ホテル

レトロな階段を下りて宿を後にします。

朝の散歩を兼ねて、ちょっと遠くまで歩き（徒歩15分程度）、キヘイカフェ本店で朝食にします。

キヘイカフェ 本店 グルメ・レストラン

このモーニングセット、なんと600円。コーヒーは勿論、ふわとろのオムレツがとても美味い。朝から得した気分。

北浜に戻り、商店街を歩きます。

別府観光の祖、油屋熊八翁が考えたキャッチコピー、「山は富士　海は瀬戸内　湯は別府」をモチーフにした彫刻がありました。

別府に来たときは必ず立ち寄る竹瓦温泉へ。昭和13年に建設された建物は唐破風造の屋根を持つ豪華なもの。

市営 竹瓦温泉 温泉

今回は時間がなく砂湯には入らず普通浴のみにしました。、普通浴の湯殿も年季が入っており、別府を象徴する温泉です。

約40年ぶりに別府タワーに登ってみます（入場料200円）。

別府タワー 名所・史跡

名古屋テレビ塔、通天閣に次いで、昭和32年に完成。設計者の内藤多仲氏はタワー6兄弟（名古屋テレビ塔、通天閣、別府タワー、さっぽろテレビ塔、東京タワー、博多ポートタワー）を設計。

展望台からの眺め。

鶴見岳と牧草地が広がる扇山や十文字原。

窓ガラスには所々ヒビが入っており心配になります。

猿で有名な高崎山も見えます。

展望台には喫茶コーナーもあります。どこか懐かしい雰囲気。

全日本タワー協議会には国内20のタワーが加入しており、スタンプラリーをやっているそうです。東京スカイツリーが未加入なのはなぜ？

海門寺温泉でシメの入浴。

海門寺温泉 温泉

海門寺温泉の近くにあるアリランへ。風呂上りの一杯。美味い。

アリラン グルメ・レストラン

別府名物となった冷麺をいただきます。モチモチした麺にあっさりしたスープ。あっという間に完食。風呂上りに冷麺、別府ならでは。

北浜バス案内所でネットで予約していた広島行き「別府ゆけむり号」の乗車券を購入します（5,650円）。手書きの乗車券は今となっては珍しいかも。

大分始発、広島行き「別府ゆけむり号」が高崎山を背にやって来ました。

スオーナダフェリーが出発する竹田津港までは一般道を走ります。途中のバス停で数名乗車してきましたが、2割に満たない乗車率です。

一瞬ですが車窓からは夕陽の名所、真玉海岸を眺めることができます。ちょうど、引き潮で、縞状の干潟が現れています。夕陽で紅く染まればとても美しい景色になると思います。

別府から約1時間30分で竹田津港に到着。14時20分発のフェリーを待ちます。

15分程度の待ち時間にはバスから降りて港の売店で買い物をすることができます。

竹田津港フェリーターミナル 乗り物

行きの時に遊んだクロネコがいました。今日はおとなしく寝ていましたがカメラを向けるとこんな表情。

スオーナダフェリー、「ニューくにさき」がやって来ました。

バスの乗客はバスに乗ったまま乗船します。バスごとフェリーに乗る模様は動画ご覧ください(音が出ますので音量注意）。
https://youtu.be/DdX6KT9JXz8

車両甲板から階段を上がり客室に入ります。

座席の客室。

スオーナダフェリー 乗り物

竹田津港を出港。九州を後にします。

しばらくすると昨日まで滞在していた姫島が見えてきました。

竹田津港の売店で買ったビールで喉をうるおします。

船の往来が盛んな瀬戸内海航路を横切ります。

今日は空気が澄んでいるので、徳山に近づいても国東半島の山々と姫島がよく見えます。姫島が3つに割れて見えるのは姫島七不思議に入れてもいいのでは。

徳山湾の入り口にある岩島。灯台と旧海軍の監視塔跡があります。

徳山には出光興産の製油所があり石油タンクが並んでいます。

徳山港に入港します。

到着直前にバスに乗り込みます。

竹田津港から約2時間で徳山港に到着。フェリーの口からバスごと上陸します。写真は運よく最後部の席だったので撮れたものです。

徳山港フェリーターミナル 乗り物

乗客の半数は徳山駅で下車。渋滞していた徳山市内を抜け、山陽道を広島に向け疾走します。

別府から約5時間30分、徳山から約1時間30分、定刻より数分遅れで広島、中筋駅バスターミナルに到着。このバスは広島バスセンターが終点ですが、岡山行きのバスに乗り継ぐためここで降りました。別府ゆけむり号とは最後の別れ。

中筋駅 駅

中筋駅は高速のインターから近く、広島を発着する高速バスのほとんどが停車するので乗継には便利なターミナルです。近くにはコンビニやスーパーもあり食料の調達も可能です。

夕食に広島名物の穴子めしを買い、バスの中で食べました。

岡山行きの高速バスに乗継ぎ、約2時間20分（2,900円）で岡山駅に到着しました。別府からはるばるバスの旅、バス芸人大泉洋の気持ちが分かりました。最後までご覧いただきありがとうございました。（おわり）