2016/10/24 - 2016/10/24
254位(同エリア570件中)
naoさん
奈良県橿原市八木町は、現在の奈良市から橿原市を経て五條市に至る下ツ道(中街道)と、古くは難波宮と飛鳥京を結び、江戸時代には伊勢街道(伊勢本街道)と呼ばれて、伊勢神宮への参拝客が通った横大路の、かつての古代官道が交差する「札の辻」を中心に発達した町です。
東西に延びる横大路に沿って、東側には桜井、西側には高田といった在郷町が存在したため、八木町は南北に延びる下ツ道(中街道)に沿って町場を拡大させることとなり、「札の辻」では「八木市」が開かれ、南大和の物資の集散地として繁栄します。
江戸時代になると「おかげ参り」に始まる伊勢参詣が盛んになり、高野山参詣や西国三十三ヶ所巡礼とも相まって人々の往来が増加すると、街道筋の宿場町としての様相も呈するようになり、当時の記録を見ると、旅篭屋、茶屋、造り酒屋、醤油や味噌の醸造、油屋、青物屋、魚屋、紺屋、小間物屋、荒物屋など、様々な職業の人々が居住していたことが知られます。
橿原市というと、江戸時代そのままの姿を留める寺内町として知られる今井町が余りにも有名ですが、その蔭に隠れてしまった感のある八木町にも、今井町に勝るとも劣らない町並みが残されている事はあまり知られていません。
橿原市の玄関口である近鉄大和八木駅の東側を通る下ツ道(中街道)沿いには、切妻屋根の中2階建てに、煙出しの越屋根、漆喰塗り込めの虫籠窓、格子、出格子、袖壁などをしつらえた伝統的な町家が連なる、素晴らしい町並みを見ることができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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橿原市役所の駐車場に車を停めさせてもらって、八木町の町歩きを始めます。
橿原市の玄関口にあたる大和八木駅は近鉄大阪線と近鉄橿原線が乗り入れている駅で、見えているのは近鉄大阪線のホームになります。 -
八木町の町並みは、大和八木駅の東側を南北に通る下ツ道沿いに連なっているので、そちらへ向かいます。
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こちらの旅館は、かつては下ツ道に面していたようですが、近鉄の用地買収の関係で現在地に移転したんだそうです。
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突き当りが下ツ道です。
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この町家はほとんどの開口部が現代風に改修されていますが、くぐり戸が組み込まれた玄関戸がかつての面影をしのばせてくれます。
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下ツ道を右に曲がって・・・
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南側に向かって歩きます。
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小さな煙出しの越屋根や虫籠窓のある町家は、樋の錺枡に丁寧な細工が見えます。
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瓜型の虫籠窓のある町家。
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名栗加工の外格子をしつらえた町家には、細長い虫籠窓が並んでいます。
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その町家を過ぎた先で・・・
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突然、下ツ道の道幅が広くなっています。
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道幅が広くなった角にある町家の横には脇道があって・・・
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その脇道から見ると、こんな光景が広がっています。
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煙出しの越屋根がある大きな町家は・・・
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河合鋭治家住宅です。
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大きなお屋敷の河合鋭治家の建物のうち、下ツ道には主屋と乾蔵(いぬいぐら)が面しています。
ここから見ると、下ツ道に突き出している乾蔵を過ぎた所から道幅が広がっているのが判ります。 -
河合鋭治家住宅の南隣には河合源七郎家住宅があります。
普段使いの玄関戸は別に、主屋と土蔵の間には来客のための「貴賓口」がしつらえられています。 -
名栗加工の駒寄のある町家。
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こちらは、古代官道の下ツ道と横大路が交わる「札の辻」に建つ東の平田家です。
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東の平田家は、1階に休憩スペースを設けた町歩きの拠点として、平成24年に「八木札の辻交流館」として開館しました。
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「札の辻」に面する2階に手すりを回した姿は、江戸時代の旅籠の風情を今に伝えています。
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東の平田家の角に立てられた、下ツ道と横大路の案内標識。
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郵便ポストの陰から見た東の平田家。
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こちらは、東の平田家と「札の辻」を挟んだ西側にある西の平田家です。
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西の平田家は、嘉永元年(1848年)発行の「西国三十三所名所図会」に東の平田家とともに描かれており、当時の「札の辻」の賑わいぶりを知る貴重な資料となっています。
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横大路を「札の辻」の西に入った所にある町家です。
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南北に延びる下ツ道に沿って町を拡大させて行った八木町ですが・・・
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横大路沿いにも風情ある町家が点在しています。
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では、「札の辻」へ戻ります。
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「札の辻」から見た下ツ道の北側の光景です。
右手が東の平田家で、左手が西の平田家です。 -
南側の町並みです。
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町並みには、幕末の儒学者、谷三山の生家が残っています。
幼くして聴力を失いながらも独学で勉学に励んだ三山は、その卓越した学識から頼山陽や吉田松陰など幕末の知識人とも親交があったと言われています。 -
名栗加工の駒寄に沿って・・・
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趣のある脇道が続いています。
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南側の町並みです。
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白漆喰塗籠めの大きな虫籠窓が特徴の町家。
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こちらは福島家住宅です。
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福島家は、日本三大山城の一つと言われる高取城を本拠とする高取藩の下屋敷を務めた家柄で、参勤交代などの際に藩主が休憩に立ち寄ったと伝えられています。
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また、奈良の豊かな文化や暮らしを発掘する『奈良・町家の芸術祭 はならぁと』の会場としても使われています。
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この町家の小さな虫籠窓は・・・
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なかなかチャーミングです。
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右側の欄間格子のデザインにこだわりを感じます。
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北側の町並みです。
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南側の町並みです。
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本葺屋根のこちらの町家には・・・
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薩摩島津家の「丸に十の字」の家紋のような窓があります。
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四角い虫籠窓のある町家は・・・
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袖卯建に瓜型模様を鏝絵で描いています。
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印鑑や習字道具を扱うお店です。
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年代物の看板がこのお店の歴史を物語っています。
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いろんなところに鏝絵が散りばめられた町家です。
くぐり戸の付いた玄関戸が、より一層風情を豊かにしています。 -
白漆喰の壁にお陽さまがあたっているので、黒漆喰を塗った部分との対比がより明確になっています。
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所々手を入れておられる町家。
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古い部分に比べると、新しいくやり替えられた木の質感が優しく感じられます。
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交差点を挟んだこちらの町家は造り酒屋さんです。
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一枚板の重厚な看板とともに・・・
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造り酒屋特有の杉玉が掛けられています。
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この先でJR桜井線の線路を越えるんですが、畝傍駅がすぐ近くにあるので見に行きます。
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木造の駅舎が残っている畝傍駅です。
この町に近代的な駅舎は似合わないので、安心しました。 -
JR桜井線を超えた先の、南側に延びる町並みです。
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いたずら防止のためでしょうか、プロパンガスの置き場を覆って、ボンベを見えなくしています。
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黒漆喰塗に白いアクセントが外観を引き締めています。
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こちらの玄関は、くぐり戸の付いた格子戸になっています。
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かつての茅葺屋根を鉄板で覆った町家がありました。
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浅黄色の外壁の町家は・・・
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下屋に幕板を下ろしておられます。
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南側の町並みです。
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屋根を残してほぼ全面的に改修された町家ですが、手法としては伝統様式を踏まえておられます。
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さて、そろそろ八木町の町並みも南の端に差し掛かりました。
この後、引き続いて南側に連なる小房町の町並みを歩きます。
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