1987/09/07 - 1990/05/05
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みどくつさん
1988年3月27日、アフリカチュニジアの首都チュニスのホテルで目が覚め、飛行機で一時間程度で、昼前にはローマに着いた。
空港で知り合った日本のOLさん2人と、一緒にバスに乗って、テルミニ駅へ。
バスを降りるところが、窃盗団の練習場所になっていたらしく、OLさんが航空券を取られて、僕が取り戻す。
後で考えてみると、そんなに本気だったようでもなく、盗難練習の一環としての行動のようだった。
OLさんたちと別れて、テルミニ駅の東側の安宿街を当たり、5~6軒目で、「ペンションマルサラ」に宿を決める。
偶然入ったのだが、この宿は、そのころの日本のガイドブックにも紹介されていた有名なところだった。
ペンションの受付のところには、その日本のガイドブックの紹介記事が切り取って、貼ってあった。
その紹介記事(読者からの投稿)が面白かった。
「ペンションのおじさんはとても親切。でもちょっとエッチなので、注意してください。(このことはおじさんには言わないように)」とあるわけだからね(笑)。
この時代の若者向けのガイドブックは、読者からの情報がたくさん載ってて、それが馬鹿馬鹿しくて、面白かったんだ。
例えば、同じガイドブックだったと思うが、日本女性が、パリでフランス人の男に誘われて車に乗った話があった。
「夜の公園に連れて行かれて、いろいろエッチなことをされてしまいましたが、いまはいい思い出です」という危ない話が、堂々と載ってたよ。
このガイドブックは、読者の情報がとにかく笑えたんだ。
読者もレベルが低かったが、編集者も基本的な知的レベルが、驚くほど低かった。
なにしろ、「南半球では太陽は西から昇る」と、堂々と書いてあったからね。
しかし、そのあと、実際にガイドブックが紹介した宿で、強姦事件が起こったりと、読者の情報が危ないことがわかってきた。
当然、ガイドブックとしては、読者情報を載せなくなる。
でも、読者からの情報を載せないとなれば、旅行業者や政府観光局の公式情報だらけになる。
そうなれば、読んでもちっとも面白くなくなるんだね(涙)。
1988年の春休みは、まだまだガイドブックには、かなり怪しげな話が堂々と載っていて、読んでても笑えたもの。
日本の経済はバブルそのもので、なんでもアリの、お気楽な時代だ。
僕は、この日の朝は、チュニジアのチュニスにいた。
でも、夕方にはローマにいる。
昼間には、軽く、スペイン広場やトレビの泉へ行った。
観光はこれで切り上げて、部屋で少し休んだ。
何も食べてないので、夕方になって、一人で、食事に出る。
世界中どの町でも、中心の駅に行けば、軽く食事ができるもの。
そこで、テルミニ駅の中を歩いた。
この時代、テルミニ駅のプラットホームの反対側には、大きな喫茶店があった。
なんとなく、日本女性を目で探していると、簡単に日本人女性を一人発見する。
というのが、1988年の春のヨーロッパは、とにかく日本人旅行者で溢れていたからね。
僕はこれまで、バルセロナで、日本人人妻との恋があったり、ロンドンからのパンク女性を泣かせたりと、モテにモテて来ている。
日本だと、喫茶店にいる女の子を見つけて、店に入っていって声をかけるなんて、そんなこと、できるはずもない。
でも、海外旅行中だと、そんなことは簡単にできてしまう。
僕は、「一人の女性には、必ず、声をかけなければいけない」という、ラテン系らしい義務感で声をかけた。
「こんにちわー♪日本の方ですか?ちょっとお話していいでしょ!」と、強引だ。
でもそれが、イタリアだと、ぜんぜん強引な感じはしない。
本当に、僕の気持ちの中では、「女性を一人でカフェに座らせておくなんて、他の男性は失礼だな」という感覚のほうが強かったよ。
これがラテン男性の感覚なんだけどね。
だから、声をかけたくなくても、義務として声をかける。
ラテン系男性も、なかなか大変なわけだ。
日本女性は、30歳くらいで、別の日本女性と、明日会うことになっているらしい。
つまり、今夜は暇だ。
そうなれば、「食事でもどうですか?僕もアフリカから今日ローマに着いたばかりなんですよ」と誘うのは、男性としての義務だ。
テルミニ駅は、この時代、東側が安宿街で、西側が安っぽいレストラン街だったんじゃないかな。
西側へ行って、安そうなレストランを当たって行く。
適当なレストランへ入り、食事をオーダーして、ワインを頼む。
かなり安かった。
というのが、ここのワインは、1リットルのプラスチックのボトルで出てきたからね。
つまり、ものすごい安ワインということなのでしょう。
話は簡単に、盛り上がる。
だって、僕は、もともと話が面白い人間だ。
しかも、日本で妻に逃げられて、離婚して旅に出た。
誰だって話を聞きたいよね。
ところが、この女性もまた、離婚したばかりで、旅に出ているという。
離婚したばかりの、まだまだ若い男女が、ローマのテルミニ駅で偶然出会った。
そうして、離婚に絡めた、男女関係の難しさを語ったりする。
安いワインをガンガン飲んでいる。
女の子は、「ヨーロッパでは、食事をするというのは、そのあとエッチがあるものよね」と言う。
僕も、これはできるから、どういう風に持っていくかなーと、考えている。
問題なのは僕の泊まっている安宿に女の子を連れ込むときに、フロントの前を通らなければならないこと。
それと、僕の部屋には、シャワーがなくて、シャワーを浴びるのに、共同シャワーを使うこと。
すると、女の子と一緒だというのはペンションの人にわかるし、追加料金を取られるかしら。
そういう細かい(どうでもいい)ことを考えると、面倒くさくもなる。
30歳くらいの離婚美女と、40歳前の離婚男性(僕)の話は、メチャ面白い。
なにしろ、相手に話すことが山ほどある。
僕はもともと、一晩中、朝まででも話せる人間。
追加の1リットルワインを頼んで、さらに話をしていたら、急に記憶がなくなった。
目が覚めてみると、ペンションの僕の部屋で寝ている。
一人きりで、女性はいない。
僕のこれまでの経験から行くと、エッチが面倒になって、ひたすら飲んで、疲れてしまったんだろう。
それで、とっとと「じゃーねー♪」と言って、女性と別れたのだと思う。
これは、日本でも似たようなことは何度もあったから、わかっているけどね。
でもちょっと、女性に対しては失礼だったかもね。
しかし、この女性と、ベネチアで再会したら、怒ってなかった。
どう考えても、飲みすぎだった。
酔っ払うまで飲んではいけません。
でも話が面白ければ、エッチがないほうがいいかも(「世界旅行主義」)。
- 旅行の満足度
- 5.0
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