
2016/05/23 - 2016/05/24
167位(同エリア1133件中)
のまどさん
ワルシャワ後編はワジエンキ公園からスタートです。ここの巨大な像はショパン探訪に欠かせません。公園自体も大きくて、都会の中の憩いの場となっていました。歩き疲れていましたが、バスに乗って偶然ワルシャワ蜂起の大掛かりな像のあるショパンゆかりの場所を訪ねることができました。
中央駅横にあるショッピングモールはポーランド富裕層の勃興を垣間見られる場所でした。翌日はショパン博物館見学。11時開館は遅いのですが、朝の旧市街を散歩するのも気持ちがいいものです。一番見たかった展示物は残念ながら見られませんでしたが、目的が達成できて満足です。
今回のBGMはショパン若かりし頃の作品ピアノ協奏曲第1番2楽章。奏者は日本で人気を誇るポーランド出身のツィマーマン。この映像の横顔はショパンに似ている気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=Cr6rdBfIlw8
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ワルシャワ蜂起博物館見学後はバスに乗ってワジエンキ公園に向かいます。公園はかなり大きいのでどこで降りるべきか不安でしたが、ショパン像が見える位置にバス停がありました。
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イチオシ
ショパンの像としては最大規模で、観客席のベンチが設けられていてお決まりのピアノ曲が流れています。この像もずっと本物を見てみたかった。
ショパンの生誕100周年記念にシマノフスキ(彫刻家!)が手掛けた作品ですが、第一次世界大戦のため完成したのは1926年。そして二次大戦で真っ先にナチスに砲撃されました。 -
後ろの柳の木はピアノを弾く指を表し、手を伸ばしながら横を向くショパンの表情から音楽への真摯な姿勢と情熱が伝わります。
普段は滅多に自分の写真など撮りませんが、ここぞとばかりにショパン像とツーショットの「自画像」を何枚も撮影します。 -
歩き疲れた足に鞭打って公園内を少し散歩します。園内には有名な宮殿やプール施設などもあるようです。
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ベルギーに緑はありますが、本当に自然を感じるところは少ないので、都会にいながらも静かに緑を感じられる場所があるワルシャワを羨ましく思いました。
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さて、せっかく24時間有効の交通券を買ったので、
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主な観光名所を回る180番バスに乗って明るいうちに旧市街の方に再度行ってみます。
降り立ったのはこちらの像が目に入ったため。 -
やはりワルシャワ蜂起の銅像のようです。かなりの大作。
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そして、偶然にもショパンベンチが設けられていた!現在最高裁判所が建つクラシンスキ広場にはかつて国立音楽場が建っていた。ここでショパンはピアノ協奏曲2曲を初演し、初恋の女性コンスタンツァのオペラ歌手デビューを見守り、彼女が深紅のバラを指して舞台に立ったショパンの壮行コンサートが開かれた。あー!
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帰りましょう。地下鉄に乗って中央駅まで。
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この構えに惹かれてショッピングモールに入ります。
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中はこの通り。Marks & Spencerで靴下を買いましたが、値段は西欧と同じ。ここはブルジョワの来る所なんだろうな。
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本日の夕食は生野菜♪
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せっかくなのでポーランドのスープを付けて。量が多かったのでお持ち帰り。
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ワルシャワの締めくくりにもちろんビール。ペルワ、ベルギーでも売っています。チェコとドイツビールが切れたときにポーランド食料品店に買いに行きます(←お好きにどうぞ)。
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翌朝、アパートホテルをチェックアウトし、中央駅のロッカーに荷物を預けます。続いて電車の切符を買います。英語表示があってクレジットカードが使えるので何ら不都合はありません。
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トラムを間違えて、
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地下鉄に乗ります。このエスカレータ、ブダペストと比べられないくらい近代的だわ。
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お目当てのショパン博物館は開館時間11時なので、またもや旧市街に向かいます。時刻は10時前、静かです。
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文明は河川沿いに発祥したので、現在街があるところにはだいたい川が流れています。ワルシャワにはビストワ川。ショパンも異国の地でこの川に思いを馳せたのでしょうか。
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フレタ通りを進みます。本日も快晴、熱くなりそうだ。
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キュリー夫人の生家。工事中・・・
キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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お目当てはVisitation教会。ここでショパンがオルガンを弾いていたんだと思っていたが、違った。正しくはワルシャワ前編で訪ねた教会。
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時間になったので博物館に向かいます。入場券の販売所と入口が離れているのは少し不便。
まずは2日前に訪れたジェラソヴァ・ヴォラの風景。ショパン博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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少年期の手記。
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同じく弾いていたピアノ。グランドピアノをアップライト式にしたもの。
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ショパンの直筆。書道の時間か。こうして見ると当時のポーランド語の筆記体はキリル文字に近かったような気がします。
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ショパン、国立音楽劇場に現る!と宣伝した当時のパンフレット。当時生きていたら絶対行く。
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ポーランドはショパンの誕生前から三国分割やナポレオン戦争を得て国家としての機能を失っていた。事実上支配していたロシアがフランスとベルギーに政治介入しようとしたことに反対してソヴィンスキを筆頭にポーランド軍が宮殿を襲ったが、彼は暗殺され、
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それを機にワルシャワで11月蜂起が起こる。前述の通りショパンはウィーンでこれを聞きつけワルシャワに引き返そうとしたが、「体の弱い君に何ができるんだ」等々周囲に説得され、パリに向かう。
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最上階に向かいます。
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さすが貴族の宮殿だけあって当時の面影を残そうという意図が見えます。
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パリに移住してからショパンは慎ましい生活を送りつつ、貴族のサロンに積極的に出掛けて生活費を捻出しました。貴族に献上された華やかなワルツやノクターン、望郷の念が込められたマズルカやポロネーズ。こう言った二面性に私は惹かれます。
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音量が弱すぎるとも酷評もされた演奏法。でも、その斬新さがフランス国民を魅了したのでしょう。プレイエル社という彼のスタイルに合ったピアノを提供する会社と巡り合ったことも幸運でした。名前もフランス名で知られているので、現にヨーロッパ人の中にはショパンの国籍を知らない人が多数います。
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また、ショパンは美しい女性たちとのロマンスが有名です。真ん中は彼が最も愛したと言われるマリア・ヴォジンスカ。身分・経済格差のためにマリアの家族に反対されて婚約破棄されました。そして彼女が結婚したのはショパン洗礼時の代父の息子。なんたる・・・
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交際した女性の中で最も有名なのは文豪で男装の麗人ジョルジュ・サンドですが、これについては番外編でお伝えします。
写真は弟子だったスコットランド貴族の娘ジェーン・スターリング。サンドとの破局後に全面的にショパンを支え、ショパンは彼女に伴われて晩年イギリスを旅しました。 -
出版されたショパンの楽譜集。
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こちらは直筆。
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え!結核持ちなのに煙管!と焦ったが、ショパンがワルシャワを発つ前に友人に贈ったものらしい。
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ショパンが描いた風景画。楽才も画才もあった。天は二物を与える。
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風刺画。授業中に先生の似顔絵を描いているところを見つけられたが、あまりに似ていたためお咎めなしだったというエピソードがあります。
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ハンガリー出身のリストとはパリの社交界で交流があり、リストはショパンを尊敬していた。演奏や作曲スタイルは正反対で、ものまねが得意なショパンがリストのまねをしながらピアノを弾いたという逸話もあります。
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ショパンの写真は2点しか残されていません。
さて次はショパンの手のレプリカとデスマスクの展示されているコーナーと思ったら、そこだけ閉まっている。この2点がどうしても見たかったのに。 -
ショパン博物館、また来ることはないだろうなと肩を落としながらバスに乗ります。180番バスも最後です。
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あと25分、時間がないと焦りつつ乗ったトラムがまたもや間違えという痛恨の打撃!文化技術宮殿の前を全力で走ったのは電車の発車時刻5分前。
全身から汗が噴き出て、五臓六腑から水分が失われたかのようだった。それでも私は走った。だめかと思ったが、無我夢中でロッカーから引っ張り出したバックパックを背負い、発車直前の電車の行き先表示を確認せずに飛び乗った。 -
間一髪で間に合った。そして私が乗った電車は目的地トールンに停まることが分かった。こういう場面で自分の悪運の強さを痛感する。
車窓を見ながら呼吸が落ち着くとともに全身の汗が引いていった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- アルデバランさん 2016/12/20 11:51:59
- 偶然ですね、ピアノ協奏曲
- のまど様 こんにちわ
ショパンを巡るポーランドの旅
「ご無沙汰だなぁ」と思っていたら『その2』随分前にアップされてたんですね…
あちこち出かけていたので気がつきませんでした
失礼しました
バックパックが左右に揺れながら懸命に走る、のまどさんの後ろ姿が目に浮かびます
笑っちゃあいかんですね…
その3ではクリスティアン・ツィマーマンのピアノ協奏曲1番ですか
偶然ですね
最近4tra更新時にいつも1番をイヤフォンでバックに聞きながらアップしてます
ルービンシュタインかワイセンベルクですけど(笑
やっぱピアニストも実力+ビジュアル系なんですね…
ショパンの手のレプリカ、ほんとうに残念!
一体どんな感じなんだろう
きっとすらりと指が長くて、女性的なんでしょうね
武骨で短い我が指をじっとを眺める…
- のまどさん からの返信 2016/12/21 06:42:55
- RE: 偶然ですね、ピアノ協奏曲
- アルデバラン様、こんにちは。
> あちこち出かけていたので気がつきませんでした
> 失礼しました
いえいえ、お忙しいところいつもお立ち寄りいただき、ありがとうございます。頻繁に国内外に出かけつつ旅行記をアップするバイタリティ、天晴です。
> バックパックが左右に揺れながら懸命に走る、のまどさんの後ろ姿が目に浮かびます
> 笑っちゃあいかんですね…
笑ってやって下さい。本人が博物館の開館時間を事前に調べずに切符を買ったのがいけないので。近年あんなに必死な思いで走ったことはありません。電車に飛び乗って行き先表示を確認した時、自分で自分を褒めてしまいました。
>
> その3ではクリスティアン・ツィマーマンのピアノ協奏曲1番ですか
> 偶然ですね
> 最近4tra更新時にいつも1番をイヤフォンでバックに聞きながらアップしてます
あ〜らまあ、兼ねてから思っていた通り感性が合いますね。この協奏曲は私が人生で初めて自分で切符を買って行ったN響のコンサートの演目だったので思い入れが深いんです。
> やっぱピアニストも実力+ビジュアル系なんですね…
当時のツィマーマン、狙っていた気がしてなりません。ショパンコンクールで優勝したのもこのビジュアルが功を奏したのかも。
> ショパンの手のレプリカ、ほんとうに残念!
> 一体どんな感じなんだろう
> きっとすらりと指が長くて、女性的なんでしょうね
レプリカのコピーを目にする機会があったので、旅行記5でお目にかけますね。ショパンは手や虚弱な体質などかなりの身体的コンプレクスを持っていたようです。
師走ですね。ではまた。
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