南イタリア世界遺産紀行３「ヒルトン・コペンハーゲン・エアポート編」

2017/03/16 - 2017/03/29

ヒルトンコペンハーゲンエアポート（写真）は空港に隣接していて使い勝手が良い。私は昨年10月に１回、今年の３月に２回、このホテルに泊まった。トランジットホテルとしては最適である。しかし、宿泊代金が驚くほど高い。ここが大問題である。
なぜ、こんなに高いのか？

注：このホテルは2017年3月末でヒルトンホテルとの提携を解消し4月から「クラリオン・ホテル・コペンハーゲン・エアポート」となった。フロントで確認したところ1年間はヒルトンのエリートメンバー特典が有効とのことである。


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エリア コペンハーゲン(デンマーク)

3月17日（金）成田を出発したSK984便は同日の午後4時（現地時間）にコペンハーゲン空港に到着。この日はイタリア（ローマ）にトランジットせずに空港隣接のホテル「ヒルトンコペンハーゲンエアポート」（写真）に宿泊する。

日本との時差は7時間あり、日本時間では既に夜の11時になっている。そろそろ眠くなる頃でありこのままホテルに直行してベッドに潜りこむのが一番安全かつ体に優しい。熟年の知恵である。
写真：ホテルのフロント・ロビー

デンマーク空港でスーツケースを受け取ってから徒歩10分、空港隣接のヒルトンホテルはまことに便利である。ホテル中央が12階までの吹き抜け（写真）になっている。アジアンリゾートと違って天井がガラスになっており雨風は入らない。

いつものように高層階の眺めのよい部屋をリクエストしておいたら我々の部屋は最上階12階（写真）だった。この階にエグゼクティブ・ラウンジがある。

窓からはコペンハーゲン空港（写真）が見え眺めもよい。十分満足な部屋で安心する。ヒルトン・ダイヤモンドとしてスイートにアップを期待したが、エグゼクティブ・ルーム止まりだった。昨年の10月にもここに泊まったが、その時はヒルトンのゴールドでやはりエグゼクティブにアップしてくれた。違いがない！やや失望。

日本から11時間にわたるロングフライトの後だけに多少の疲れがある。広くて綺麗なホテル（写真）で安眠できるのはありがたい。

しかし、ここのホテル代金は高い。食事なしの最低料金でルームチャージ1061デンマーク・クローネ（キャンセル不可）、これに25％の税・サービス料金がかかり1326.25クローネに跳ね上がる。

為替の変動が大きいが1クローネ＝16.72円(前払い当時のレート)で換算すると、ルームチャージ17740円、税・サ4400円、合計22140円となる。ヒルトン成田の2倍ちかいコストになる。しかも、コペンハーゲン市内に大きなコンベンションが入ったりするとホテル価格は跳ね上がり、ここのホテルでも3万円台になる。

ここから少々経済と為替の話を…
私は40才頃（1992年）、海外旅行に目覚め「アメリカ、カナダ、オーストラリア・ニュージーランド、ヨーロッパ」という、いわゆる欧米諸国を旅してきた。

当時の日本は経済成長とインフレで物価や賃金が高く、日本円を使えば欧米のホテルはどこも格安に宿泊できた。よって私は大橋巨泉の早期退職と海外ロングステイの生き方に共感し「リタイア後はカナダに住む」という夢が出てきた。

あれから25年、世界は継続的なインフレで物価と賃金が上昇し、日本はデフレに突入。その結果どうなったのか？
世界各国の平均年収（購買力平価ベース）のランキングが現実を語っている。2015年のランキングでデンマークは世界第4位。デンマークの給与所得者の平均年収は73959＄（888万円）である。

一方、日本は世界第18位で37988＄（456万円）。デンマークと日本では約2倍の差がある。日本人はデンマーク人の半分の給料しかもらっていない。しかも平均値として２倍の差があるのに驚く。これでは平均的な日本人はデンマークの高級ホテルには泊まれない。

ただし、これは為替が2015年1ドル＝120円という円安水準での計算である。もし、為替を1ドル＝60円で換算すると日本人の給与所得者の平均年収456万円はドルベースで76000＄に跳ね上がる。デンマークをわずかに追い越し世界第3位になる。

対外購買力を維持するためには日本円は強くなければならない。黒田日銀は異次元の金融緩和をして徹底的な円安政策を取ってきたが、これは日本を安売りする「日本窮乏化政策」であろう。
写真：ホテルのジム（無料）

黒田日銀の円安政策が成功して再び円が1ドル＝130円,140円と暴落していくと、輸出大企業はウハウハであろうが、日本人（庶民）はもう海外旅行ができなくなる。日本とアメリカの経済力が同じ水準で経過すれば、日米の金利差だけ為替が円高にならなければならない。
写真：ホテルのスパ内にある温水プール（有料）

今だに多くの日本人は「日本は快適で住みやすい先進国だ」と思っている。快適で住みやすいことは事実であるが、お金の面で言えば日本人は先進国から脱落しつつあるのではなかろうか？
写真：ホテルのロビーにある飛行機の自動チェックイン

日本にいればサービスがゆき届き快適な生活ができ。しかし、世界的に見ると日本人の貧乏化が進んでいる。海外に出てみると日本の良さと悪さが見えてくる。
写真：ホテルのロビーから空港へ行く通路（外に出なくても空港内に行ける）

ホテルの最上階（12階）にあるエグゼクティブ・ラウンジ（写真）に行く。天井が高くて開放的ないいラウンジである。

ラウンジの一番奥まった所に暖炉（写真）がある。北欧は寒い。暖炉に暖まりながら読書やお喋りをするのであろう。空港ホテルとしては上質のサービスである。

しかし、全般的に食材がやや陳腐である。午後のコーヒータイムの時間帯はビスケット類、ピーナッツ、チョコレート（写真）等である。おやつタイムとしてはこの程度でいいのであるが、サンドイッチ、スコーン、ケーキ類もあるアフタヌーンティータイムを期待すると裏切られる。

さらに、アルコールもフリーで飲めるカクテルタイムの食材がダメである。野菜不足の我々は太いスチィック状のニンジン、大根、キュウリ（写真）をバリバリ食べる。

アルコール類（写真）は充実しているようである。酒好きな人はホテルのエグゼクティブ・ラウンジにアクセスできるかどうかは大きな問題であろう。

温かい料理として揚げ物が2種類あった。サンドイッチ2種類もあるので夕食としても利用できる。物価の高いデンマークで夕食、朝食、コーヒータイムををラウンジで過ごせるので利用価値は高い。

ここのホテルの朝食は非常に充実している。ヒルトン成田と遜色のない品ぞろいである。今日はコペンハーゲンからローマに飛び、さらに電車に乗ってナポリまで移動するので朝食はしっかりとっておく。
写真：朝食レストラン

もっとも私は食事なしのルームチャージだけの最低料金で予約したので、朝食レストランでビュッフェの朝食が食べれるかどうかは未定だった。
写真：朝食レストラン

そこで、チェックインの時、エグゼクティブ・ラウンジの朝食の代わりに１階のレストランで朝食を食べれるかどうか聞いてみた。すると、OKという返事で「朝食券２枚」をくれた。
写真：朝食ビュッフェ

逆に言えば、何も質問しなければ「ラウンジでの朝食のみ」になってしまう。
写真：朝食ビュッフェ

エグゼクティブ・ラウンジの利用規定はホテルごとに様々で朝食レストランアクセスが有料のホテルも多い。よって、取り敢えず無料アクセスできるか聞いてみる必要がある。
写真：朝食ビュッフェ

朝食ビュッフェの時は定番のレギュラーコーヒーが出されるが、カプチィーノ（写真：無料）やエクスプレッソを注文してみるのも手だ。無料ならもらえばいいし、有料なら「No thank you」である。国内でも海外でも高級ホテルになればなる程、自分の要望を伝えると旅がより快適になる。

さて、ヒルトンホテルをゴールドステイタスの時とプラチナステイタスの時と使ってきたが、その違いは正直あまりない。最大の違いはプラチナは「エグゼクティブレベルにアップが保証されている」ことであろう。ゴールドの場合はそのホテルの空室状況やホテルの裁量による。よって、ゴールドの人は、「エグゼクティブレベルにアップできませんか？」と聞いてみるといい。