一足先に秋を感じに、華やぐバルトへ！（リトアニア＆リガ＋α）【4】〜シャウレイ・十字架の丘の往復24kmを自転車で全力疾走！？

2016/09/16 - 2016/09/26

「十字架の丘」
　今回のバルト行きを決めた理由といっても過言ではない場所が、今回の旅行記の舞台です。しかしこちらは、非常に辺鄙なところにあります。
（リトアニアの北部シャウレイまで出て、さらにそのシャウレイから10km以上離れた交通不便な所にある）

　個人旅行者の場合、課題となるのは以下の２つと思われます。
1.他の町からシャウレイへのアプローチ
2.シャウレイから十字架の丘へのアプローチ
（※余談ですが、リトアニアに関しては効率よく観光地を回りたい場合は、添乗員さん付きのツアーがベストだと思います。私は「費用面」「自分のスケジュールでのんびり動きたい」「交通やホテル手配を、自分で考えながらするのが好き」で個人旅行を選んでますが、今回ばかりは非効率と思いました……）

【1.他の町からシャウレイへのアプローチ】
　よく取られるルートが、ラトビア・リトアニア通過途中に立ち寄る早駆けルート。
「リガーシャウレイーヴィリニュス」もしくは「ヴィリニュスーシャウレイーリガ」です。私も最初はこれを検討、シャウレイ１泊して抜ける事を考えたのですが……「シャウレイにいいホテルがなかった（費用対効果）」「リガーシャウレイ線のバスがミニバスの確率が高く、車酔いの危険有」で見送り。
　次に検討したのが「ヴィリニュスーシャウレイーカウナス」。ヴィリニュスーシャウレイ間はバスも列車も有り／シャウレイーカウナス間はバスです（※シャウレイーカウナスは週１で列車があり、18日は運行していたので日程的には行けました。が、カウナス着が夜9時ぐらいなので、女一人旅では危険と判断）。日本出発前日まで悩んだ結果、「列車駅ーバスステーション間の移動が長い。キャリーケース有＋パスポート等貴重品持った状態で、土地勘のない所を移動するリスクが高い（※危機感のない私の場合です）」「３都市移動を、全てバスで移動するのはしんどい」で見送り。
　そんな訳で、カウナスから日帰りアプローチとなりました。ちなみに、日帰り拠点がヴィリニュスではなくカウナスなのは、費用面の都合です（カウナスのほうがホテル代が安いから）。

【2.シャウレイから十字架の丘へのアプローチ】
A.シャウレイから路線バスで移動、一番近いバス停「ドマンタイ」から約2km歩く。
B.タクシーチャーター
　大体、この２つになると思います。
　Aの問題点は「路線バスの本数が少ない」「バスの時間が正確でない（時々、時刻表より早めに出発しているらしい）」→手待ち時間が多い上に、時間が読めない
　Bの問題点は「タクシーでぼられる危険性」「女一人・英語不可なので、トラブルが起きた時に対処できるかどうか」。ただ、ツーリストインフォでタクシーを呼んでもらえるらしい、と「地球の歩き方」や他の方の旅行記で知りました。
　その時に同時に知ったのは、「ツーリストインフォで、自転車を貸してもらえるらしい」。自転車なら、時間気にせずに自由に動けるんじゃない！？　田舎道走るなら、それほど危険もないだろうし！　ただ、レンタルサイクルを借りた方の情報は、あまりネット上で見つけられず。
「ツーリストインフォ行ってみて、自転車借りれそうなら自転車。無理なら、タクシーを呼んでもらう」と決めて、シャウレイに向かいました。

　しかし、旅行記の最初に断言しておきます。
「自転車は借りれるけど、辞めとけ。絶対だぞ！（※経験者は語る）」

　9/16 前泊（関西空港泊）
　9/17 大阪ーヘルシンキーヴィリニュス（ヴィリニュス泊）
　9/18 ヴィリニュスーカウナス（カウナス泊）
☆9/19 シャウレイ日帰り（カウナス泊）
　9/20 カウナスーヴィリニュス（ヴィリニュス泊）
　9/21 ヴィリニュス観光（ヴィリニュス泊）
　9/22 ヴィリニュスーリガ（リガ泊）
　9/23 リガ観光（リガ泊）
　9/24 リガーヘルシンキ（ヘルシンキ空港泊）
　9/25 ヘルシンキー大阪（機中泊）
　9/26 大阪着

エリア シャウレイ(リトアニア)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 高速・路線バス 自転車
• 旅行の手配内容: 個別手配

早朝。
ホテルの朝食は、６時半からでした。

なんとか出発前に食べれそうなので、急いでいただきます。
お手軽な宿泊代なのに、一通りのものはそろってました。

リトアニア、特にカウナスのコスパの良さは戦慄でした。
（その後、リガに移動した後は思わず「高っ」って言ってたほど。リガでも、日本よりは物価安いのに）

では、バスに乗り遅れないようにホテルを出発。

ちなみに、仮移転中のバスターミナルですが、
道なりにこの通り看板があるので、迷うことは少ないかもです。

アクロポリスに到着。

３番のプラットホームに向かいます。
……が、まだ早すぎたのか、バスが来ておりません。

バスのチケットは、日本出発直前にネットで購入。

autobusubilietai.lt
https://www.autobusubilietai.lt
こちらで購入可能です（決済はクレジットカード）

購入時、実は間違えて昨日（17日）のチケットを買ってしまいました。
日本出発前日、家を出る前にパウチャー類の再確認した時に気がついて、顔面蒼白。しかし、手数料なしで日付を変更することができました。よかったー。

行きが、カウナス7:30　→　シャウレイ10:20
帰りが、シャウレイ15:00　→　カウナス17:55
日が出てから出発、日が落ちる前にカウナス着で、長めに滞在できるものを選びました。
往復割引で17.28ユーロ。約2000円です。

なお、チケットは必ず印刷する必要がありますので注意。

出発時刻が近づき、バスがやってきました。

席は自由席、この段階の乗車率は40%ぐらいかなあ？

カウナスをしゅっぱーつ！

バスは、どうやら路線バスの模様。
いくつかバス停に寄りながら、旅は進んでいきます。

10:30前に、無事にシャウレイに到着しました。

十字架の丘まで、バスでアプローチする場合は、ここで路線バスに乗り換えることになると思われます。

しかし、私はまずツーリストインフォを探します。

しかし、これを探すのにやや迷子。
GoogleMAPに聞こうにも、ツーリストインフォがうまく引っかからない……！
仕方なく、地球の歩き方の地図をチラ見で進みます。

一旦は間違えて、チョコレート博物館へ行ってしまいました。
でも博物館、時間があったら見たかったな。

迷うこと10分ほど、ツーリストインフォに到着。
インフォ前には、自転車が。

これは、レンタルサイクルできるかもしれません。

【経験者として勧めませんが、それでも自転車を借りたい方の為の参考情報】
・インフォで自転車を借りられます。
・パスポート必要（コピーを取られます）
・多分、１ユーロ／１時間。
・支払いは返却時。クレジット決済可能。
・インフォの閉まる午後６時までに返却しに来ること。
・サドルの調整は、六角スパナが必要です。高さを変えたい場合は、インフォにいる間にスパナを借りてください（私は出発してから後悔しました）
・チェーンロックと鍵も借りれます（無料）

無事に自転車を借りれましたので、しゅっぱーつ！

……ふふふ、この時の為に、

ペットボトルホルダーを用意し！
粉末のスポーツドリンクも日本から持ち込み！
Googleマップも使えるようにしておき！

万全の準備を整えておいたのですよ、ふふふ……。
（自転車が借りれたら、絶対借りる気だった人）

高校・大学時代、片道10ｋｍチャリ通学していたライカさんをなめるな！
ーーそう意気込んでいた時期が、私にもありました。

自転車はサスペンション付きだと思うのですが、スピードが出ません。ギア６段ついてるのに、全然ギヤが効きやしねえ……。
後、道も凸凹道が多かったり、アップダウンが激しい場所があったりと、走りにくいです。道的に悪路すぎて、ロードバイクは無理なんじゃないかな？

12kmなんで、１時間でいけるかなー……と読んでいたのだけど、読み間違えた。
「絶対に、タクシーチャーターすればよかった！」後悔しながら、必死で漕ぎます。

ようやく、十字架の丘のインフォメーションに着きました。
一本道なので、迷子にはならなかったけれどね……体力的に二度とやりたくないです。

ここで時間を確認。
シャウレイのインフォ出発時の写真が、10:48。
現在の時刻が、12:05。
よって、ここまでの所要時間は、1時間20分ほどになります。

帰りに必要な時間は、
自転車を漕ぐ時間：１時間
インフォからバスターミナルへ帰る等の所要時間：30分
迷子用マージン：30分
計２時間と推測。
（※行きは迷子防止の為、時々スマホ地図で現在地確認をしていたから。その分の時間を自転車漕ぎに回せると判断）

つまり→十字架の丘見学は１時まで。１時間もない！

丘までは徒歩で少々。

一見見た感じ、思ったよりは小さそう……？

だいぶ近づきました。

そして、近づくにつれ、鳥肌が立ってきました。

面積としては、小さいかもしれない。

だけど、ここにある十字架の数を思った時、

そして、その十字架１本１本に、

おいた方の思いがこもっている、それを想像した時。

思いの密度を想像して、決して小さいとは思えなくなった。

間違って踏んでしまいそうな、そんな足元にさえ、十字架が建てられている。

時に、支配者たちにブルドーザーでなぎ倒されても、

後から後から、また建てられる十字架。
十字架の上に、重ねられるロザリオ。

キリスト教のものではないけれど、
賽の河原を思い出す。

賽の河原も、
積んでも積んでも、倒されて、
それでも積みつづける。

願いを込めて、十字架を捧げるここも、
人や宗教が違うだけで、根底は似ているのかもしれない。

風に揺られるロザリオ。
この吹けば飛ぶようなロザリオさえ、掛けた人の願いが捧げられている。
思いが重しになって、揺れている。

真新しい十字架。

新しい思いも飲み込んで、十字架の丘はこれからも大きくなっていく。

十重二十重と積み重ねられていく。

先の写真のものといい、この十字架といい。
日本からの大きなものもあってびっくり。

写真は撮ってこなかったのですが、台湾語のものも見かけました。

この場所には、鈍色の空が似合ってしまう。

写真では切れてしまいましたが、
主の足元にも、無数の十字架が。

人によって、この十字架の丘に興味を持たれるかは分かれると思います。
私は、１時間足らずの時間では短いと思いました。

ここに来れてよかった。

そして、自転車じゃなく、タクシーにして、
その分浮いた時間を、丘を見ることに費やせばよかった。
本気で後悔しました。

写真は、人が少ないところを見計らって撮ることが多かったので、観光客が少ないように見えるかもしれません。

しかし、実際はツアーバスが何台もありました。

帰り際、振り返ってもう一度丘の全景を見る。

旅とは、
「自分を探すこと」というよりも、
「自分自身と、時間を持って対話すること」だと思っています。
たしかに、観光であり、見るものは外のもの。だけど、外のものを見た時の自分の変化ーー中を見ることでもあります。

この十字架の丘で、写真を撮ること。
それは、どんな写真を撮るのか、自分が何を感じたのかをフレームにおさめるのかーー今回の旅の中で、一番自分を見ることになった場所でした。



……さあ、では１時間かけて、頑張ってシャウレイに帰るか……。
（※行きが自転車なら、当然帰りも自転車です）

14:30前、インフォ前に帰還。

シャウレイの街中に入るまでは、順調でした。自転車１時間で帰れる、の読みは当たってました。
しかし、街中に入ってインフォ探すのに迷子になりました（！？）

どうも、GoogleMapで、目的地に違う場所を指定していた模様。14時を超えた段階で「まずい、とりあえず一旦わかるとこに出ないと……まずはバスターミナルを目指せ！」で再度マップ確認→なんとかインフォにたどり着けました。

いやー、迷子用マージン30分をしっかり指定した、自分の読みを褒めてやりたい！
（その前に、マージン設定をしないといけないほどに、毎度迷子になるライカさんもどうなのか？）

早足でバスターミナルに帰る途中で見つけた看板。

リトアニアの国技は、バスケットボール。FIBAのランキング（バスケットの世界ランキング）も、かなり上の方だったはずです。
バスに乗っていると、家の前にバスケットゴールがあるうちがちょこちょこありました。多分、日本におけるキャッチボール（野球）的なものなのかな、と思ったり。

滞在中、本当は時間があれば、バスケット関係のものを見たいと思っていました。しかし、まったく見ることができませんでした……残念。

バスターミナル着で、残り15分ほど。
お昼ご飯代わりに、持ち帰りでヘスバーガーを注文しました。

バスのプラットホームで食べながら待っていたら、ちょうどいい頃にバスが来るだろうと思っていた……ら、出てくるのが遅かったため、プラットホームで慌てて食べることに。１分ぐらい、乗車のために並んでいる間に食べたよ！
（ハンバーガーは食べ物ではありません、飲むものです状態）

無事に、15時発のバスに乗れました！

バスは行きと同じく、のんびりした田舎道を進んでいきます。

日本とは違うのんびり感に、「いいなあー、リトアニアでゆっくりしたい」としみじみ。

カウナスに到着しました。

カウナス滞在は今日まで。
明日は、ヴィリニュスに戻ります。