2016/05/19 - 2016/05/23
16348位(同エリア23500件中)
ちゃおさん
マッカサン駅(สถานีมักกะสัน・サターニーマッカサン)で大半の客は下車し、車両内に残っている乗客はほんの数人、数える程だ。余り列車の乗車に慣れていない人か、終点のフアランポン駅で更に又別の列車に乗り換える人位だろう。列車はここまで来るのに進行、停止を繰り返していて、マッカサンを過ぎるとその頻度は更に激しくなり、一度止まったら、もうテコでも動かない様相だ。乗客もそれを承知しているので、のんびり構えている。何時かは動き出すだろう・・、昼までには駅に着くだろう・・、と言った、焦る気持ちもなく、殆ど慣れっこになっている感じだ。当方も時間はある。ゆっくり行けばよい。
「ギ、ギー、」と油が切れたような重く車輪が回転する音が聞こえ、列車はゆっくりゆっくり動き出す。トタン屋根の軒下までスレスレに線路まで出張っている家並が漸く後ろに動いていく。マッカサンからフアランポンまではほんの僅かな距離。多分5キロもないだろう。その僅かな距離を列車は殆ど30分も掛けてゆっくり進む。これは運行システムの問題だ。タイの首都バンコクの中央駅、フアランポン(สถานีรถไฟหัวลำโพง・サターニーロトファイ・フアランポーン)には国内を走行する路線のすべてが集中し、「出船入船」ではないが、地方からやってくる列車、又地方へ出て行く列車の入れ替え作業でてんてこ舞い。どこかの地方線で遅延が起きれば、それはそのまま他の路線に影響し、遅れは玉突き状態になってします。この全体の遅れはいつかの時点でリセットされるだろうが、それがいつ行われるかは、自分には分からない。分かっているのは、タイ国鉄は昔からこんなものだと・・。
窓の外左側にItalthaiの大きなビルが見え、日本人にも有名なバンコク病院が見え、プラトナムの高層ビルが見えてくるともうそこはフアランポンの広大なヤードだ。何本もの線路が走っていて、この列車はどのレールに乗せられて行くのかは分からないが、ポイントを通過する度のガチャガチャ音が激しくなり、漸く前方に駅舎が見え、プラットホームが見え、ガタガタゴトゴト、戦いから帰った英雄か、いや敗残兵のごとき足取りで、漸くホームへ横付けした。約1時間の列車の旅。それなりに楽しいものだった。
- 旅行の満足度
- 4.5
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