ドイツ・オーストリアの初夏、2016（その5）

2016/06/02 - 2016/06/14

7日目〜９日目。ザルツカンマーグート（ゴーザウ、グムンデン、バードイシュル、クリッペンシュタイン）

エリア ザルツカンマーグート周辺(オーストリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

６月８日。朝、まだ静かなノイジードラー湖のほとりを散歩。ところでこの湖、たぶん夏の間だけでしょうが、湖水で遊ぶには料金を払って湖岸に行くようになっているようです。環境保護のためかしら。昼間は海水浴（湖水浴）をしている人がたくさんいました。夕方は自由に湖畔に行って夕日を見ることができます。

ポダーズドルフの村。ここもワインを売っているところがたくさんあります。今日もいいお天気だし、この美しい村から離れたくない、プールでぼーっとしたい、とも思いましたが、今日はザルツカンマーグートへ行く日。この村、また訪ねたい。

ウィーン周辺は晴れていたのに、Attnang-Puchheimで乗り換えてザルツカンマーグートの山のほうに入ってくると雲行きが怪しくなってきました。

ゴーザウ湖はSteeg Gosauからバスです。「地球の歩き方」には「ハルシュタットから電車で１０分ぐらいのSteeg Gosauからバス」ど書いてあったので、私はてっきり「ハルシュタットより先」と思いこんでいました。でもハルシュタットを過ぎるとOvertraunという駅で電車は終点。あれれ？

「Steeg Gosauは２つ３つ前の駅だよ」「この電車で戻りなさい」と周囲に言われて、乗ってきた電車で戻ることに。Steeg Gosauからゴーザウ湖に行くバスはまだあったのでよかったのですが。Steeg Gosauの駅にはなにもなく、空は雨模様。バスもほとんど乗っている人はいないし、ちょっと不安。

バスは山間を抜け、小さな村々を通り過ぎて、終点のGosauseeに着きました。ほとんど土砂降りの雨。これはゴーザウ湖のほとりに1軒だけ建つゲストハウスで、ここで３泊します。

とてもフレンドリーな宿の人に迎え入れられて２階の部屋へ。木のぬくもりが感じられる、とてもきれいで広い部屋。思わず「わぁ」

エーデルワイスのベッド

湖を臨むベランダ、そして。。。

ゴーザウ湖。この日は雨だったので煙っており、これは翌日撮った写真です。ゴーザウ湖周囲にはここしか宿がなく、その周囲に小さなお土産もの屋さんが２つ３つあるだけ。ゴーザウ村の中心へはバスで１０分ほど。

こういうゲストハウスでは支払にカードを受け付けないことがあるので（ここもそう）、現金を準備しなければなりません。もよりの銀行は、バスで少し下りたゴーザウ村にあります。

６月９日。朝、雨はやみましたが、全体に霧がかかってまた雨が振りそう。ここはバスも１０時まで来ないので、朝食後、湖の周囲を散歩。

１０時のバスで町のほうに降りてみましたが、今日はザンクト・ヴォルフガングに行っても仕方なさそう。グムンデン焼という陶器が有名で、ブラームスも訪れたことのあるという、トラウン湖のほとりのグムンデンという町に行ってみます。

ＯＢＢの電車でグムンデンで降り、そこからは江ノ電みたいなトラムで、湖のほとりにある町の中心へ。雨で煙るトラウン湖。グムンデンはまったく観光地ではありません。

湖に沿って遊歩道があり、その先にはきれいなお城も見えましたので、真夏にはお客さんが来るかもしれませんね。

ここからバスでバードイシュル。バードイシュルはザルツカンマーグートの交通の要で、バスはここからグムンデン、ザンクトヴォルフガング、ゴーザウ、ザルツブルグなどに発着しています。

ここは、シシィがお気に入りだったカフェ・ツァウナーというケーキ屋さん。今日はなんだかさえないわ〜。ここでケーキを食べ少し町を歩いてから、またバスに乗ってゴーザウへ戻ります。

６月１０日。夜中じゅう雨が降っていたので、「あーあ、また雨かしら。どうしよう。またバードイシュルのツァウナーでケーキを食べて、テルメでだらだらしていようか」とベッドの中でふてくされていました。

しかし朝になると霧が晴れてきて、美しい山が顔を出してきました。パジャマのまま急いでベランダへ。

朝のゴーザウ湖。きれいに晴れ、遠くのダッハシュタインも美しい姿を見せました。素晴らしい景色！

るんるん気分でさっそく散歩。

周囲では少し牛も飼われており、首につけられた鈴の音がいっそうアルプスらしさを引き立てます。

ゴーザウ湖周囲は遊歩道が整備されており、上り下りもない平坦な道で１時間半くらいで一周できるようです。ゴーザウ湖から見たガストホフ。

今日はクリッペンシュタインに行かれるわ、と１０時のバスに乗ります。昨日の、霧の中の幻想的な風景とは打ってかわり、のどかなアルプスの村の顔を見せたゴーザウ村。

バスはハルシュタット湖で乗り換え。これは朝のハルシュタット湖です。ハルシュタットからのバスには実に多くの人が乗っていました。

クリッペンシュタインのロープウェイ乗り場。ロープウェイは３つつながっていて、周遊の切符は何種類かコースがあります。一番長いコースに参加すると５時間もかかるというので、その次の３時間くらいのコースへ。

ここからまず最初のロープウェイに乗り、最初の駅で降ります。氷の洞窟またはマンモスの洞窟は最初の駅から少し歩いたところにあります。

ロープウェイの最初の駅から氷の洞窟までは、急な坂道を登っていかなくてはなりません。上っていくと、眼下にハルシュタット湖が見えました。

氷の洞窟はグループごとに見学するようになっており、ロープウェイの駅でグループの番号を渡されます。洞窟の入り口でかなり待たされました。

氷の洞窟というのは、富士山の氷穴のようなものです。係りの人に従い、３０人くらいが狭い通路を歩いていきます。中は保護のために暗くなっており、係りの人が電気をつけると明かりがともるようになっています。説明はドイツ語と英語。通路はかなり上り下りがあります。

洞窟の中で上ったり下ったりの半ばを過ぎたころ、氷の柱が姿を見せました。

妖しく光る氷の宮殿。このあたりの温度は０度くらい。

この氷穴は２０世紀初めごろに発見されたそうです。発見者たちは始め、この氷は氷河時代のものと思っていました。しかしその後、せいぜい６００年くらい前のものだいうことがわかりました。雨が沁みこみ、洞窟内の冬の寒さで凍ったり、夏に溶けたりを繰り返すとのこと。

ここで係りのお兄さんが、冗談で突然明かりを消したので、一行は「きゃー」という声と笑いに包まれました。この氷穴のコースはかなり長く、４５分くらいかかったと思います。もちろん冬のコートを準備していったのですが、氷穴から出るころにはすっかり冷え切っていました。

日差しの暖かい外に出てほっとしました。

ロープウェイの駅まで降りていく道の傍らには、かわいい花が咲いています。

ロープウェイの最初の駅に戻り、さらに高みを目指す第二のロープウェイへ

第二の駅を下りたところ。ロープウェイはこのあと一本続いていますが、私の買った周遊券はここまで。この先の最後のロープウェイは、ここから少し下っていくので、実質上はここがロープウェイで行かれる一番高いところです。ガイドブックにある「ファイブフィンガーズ」はここから歩いて３０分くらいとのこと。この駅にはレストランがあり、周囲は遊歩道になっています。

再びロープウェイに乗り下山。ロープウェイは１５分に１本あります。

早めにゴーザウ湖に戻りました。クリッペンシュタインからのバスは多くの人がハルシュタットで降りていきました。ハルシュタットは世界一きれいな湖畔の村として有名ですが、今では人が押し寄せて「銀座状態」になっています。

ゴーザウ湖にもやはり、ハルシュタットあたりからバスや車で観光客が来ます。それでも、それほど混雑しているという感じはなく、また、山歩きを目的とした人たちが多い印象でした。予定より早く戻ったので、また湖畔の遊歩道を散歩。いくら眺めても飽きることはありません。

岩から水がわき出ています。雪解け水が湖に流れ込むのでしょう。このゴーザウの水は下流で水力発電に利用されているようです。

夕方になると人々は町に戻っていき、また静けさが訪れました。湖畔のベンチ。ただ座っているだけで何もいらない。

この景色の中にいると、根が生えて、自分も一本のモミの木になってしまいそうです。。

今日も夕食はガストホフで。シカ肉を勧められましたが、以前、東京のフレンチでシカ肉が出され、「･･･」だったので、無難なポークを選択。「シカ、おすすめなのに〜」と笑われました。

部屋に戻ってみると、きれいな夕暮れ。ホーエ・ダッハシュタイン（氷河を抱いた奥の一番高い山）がバラ色に染まっています。
バラ色はほんの一瞬で、このあとすぐ、湖には夜のとばりが下りてきました。