2016/04/23 - 2016/04/26
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悪天候で予定変更せざるを得なかった、2016年1月の九州旅行のリベンジ。
3日目(4月25日)は、バスで熊本市から宮崎県椎葉村へ移動。
後編では山都町馬見原から宮崎県椎葉村まで移動し、上椎葉の街歩きと鶴富屋敷を訪問。
※ 熊本地震で被災された皆様には、お見舞い申し上げます。
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特急たかちほ号を降りたバス停は馬見原中鶴といって、次に乗るつもりでいる波帰行きの五ヶ瀬町営バス鞍岡線が通る馬見原バス停とは少し離れている。離れているとは言っても、乗り換えるバスの時間は13:09と、1時間半も時間があるから余裕だが、とりあえずバス停の位置の確認をしておこうと思う。
赤線で示した道のりは、実際には250メートルくらいであった。雨は降っているが大した距離ではない。 -
特急たかちほ号を降りた馬見原中鶴のバス停には、3つのバス停ポールが仲良く並んでいて、そのそれぞれが微妙に名称が違う。
今乗ってきた九州産交バスのバス停は馬見原中鶴だが、熊本バスは中鶴、山都町のコミュニティバスである山都ふれあいバスは馬見原となっている。 -
この後の乗り継ぎとはあまり関係ないのだが、少し複数個所に設置されているバス停の位置関係について触れておこうと思う。
馬見原という名前のバス停は、先に触れた山都ふれあいバスの他にも二つある。ひとつは前述したように、この後乗る予定の五ヶ瀬町営バス鞍岡線の馬見原バス停で、山都ふれあいバスの馬見原バス停からは250メートルくらい離れている。
もうひとつは当初熊本から乗ってくる予定にしていた熊本バスの馬見原バス停である。これが五ヶ瀬町営バスの馬見原バス停から、さらに数十メートル離れたところにある。
同じ馬見原という名前のバス停を、3箇所にばらばらに設置するとは、たまにしか利用しない旅行者には極めてわかりにくい。
更に事態を複雑にさせるのが、山都ふれあいバスの馬見原バス停には、九州産交の馬見原中鶴バス停、熊本バスの中鶴バス停が、また同様に五ヶ瀬町営バスの馬見原バス停には、山都ふれあいバスの仲町バス停がそれぞれ並んで設置されているという点である。
つまり、馬見原で山都ふれあいバスから五ヶ瀬町営バスへと乗り継ぎたい場合、バス停の名前を信じて馬見原バス停で降りると250メートルくらい歩かなければならないのだが、仲町バス停で降りればそこが五ヶ瀬町営バスの馬見原バス停であり、歩かなくて済む。
同様に熊本バスから山都ふれあいバスに乗り換えたい場合も、熊本バスの馬見原で降りると山都ふれあいバスの馬見原バス停まで300メートルくらい歩かなければならないが、ひとつ隣の中鶴バス停で降りれば、そこが山都ふれあいバスの馬見原バス停であって、歩かずに済む。
もっとも、こんなことは地元の日常の利用者にはわかりきったことであろうし、たまに来る旅行者でこんな利用方法をする人はそうはいないであろうから、どうでもいい情報かもしれない。 -
実は馬見原に来たのは今回が初めてではない。15年位前に、そのときもバスの乗り換えであったが、この馬見原に降り立ったことがある。
そのときは、延岡からまだ健在であった高千穂線(高千穂鉄道)に初乗車し、高千穂からこの馬見原中鶴バス停まで宮崎交通のバスで来て、更に九州産交バスに乗り継いで高森に向かい、高森からはこれもまた初乗車だった高森線(南阿蘇鉄道)で熊本方面へ抜けている。
このルートはわかる人にはわかるであろうが、高千穂線と高森線をまとめて一気に訪れるのに都合の良いルートである。この時も馬見原に何か用があったわけではなく、高千穂線と高森線を乗りに来たついでに、バスの乗り継ぎで立ち寄ったに過ぎない。 -
それ以来の、15年ぶりの訪問となった馬見原であるから、多少の感慨でもありそうなものだが、馬見原中鶴のバス停以外に記憶のあるものはない。
あの時は、バス停のポールが立つだけの、野ざらしのバス停だったが、今は屋根が設置され雨をしのげるようになっている。
今回のルートとは直接関係はないが、15年前に高千穂から馬見原まで乗ってきた宮崎交通のバス路線は、現在では途中の五ヶ瀬町までに短縮され、そこから先馬見原方面は五ヶ瀬町営バスに転換されている。
同様に、馬見原から高森への九州産交バスは、山都ふれあいバスに転換されている。 -
さて、事前に地図で目星をつけていた方向に向けて歩きはじめると、後ろから中型くらいのバスがやってきて追い抜いていく。これが当初予定していた熊本バスの車両である。
11:50に馬見原着であるから、少し早く到着しそうである。
そのまま歩くと熊本バスの馬見原バス停が現れた。 -
熊本バスの馬見原バス停から少し行くと、熊本バスの車庫のようなところがあって、先ほどの車両が止まっていた。
この車両は、ダイヤ上は11:50に馬見原に到着し、1時間10分停留して13:00の浜町行きとなる。 -
熊本バスの車庫から少し戻ると、五ヶ瀬町営バスの馬見原バス停があった。これが次に乗る、13:09の波帰行きのバスが通るバス停である。
同じ馬見原というバス停であるが、先ほどの熊本バスの馬見原バス停からは、数十メートル馬見原中鶴バス停寄りにある。
すぐ隣に山都ふれあいバスのバス停が見えるが、そちらは前述したとおり仲町というバス停である。
どんな経緯でこんなややこしいバス停の配置になっているのか、たまたま通り過ぎるだけの旅行者には皆目見当もつかないが、まあそれなりの事情があるのだろう。 -
次に乗るバス停を確認したので、少し街歩きをして食事をしたい。
このような白壁の立派な建物が残っていた。この建物だけではなく、他にもいくつか散見される。 -
少し人通りのある通りを歩くが、食事のできそうな店は見当たらない。
町を歩いていた地元の人に聞いてみるが、歩いていけるような範囲には食事のできそうなところはないという。
グーグルマップ上にはいくつか飲食店の表示はあるが、休日や夜にはやっている所もあるようだが、平日の昼にはどこもやっていないらしい。 -
郵便局があった。野暮用があったので、雨宿りも兼ねて立ち寄る。
その後、少し裏通りのようなところも歩いてみるが、食事できそうなところは見当たらない。 -
仕方がないので、再び馬見原中鶴バス停へ戻ることにした。雨がしのげそうなところは、馬見原中鶴バス停くらいしかない。
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町の案内板があった。先ほどの白壁の立派な建物は、宿場町として栄えた名残であるそうだ。
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昨日までに買っておいたパンがまだ余っていたので、それをバス停で食べることにした。
バス停から見える向かいの小学校は、階段部分がガラス張りで見通しが良い。
パンを食べながら眺めていると、子供達が給食の大きな鍋を抱えながら、階段を昇っていくのが見える。
雨がしのげるとは言っても、大きな国道沿いでトラックなどの大型車も比較的よく通るから、食事をしたり時間を潰すにはいい環境とはいえない。
特急たかちほ号は、馬見原中鶴の次は五ヶ瀬町役場前に11:44に止まる。次に乗りたい五ヶ瀬町営バスは町役場が始発で、13:01に発車するから、五ヶ瀬町役場まで行ってしまったほうがよかったかな、と思う。
事前に調べたところ、五ヶ瀬町役場周辺には飲食店はなさそうだったが、さすがに役場であれば雨をしのぐには困らなかったであろうし、役場のすぐ隣にある病院でも雨風くらいはしのげるだろう。
この馬見原にも病院はあるのだが、馬見原中鶴バス停からは500メートル以上離れている。晴れていればなんて事はない距離なのだが、雨が降っていると往復1キロはさすがに億劫である。 -
馬見原中鶴バス停で雨宿りし、13時過ぎに五ヶ瀬町営バスの馬見原バス停に戻ると、3人ほどの地元のお客さんが買い物袋を提げてバスを待っている。
スーパーのようなものは見当たらなかったが、魚屋や肉屋などの商店は通りに散在していたから、この馬見原で買い物をして帰宅するところなのだろう。
これはバス停の目の前にあった酒屋である。白壁の建物が酒屋として使われている。 -
この後の予定は、13:09の五ヶ瀬町営バス鞍岡線の波帰行きで、13:31に本屋敷というところで降りて、そこから13:40の椎葉村営バス仲塔線に乗り換えて椎葉村に向かい、14:20に椎葉村の中心に着いて、今日は椎葉村で泊まる予定にしている。
本屋敷や波帰へ向かう五ヶ瀬町営バスの路線は、私が前に馬見原へ来た15年前は高千穂からの直通便を宮崎交通で運行していたが、採算が取れずに撤退したのだろう。今は宮崎交通は高千穂から五ヶ瀬までの運行になっており、五ヶ瀬から波帰までの区間は五ヶ瀬町営バスに移管されている。 -
13:09の波帰行きのバスがやってきた。
小さなマイクロバスで、先客は3名ほどである。馬見原から私を含めて4人のお客が新たに乗り、合計7人のお客を乗せて出発した。
私以外は皆地元のお年寄りである。
旅行客が乗ることは珍しいのか、お客さんや運転手がどこへ行くの、と聞くので、椎葉までと答える。 -
国道265号を椎葉村に向けて走り出す、すぐに県境を越えて宮崎県に入る。
舗装された2車線道路で、まだこのあたりは狭隘という感じの道路ではない。 -
途中バス停の見当たらないところでお客さんを降ろしていく。
ほとんど全部の区間でフリー乗降区間のような扱いであった。 -
祇園町バス停。鞍岡集落にの中心になるのだろうか。お客さんが降りた。
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途中、国道から外れて12区センターというバス停へ向かう。
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12区センターバス停。降りるお客さんはなし。
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再び国道に戻り、山間に入っていく。
奥まった地形になってきて五ヶ瀬川に沿いながら走る。 -
13:30に本屋敷に到着。降りたのは私だけ。
まだ2人ほどのお客さんを乗せて、波帰へ向けて走り去っていった。 -
五ヶ瀬町営バスと椎葉村営バスのポールが並んでいる。次に乗るのは本屋敷を13:40に出る椎葉村営バス仲塔線である。
この椎葉村営バス仲塔線が本屋敷に寄ってくれるのは、月曜日のみ運行の週に1度の予約制の便で、2週間前に今日の便の予約は入れてある。
ここまで来れば、この先すぐのところに国見トンネルというのがあって、それを通り抜ければ椎葉村である。
椎葉村自体は秘境と言われるだけあって、その入口に当たるこの本屋敷バス停あたりも、なかなかの閑静な山奥の集落といった感じである。
10分しかないが雨をしのぐようなところはない。少しこの辺りを散策してみる。
標識にもあるように、ここから右に曲がると、日本最南端のスキー場である五ヶ瀬ハイランドスキー場である。 -
今走ってきた馬見原方面を望む。あいにくの雨なのが残念である。
椎葉村への公共交通機関は、一般的には日向市からの宮崎交通バスが主なのだが、片道2時間半と、かなりの長距離路線である。山中の狭隘な道が続くらしいのだが、さすがに2時間半の道のりを往復するというルートはあまり感心しない。
少し調べてみると、椎葉村で運行している村営バスを使えば、月曜日に限り馬見原から椎葉村まで辿り着けることがわかった。椎葉村から先は、翌日に前述した宮崎交通バスで日向市に出ればよいので、日向市から椎葉村までの2時間半のルートの往復は回避できそうである。 -
そういうわけで、週に1回という貴重なの村営バスのダイヤに合わせて、この秘境の入り口のような本屋敷に、今私は立っている。
そういう週に1回しかない貴重な機会とは言っても、それは公共交通機関でのアクセスだからであって、自家用車で椎葉村を訪れる人には、この馬見原から本屋敷を経て椎葉村に至るルートこそが最も利用されているメインルートであろう。
このルートを利用すると熊本はおろか、博多へのアクセスも良好で、公共交通機関でのメインルートである日向市へ出る狭隘な道の続く国道327号線よりもはるかに利便性は良い。
これが五ヶ瀬ハイランドスキー場への道。五ヶ瀬町営バスの波帰は、この道を行ってスキー場の手前にある。 -
五ヶ瀬川を渡る橋から、椎葉村方面に向けて。
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国道265号を椎葉村方面に望む。写っていないが、この手前には民宿のような宿泊施設があった。
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椎葉村営バス仲塔線の車両がやってきた。トヨタのタウンエースのような車である。
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出発するとすぐに国見トンネルに入る。このトンネルは1996年に開通しているが、それまでは国見峠を通る峠道が、五ヶ瀬町と椎葉村を結ぶ唯一の道であった。
この旧道は、九州随一の酷道といってもいいであろう国道265号の中でも、最も過酷な区間であったらしい。
運転手さんは、このトンネルができてとても便利になった、としきりに言っていた。県庁所在地の宮崎市よりも熊本市へ出るほうが便利になったし、博多までも3時間強で出られるようになったという。
椎葉村からだと、どこから高速に乗るのかと聞いてみると、御船ICまでが下道で2時間弱だという。そこからは高速で1時間強という計算なのだろう。 -
国見トンネルを抜けると、今度は五ヶ瀬川に替わって耳川の支流の十根川に沿って走る。
しばらくは最近に拡張されたような立派な2車線の道路であったが、行き違いに難渋しそうな1車線ほどしかない道路も、ところどころに残っている。
運転手さんは話好きで、熊本には息子がいて、地震がなければ遊びに行くつもりだったのだが取りやめにしたとか、小学校は村内に点在しているが、中学校は寮を設けて村の中心に1箇所だけ置いているとか、椎葉は平家祭りや神楽、紅葉の時期がいいとか、焼畑農業の話など、色々と話を聞かせてくれた。 -
途中にある十根川のバス停を通過する。
このあたりには重要建築物保存地区や、杉やヒノキの大木があって、天気がよければ十根川あたりを散策するつもりでいたのだが、この天気ではあきらめざるを得ない。 -
国道を外れて鹿野遊地区への道へ入る。
この地区には小学校があったらしいのだが、統廃合により現在は閉校している。
結局、途中の乗り降りは全くなく、このあとは日向市方面からの国道327号を合流し、椎葉村の中心へ向かう。 -
椎葉の中心のどこで降りるかというので、鶴富屋敷や民俗芸能博物館のあたりで降ろしてもらう。
時間は14:17と少し早く到着した。 -
実は、もう20年近く前に椎葉村に足を踏み入れたことがある。
確か1999年ごろだったと思うが、椎葉村の中山というところに行ったことがある。
画像の緑やピンク、薄い紫で色が付いたところが椎葉村の行政区域であるが、そのうち赤い丸で囲われたところが今いる椎葉村の中心の上椎葉地区である。
一方、中山は椎葉村の外れの、右下のほうにある赤い星で示したあたりである。
何故こんなところに行ったことがあるかというと、何という本だったか忘れてしまったが、中山のことが書いてある旅行記があって、妙に印象に残っていたからである。
椎葉の中心部へ向かう林道の分岐点があって、山奥深い人里離れた僻地のような印象であった。
そのころは日向市から中山までの路線バスがあって、そのバスに乗って中山を訪れている。今は途中の神門止まりにされてしまい、中山への交通手段はなくなってしまっている。中山からは村外へ出る日向市行きの路線バスがある以外は椎葉村の中心へ向かう交通手段はなく、そのときも路線バスで日向市まで折り返した。 -
そういう、少し思い入れのある中山と同じ椎葉村への再訪なのだが、今いる上椎葉地区は村の中心部で、山奥には違いないが人里離れた僻地という感じではない。
バスが通ってきた村の一本道には、人々の生活を支えるインフラとなりそうな役場や郵便局、スーパーなどの施設が揃っていたし、博物館前でバスを降りた目の前には食堂もある。
旅館のチェックインには少しまだ時間があり、先に観光するつもりで博物館の前で降ろしてもらったのだが、馬見原でパンを食べただけなので、食堂があるなら少し何か食べたい。営業中の札がかかっていたので、こちらの食堂で遅いお昼をいただく。
中に入ると、地元の人がテレビを見ながら焼酎を飲んでいるだけで、店の人の姿は見えない。平日のこんな時間に旅行客とは珍しいのだろう。店主は奥で休んでいるようで、呼びに行ってくれた。
店主の姿が見えてビールとちゃんぽんを頼むと、お客さんがどこから来た、と言う。熊本から馬見原を通ってバスで来たというと、話が弾んで色々なことを教えてくれた。
この2月まで、日向市までの往復切符が1000円で発売されていたとか、3月に大物女優のI原E子さんが映画のロケでやってきたとき、インフルエンザで隣の国保病院にかかって入院したとか、面白い話も聞くことができた。 -
食事を終えるともう15時に近い。
一度旅館にチェックインして、荷物を置いて出直すことにした。
椎葉の中心はこの1本道に村の機能が集約されているようで、先ほどの食堂などの供食施設や旅館、役場、バス車庫、銀行、郵便局、農協、ヤマト運輸の営業所、スーパーなどがコンパクトに配置されている。 -
こちらが今日予約した旅館。離れの部屋の一棟を1人で貸切という、なんとも贅沢な造りであった。
一度チェックインしてすぐに出かける。 -
まずは集落の外れまでやってきた。山間の耳川を眺める。性能の良いカメラであれば、美しく撮れることだろうと思う。
今日はあいにくの天気だが、霧靄に包まれた山間の美しい風景である。この景色を見る限り、なんとも山奥深い秘境の名に恥じない地域までやってきたと思う。
椎葉村は日本三大秘境のひとつということになっている。他の二つは白川郷と祖谷山だが、それらに比較しても圧倒的に交通の便は悪い。
公共交通機関でのアクセスは、鉄道の通っている日向市からの宮崎交通のバスが日に2.5往復あるのみで、あとは今日利用した村営バスを利用する方法もないわけではないが、かなり不便ではある。
自家用車での訪問も、いまだに各方面からの狭隘道路が道を阻みハードルは高い。
神楽やひえつき節が有名で、日本初のアーチ式ダムの椎葉ダムや、堰き止められてできた椎葉日向湖が見所のようである。山深い奥まった地形であるから平家の落人伝説も残っているが、平家の落人伝説というのは案外全国のあちこちに残っていて、そう珍しいものでもなく、同じ三大秘境の祖谷渓にも落人伝説はある。 -
そういう山奥深い、どちらかというと閉鎖的なイメージのある地域なのだが、その秘境的イメージから近年は案外観光客は多いらい。
とりあえず集落の外れから、上椎葉集落の1本道を歩いて辿ってみる。
こちらが郵便局である。 -
郵便局の近くにバス停があった。宮崎交通の日向市方面の路線のバス停である。
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椎葉村役場である。立て直されたばかりらしく、ずいぶんきれいで新しい。
世界農業遺産への認定の垂れ幕がかかっている。高千穂と椎葉地域が一緒に登録されたということだが、椎葉地域はやはり焼畑農業を継承していることが評価されているのかもしれない。 -
奥から中園本店というパン屋さん、Aコープ、一番手前がやさい館という地の物の農産物などを扱う店である。
食料品をそろえるには不便はしない店揃いである。 -
中園本店の前にまたバス停があった。
村営バスのポールは見当たらないが、村営バスも客扱いをしているとのこと。 -
再び博物館のほうに向かって歩くと、途中に眺めのいいところがあった。
こういうところがあると、スマートフォンやコンデジではなく、もっといいカメラで撮ってみたいと思う。 -
先ほど食事をした食堂のあたりまで戻ってきた。
椎葉民俗芸能博物館や鶴富屋敷、椎葉厳島神社など、観光するところが集まっている。 -
時計を見ると16時になりそうである。
博物館も鶴富屋敷も17時で閉館である。博物館は1時間では物足りないかもしれないので明日に回すことにして、鶴富屋敷を見ることにする。 -
入場料金は200円なのだが、料金を徴収する窓口に人がいない。
奥に土産物を置いているスペースがあったので、そこを覗くと人がいたので声をかける。
そそくさとやってきて、閉まっている土間を空けて中を見せてくれた。 -
土間を開けるまでに少し時間がかかるから、その間に鶴富姫の墓があるので、それを見て来いという。
鶴富姫の伝説については、私が改めて説明するよりも、こういう解説板のほうがわかりやすいし詳しいと思う。
要するに、平家を討伐しにきた那須大八郎という人がいて、その人と鶴富姫が恋に落ちて子供を産み、その子孫が今でも管理しているということのようである。 -
これが鶴富姫の墓とされるようで、札で表示されていた。他にも墓石がいくつか並んでいるので、このように札でも立っていないとどれなのかわからないだろう。
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中を見せてもらったが、部屋自体は特にこれといった特徴あるものには見えない。
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椎葉の家屋の特徴は、ここに書かれている通り、部屋が横に長く並んだ並列型民家だとのこと。
今日バスで通り過ぎてきた、十根川にある重要建築物保存地区の建物も、基本的には同様の造りだという。 -
鶴富屋敷の案内は丁寧で、私が訪れると土間を開けて一部屋ずつ解説して案内し、一通りの説明が終わると、今度はテープで同じような案内を放送をしてくれる。
内容は同じようなものだからややくどい感じもあるのだが、平日の夕方16時ごろではお客も少ないから、ゆっくり見るにはちょうどいい。 -
鶴富屋敷を後にして、椎葉厳島神社に向かう。途中に鶴富姫の化粧水の伝説を記した碑があった。
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椎葉厳島神社の途中に、相撲の土俵があった。毎年貴乃花部屋の夏季合宿が行われ、その際に利用されるのだという。
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この土俵の脇から、厳島神社へとつながる階段が延びている。
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階段を昇って、椎葉厳島神社に到着。
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こちらが本殿のようである。敷地は小さく、本殿以外の建造物は見当たらない。
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椎葉厳島神社を後にして、再び耳川沿いまで降りてきた。
水量は少ないが、この先で上椎葉ダムにより堰き止められているためである。 -
村内の中心となる道路から、国道265号に出てみたところ。
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国道265号沿いに農協倉庫前という、村営バスのバス停があった。
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すぐそばにはその名のとおり、農協の物資を蓄えておく倉庫があった。
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一度村の中心の道路へ戻り、村営バスや宮崎交通バスの車庫まで来てみた。
似たような形のバス停ポールが並んでいる。 -
こちらが村営バスの時刻表。17:45頃に出発ラッシュの時間帯がありそうだ。
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車庫の片隅には、宮崎交通の臨時停留所や、村営バスのポールが置かれていた。
村営バスのものは臨時停留所ではなさそうだ。路線の改廃などで使用しなくなったものだろうか。 -
バス車庫はこんな感じで、今の時間は車両は出払っていて閑散としていた。
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通りを歩いてAコープあたりまで来たところに、先ほど乗った村営バス仲塔線の車両が中園本店前に止まっていた。仲塔を16:45に出発して上椎葉に向かう便があるので、おそらくそれだろう。
この車両は17:45にバス車庫を発車し、再び仲塔方面へ向かうことになっている。 -
歩いていると市役所の脇から、建物の地下に向かう道があったのでそこを下ってみる。
市役所の地下は駐車スペースになっており、その一画にこんなものが置かれていた。チューリップのような花の形をした、手作り感あふれる木製の村営バス停ポールである。
破損や劣化などで、今のような形のものに置き換えているのだろうか。 -
市役所の地下。EV車の充電施設がある。ということは村の公用車としてEV車が使用されているのだろう。
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駐車場の脇に、別棟の建物があった。総合保健センターの建物らしい。
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市役所のすぐ隣に、歯科クリニックがあった。なんだか建物の屋根は鶴富屋敷を模したもののように見える。
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17:45に3方向の路線が出発するというので、17:40頃に再びバス車庫にやってきた。
尾向方面、小崎方面の車両である。もうひとつ仲塔方面も17:45の発車だが、それは見当たらなかった。 -
こちらは宮崎交通の日向市方面の車両で、17:49に発車する。この便は途中の諸塚村までしか行かない。
もうこの時間に日向市まで出ることはできないのである。日向市行きの最終便は12:50である。 -
17:45を待たずに、まず17:41ごろに尾向方面の車両が出発していった。その1分後くらいに小崎方面の車両が出発。
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しばらく待っていると小崎方面の車両が戻ってきた。国保病院や農協車庫、村役場前やAコープのあたりを回ってから、一度バス車庫に戻ってきて、この後小崎方面へ出発するということなのかもしれない。
他の二つの路線の車両も、時間をずらして村内の中心を回ってから出発するのだろう。 -
バスの発車を見届けたので、最後に国道265号沿いの国保病院にやってきた。これが、女優のI原E子さんがインフルエンザで入院したという病院である。
病床数は30床ほどで、椎葉村の人口は3000人ほどである。人口に対して十分な規模なのかどうかはよくわからないが、見た目は地下1階も含めた2階建ての、病院にしては小さな建物である。 -
この病院にも、村営バスのバス停がある。先ほどの農協倉庫にもバス時刻が掲示されていたが、どちらも正しい表示ではないような気がする。
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国保病院前の国道265号から、耳川を椎葉ダム方面に向けて。
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国保病院脇から、上椎葉の中心通りまで階段で上がり、宿に戻ってきた。
あとは旅館で食事して休むだけである。 -
食事処のある本館から離れの部屋に向かって。晴れていれば構わないが、今日は雨が降っているのであまり有難くはない。
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部屋からの遠景。上椎葉ダム方面を望んだところだが、霧に覆われている。
もっとも、晴れていても地形的に直接ダムを望むことはできないかもしれない。 -
夕食に宿の食事をいただく。
山村の食事にふさわしく、刺身などはない。山菜や山芋、煮物、川魚の焼き物、椎葉の名産の菜豆腐、猪肉の味噌焼きなど、山の食材が並び、お酒をちびちびと飲みながら美味しくいただく。
明日は上椎葉を12:50に出る、宮崎交通の日向市行きのバスに乗るつもりでいる。午前中は時間があるから、どこかを見て回りたい。
食事を終え、部屋で追加でお酒とつまみをいただきながら、明日の予定の計画を練ってから就寝する。
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この旅行記へのコメント (2)
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- konomiさん 2016/06/09 22:33:15
- 物凄くためになります!
- 地図あり、バス停の様子も写真でアップしてくださっているので、これだけで目的地に行けそうです!
とても丁寧な旅行記 感服です!
- bibouさん からの返信 2016/06/11 10:15:35
- RE: 物凄くためになります!
- konomi様
私の拙い旅行記を閲覧いただきまして、ありがとうございます。
自分の記録のための記述ばかりですが、お役に立つ部分があれば嬉しい限りです。
地図は、他のトラベラー様の旅行記を拝見していて、見やすいなと感じたもので、作成するようになりました。
またよろしくお願いします。ありがとうございました。
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