2015/07/05 - 2015/07/05
788位(同エリア1835件中)
まみさん
2015/07/05日 S7航空でモスクワへ&モスクワ半日観光
・カザン発09:55発 S7航空62便でモスクワ・ドモジェドボ空港着11:40
・トレチャコフ美術館・新館(15:40-17:10/18:55-19:15)
・日本料理レストラン銀の滝で夕食
【モスクワ泊:マキシマ・パノラマ・ホテル】
本日のモスクワ観光半日は、トレチャコフ美術館・新館の再訪と決めていました。
開館時間は19時半までなので、スロースタートでも十分時間がとれるはずでした。
ところが、朝早かったので、ホテルを出る前にちょっと部屋で1時間まったりしてしまったり、見学途中で疲れてしまい、美術館のカフェで30分くらい休んだりしてしまったので、全部回り切れなくて、未練が残りました(苦笑)。
トレチャコフ美術館・新館は、2000年秋の初めてのロシア旅行のときに訪れています。
ロシア美術史といえば、日本でよく紹介され、なじみがあるのはレーピンや移動派時代でしょう。
2000年の私もそうでした。
そのあたりの絵画は、新館でなく、本館にあります。
新館に展示されている絵は、1910年代のロシア・アヴァンギャルド以降の現代美術です。
展示作品の画家として私が知っていたのは、せいぜいシャガール、カンディンスキーやマレーヴッチくらいでした。
でも、思った以上に好みの絵、あるいは好みとは言い難いけれど、興味を引く絵、目が離せない絵がたくさんでした。
その記憶があったので、今回のじっくりモスクワ再訪旅行では、ぜひ再訪するリストに入れていました。
いざ、15年ぶりに訪れた新館は、その周辺ががらっと変わっていて、びっくりしました。
私の記憶の中にあったトレチャコフ新館は、まるで工場みたいな無味乾燥な建物が、やや閑散とした大通り沿いにぽつんとあったものでした。
でも、いまのトレチャコフ新館のすぐ前は、Muzeonという、彫刻公園が整えられていました。
折しもその公園では、なにやらフェアが開催されていたらしく、出店もあって、とてもにぎわっていました。
トレチャコフ新館が面している大通りは、車で大渋滞でした。
15年前とはロシアを走る車の台数は桁違いに増えているので、当然かもしれませんが、記憶にうっすら残るあのときの景色を目の前と重ねながら、同じところにいるとはとても信じられない気分でした。
そして美術館の建物そのものも、記憶にあるのと、がらっと違って、だいぶ近代的でおしゃれになっていました。
新館の建物の形態は変わりありませんでしたが、正門の上には電子パネルが加わって、主な作品をスライドショーで流して紹介していました。
建物の中の記憶はなかったのですが、ロビーも広々としてとてもきれいでした。
というわけで、15年前のトレチャコフ新館の周辺については、なにかもが記憶から変わっていて、まるでタイムトリップしたような不思議な気分に包まれました。
いや、15年もたっているんですから、実際、タイムトリップした気分になってもおかしくないんでした。
でも、絵を見始めて、最初の絵からなつかしさを覚えました。同じ絵なので当たり前ですが、記憶にうっすら残る絵と変わらないなぁと、外とのギャップからも心ゆさぶられました。
あらためて自分の中の記憶も掘り起こされたので、余計に。
むしろこちらこそ、年月を越えても変わらない、タイムトリップでした。
<2015年ロシア再訪旅行の簡易旅程>
06/30火 職場から成田のホテルに前泊
07/01水 成田第2空港からJALでモスクワへ&モスクワちょっと観光
07/02木 モスクワ半日観光&S7航空でカザンへ
07/03金 カザン観光1日目(クレムリンと国立博物館)
07/04土 カザン観光2日目(現地ツアーに参加)
07/05日 S7航空でモスクワへ&モスクワ半日観光★
07/06月 モスクワ観光4日目&ニクーリン・サーカス
07/07火 モスクワ観光5日目&ククラチョフの猫劇場
07/08水 モスクワ観光6日目&ボリショイ・サーカス
07/09木 モスクワ観光7日目(赤の広場とモスクワ動物園)
07/10金 モスクワ観光8日目(モスクワ動物園とプーシキン美術館)
07/11土 モスクワ観光9日目(アルバート街と東洋博物館)
07/12日 モスクワ半日観光&出国
07/13月 成田第2空港着(猛暑のピークの帰宅)
※この旅行記の対象の日に★印をつけました。
詳細旅程はもう1つのブログ「まみ’s Travel Diarty」
(http://mami1.cocolog-nifty.com/)
の記事に、ハイライト写真と共に前後編に分けて掲載しました。
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2015/07/2015-fd3f.html
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2015/07/2015-7006.html
「20世紀ロシア美術を展示 トレチャコフ美術館(新館)
それまで本館に展示されていた20世紀美術を分離して、1998年に開館した、トレチャコフ美術館の新館。モスクワ川に面した彫刻公園内にあり、本館とは離れた場所にある。
新館とは名ばかりで建物は古いが、展示室内は新しく改装されている。展示スペース自体は本館よりはるかに広いものの、見学者は少なく、ツアー客の姿を見かけることはほとんどない。ただ、ジャンルにかかわらず企画展が頻繁に開かれ、こちらに多くの見学者を集めている(基本的に常設展と同じチケットで見学できる)。
展示は、1910〜1920年代のロシア・アヴァンギャルド全盛期から、社会主義リアリズムの時代を経て、新生ロシア以降の現代美術へと続いている。アヴァンギャド芸術全盛期の作品としては、急進的美術集団「ダイヤのジャック」に関わった画家が多い。ナターリヤ・ゴンチャロワ(1881〜1962年)の『冬、枯れ枝拾い』(1911年、1室)、ピョートル・コンチャロフスキー(1876〜1956年)の『家族との自画像』(4室、1912年)、そしてシュプレマティズムの巨匠、カジミール・マレーヴィチ(1879〜1956年)の『黒い正方形』(6室、1915年)など。またシャガールやカンディンスキーの絵も多く所蔵するが、展示されているのは数点に限られる。
社会主義リアリズム時代の画家にも、見るべきものは少なくない。アレクサンドル・ゲラシモフ(1885〜1964年)の『コルホーズの祭り』(26室、1937年)、アルカジー・プラストフ(1893〜1972年)の『牧草刈り』(28室、1945年)などが知られている。(後略)」
(「地球の歩き方 ロシア 2014〜15年版」より)
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- その他
-
15年前の2000年に訪れたときは閑散としていた記憶があるトレチャコフ美術館・新館の敷地に面したマラノフスキー大通りの大渋滞と彼方に見える高層ビル群にびっくり仰天!
ここはどこ?
私はだれ?
状態でした@ -
トレチャコフ美術館・新館前の公園にはこんな自転車屋さんもできていて……
-
美術館前の公園はなにやらフェァが開催中で、子連れの母親がたくさん!
ちなみにこちらのフェアは招待客のみが入場できるようでした。
また、公園はMuzeonという野外彫刻博物館になっていて、そちらはそちらで別のチケットが必要みたいでした。 -
トレチャコフ美術館・新館の建物の一部は別の企画展が開催中のよう
15年前にはこんな街灯もなかったし、このあたりはがらんとした駐車場みたいだったような記憶があるのですが、違ったかしら。 -
写真展をやっていたらしく、これも見たかった@
子犬の写真に惹かれました。
あとであのURLのサイト(foto-lub.ru/fotocult.ru)をのぞいてみました。
動物写真は思っていたよりは少なかったけれど、ありました。 -
記憶よりも巨大に感じられたトレチャコフ美術館・新館の建物
-
美術館の建物の前には、なにやらこんな建物もできて、おしゃれなカフェあり
今回の2015年のモスクワ再訪では、全般的にしゃれたカフェがずいぶん増えたという印象を受けました。 -
トレチャコフ美術館・新館に来る人がこんなにたくさんいるなんて、驚き!
と思いましたが、ここの通りは公園を突っ切る道だったので、大半はただの通行人でした(苦笑)。
やはり新館の方は、本館ほど来館者は多くなく、展示室が広々としていたこともあり、ずっと空いていました。
もっとも、どの展示室にも誰かしら見学者がいるくらいには、にぎわっていました。 -
その前の広場にあった、おしゃれに飾られたこのバスは……
これは見学を追えた夕方20時近くに撮ったので、夕日が当たっています。 -
窓からぎっしり本が見えるところからすると、古本屋さんかな
-
思わず中に入りたくなる@
-
15時30分頃にトレチャコフ美術館・新館へ
通行人の波が惹くと、このあたりは一気にひとけがなくなりました(苦笑)。 -
作品のポスター看板を見ながら中へ
これは企画展の案内のようでした。 -
ロビーでは絵画教室の子供たちとつきそいの父兄で静かににぎわい
子供たちがたくさんいましたが、みんな絵に熱心で、騒がしくなかったです。 -
みんなここで絵を描いているのかな
1階には切符売り場やクロークやカフェがありました。
入場料450ルーブル+撮影代200ルーブル。
(2015年7月現在、1ルーブル=約3円で換算)。
チケットが必要な展示室は4階から始まり、3階へとつづきます。階段を上りました。 -
館内マップの英語版
3階の第41室と第42室は周り損ねました。
特別企画とある第60室と第61室は、確か常設展とは違うチケットが求められる特別展でした。 -
最初の展示室へ
-
「赤い馬の水浴び」1912年
クズマ・ペトロフ−ボトキン(1878-1939)
まず目に飛び込んで来たのは、記憶にあった絵です。
貴族の少年っぽい男の子が裸ん坊で、鮮やかなオレンジ色の馬に乗るというありえないシーンがどーんと描かれていて、インパクトがありますから。 -
乗り手の方に目を向けた馬のちょっぴりおちゃめな表情
奥の白い馬はこの赤い馬に見とれるメス馬に見えなくもありません。 -
「母」1913年
クズマ・ペトロフ−ボトキン(1878-1939)
この画家独特な聖母子像に見えなくもないです。
赤ちゃんはなぜか下半身すっぱだか。 -
懸命にお乳を飲む赤ちゃんと、気取りのない視線をこちらに向けた母親
鑑賞者の立ち位置に旦那さんがいるのでは、という視線です。 -
「トルコ人」1910年
ミハイル・ラリオーノフ(1881-1964)
ラリオーノフの名は記憶にありました。
印象派の影響を受けて、ロシア初の抽象絵画であるレイヨニズム(光線主義)様式の創始者。
この絵は印象派の影響が強いです。
でも、ほとんどブルーにまとめたところが、カラフルな印象派っぽくなくて、独特なかんじがしました。 -
無邪気そうな笑顔がちょっとまぶしい
-
「牛の顔」1913年
ミハイル・ラリオーノフ(1881-1964)
これはラリオーノフのレイヨニズムの作品でしょう。
いかにも光線主義というかんじで、放射線状の光線のようなものは、スピード感もかもしだしています。
そのせいではじめは疾走する馬かと思いました。 -
「兵士(喫煙)」1910-1911年
ミハイル・ラリオーノフ(1881-1964)
これはレイヨニズムは感じられず、もっと具象的です。
つらい作業の合間に一休みしているところだと思いますが、シンプルでひたむきな庶民の生き様がにじみでていて、なんだか癒される絵だと思いました。 -
いろいろ思うところや悩みを背負っているかもしれないけれど、とにかく自分に課させられた任務をまじめにやっている男の顔、ってかんじ
-
背景にラフに描かれた馬にも惹かれて
休んでいた兵士は腰に布を巻いたりしていたし、このラフな馬の絵からも、厳しい環境であることがうがえました。 -
「冬、枯れ枝拾い」1911年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
私でも覚えていたロシアの有名な女流画家です。
ロシア・アヴァンギャルド運動の有名な女流画家であり、デザイナーでもあるそうです。
この絵はなんだかミレーの落ち穂拾いをもう少し時代が下ったロシア版にするとこうなる、ってかんじ。
雪の白い花がきれいです。
ちなみに、「地球の歩き方」のトレチャコフ美術館・新館の説明にも代表作として触れられていました。 -
家族と思われる3人と背後に見える村の様子
-
「タバコを吸う男」1911年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
強い目つきに、自信に満ちた堂々とした態度。
時代の申し子といったリア充に見えました。 -
見る人を引きつけて離さない目つき
-
「秋。公園」1909年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
ドイツのフォーブ波を思わせる色づかいと大胆なタッチのこういう景色の絵はとても好みです。 -
「スパースキー門(グリンカのオペラ「イヴァン・スサーニン(皇帝に捧げし命)」のための舞台美術)」1913年
ウラジミール・タトリン(1885-1953)
この画家の名も記憶にありました。来日のロシア絵画展で紹介された一人かもしれません。
ロシア・アヴァンギャルドの画家で舞台美術家。
そしてオペラ作曲家グリンカの名も「皇帝に捧げし命」のオペラの名も聞いたことがありました。オペラの方は鑑賞したことはないですが、ロシア初の本格的オペラ作品だそうです。
中世っぽい雰囲気のある教会のような建物の絵で、とても惹かれました。
あとでこのオペラのあらすじを調べ、ロマノフ王朝の初代皇帝ミハイル・ロマノフが即位する前に隠れていた修道院ではなかろうかと推測。 -
「森(グリンカのオペラ「イヴァン・スサーニン(皇帝に捧げし命)」のための舞台美術)」1913年
ウラジミール・タトリン(1885-1953)
これも舞台美術だけのことはあって、いわくありげでわくわくするスケッチでした。
あとでこのオペラのあらすじを調べ、一農民であるイヴァンがポーランドに侵略されそうなロシアを憂い、皇帝に選出されたミハイルを守るため、ミハイルがいると偽ってポーランド兵をだまして誘い込んだ森だと分かりました。
当然そのせいで、主人公のイヴァンはここでポーランド兵に殺されてしまうのです。 -
「宴会の間(グリンカのオペラ「イヴァン・スサーニン(皇帝に捧げし命)」のための舞台美術)」1913年
ウラジミール・タトリン(1885-1953)
エピローグのミハイルの戴冠式の舞台ではないかと思います。
どこかエキゾチックな宮廷で、ロシアらしいです。 -
「電気的な装飾」1914年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
だんだんとロシア・アヴァンギャルド的な抽象絵画としての本領発揮でしょうか。
科学を象徴するようなデザインとして現代にも通じそうだと思いました。 -
「空間」1913年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
どこかあたたかみを感じた抽象画です。 -
「孔雀(ロシア風の刺繍)」1910-1911年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
プリミティブでとても可愛らしいです。
こういう可愛らしさは、私がロシアをはじめとする東欧に求める要素の一つです。 -
「明るい日差しの下の孔雀」1911年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
とても好みの絵でした。
大胆な構図に色使い、ものすごく気に入りました。 -
ステキな孔雀マダム
美しい童話の挿絵やパレスの小箱などのラッカート・アートに通じるものがあると思いました。 -
「聖母子」1911年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
イコンの伝統も感じられる、版が的な太い輪郭線もいい味を出していると思いました。 -
愛情あふれた母の目に惹かれて
そっぽむいた眠そうな赤ちゃんも可愛いです。
その小さな手で、お母さんの指をしっかりと握っています。
イエス・キリストは十字架にかけられてしまいますが、赤ん坊のイエスは生きる意志が感じられます。 -
「リネンの洗濯」1910年
ナターリア・ゴンチャローワ(1881-1962)
印象派的なプリミティブさ、ゴーギャン的でもありセサ゜ンヌ的でもあり。
モチーフは、女性らしい目につけどころだと思いました。 -
背景の村と洗濯をする女性たち
-
「断崖に囲まれた漁師」1862-1918年
ニコ・ピロスマニ(1862-1918)
ジョージア(グルジア)の国民的画家ピロスマニの絵まであったとは!
これ一枚ですけど。
それにウクライナ出身の画家もロシア絵画史に含まれていましたけど。 -
ピロスマニらしい人物の顔
-
獲物を手に嬉しそう@
シンプルな上着のしわの表現なども、どこか惹かれました。 -
「イタリア、ネルヴィ、水道橋のある景観」1913年
イリヤ・マシコフ(1881-1944)
こういう風景画は誰が描いたものか関係なく大好きだったりします。
ロシアの画家による絵なので、どことなく大地の土っぽさを感じます。
と、無理矢理差別化を探ってみました。 -
「詩人の肖像画」1910年
イリヤ・マシコフ(1881-1944)
あの風景画を描いた同じ画家によるものと分かって,妙に納得できました。 -
手にしているのは詩が書かれた紙片かしら
-
こういう力強い表情の詩人もいるんだなぁ
詩人に対するステレオタイプに固執するわけではありませんが。 -
「2人の裸婦」1918年
イリヤ・マシコフ(1881-1944)
モチーフよりも形や色彩やその組み合わせから生み出された力強さに惹かれました。
裸体の美しさは追求してはいないでしょうしね。 -
「静物。皿の上の果物」1910年
イリヤ・マシコフ(1881-1944)
この画家は思いっきりロシア版印象派のようです。
だけど、どこか正教会らしい二次元世界観とイコンの持つプリミティブさが感じられる気がするのは、ロシア人画家だと知っているからでしょうか。 -
「自画像」1911年
イリヤ・マシコフ(1881-1944)
ええーっ!
新興の金持ちかと思ってしまいました。 -
なんと自信、というか、自意識あふれた自画像!
自分を肯定的に描いた自画像として思い浮かべたのはなぜかデューラーですが、こちらは力強さの中にも、現代人らしい複雑なメンタリティーが感じられる気がしました。 -
「紡績女子労働者」1923年
セルゲイ・コニョンコフ(1874-1971)
彫刻にも注目しました。
庶民的でややむっちりモデルに親しみと癒しを感じました。 -
懐深いやさしいおっかさんって表情
-
「ジェノバの湖」1914年
イリヤ・マシコフ(1881-1944)
その全体をタイトルプレートとともに。
私の好きなフォーブのジョルジュ・ブラックを連想させました。
とても私の好みです。 -
湖のほとりの村に注目
-
「シエナ、カンポ広場」1912年
ピョートル・コンチャロフスキー(1876-1956)
シエナのカンポ広場の貝殻のような模様の石畳をとらえていて、言われてみればたしかにシエナのカンポ広場だと思うのですが、ぱっと見たときは、工場のある街に見えてしまいました。
そのわりにはステキに描かれているなぁと思ったりしたのですが、シエナであれば当然でした@
モチーフがなんであれ、好みな絵には変わりありませんでした。 -
「スペインにある部屋」1910年
ペトロ・コンチャロフスキー(1876-1956)
暗めの色で描いていますが、マティスの絵などを連想させた、いかにも後期印象派っぽい絵だと思いました。 -
上から見たテーブルの表現が超広角レンズの歪みを思わせて面白い@
ペトロ・コンチャロフスキーもアヴァンギャルドの重要な画家でした。
ちなみに、コンチャロフスキーとして検索すると、現代のロシアの映画監督のアンドレイ・コンチャロフスキーの方がたくさんヒットしました。 -
「闘牛士マヌエル・ガルシア」1910年
ペトロ・コンチャロフスキー(1876-1956)
存在力のある男の肖像画に目が引きつけられました。 -
目力がいい!
表紙候補でした。 -
「家族との自画像」1912年
ペトロ・コンチャロフスキー(1876-1956)
こちらは好みとは言い難いけれど、訴えてくるものがある絵でした。
これも「地球の歩き方」のトレチャコフ美術館・新館の説明にも代表作として触れられていた作品です。
彫刻は誰の作品か確認しそこねました。 -
視線が絡まっていない現代の家族
特に奥さんのうつろな目つきがなんともいえません。
が、右の旦那が自画像なら、そんなに否定的な意味を込めた絵とは思えません。
女の子の目線が鑑賞者の方を向いているのも印象的でした。 -
1番印象的だった一家の主婦の表情をじっくり見る
じーっくり見ると、そんなにうつろでも暗い顔でもないかな。
ただ、どうにもならない心配事や懸念をたくさん内に抱えて我慢している一般庶民の主婦の表情に見えました。 -
「黒い背景の中のピンクの花」1918年
アレクサンダー・クプリーン(1880-1960)
ちょっと暗めの色調ですが、華やかな花のある静物画として、ぱっと見て気に入りました。
これも記録と記憶のためにまずは全体を撮りました。 -
テーブルの上に花以外にも惹かれるモチーフあり
陶製の人形ではないかと思いますが、いい雰囲気です。
それに、青い花かブドウが描かれたカップ&ソーサーも、そういうのが好きな私としては、絵のモチーフとしてでなくても気になります。 -
「ヴェニス」1918年
アレクサンドラ・エクスター(1882-1949)
こういうなんとなくモチーフが分かる抽象画も好みです。
ロベール・ドローネーの絵を連想しました。
鑑賞中の女の子たちもフレーミングして、絵の巨大さも分かるようにしてみました。 -
光輝いているような中心部
ヴェネチアのどのあたりか分からないのですが、やっぱりサン・マルコ広場かな。 -
タテ構図に切り取って印象を替えてみると面白い@
こちらはどちらかというと形而上学派のデ・キリコの絵を連想させるかんじになりました。 -
建物だけでなく街の人々も見える
-
「酒のある静物画」1913年
ワシリー・ロジェストヴェンスキー(1884-1963)
ピカソやブラックの初期の抽象画みたいに、いろんな視点から見たものが一つの絵の中に収まっているこういう絵も好きです。
絵画ならではの世界ですし、遠く遡れば、人物はヨコ向きに描く古代エジプトの壁画や墓標の浮彫などもそうですから。 -
「カフェで(画家の妻の肖像画)」1919年
アレクサンダー・オスミョールキン(1892-1953)
こういうモチーフが分かる抽象画は私好み@
カフェの雰囲気をこんな風に取り込めているところも、面白いです。 -
こんな風に描かれてしまった奥さんだけど、きっと美人だったろう@
-
「太陽、クリミア」1916年
ロバート・フォルク(1886-1958)
風景をこんな風にデフォルメした絵はほんとに好み@ -
照りつける太陽の下の麦畑
これも一部だけ切り取ってタテ構造にして絵の中の雰囲気を変えてみました。
畑が黄色いので、麦畑あたりかなぁと勝手に推測。 -
「鳴り響く鐘、イワン雷帝の鐘楼」1915年
アリスタルフ・レントゥロフ(1882-1943)
ロシアン・ファンタジーな童話チックな絵だと思いました。
イワン雷帝の鐘楼は、モスクワのクレムリンの中にあります。
実際のクレムリンやイワン雷帝の鐘楼とはかなり雰囲気が違っていて、正直、首を傾げてしまうところはあります。
画家の気持ちや主観が相当反映されている絵ということになるのでしょう。 -
今まさに鐘を鳴らしている人物を中心に
-
気に入った絵なので、記録のために全体も
-
レントゥロフの別の絵を見る女性たちと
-
「トヴェルスコイ大通り」1917年
アリスタルフ・レントゥロフ(1882-1943)
モスクワの中心にある大通りのうち、正教会があるところにフォーカスしたようです。
これも童話チックになりました。 -
正教会らしい可愛らしい玉ネギ屋根のある教会をメインに
-
「自画像(偉大な画家)」1915年
アリスタルフ・レントゥロフ(1882-1943)
クリムトの絵のように顔はある程度三次元的に描かれていますが、体を包む衣服や背景は二次元的です。
それにしても、この画家も大成した富裕層の人物に見えます。 -
二次元的に処理された服装や背景に注目
と同時に腰に当てた手に注目すると、大粒の石がはめられた指輪をしているし、マネキュアを塗っているようにも見えます。 -
裸婦の彫刻越しに展示室を見渡す
この裸婦の彫刻もこうやって見るとなんだかユニークで気に入りました。
トレチャコフ美術館・新館の旅行記は3本に分けました。
中編へとつづきます。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
まみさんの関連旅行記
モスクワ(ロシア) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
87