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三重県の青山高原に源を発し、京都府八幡市で宇治川と合流したのち淀川にそそぐ木津川流域には、風情ある町並みの残る町が数多く点在していますが、今回、そんな中でも京都府内にある町々を訪ね歩きました。<br /><br />京都府木津川市山城町上狛は、木津川の流れが西から北へほぼ直角に折れ曲がる地点の右岸一帯に広がる町で、京都と奈良を結ぶ奈良街道沿いに位置しています。<br /><br />その奈良街道が町の真ん中を貫く上狛環濠集落は、外敵から身を守る防御機能を備えた楕円形の濠で囲まれた中世以来の環濠集落で、東西方向、南北方向とも三百数十メートルの範囲に広がる上狛環濠集落は、日本の環濠集落の中でも規模の大きいものの一つといわれています。<br /><br />現在の上狛環濠集落の南側と西側には、ありし日の姿を今に伝える環濠が残っており、地元の皆さんが浦の川と呼ぶほど豊かな水量を誇る環濠は、今も農業水利や治水上の重要な役割を担っています。<br /><br />一方、かつての町割がそのまま残る環濠内に目をやると、煙出しの越屋根をしつらえた主屋や土蔵を中心に、立派な長屋門を構えたお屋敷が散見できる奈良街道沿いや、郷や垣内と呼ばれる共同生活の場をつなぐ、人がやっと通れるほどの狭い小路には、ここに暮らす人々の活き活きとした息吹きが満ち溢れています。

2016 木津川散歩 3/4 上狛環濠集落

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2016/02/19 - 2016/02/19

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nao

naoさん

三重県の青山高原に源を発し、京都府八幡市で宇治川と合流したのち淀川にそそぐ木津川流域には、風情ある町並みの残る町が数多く点在していますが、今回、そんな中でも京都府内にある町々を訪ね歩きました。

京都府木津川市山城町上狛は、木津川の流れが西から北へほぼ直角に折れ曲がる地点の右岸一帯に広がる町で、京都と奈良を結ぶ奈良街道沿いに位置しています。

その奈良街道が町の真ん中を貫く上狛環濠集落は、外敵から身を守る防御機能を備えた楕円形の濠で囲まれた中世以来の環濠集落で、東西方向、南北方向とも三百数十メートルの範囲に広がる上狛環濠集落は、日本の環濠集落の中でも規模の大きいものの一つといわれています。

現在の上狛環濠集落の南側と西側には、ありし日の姿を今に伝える環濠が残っており、地元の皆さんが浦の川と呼ぶほど豊かな水量を誇る環濠は、今も農業水利や治水上の重要な役割を担っています。

一方、かつての町割がそのまま残る環濠内に目をやると、煙出しの越屋根をしつらえた主屋や土蔵を中心に、立派な長屋門を構えたお屋敷が散見できる奈良街道沿いや、郷や垣内と呼ばれる共同生活の場をつなぐ、人がやっと通れるほどの狭い小路には、ここに暮らす人々の活き活きとした息吹きが満ち溢れています。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • 木津川市役所山城支所の駐車場に車を停めさせてもらって、上狛環濠集落へやってきました。<br /><br />環濠めぐりは後回しにして、先ずは奈良街道沿いや狭い小路に連なる町並みを歩きます。

    木津川市役所山城支所の駐車場に車を停めさせてもらって、上狛環濠集落へやってきました。

    環濠めぐりは後回しにして、先ずは奈良街道沿いや狭い小路に連なる町並みを歩きます。

  • この交差点を右に曲がった先に、JR奈良線上狛駅があります。

    この交差点を右に曲がった先に、JR奈良線上狛駅があります。

  • 上狛駅へ至る町並みです。

    上狛駅へ至る町並みです。

  • 上狛駅への交差点から北へ歩くと・・・

    上狛駅への交差点から北へ歩くと・・・

  • 桝形があります。<br /><br />宿場町などでよく見られる桝形は、防衛上の観点からあえて道路を曲げて見通しを悪くしたもので、ここ上狛環濠集落でも必要性から取り入れたんでしょうね・・・。

    桝形があります。

    宿場町などでよく見られる桝形は、防衛上の観点からあえて道路を曲げて見通しを悪くしたもので、ここ上狛環濠集落でも必要性から取り入れたんでしょうね・・・。

  • 桝形の角には、かつての茅葺屋根を鉄板で覆った町家があります。

    桝形の角には、かつての茅葺屋根を鉄板で覆った町家があります。

  • 桝形を抜けた、北側の町並みです。

    桝形を抜けた、北側の町並みです。

  • 長屋門のあるお屋敷が向かい合っています。

    長屋門のあるお屋敷が向かい合っています。

  • このショウウィンドウには、かつて商品が飾られていたんでしょうね・・・。

    このショウウィンドウには、かつて商品が飾られていたんでしょうね・・・。

  • 建物もさることながら、鏡餅のように仕立てられた庭木がまず目に飛び込んできました。

    建物もさることながら、鏡餅のように仕立てられた庭木がまず目に飛び込んできました。

  • 荒壁が見せる自然な表情が良いですね。

    荒壁が見せる自然な表情が良いですね。

  • 「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」

    「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」

  • 焼杉の衣をまとった土蔵。

    焼杉の衣をまとった土蔵。

  • 松の鏝絵が浮き立つ土蔵。

    松の鏝絵が浮き立つ土蔵。

  • 環濠集落の北端にあたるこの辺りには、かつての環濠の名残が見られます。

    環濠集落の北端にあたるこの辺りには、かつての環濠の名残が見られます。

  • 煙出しの越屋根のある町家が顔を覗かせています。

    煙出しの越屋根のある町家が顔を覗かせています。

  • 長い土塀に囲まれたお屋敷には、かつての茅葺屋根を鉄板で覆った主家があります。<br /><br />このお屋敷の前の辻を、東へ入った所に小林家住宅があるので行ってみます。

    長い土塀に囲まれたお屋敷には、かつての茅葺屋根を鉄板で覆った主家があります。

    このお屋敷の前の辻を、東へ入った所に小林家住宅があるので行ってみます。

  • こちらは、この集落の庄屋を務めていた小林家住宅で、寛文5年(1665年)に建てられた、南山城地域で最も古い建物です。

    こちらは、この集落の庄屋を務めていた小林家住宅で、寛文5年(1665年)に建てられた、南山城地域で最も古い建物です。

  • 小林家住宅の茅葺の主屋。

    小林家住宅の茅葺の主屋。

  • 主屋の南側にしつらえられた庭。

    主屋の南側にしつらえられた庭。

  • 長屋門の柱に付けられた馬繋ぎの金物。

    長屋門の柱に付けられた馬繋ぎの金物。

  • 小林家住宅の斜め向かいに建つ町家。<br /><br />板塀と屋根だけで構成された単純な外観が、とても雄弁に語りかけてくる「何か」を感じさせてくれます。

    小林家住宅の斜め向かいに建つ町家。

    板塀と屋根だけで構成された単純な外観が、とても雄弁に語りかけてくる「何か」を感じさせてくれます。

  • 環濠外に連なる町並みです。

    環濠外に連なる町並みです。

  • 長い土塀に囲まれたお屋敷まで戻ってきました。

    長い土塀に囲まれたお屋敷まで戻ってきました。

  • 集落北側のかつての環濠が残っているところまで戻ってきたので、ここから環濠に沿って歩きます。

    集落北側のかつての環濠が残っているところまで戻ってきたので、ここから環濠に沿って歩きます。

  • 土蔵造りの大きな建物は、納屋か何かに使われているんでしょうか・・・。

    土蔵造りの大きな建物は、納屋か何かに使われているんでしょうか・・・。

  • 左側にある上狛小学校と町家の間を環濠が隔てています。

    左側にある上狛小学校と町家の間を環濠が隔てています。

  • ちなみに、上狛小学校は環濠の外になります。

    ちなみに、上狛小学校は環濠の外になります。

  • この辺りは環濠の北東角になります。

    この辺りは環濠の北東角になります。

  • この辺りのお宅は、環濠に橋を架けて門を開いています。

    この辺りのお宅は、環濠に橋を架けて門を開いています。

  • それというのも、環濠内は人がやっと通れるほどの狭い小路なので・・・

    それというのも、環濠内は人がやっと通れるほどの狭い小路なので・・・

  • このほうが生活に便利なんでしょうね。

    このほうが生活に便利なんでしょうね。

  • 環濠はここで東に曲がった後・・・

    環濠はここで東に曲がった後・・・

  • 延命院の角まで進み・・・

    延命院の角まで進み・・・

  • 南へ向かいます。

    南へ向かいます。

  • 環濠に沿って歩いていると、環濠内の小路の町並みに惹かれるものがあったので、歩いてみました。<br /><br />「そんなに睨みつけないでよ、鍾馗様・・・。」 

    環濠に沿って歩いていると、環濠内の小路の町並みに惹かれるものがあったので、歩いてみました。

    「そんなに睨みつけないでよ、鍾馗様・・・。」 

  • 一枚板の門扉をしつらえた立派な長屋門です。

    一枚板の門扉をしつらえた立派な長屋門です。

  • 長屋門に連なる長屋の部分は下見板張りで仕上げられています。<br /><br />では、環濠歩きに戻ります。

    長屋門に連なる長屋の部分は下見板張りで仕上げられています。

    では、環濠歩きに戻ります。

  • 環濠に沿って突きあたりの三叉路を左に曲がると、上狛駅に通じています。<br /><br />上狛駅へ向かう前に、まだ歩いていない駅下がりの道を歩いてみます。

    環濠に沿って突きあたりの三叉路を左に曲がると、上狛駅に通じています。

    上狛駅へ向かう前に、まだ歩いていない駅下がりの道を歩いてみます。

  • 一文字瓦がさわやかな印象を与える町家です。

    一文字瓦がさわやかな印象を与える町家です。

  • 煙出しの越屋根が見えています。<br /><br />では、上狛駅の方へ戻ります。

    煙出しの越屋根が見えています。

    では、上狛駅の方へ戻ります。

  • 合併前の旧山城町の汚水枡の蓋。<br /><br />町の木「モミジ」、町の花「キク」、町の特産品である「筍」と「お茶」がモチーフになっています。<br /><br />旧町名の「YAMASHIRO」と書かれていますが、中央のマークは現在の木津川市のものです。

    合併前の旧山城町の汚水枡の蓋。

    町の木「モミジ」、町の花「キク」、町の特産品である「筍」と「お茶」がモチーフになっています。

    旧町名の「YAMASHIRO」と書かれていますが、中央のマークは現在の木津川市のものです。

  • 和洋折衷の町家。<br /><br />右側の曲面のある部分は、織物会社の事務室として使われています。

    和洋折衷の町家。

    右側の曲面のある部分は、織物会社の事務室として使われています。

  • 正面に上狛駅が見えてきました。

    正面に上狛駅が見えてきました。

  • こちらが駅と反対方向の町並みです。

    こちらが駅と反対方向の町並みです。

  • 上狛駅にぶつかった環濠は、ここで南に向きを変えます。

    上狛駅にぶつかった環濠は、ここで南に向きを変えます。

  • 上狛駅を右に曲がった辺りにお茶の工場があるようで、お茶を煎る良いにおいが鼻をくすぐります。

    上狛駅を右に曲がった辺りにお茶の工場があるようで、お茶を煎る良いにおいが鼻をくすぐります。

  • 上狛駅の土手に、春の訪れを告げる菜の花が咲いています。

    上狛駅の土手に、春の訪れを告げる菜の花が咲いています。

  • 上狛駅の南に延びる町並みでは・・・

    上狛駅の南に延びる町並みでは・・・

  • アワビの殻が風に揺れています。

    アワビの殻が風に揺れています。

  • 上狛駅の方を振り返った光景です。<br /><br />環濠は、ここで西に向きを変えます。

    上狛駅の方を振り返った光景です。

    環濠は、ここで西に向きを変えます。

  • 環濠の折れ曲がり地点から西側の光景です。

    環濠の折れ曲がり地点から西側の光景です。

  • 環濠は、緩やかな弧を描いて・・・

    環濠は、緩やかな弧を描いて・・・

  • 西に延びていきます。

    西に延びていきます。

  • 環濠沿いに、見事な土塀をめぐらせた町家です。

    環濠沿いに、見事な土塀をめぐらせた町家です。

  • こちらは、奈良街道を超えてさらに西側に延びる環濠の光景です。<br /><br />この辺りから少しの間は、国道24号線と平行して延びています。

    こちらは、奈良街道を超えてさらに西側に延びる環濠の光景です。

    この辺りから少しの間は、国道24号線と平行して延びています。

  • メリハリの効いた白黒のコントラストが個性的な町家です。

    メリハリの効いた白黒のコントラストが個性的な町家です。

  • こちらは、先ほどの白黒の町家とは対照的に・・・

    こちらは、先ほどの白黒の町家とは対照的に・・・

  • 伝統的な佇まいを身にまとった町家です。

    伝統的な佇まいを身にまとった町家です。

  • 木の美しさを再認識させてくれる町家です。<br /><br />この鮮やかな木目に目が引きつけられました。

    木の美しさを再認識させてくれる町家です。

    この鮮やかな木目に目が引きつけられました。

  • 国道24号線と平行していた環濠は・・・

    国道24号線と平行していた環濠は・・・

  • この辺りから国道と別れて、弧を描きながら北へ向かいます。

    この辺りから国道と別れて、弧を描きながら北へ向かいます。

  • 曲がりきった辺りから振り返って見た光景です。

    曲がりきった辺りから振り返って見た光景です。

  • 集落の西側を北に延びる環濠の光景です。

    集落の西側を北に延びる環濠の光景です。

  • 地元の方が作られた手づくりの看板。<br /><br />この環濠を大切に思う気持ちがひしひしと伝わってきます。

    地元の方が作られた手づくりの看板。

    この環濠を大切に思う気持ちがひしひしと伝わってきます。

  • 手前の橋を渡って東に進むと、奈良街道に通じています。

    手前の橋を渡って東に進むと、奈良街道に通じています。

  • 環濠と水路の合流点。<br /><br />この水路が北側の環濠の名残かと思えるんですが、資料によると、実際にはもう少し南側で東に曲がっていたようです。<br /><br />では、この辺りで引き返します。

    環濠と水路の合流点。

    この水路が北側の環濠の名残かと思えるんですが、資料によると、実際にはもう少し南側で東に曲がっていたようです。

    では、この辺りで引き返します。

  • 本来の環濠は、この辺りで東に曲がっていたものと思われます。

    本来の環濠は、この辺りで東に曲がっていたものと思われます。

  • 環濠が造られた当時は内側に土塁が設けられていたといわれているので、この高い石垣は土塁の名残りかも知れませんね・・・。

    環濠が造られた当時は内側に土塁が設けられていたといわれているので、この高い石垣は土塁の名残りかも知れませんね・・・。

  • 右手に見えてきたのが国道24号線です。

    右手に見えてきたのが国道24号線です。

  • 国道と平行して延びる環濠。

    国道と平行して延びる環濠。

  • あの個性的な町家まで戻ってきたので、ここで環濠めぐりを終えます。<br /><br />では、この先で国道24号線を渡って次の目的地へ向かいます。

    あの個性的な町家まで戻ってきたので、ここで環濠めぐりを終えます。

    では、この先で国道24号線を渡って次の目的地へ向かいます。

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