2016/02/19 - 2016/02/19
118位(同エリア254件中)
naoさん
三重県の青山高原に源を発し、京都府八幡市で宇治川と合流したのち淀川にそそぐ木津川流域には、風情ある町並みの残る町が数多く点在していますが、今回、そんな中でも京都府内にある町々を訪ね歩きました。
JR関西本線の加茂駅を中心に広がる京都府木津川市加茂町は、木津川の水運を利用した川湊として形成された所で、すでに鎌倉時代後期には木津川流域の物資の集散地として賑わっていました。
また、奈良と伊賀上野を結ぶ伊賀街道や、奈良と近江方面を結ぶ信楽街道が交わる陸上交通の要衝でもあったこの地は、人や物資が盛んに行き交う宿場町としても重要な位置を占めていました。
正徳2年(1712年)の木津川の大洪水により、山裾への移転を余儀なくされた際に整備された、江戸時代の町割りが今もそのまま残る町並みは、明治時代に入り、現在のJR関西本線の前身となる鉄道の開通とともに幾分様変わりしたとはいえ、煙出しの越屋根、白漆喰で塗籠められた虫籠窓、格子などをしつらえた、船問屋や商家の建物が連なり、かつての面影を色濃く残しています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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JR関西本線の加茂駅へやって来ました。
駅前広場に車を停めさせてもらって、町歩きを始めます。 -
加茂駅から真っすぐ北に延びる町並みです。
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この町家は、建物そのものも風情があって良いんですが・・・
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こんな風に、樋や錺枡がとても凝っています。
かなりこだわりを持っておられるようです。 -
歩いている内に、だんだん風情豊かな町並みが現れてきました。
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2階大屋根の瓦が葺きかえられています。
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この、何気ない町家の奥には・・・
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こんな高床式の離れが続いています。
敷地の高低差を高床式で解消しています。 -
こちらの町家は、軽い屋根に改修されています。
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2階の大屋根に、わずかに煙出しの越屋根が見えています。
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2階部分がヤケに背が高く見えます。
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北側に続く町並みです。
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板塀で囲われた内部は坪庭なんでしょう・・・。
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2層に窓が開けられた土蔵。
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事務所と住まいが一体となった町家。
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吊り鉢が町並みを華やかに彩っています。
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路地から見た町並みの光景。
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駅に続く南側の町並みです。
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路地の奥には、新しい町が出来ています。
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町並みの北側に、木津川の堤防が見えてきました。
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樋の錺枡に家紋があしらわれています。
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こちらの黒漆喰塗の外壁には・・・
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白漆喰の大きな家紋が浮き出ています。
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この樋は手の込んだ作りになっています。
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町並みは、ここで90度東の方へ曲がっています。
この町家の裏手に見えているのが木津川の堤防です。 -
90度曲がった、東側の町並みです。
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この町家には、煙出しの越屋根が設けられています。
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横張りの外壁が、船板塀のような味を出しています。
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石屋さんが商品として彫られたと思われる石仏が鎮座しています。
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屋根裏まで白漆喰で塗籠めたこの町家は、元庄屋だったお宅です。
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旧加茂町の汚水枡の蓋。
真ん中の町章を囲んで、町の木「くろまつ」、町の花「あじさい」、町の特産品「お茶」と「しいたけ」が囲んでいます。 -
こちらの町家は、煙出しの越屋根、虫籠窓、格子など、伝統的なしつらえが成されています。
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東側の町並みです。
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格子のデザインに工夫が凝らされています。
でも、ここは京都府なのに、なぜか奈良県立美術館の掲示板が・・・。 -
「地元が一番!」のポスター。
同感! -
西側の町並みを振り返った光景です。
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洋品店やさんの店先になにやら不思議な立て看板が・・・。
何々、「たまねぎ茶!」。
果たして、どんな味がするんでしょうか、想像がつきません。 -
ちなみに、このお店は町の奥さん方の憩いの場になっているようです。
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瓜形の虫籠窓のある町家。
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白漆喰塗の袖卯建が、黒い外壁とのコントラストで浮立って見えます。
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こちらは、元造り酒屋の酒蔵です。
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酒蔵の石垣。
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元造り酒屋さんと向かいあって、豪壮なお屋敷があります。
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さすが豪壮なお屋敷だけあります、塀の中に数本の見越しの松が植えられています。
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虫籠窓も尋常ではない大きさです。
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酒蔵の先にある元造り酒屋さんの店舗入口です。
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京都府道44号奈良加茂線の交差点までやって来ました。
交差点から東側にも風情ある町並みが点在しています。 -
交差点の東側から見た元造り酒屋さんのお屋敷です。
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駒寄せを巡らせた大きな町家です。
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ここから5kmあまり南に位置する当尾石仏群の中にある愛宕神社への献灯籠が、そのユニークさでよく知られていますが、写真の石灯籠にも「愛宕神社 献燈」と書かれているので、同じ類のものなんでしょうか・・・。
ちなみに、当尾石仏群は浄瑠璃寺と岩船寺の間の山間に広く分布しています。 -
JR関西本線のガードを東へくぐった先に立っている道標です。
正面には「右 なら道 加茂大明神」、右側面には「左 いが いせ」と彫られています。
これを見ると、この地が伊賀街道と信楽街道の交点だったことが判ります。 -
道標の東側には、これまでとは趣を異にする町並みが続いています。
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立派な土塀を巡らせたお屋敷です。
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この辺りから坂道が続きます。
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少し脇道にそれた先に、立派な長屋門の中にかつて茅葺だった屋根を鉄板で覆った主屋が見えています。
かなりの豪農のお屋敷と見受けられます。 -
主屋の妻面に、「二つ巴」の家紋が見えます。
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お屋敷の中に土蔵や納屋が建ち並び、さすが豪農といった風情を漂わせています。
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作業用の広い前庭のある民家。
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この土蔵のある民家の横を歩いていると・・・
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竹格子のある丸窓を見つけました。
丸窓は見る人に優しい印象を与えてくれます。 -
では坂道に戻って・・・
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さらに上の方へ行ってみます。
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坂道の途中の長屋門のある民家。
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しばらく上って振り返ると、先の方に山並みが見えてきました。
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この辺りにも、煙出しの越屋根のある民家が・・・
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チラホラと見かけるようになりました。
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町並みの一番上辺りまで上って来ました。
急な坂道だったので疲れましたが、この風景には癒されました。 -
そこかしこで梅の花が咲きだしています。
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馬酔木は蕾が膨らみ始めたところです。
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ヤツデの新芽はまだまだです。
次は、加茂の地名の由来だといわれている、岡田鴨神社のある町並みへ向かいます。 -
岡田鴨神社のある町並みの入口に、木津川市コミュニティバスの停留所がありました。
JR加茂駅まで相当距離があるので、きめ細かい住民への配慮が行き届いています。 -
では、橋を渡って町並みを歩きます。
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土塀を巡らせた民家。
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門の中には、白漆喰の虫籠窓をしつらえた主屋があります。
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屋根の上には、煙出しの越屋根も見えます。
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こちらの民家は、カイヅカイブキの生垣と・・・
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土塀を使い分けておられます。
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弧を描きながら続く道なりに進むと・・・
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岡田鴨神社の鳥居が見えてきました。
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鳥居の前には、「左 いか いせ道」と彫られた道標が立っています。
ここでも伊賀街道と深くかかわっていたことが判ります。 -
鳥居をくぐって、岡田鴨神社の社殿へやって来ました。
御祭神は賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)で、日本サッカー協会のシンボルマークとして知られる八咫烏が化身だと伝えられています。 -
拝殿の前に鎮座する阿形の狛犬と・・・
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吽形の狛犬。
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境内には天満宮もあるので、紅梅と白梅が植えられています。
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こちらは、カイヅカイブキの生垣と土塀を使い分けておられたお屋敷の裏側の外観です。
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今回初めて訪れた加茂は、木津川の水運とともに、伊賀街道や信楽街道と深いかかわりのある町だったことを知ることができました。
では、次の目的地へ向かいます。
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