2016/02/24 - 2016/02/24
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ちびのぱぱさん
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鈍行列車で訪れた関ヶ原。
日本を二分した400年前の戦いの舞台は人影もなく寂しげで、点在する史跡も歩くしかない。
ぶつぶつ文句を垂れながら東首塚まで歩くも、関ヶ原を後にする頃には、これはこれでいいのかも知れないと思うようになりました。
たぶんこの辺り、激しい戦のあったその時代といくらも変わらない景色が、そのまま広がっているんじゃあないのかな。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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東海道線で中山道を行く
東海道本線で名古屋、岐阜、大垣と来て、さらに関ヶ原に向かって列車が進むと、次第に南北から山が迫ってきて地形の変化をダイナミックに感じます。
垂井を過ぎれば平地の幅がさらに狭まり、この辺り関所に適した地形なのだなあと、自然に思えてきました。
関ヶ原の少し先は、壬申の乱の激戦地となり、後に天武天皇がもうけた「不破関」があるし、何かと不穏な場所です。
そこまで考えて、自分が乗っている東海道本線の鈍行列車が走っているのが、旧中山道沿いだとようやく気付く。
中山道なのに東海道本線か。
線路の名前の付け方も、ずいぶん適当だなあ、なんて思っているうちに、梅香る関ヶ原駅に到着。関ケ原駅 駅
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地形の問題
グーグルの地形図を眺めていると、関ヶ原というのは聖書に出てくるハルマゲドンと似ているような気がしてきます。
ハルマゲドンとはヘブライ語で、メギドの丘というような意味になります。
古代のメギドは交通の要衝であり、周囲を山で囲まれてしばしば激戦の舞台となった盆地にある要塞都市でした。
こういう交通の要衝にあって周囲を山で囲まれた場所というのは、大きな勢力が相対するのに格好の土地なのだろうか。
素人考えだけど、それぞれ参謀は小高い場所に陣取って、戦況の行方を見守ることが出来るから作戦が立てやすいのかも。
NHKの「歴史秘話ヒストリア」という番組によると、この辺りの村人の中でも、この迷惑な戦争の行方を高台から見守っていた人々がいたということでした。
徳川家康は、大垣に陣を構えていた石田三成をこの地におびき出したのだというふうに聞いています。
夜陰に紛れて大垣城を抜け出した三成は、家康の思惑に沿う形で関ヶ原の北側に陣取る。
西軍の陣営は、かなり地の利の良いものだと何かで読みましたが、結局勝利を収めたのは東軍。
東海道本線の上にかかる陸橋から、北の方の山地に目を遣って小説やドラマの場面に思いをはせてみます。
ふり返って、南西の方に見えている松尾山の辺りに小早川秀秋がいて、徳川家康は大砲だか鉄砲を撃ち込ませて寝返りを催促したということになっています。
これだけの史跡にもかかわらず、駅前には、土産屋程度の情報センターが昨年漸く開業したくらいで、とくに何もない。
列車で訪れる人は、きっと少ないのでしょう。 -
東首塚
駅から歩いてすぐにゆけるところに、東首塚。
戦国武将にとって、手柄を上げて褒賞をもらったり出世することがすべてなんだろうと想像します。
ただ生き残るため、という人もいたろうか。
いずれにせよ手柄を立てたかどうかは、死活問題。
だれがどんな働きをしたかをしっかりチェックするシステムができあがっていたようで、戦国時代もかなりビジネスライク。
生首は、大事な手柄の証拠だからしっかり持ち帰って化粧を施してさも立派な武将であるがごとく仕立て上げたとか。
その役割を担ったのはおもに女性であるように聞いてます。
看護士も女性が多いし……、てきぱき首を処理していったのかなあ。東首塚 名所・史跡
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昭和15年に名古屋から移されたという赤門をくぐると、北海道では見かけないスダジイの杜。
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首洗いの井戸。
嬉々として相手の首を取っている男たちを見たら、今のISも顔色を失うかも知れない。
一緒にするなと言われそうだけど、同じ人間としての彼らを、鶏の首も落とせなくなった今の日本人にはとうてい理解できない。 -
関ヶ原開戦のなぞ
東首塚付近には、関ヶ原開戦当時、井伊直政と松平忠吉が陣を張ってたんだなあ。
このあたりが東軍の布陣の中央部。
説明を見ると、軍議で先陣と決まっていた福島正則をさきおいて井伊直政と松平忠義が先陣を切ったことについて、そのいきさつが説明されていますが、実際にはいろいろと取りざたされています。
ともあれ、関ヶ原の戦いの火蓋は、このあたりから始まったということかな。松平忠吉 井伊直政陣跡 名所・史跡
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戦に敗れた者たちへの餞
文化14年(1817年)に、この関が原宿の古山兵四郎という人が、西軍の武将たちの首塚が草木に埋もれてしまうことのないようにこの石碑を建てたいきさつが書かれています。
今からちょうど200年前のことになります。
関ヶ原の合戦から200年も経ってから、その戦いで散っていった西軍の武者たちに思いを馳せてこのような石碑を建てた人がいた。
いったい、どんな人だったんだろう。
明治時代の東海道本線の敷設の際には、周辺からたくさんの遺骨が発見されたと言います。
400年も土に埋もれていたんだなあ。 -
どうも、水平を取るのが苦手。
これは生まれつきではないだろうか。
そーとー気をつけないと、どちらかに傾く。
日常の平衡感覚は、悪い方ではないと思う。
写真の取り方について読むと、初心者のミスという。
なるほど、そのレベルだと言うこと。 -
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関ヶ原駅前の観光センター。
ほぼ、ただのみやげやさん。 -
自販機が関ヶ原している。
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名泉の醒ヶ井宿
お次は、醒ヶ井宿。
各駅停車しか停まらないのんびりとした関ヶ原の駅に戻り、13時56分関ヶ原発普通列車で、醒ヶ井14時11分着。
地図でも分かるように、変化に富んだ山間地を列車が走ること15分。
綺麗な湧き水が流れ、神話の里として知られています。 -
醒ケ井駅 駅
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名水と神話の里
駅前から地蔵川に沿って中山道の宿場町を散策。
中山道を旅する人は、近江に抜ける、あるいは尾張に出る前に、この清らかな清流で癒されたことでしょう。
賑やかな江戸の頃には幾十もの旅籠が建ち並んでいたという街道筋には、今も当時と変わらない景色が残っている。
早くからますの養殖が行われたことでも知られマス。 -
明治時代の醒ヶ井小学校の玄関。
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昔の郵便局の建物。
近江兄弟社のメリル・ヴォールズによる設計。 -
資料館となっている旧郵便局を過ぎてしばらく行くと、建物の間に地蔵川の清流が見える。
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平安時代からの十王水。
十王水 名所・史跡
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今は梅ですが、夏になると川面にバイカモのかれんな花が咲き乱れるらしい。
バイカモは、梅花藻と書くのかな。 -
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資料館兼、昔の問屋の建物(重要文化財)を無料開放。
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資料館の前の橋を渡って……。
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宿場町の名残
問屋場というのは、人足や馬の世話を行う宿駅だったそうで、現存するのは中山道に二カ所甲州街道に一カ所のみで、ここは一番古いらしい。
参勤交代の大名行列のあるときは、蜂の巣をつついたような忙しさだったという。
今は、私たちの他はだれもいない。
ただただ、静けさが支配している問屋の中。 -
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ヤマトタケルノミコト
居醒のいずみまで来ました。
近くの伊吹山の神と戦って破れた日本武尊が、傷を癒したとか……。
というか、そもそも戦う前に吹雪で体力を奪われて意識を失ってしまった。
クマソを倒して九州、西日本を平定し、東征にも成功したのに、愛妻を得たすぐ後の不覚。
ヤマトタケルノミコトが実在したとして……、
伊吹山の山賊でも暴れ、どれ、山賊ごとき素手でも倒せると、草薙の剣も持たずに出かけたものの、逆に不覚を取った、というところだろうか。
大英雄も、ちょっとした油断が命取りになるということでしょうか。
この醒ヶ井の清水で息を吹き返したものの、体調は戻らず、三重まで旅をしたところで、「大和は国のまほろば」の歌を残して息絶える。
享年30才。醒井地蔵尊 地蔵堂 寺・神社・教会
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帰りは、すこし街道を外れて町の中を歩いてみました。
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一天にわかにかき曇り、ゆ、雪だ。
凍えるような突風。 -
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またすぐに晴れる。
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醒ヶ井駅に戻り、駅横にある名水を一口。
美味しい水。
日本武尊が、元気になったわけだ。醒井水の宿駅 名所・史跡
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この旅行記へのコメント (4)
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- オータムリーフさん 2020/01/05 09:42:23
- 中山道
- ちびのぱぱさん
初めまして!
関ケ原、醒ヶ井宿を懐かしく読ませて頂きました。
中山道を日本橋から歩いたので、この旅行記で昔を思い出しました。醒ヶ井宿の街道脇の水路の水が透明で、水草が漂い、歩き疲れた癒しになった記憶があります。又、楽しい旅行記をお待ちしています。
- ちびのぱぱさん からの返信 2020/01/05 15:10:00
- RE: 中山道
- オータムリーフさん
こんにちわ
旧中山道ウォーク、69次ですか、すごいですね。
醒ヶ井は、そろそろゴールが見えてくる感じでしょうか。
今月末から九州旅行をしたいと思い、オータムリーフさんの旅行記とても参考になりました。
旅から帰ってきたら、ログ付けしたいと思います。
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- わんぱく大将さん 2016/10/08 09:29:19
- 冬の醒ケ井
- ちびのぱぱさん
人気のない冬の醒ケ井もいいもんですねえ。 大将
- ちびのぱぱさん からの返信 2016/10/08 12:41:29
- RE: 冬の醒ケ井
- 大将さん
御無沙汰です。
引き続き、日本の旅にいそしんでいます。
11月に所用で台湾に行きますので、ついでに観光も兼ねようと思います。
久しぶりの海外。
ちびぱぱ
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