2015/12/15 - 2015/12/18
71位(同エリア165件中)
まりも母さん
北九州レトロをめぐる旅10 平山温泉・一木一草。 レトロかわいい温泉宿でとろとろ~。
http://4travel.jp/travelogue/11095334
続きです。
熊本へはレンタカーでやってきたので
今日はまず近くの山鹿温泉にある“八千代座”を見学に行きます。
古い芝居小屋で 重要文化財の建物です。
ガイドさんに案内してもらい じっくり見学できました。
その後は 阿蘇山ミルクロードをドライブし福岡空港へ戻ります。
本日の旅行記は 前半 八千代座見学、
後半、ミルクロード それに 最後に思いがけないおまけの一箇所を 11~13で記載いたします。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー スカイマーク
-
同じ熊本県の山鹿市内で 宿から山鹿温泉まで車で約20分でした。
駐車場を探して ぐるっと廻っていたら 「八千代座交流施設」という建物と広い駐車場がありました。
車は全然停まっていなくて 問題なさそうだったのでここに駐車。
交流館と言うのは 八千代座の付属施設だろう と そちらの入り口の方へ廻ってみました。 -
“八千代座交流館”
「なんか・・・やっていないようだね??」とダンナと話します。
良く判らずに ここも見学できる施設の一部なのかと思いましたが
ここ 八千代座が使われる時の楽屋や稽古場の建物だったと 帰宅後判りました。
大きな駐車場も道具を搬入したりする場所だったようです。
本当は 見学者はここに停めてはいけなかったのかも・・・
何も書かれていないし門も開いていたからねぇ・・・。
この建物は新しいホールの入り口らしいです。 -
車を停めたあたり 昔っぽい造りの建物がいっぱい。
骨董店もあります。まだ朝9時ちょっと過ぎなので営業時間前ですけどね。
こんな雰囲気の建物がいくつもあるようです。 -
黒漆喰の壁が素敵な建物。
古民家カフェもあったりして 山鹿温泉郷は ゆっくり歩いても楽しそうな場所でした。
今日は 残念ながら 朝早くて どこも営業してませんけどね・・・。 -
道を曲がった所に八千代座が見えました。
-
あらら 緑のシートがかけられている所は 工事中なんですね・・・。
ちょっと残念だけど 舞台が使われている日は見学できないので
中が見られるだけでもよかったです。(ちゃんとスケジュールはチェックしてきました) -
八千代座 明治43年(1910)木村亀太郎設計 国指定重要文化財
肥後・熊本から豊前・小倉へ至る「豊前街道」の宿場町 山鹿にある芝居小屋。
町の旦那衆が組合を作り 設立したものです。 -
八千代座を見学するのには 向かいにある“夢小蔵”で
受付をするようにとの看板がありましたので まずはそちらへ。 -
八千代座と夢小蔵の資料館両方が見られる見学料は大人520円
チケットの裏には現在仮設公開中の民芸館(現在は仮設の為無料)で捺印すると
近くの温泉施設「さくら湯」の入浴料が200円割引になる、とプリントされています。(H28年3月31日まで)
夢小蔵の係りの方に 先にこちらを見てから 八千代座に行かれた方がいいと言われ 先にこちらを見学。
最初に八千代座紹介の10分ほどのビデオを見ました。
八千代座の舞台を踏んだタレントなどのサインがいっぱい。
おや くまもんのサインもありますね。 -
八千代座の構造模型。
設計者の木村亀太郎は 地元の回船問屋の主人で灯籠師でもあった人物。
建築には素人だったので 歌舞伎座や全国の劇場を訪ね
上海にまで視察に行き トラス構造を採用し 工事監督も務めたそうです。
そんな 専門家ではない人物がこんな大きな建物を設計したなんて・・・驚きです!!
八千代座は一見伝統的な日本建築に見えますが 瓦を載せた大きな屋根を支えるために トラス構造が採用されています。
和の姿をしていますが 構造には西洋の技術が使われている訳です。 -
平成2年から始まった坂東玉三郎の公演は 毎回大人気なのだそう。
玉三郎さんは 老朽化した八千代座の窮状を知り 自らが公演を行う事で 注目を集め
八千代座の復興に貢献された恩人だそうです。
着用した衣装やポスターが飾られていました。 -
八千代座に入ります。靴を脱いで上がります。
中はガイドさんについて見学です。 -
お~~いい感じの芝居小屋です。
やはり 天井の広告絵が目立ちますね。
升席と桟敷席の伝統的な芝居小屋です。 -
升席に座って ガイドさんのお話を聞きます。
升席の中は床暖房で暖かいのです。
舞台に向かって緩やかな傾斜がついていて 後ろの席でも舞台が見やすいようになっています。
枡の区切りは 縦ラインはやや幅広ですが 横ラインは細い角材。
この枡に昔は8人入った事もあったとか。
今はどう考えても8人は無理。体格が違うのかな。
幅の広い(と言っても20cmも無かったような・・・)縦の仕切りは この上を物売りが歩いたり
トイレに行く時のお客さんの通路にもなるのだそうです。 -
お話してくれたガイドさん。
館内もずっと一緒に案内してくださいました。 -
左右には 桟敷席。2階もあります。
赤い提灯がいいですね。 -
天井に描かれているのは すべて広告なのです。
きれいな状態なのは、平成8年から大修理が行われたからです。
平成13年には2度目のこけら落とし公演が行われました。
天井絵は 建設当初の広告を復元しているのですが
この中に現役で営業しているお店のものが いくつもあるそうです。
シャンデリアは 戦時中 金属供出で失われてしまったので 元の通りのデザインで再現したものです。
建設当時は ガス灯だったそうです。 -
赤い提灯についた模様は、八千代座のロゴマーク。
「ヨ」を囲んで 八つの「チ」 ヤチヨをデザインしたものだって。 -
花道に上がって「スッポン」を見ます。
床が下からせり上がり 突然花道上に役者が登場する仕掛けです。
人力で 役者を押し上げたそうです。
また 木製の花道 長年の使用のうちに板が割れたり 削れてしまった所も。
平成の大修理では そんな板の補修には 出来る限り 木目をあわせて直す作業が成されたそうです。
色が白っぽいのが 修理部分です。なるほど 木目が上手く合わされています。 -
花道を進んで 舞台上へ。
下手には この格子が。下の荒い格子の後ろにはすだれがかけてあり 隙間から舞台の様子が見られるようになっています。
音楽や効果音、舞台の進行をここから覗いて タイミングを見ていたのですね。 -
舞台の背景には 松羽目。歌舞伎用の大道具です。通常はこれが置かれているのですね。
ちょっと判りにくいですが 真ん中に大きな廻り舞台があります。
すっぽん同様 下から上がってくる「せり」もあります。 -
廻り舞台の円のラインが見えます。
直径8.5m
廻り舞台も当然 人力で動かしました。
今でもそうです。
修復された板があちこちに見えます。 -
舞台上から見た観客席。
役者からはこんな風に見えているのですね。
後ろの窓からの光で 昼間は 結構明るいのです。 -
舞台上から緞帳の内側を見ると・・・竹と縄で組まれたものが。
これは「ぶどう棚」と言って 舞台設備のひとつ。
ここに幕を吊り下げたり 上に人が乗って 芝居の効果に雪や花吹雪を散らしたりするのだそうです。
舞台袖には 早変わりの背景板もありました。(反転させて、背景の絵を変えるもの) -
舞台のうしろ側には楽屋。これは いわゆる「大部屋」と言う 脇役の役者さん達の楽屋。
障子で仕切ってサイズが変えられるようになっています。
ここは 今は楽屋には 使われていなくて 八千代座の建物裏にあった別棟 「新楽屋」が使われているのだそう。 -
舞台下 奈落にも入ります。
これが 廻り舞台の下の部分。
太い梁のような横棒を 人力で廻すのは昔と同じ。
少し前に やはり 古い芝居小屋 群馬県のながめ余興場を見に行った事がありましたが
その時は 公演日だったので 廻り舞台の構造見学は出来なかったのです。 -
円形舞台を廻す鉄のレールと車輪はドイツ製。
刻印から、1910年製クルップ社製と判ります。 -
丸い回転部分の脇は 4段の石積みで補強されています。
石は凝灰岩の鍋田石で 眼鏡橋を作った肥後の石工の技が生かされたものだそうです。
廻り舞台の円形の所は中心の支柱しかない空間ですから
廻りの舞台下を強固にしないと 重い舞台のセットとかを受け止められないって事でしょうか。 -
奈落から見る花道。
すっぽんを上げるのもこの場所から。 -
1階に戻り 今度は2階の客席へ上がります。
2階の桟敷席も微妙な傾斜がついています。
座布団ごと前に滑りそう~ってそういう事は無いのか?? -
2階は天井が近い!
2階正面の桟敷席は 花道も良く見えるし 通好みの観覧場所だそう。
こんなレトロな劇場で歌舞伎や演劇を見るのは楽しそうだけど
昭和20年代までは賑わった八千代座も 30年代になり映画の時代、テレビの時代と娯楽が変わってくると すっかり客足も遠のき 昭和の終わりには解体の危機もありました。
雨漏りがひどく 老朽化が激しかったのです。
それを「瓦1枚運動」という募金により5万枚の瓦を修復。
昭和63年には国の重要文化財指定も受け 復活の道を進む事になったのです。 -
2階下手桟敷席の外側の廊下。
-
ガイドさんに案内して頂き 上から下まで(奈落まで)八千代座を見せて頂く事ができました。
古い芝居小屋は 華やかな賑わった時代の象徴として ノシタルジーを感じつつ
現役で使われている事のすばらしさをつくづく感じました。
入り口を入った広間に飾ってあった「盆石」
初めて見ました。
黒い盆の上に石や砂で自然風景を描き 床飾りにする縮景芸術のひとつだそう。
細川流 盆石の作品がいくつも展示されていました。 -
車に戻る前に少しだけ八千代座周りを散策。
山鹿でもっとも有名なのは 夏に行われる「山鹿灯篭まつり」でしょうか。
頭上に灯篭を載せた女性が優雅に踊る夜のまつり。
頭上の細やかな細工の灯篭は 紙製です。
高度な技術を持った灯篭師のみが作れるのだそうです。
こちらの「なかしま」もそんな灯篭師のお店です。(職人は他にもいるそうですがお店があるのはここだけ) -
私は 最初 灯篭は木製なのかと思いましたよ。
紙で出来ているので 頭に載せてもさほどの重さは無いようです。
和紙と糊だけで作る 大変細かい。技術の要る作品だそうです。 -
古い建物を使った クラフト材料のショップなどもあり 和の建物の窓辺には輸入リボンが沢山並んでいました。
まだ営業時間前ですが楽しいお店も色々ありそうでした。 -
山鹿灯籠民芸館(旧安田銀行 山鹿支店)は大正時代に建てられた銀行建築の建物でぜひ見たかったのですが~
現在改修工事中で すっぽりシートに覆われてまったく見ることも出来ませんでした・・・。
平成28年3月下旬には工事終了の予定です。
最後に山鹿温泉元湯 さくら湯の建物が見える所まで来ました。
さくら湯は 細川藩の御茶屋だった建物を何度も改築・改修を重ね昭和48年に取り壊されるまであった温泉でした。
平成24年木造温泉施設として再建されたのが 現在のさくら湯です。
大人300円の日帰り温泉として営業しています。
ゆっくり温泉にもつかりたい所ですけど。時間的に無理なのでここで引き返します。
車に戻り この後は阿蘇山近くをドライブして福岡に戻ります。
この続きは 北九州旅行記最終編
北九州レトロをめぐる旅12 ミルクロードからの阿蘇絶景
https://4travel.jp/travelogue/11098028
へ続きます。
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