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 2015年9月30日に東博ミュージアムショップに寄ると、「松江城」(ハーベスト出版)が棚に出ていた。かつて学研から「歴史群像」名城シリーズ・15巻が発行されたが、この中に松江城は含まれてはいなかった。また、松江城は何度か訪れたが、こうした書籍を買い求めることができなかった。東博ミュージアムショップにも松江城関連の書物はこれだけだったので、一般書はこれが最初か、地方の出版はあっても中央までは出回らなかっただけなのかも知れない。<br /> この「松江城」を書評して、<br />「松江城 石井 悠 (著, その他), 古川 誠 (写真)(2015/4/20)<br />初版発行は2015/4/30になっている。何とタイミングの悪い時期の発行なのだろうか。この半月後の2015/5/15に松江城は国宝にするように答申が出され、重要文化財から国宝に指定変えされている。出版社を見たら、地元松江市内にある出版社である。<br /> 出雲(島根県)の3大観光地といえば、出雲大社、石見銀山、ここ松江城であろう。出雲大社社殿は国宝であり、石見銀山は世界遺産である。しかし、松江城はこれまでは国指定重要文化財に留まっていた。<br /> 出雲大社に隣接する島根県立古代出雲歴史博物館には一連の銅剣や銅鐸などが国宝となって展示されている。また、建築物でも松江市内には神魂神社(かもすじんじゃ)社殿が国宝になっている。しかし、市民や観光スポットとしては松江城の国宝指定はどれほど待ち望んでいた(望まれていた)ことでことであろうか。<br /> また、国宝指定で障害となっていた寄木柱、昭和の改修で板が追加され、創建時よりも太い寄木柱になっていた、の写真すら見当たらなかった。<br /> それにしても、地元にある出版社でありながら、こうした国宝指定の動きを全く知らなかったのだろうか?「国宝 松江城」と表記できない時期のこの種の発行はおそらくは松江市民の期待すら裏切るものであろう。地方出版社の悲哀というか、実力のなさというか、そうしたことを如実に物語る本となってしまっている。」(https://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A18QCPBE4SQ40J/ref=pdp_new_read_full_review_link?ie=UTF8&amp;page=1&amp;sort_by=MostRecentReview#R1WVXR2J30TMKL)<br /> それから半年後に改訂版が発行された。題名を「松江城」から「国宝 松江城」に替えている。また、表紙裏に「国宝指定」を加筆している。あるいは、18ページに「国宝指定 天守完成等を示す祈祷札等」があるが、見出しに「国宝」を付け、最後の3行を追加しただけのようだ。それを伺わせるかのように、中表紙等は「松江城」のままで、「国宝 松江城」には変更されてはいない。こうした改訂時の見落としは、えてして訓練されてはいない者(編集者)にはしばしば起こることである。地方出版社の技量が見て取れる。<br /> この本の中で、「従来、寄木柱と説明されていたが、不良柱を板で包む…。包板柱と呼ぶことにする。」(14ページ)とある。学研の「歴史群像シリーズ よみがえる日本の城6」には「特徴的な寄木柱」と記載されている。「包板柱」よりは「板包柱」や「板囲柱」、「囲補強柱」などの方が適切な気もする。石井悠氏(興雲閣に設置されている「松江郷土館」の博物館の2007年当時の館長さんか?)がどれほどの城郭建築の専門家なのかは不明なのだが、「包板柱」が中国のWeb(http://www.hc360.com/hots-w05/900601845.html)にある「「包板柱」と同じなのか、違うならば(少なくても中国人からは)誤解されかねない。単語の造語は難しいものだが、中央から「国宝 松江城」の出版が出てくればいずれはこうした柱の呼び名が固定されるであろう。<br /> 今回の改訂で星2つから3つか3つ半程度には上がったと思うが、私がこれまで松江城が国宝指定されなかったのは戦後にこの柱が再追加補強され、形状を著しく変更したとみなされていたためだと思っていたが、その疑問は依然解消されなかった。<br />(表紙写真は「国宝 松江城」の表紙)

「松江城」が「国宝 松江城」に改訂されました

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2016/01/08 - 2016/01/08

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 2015年9月30日に東博ミュージアムショップに寄ると、「松江城」(ハーベスト出版)が棚に出ていた。かつて学研から「歴史群像」名城シリーズ・15巻が発行されたが、この中に松江城は含まれてはいなかった。また、松江城は何度か訪れたが、こうした書籍を買い求めることができなかった。東博ミュージアムショップにも松江城関連の書物はこれだけだったので、一般書はこれが最初か、地方の出版はあっても中央までは出回らなかっただけなのかも知れない。
 この「松江城」を書評して、
「松江城 石井 悠 (著, その他), 古川 誠 (写真)(2015/4/20)
初版発行は2015/4/30になっている。何とタイミングの悪い時期の発行なのだろうか。この半月後の2015/5/15に松江城は国宝にするように答申が出され、重要文化財から国宝に指定変えされている。出版社を見たら、地元松江市内にある出版社である。
 出雲(島根県)の3大観光地といえば、出雲大社、石見銀山、ここ松江城であろう。出雲大社社殿は国宝であり、石見銀山は世界遺産である。しかし、松江城はこれまでは国指定重要文化財に留まっていた。
 出雲大社に隣接する島根県立古代出雲歴史博物館には一連の銅剣や銅鐸などが国宝となって展示されている。また、建築物でも松江市内には神魂神社(かもすじんじゃ)社殿が国宝になっている。しかし、市民や観光スポットとしては松江城の国宝指定はどれほど待ち望んでいた(望まれていた)ことでことであろうか。
 また、国宝指定で障害となっていた寄木柱、昭和の改修で板が追加され、創建時よりも太い寄木柱になっていた、の写真すら見当たらなかった。
 それにしても、地元にある出版社でありながら、こうした国宝指定の動きを全く知らなかったのだろうか?「国宝 松江城」と表記できない時期のこの種の発行はおそらくは松江市民の期待すら裏切るものであろう。地方出版社の悲哀というか、実力のなさというか、そうしたことを如実に物語る本となってしまっている。」(https://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A18QCPBE4SQ40J/ref=pdp_new_read_full_review_link?ie=UTF8&page=1&sort_by=MostRecentReview#R1WVXR2J30TMKL
 それから半年後に改訂版が発行された。題名を「松江城」から「国宝 松江城」に替えている。また、表紙裏に「国宝指定」を加筆している。あるいは、18ページに「国宝指定 天守完成等を示す祈祷札等」があるが、見出しに「国宝」を付け、最後の3行を追加しただけのようだ。それを伺わせるかのように、中表紙等は「松江城」のままで、「国宝 松江城」には変更されてはいない。こうした改訂時の見落としは、えてして訓練されてはいない者(編集者)にはしばしば起こることである。地方出版社の技量が見て取れる。
 この本の中で、「従来、寄木柱と説明されていたが、不良柱を板で包む…。包板柱と呼ぶことにする。」(14ページ)とある。学研の「歴史群像シリーズ よみがえる日本の城6」には「特徴的な寄木柱」と記載されている。「包板柱」よりは「板包柱」や「板囲柱」、「囲補強柱」などの方が適切な気もする。石井悠氏(興雲閣に設置されている「松江郷土館」の博物館の2007年当時の館長さんか?)がどれほどの城郭建築の専門家なのかは不明なのだが、「包板柱」が中国のWeb(http://www.hc360.com/hots-w05/900601845.html)にある「「包板柱」と同じなのか、違うならば(少なくても中国人からは)誤解されかねない。単語の造語は難しいものだが、中央から「国宝 松江城」の出版が出てくればいずれはこうした柱の呼び名が固定されるであろう。
 今回の改訂で星2つから3つか3つ半程度には上がったと思うが、私がこれまで松江城が国宝指定されなかったのは戦後にこの柱が再追加補強され、形状を著しく変更したとみなされていたためだと思っていたが、その疑問は依然解消されなかった。
(表紙写真は「国宝 松江城」の表紙)

  • 「国宝 松江城」表紙。

    「国宝 松江城」表紙。

  • 「国宝 松江城」中表紙。改訂もれだ。これをミスるとはよほどの編集担当者だ。

    「国宝 松江城」中表紙。改訂もれだ。これをミスるとはよほどの編集担当者だ。

  • 「国宝 松江城」目次。これも改訂もれだ。それでも18ページは「国宝指定…」になっている。編集担当者の実力があからさまに出ている。

    「国宝 松江城」目次。これも改訂もれだ。それでも18ページは「国宝指定…」になっている。編集担当者の実力があからさまに出ている。

  • 「国宝 松江城」裏表紙。

    「国宝 松江城」裏表紙。

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