喜多方三津谷の登り窯と蔵の里（福島）

2015/11/13 - 2015/11/13

喜多方の蔵に使われる煉瓦は、直方体に固めた粘土に凍害防止の釉薬が施され、蒔の窯で焼くことにより表面の色彩に微妙な変化が現れます。
赤煉瓦とは異なり、煉瓦表面に独特の光沢と輝きを持つ特徴を持っています。

午後の喜多方の街めぐりサイクリングは、喜多方市郊外の三津谷（みつや）集落にある昭和の学校、登り窯、煉瓦蔵を訪れます。

エリア 喜多方(福島)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 新幹線 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

しだれ桜歩道

喜多方駅近くの国鉄日中線跡に作られた「しだれ桜歩道」から出発します。

春になると美しいしだれ桜が咲き誇ります。

青空に映える木の燈籠

米沢街道沿いの柿畑

途中から米沢街道に入り、緩やかな上り坂を北上しています。

喜多方から三津谷（みつや）集落まで8kmほどあります。

左手に飯豊連峰

右手に雄国沼の外輪山

天気がよく、気持ちいいサイクリングです。

中田付の蔵屋敷

途中で早めに右に曲がってしまったため、三津谷より南側にいます。

中田付集落

地図を確認し、ここから北に進み三津谷へ向かいます。

中田付の風景

三津谷の古い木造校舎

突然古い校舎が目に入ります。

昭和39年（1964）まで、喜多方市立岩月中学校だったところです。

現在は岩月夢想館

生涯学習の場として活用されています。

玄関を入ると校長室と職員室

この日は校舎が開いていなかったので、窓から覗いています。

昭和を感じさせる校舎

風情のある玄関

今でも大事に使われています

ニ階建ての校舎

広いグランドからの眺めです。

色づく校庭の樹木

かっちん号

喜多方の町で借りた変速ギア付き自転車です。

たくさん実る柿

登り窯はこの近くにあります。

三津谷の登り窯

かつて樋口窯業の登り窯で作られた煉瓦は、喜多方の煉瓦蔵に使用されました。

歴史を感じさせる三角屋根と煙突

登り窯の入口

現在は、三津谷煉瓦窯再生プロジェクトにて煉瓦づくりを再現しています。

近代化産業遺産

喜多方の登り窯として、平成19年に「近代化産業遺産」に選定され、平成25年には「グッドデザイン賞」を受賞しました。

登り窯の見学

建物の中に入ってみると、再生プロジェクトの方があたたかく迎えてくれました。

一番上段にある少し大きめの窯は、煉瓦だけでなく瓦も焼きます。

斜面につくられた登り窯

一番下の窯から見上げています。

窯の穴

人がどうにか入れる大きさの穴に、直方体に固めた粘土を積み重ねていきます。

焼くときは2番目の穴のように、入口を泥でふさいでしまいます。

窯の熱は高い位置に上がっていくので、上の窯ほど少ない薪で温度が確保できるそうです。

薪を入れる穴

小さな穴から細長い薪を追加しながら、炉内温度を上げ一定にします。

煉瓦を数日間昼夜連続で焼くため、交代で窯焚きをします。

次回の煉瓦づくりは来春だそうで、窯焚き手伝いのボランティアを募集しています。

窯の中

アーチ形の窯になっています。

東日本大震災で窯の一部が崩れました。右側の新しい煉瓦は入れ替えたものです。

崩れた窯の煉瓦

大正時代に造られた窯が長年使われ、味わいのある色とつやになっています。

窯を焚く薪

最初に入れる薪です。

細長い薪

窯に追加していく薪です。

来春の窯焚きのために、今から丸太を薪にする準備をしています。

美しい彩りの喜多方煉瓦

粘土材料に塗られた釉薬と、薪で焼く温度のばらつきから、色彩に微妙な変化が現れ、輝いています。

釉薬の塗り方

喜多方の煉瓦蔵は長手方向と短手方向を交互に積むイギリス式なため、２辺に釉薬を塗ります。

登り窯の現状と再生の大変さについてプロジェクトの方からじっくりお話しを聞き、次は三津谷集落に残されている煉瓦蔵を見に行きます。

三津谷の畑

煉瓦蔵のある若菜家

国指定有形文化財が4棟あり、有料で見学できます。

蔵座敷と窓

大正6年に建てられた蔵です。

煉瓦の色合いが異なり素晴らしいです。

リスさんではなく

屋根瓦ですね。

三階蔵

大正5年に建てられた、当時としては珍しい三階蔵です。

煉瓦は42,500個使われています。

農作業蔵の内部

現在資料館、農産物販売の場所です。

蔵座敷の室内

来客の宿、隠居部屋などに使われていました。

三階蔵の入口

蔵の中には、冠婚葬祭、まかない食器、寝具、長持ち、家財道具などが保管されています。

お洒落なアーチ形の玄関

味噌蔵

大正10年に建てられ、昔から味噌づくりに使われています。

右側は炭専用庫として使われていました。

喜多方の素敵な煉瓦蔵

薪が保管されている蔵の空間

絵になる薪と煉瓦アーチの組合せ

喜多方ラーメン「赤れんが」

若菜家を後にし、三津谷集落を歩いています。

土蔵と煉瓦蔵が残る三津谷集落

喜多方駅に到着

帰りは下り坂なので、自転車はあまり漕がずに走ってくれました。

会津若松で夕食

途中の会津若松駅構内の郷土料理「一會庵」でそば三昧です。

首都圏から日帰りで喜多方の街を楽しみました。