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11月の3連休に、2泊3日で道了尊と箱根へ行きました。<br />最終日に、小田原の懐石料理のお店「円相」に寄りました。<br />以前泊まった湯河原の旅館、石葉のお料理がとても美味しく<br />(ミシュラン2つ星)、そこの料理長をしていた方が、<br />最近独立したと知り、旅の帰りに寄ったのです。<br /><br />ご主人の作り出すお料理は、確かな技術に裏打ちされた、<br />豪快さと繊細さの両方を併せ持つ、美味しいお料理でした。<br /><br />その後、小田原名物、ういろうのお店に行きました。

旅先の美味しいもの 円相の懐石料理と小田原名物・ういろう 2015年11月 

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2015/11/23 - 2015/11/23

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旅するうさぎ

旅するうさぎさん

11月の3連休に、2泊3日で道了尊と箱根へ行きました。
最終日に、小田原の懐石料理のお店「円相」に寄りました。
以前泊まった湯河原の旅館、石葉のお料理がとても美味しく
(ミシュラン2つ星)、そこの料理長をしていた方が、
最近独立したと知り、旅の帰りに寄ったのです。

ご主人の作り出すお料理は、確かな技術に裏打ちされた、
豪快さと繊細さの両方を併せ持つ、美味しいお料理でした。

その後、小田原名物、ういろうのお店に行きました。

旅行の満足度
4.5
グルメ
4.5
ショッピング
4.5
交通
4.5
同行者
カップル・夫婦
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 以前泊まった湯河原の旅館、石葉の懐石料理はとても素晴らしかったです。<br />※石葉の旅行記 <br />http://4travel.jp/travelogue/10776521<br />http://4travel.jp/travelogue/10778182<br /><br />その石葉の料理長をしていた方が独立して、小田原に懐石料理のお店、<br />円相(えんそう)を最近開いたことを知り、<br />箱根に行った帰りに、お昼を食べに行きました。<br /><br />小田原駅からタクシーで行きましたが、歩いても15分くらいです。<br />お店は小田原城の近くの住宅街にあり、小田原名物「ういろう」のお店の近くです。<br />お店に入ると、スーツを着た女将さんが、カウンター席に案内して下さいました。<br /><br />カウンターの奥に「阿多古 祀符 火廼要慎」(あたご しふ ひのようじん)の<br />お札が貼ってありました。これは京都の愛宕神社の火災よけのお札です。<br />ご主人は京都で修行されたので、このお札が貼ってあるのだと思いました。

    以前泊まった湯河原の旅館、石葉の懐石料理はとても素晴らしかったです。
    ※石葉の旅行記 
    http://4travel.jp/travelogue/10776521
    http://4travel.jp/travelogue/10778182

    その石葉の料理長をしていた方が独立して、小田原に懐石料理のお店、
    円相(えんそう)を最近開いたことを知り、
    箱根に行った帰りに、お昼を食べに行きました。

    小田原駅からタクシーで行きましたが、歩いても15分くらいです。
    お店は小田原城の近くの住宅街にあり、小田原名物「ういろう」のお店の近くです。
    お店に入ると、スーツを着た女将さんが、カウンター席に案内して下さいました。

    カウンターの奥に「阿多古 祀符 火廼要慎」(あたご しふ ひのようじん)の
    お札が貼ってありました。これは京都の愛宕神社の火災よけのお札です。
    ご主人は京都で修行されたので、このお札が貼ってあるのだと思いました。

  • そこにご主人がいらっしゃり、挨拶しました。<br /><br />カウンターの正面には店名にもなっている「円相」のまあるい文字が掛けてありました。<br />ご主人にお聞くと、これは奈良の東大寺の前の和尚さん作とのことです。

    そこにご主人がいらっしゃり、挨拶しました。

    カウンターの正面には店名にもなっている「円相」のまあるい文字が掛けてありました。
    ご主人にお聞くと、これは奈良の東大寺の前の和尚さん作とのことです。

  • 正面の花器には、ご主人が箱根の山で採った枝が飾られていました。<br />花器が斜めになっていて、まるい実も面白いです。晩秋の風情が感じられます。<br /><br />店内は私達一組だけで、とても静かでした。<br />女将さんはにこやかな方で、土日のお休みの時だけ<br />お手伝いに来ているとのことでした。<br />やはり石葉にお泊りになったお客様が多いとのこと。

    正面の花器には、ご主人が箱根の山で採った枝が飾られていました。
    花器が斜めになっていて、まるい実も面白いです。晩秋の風情が感じられます。

    店内は私達一組だけで、とても静かでした。
    女将さんはにこやかな方で、土日のお休みの時だけ
    お手伝いに来ているとのことでした。
    やはり石葉にお泊りになったお客様が多いとのこと。

  • 私達はお昼ということもあり、一番リーズナブルな8000円のコースを予約しました。<br /><br />まず出して下さったのが、こちらのかぶら蒸しです。<br />晩秋のちょっと寒くなってきた時期に、何よりのお料理です。<br />中には白身魚が入っています。<br />私達はこのかぶら蒸しが大好きなので、とても嬉しく思いました。<br />やさしい味わいで、体がじんわり温まりました。<br />上に載っているワサビは、研ナオコさんの所で作っているワサビとのことでした。<br /><br />後で知ったのですが、研ナオコさんは、伊豆の湯ヶ島出身なんですね。<br />あの辺りは確かにワサビの栽培が盛んだものなぁ・・・。<br />小さい頃、天城で美しいワサビ田を見たことを思い出します。

    私達はお昼ということもあり、一番リーズナブルな8000円のコースを予約しました。

    まず出して下さったのが、こちらのかぶら蒸しです。
    晩秋のちょっと寒くなってきた時期に、何よりのお料理です。
    中には白身魚が入っています。
    私達はこのかぶら蒸しが大好きなので、とても嬉しく思いました。
    やさしい味わいで、体がじんわり温まりました。
    上に載っているワサビは、研ナオコさんの所で作っているワサビとのことでした。

    後で知ったのですが、研ナオコさんは、伊豆の湯ヶ島出身なんですね。
    あの辺りは確かにワサビの栽培が盛んだものなぁ・・・。
    小さい頃、天城で美しいワサビ田を見たことを思い出します。

  • お椀は大胆に、鯛のあらの潮汁でした。<br />そこに大ぶりに切られた名残りの松茸と、白髪葱が添えられていました。<br />鯛のあらからは、いいダシが出ていました。<br />豪快だけれども繊細、そんな美味しいお椀でした。<br /><br />

    お椀は大胆に、鯛のあらの潮汁でした。
    そこに大ぶりに切られた名残りの松茸と、白髪葱が添えられていました。
    鯛のあらからは、いいダシが出ていました。
    豪快だけれども繊細、そんな美味しいお椀でした。

  • 「今期最高の鯛です。」とご主人は、次にお造りを出して下さいました。<br /><br />予約の電話をした時に、ご主人から「食べられないものはありますか?」と聞かれました。<br />私は赤身のお刺身が食べられないと伝えたので、鯛にして下さいました。<br /><br />手前にあるのは、塩、醤油、ポン酢ですが、お醤油もポン酢も自家製とのこと。<br />このポン酢はあまり酸っぱくなく、鯛にとてもよく合いました。

    「今期最高の鯛です。」とご主人は、次にお造りを出して下さいました。

    予約の電話をした時に、ご主人から「食べられないものはありますか?」と聞かれました。
    私は赤身のお刺身が食べられないと伝えたので、鯛にして下さいました。

    手前にあるのは、塩、醤油、ポン酢ですが、お醤油もポン酢も自家製とのこと。
    このポン酢はあまり酸っぱくなく、鯛にとてもよく合いました。

  • 紅白のあしらいが彩りを添えています。<br />それに、染付の器がなんとも言えず味わいがあります。<br /><br />器のふちに軽く触れたところ、とても薄くて、少しだけギザギザしていました。<br />これは昔の器なのではないかと思い、ご主人にお尋ねしたところ、<br />中国の明の時代の器とのことでした。もちろん写しではなく、本物です。

    紅白のあしらいが彩りを添えています。
    それに、染付の器がなんとも言えず味わいがあります。

    器のふちに軽く触れたところ、とても薄くて、少しだけギザギザしていました。
    これは昔の器なのではないかと思い、ご主人にお尋ねしたところ、
    中国の明の時代の器とのことでした。もちろん写しではなく、本物です。

  • 食べ終わった後、数百年前の明の時代の器を拝見しました。<br /><br />「これは昔、日本で茶道の向付の器として使っていたんですよ。」とご主人。<br />美しい染付けの器だと思いました。<br />こういう年代物の趣きのある器で出して下さると、お料理も一層美味しくなります。<br /><br />女将さんがご主人に「この器が好きなんですよね。」と言いました。<br />うなずくご主人。<br />

    食べ終わった後、数百年前の明の時代の器を拝見しました。

    「これは昔、日本で茶道の向付の器として使っていたんですよ。」とご主人。
    美しい染付けの器だと思いました。
    こういう年代物の趣きのある器で出して下さると、お料理も一層美味しくなります。

    女将さんがご主人に「この器が好きなんですよね。」と言いました。
    うなずくご主人。

  • 次に出てきたのは、こちらの八寸です。<br /><br />

    次に出てきたのは、こちらの八寸です。

  • お皿の上には、見事に秋が表現されていました。<br /><br />手前が芦ノ湖のワカサギとくるみ、<br />真ん中の貝の中に、赤貝と青菜の白和えが入っていました。<br />貝の後ろに隠れているのは、枝豆の山椒煮です。

    お皿の上には、見事に秋が表現されていました。

    手前が芦ノ湖のワカサギとくるみ、
    真ん中の貝の中に、赤貝と青菜の白和えが入っていました。
    貝の後ろに隠れているのは、枝豆の山椒煮です。

  • ご主人が八寸を取り分けるお皿を置いて下さいました。<br />「わぁ、これはまた、外国風ですね!」と私が言うと、<br />「そうです。よく分かりましたね。」とご主人。<br /><br />ご主人は焼物がとてもお好きとのことで、造形が深いです。<br />器の説明をして下さったのですが、詳細を失念しました。<br />確か江戸時代と仰っていた気がしますが、今度また行ったら聞いてみましょう。<br />こちらのお皿はぷっくりとした厚手でした。

    ご主人が八寸を取り分けるお皿を置いて下さいました。
    「わぁ、これはまた、外国風ですね!」と私が言うと、
    「そうです。よく分かりましたね。」とご主人。

    ご主人は焼物がとてもお好きとのことで、造形が深いです。
    器の説明をして下さったのですが、詳細を失念しました。
    確か江戸時代と仰っていた気がしますが、今度また行ったら聞いてみましょう。
    こちらのお皿はぷっくりとした厚手でした。

  • 器に葉っぱを敷き、貝を載せました。器の絵とお料理が調和しています。<br /><br />赤貝と青菜の白和えは、ほんのり甘い、やさしい味わいでした。<br />器にしている貝殻は、赤貝とは別の種類の貝とのことでした。

    器に葉っぱを敷き、貝を載せました。器の絵とお料理が調和しています。

    赤貝と青菜の白和えは、ほんのり甘い、やさしい味わいでした。
    器にしている貝殻は、赤貝とは別の種類の貝とのことでした。

  • こちらは芦ノ湖のワカサギとクルミ。<br /><br />私はおせち料理の田作りが好きで毎年作るのですが、<br />あれとおなじような飴が絡まっていました。<br />枝豆の山椒煮は上品な味で、夫はビールをもう1杯追加しました。

    こちらは芦ノ湖のワカサギとクルミ。

    私はおせち料理の田作りが好きで毎年作るのですが、
    あれとおなじような飴が絡まっていました。
    枝豆の山椒煮は上品な味で、夫はビールをもう1杯追加しました。

  • 焼き物は肉厚のサワラでした。<br />その隣りの椎茸も肉厚です。ちょうどいい具合に煮含められていました。<br /><br />赤カブの包丁の入れ方が美しいと思いました。<br />1枚1枚を重ねたのではなくて、根元の部分でつながっていたので、<br />これはどうやって切るのだろうかと思いました。<br />

    焼き物は肉厚のサワラでした。
    その隣りの椎茸も肉厚です。ちょうどいい具合に煮含められていました。

    赤カブの包丁の入れ方が美しいと思いました。
    1枚1枚を重ねたのではなくて、根元の部分でつながっていたので、
    これはどうやって切るのだろうかと思いました。

  • 次の焚合せは聖護院大根と牛肉でした。<br />お肉の下に大根が敷いてあります。お肉はトロッとしていました。<br />

    次の焚合せは聖護院大根と牛肉でした。
    お肉の下に大根が敷いてあります。お肉はトロッとしていました。

  • 先ほどの八寸が載っていた大皿が置いてあったので見せていただきました。<br />ご主人によると、美人の顔が描いてあり、これも東大寺の前の和尚さんが<br />描いた絵をもとに、作家さんが作ったものだとおっしゃていました。<br />ちょっと楽しい気分になるようなお皿です。<br /><br />自分が選んだ納得のいく器に、自分で作ったうまい料理を載せて、<br />お客さんに美味しいと、目の前で食べてもらう・・・<br />ご主人がしたかったことの1つが分かるような気がしました。<br /><br />お皿を拝見していると、奥の調理場からチロチロと、油で揚げる音が聞こえてきました。<br />次は揚げ物が出てくるようです。

    先ほどの八寸が載っていた大皿が置いてあったので見せていただきました。
    ご主人によると、美人の顔が描いてあり、これも東大寺の前の和尚さんが
    描いた絵をもとに、作家さんが作ったものだとおっしゃていました。
    ちょっと楽しい気分になるようなお皿です。

    自分が選んだ納得のいく器に、自分で作ったうまい料理を載せて、
    お客さんに美味しいと、目の前で食べてもらう・・・
    ご主人がしたかったことの1つが分かるような気がしました。

    お皿を拝見していると、奥の調理場からチロチロと、油で揚げる音が聞こえてきました。
    次は揚げ物が出てくるようです。

  • そして運んできて下さった揚げ物にビックリ。見た目がかなり大胆ですが、<br />こちらは東京湾のアナゴと、その下にあるのは海老芋の天ぷらでした。<br />ぎんなんも添えられています。<br /><br />「海老芋もアナゴも、まず炊いてから揚げているので、味が付いています」とご主人。<br />食べてみると、本当にちょうど良い味付けでした。<br />煮てから揚げるとは手が込んでいます。<br /><br />ご主人によると、アナゴは東京湾のものが一番美味しいそうです。<br />アナゴは口の中に入れると、ふわっふわで美味しく、<br />海老芋もふんわりしていて、どちらも非常に美味しかったです。<br />私は今回のお料理の中で、一番これが気に入りました。

    そして運んできて下さった揚げ物にビックリ。見た目がかなり大胆ですが、
    こちらは東京湾のアナゴと、その下にあるのは海老芋の天ぷらでした。
    ぎんなんも添えられています。

    「海老芋もアナゴも、まず炊いてから揚げているので、味が付いています」とご主人。
    食べてみると、本当にちょうど良い味付けでした。
    煮てから揚げるとは手が込んでいます。

    ご主人によると、アナゴは東京湾のものが一番美味しいそうです。
    アナゴは口の中に入れると、ふわっふわで美味しく、
    海老芋もふんわりしていて、どちらも非常に美味しかったです。
    私は今回のお料理の中で、一番これが気に入りました。

  • そして次に出てきたのは、岩茸とつるむらさきのお浸しです。<br />岩茸は高山の岩に張り付くようにに生えていてるので、取るのに危険を伴う<br />高価な食材だと、以前聞いたことがありましたが、食べるのは初めてでした。<br />さっぱりしていて、美味しいお浸しでした。天ぷらの後にはちょうどいいです。

    そして次に出てきたのは、岩茸とつるむらさきのお浸しです。
    岩茸は高山の岩に張り付くようにに生えていてるので、取るのに危険を伴う
    高価な食材だと、以前聞いたことがありましたが、食べるのは初めてでした。
    さっぱりしていて、美味しいお浸しでした。天ぷらの後にはちょうどいいです。

  • 鳥と茸のご飯、赤出し、香の物<br /><br />ご飯には白ゴマが混ぜてありました。<br />女将さんが、ご飯のおかわりはいかがですか?とおっしゃるので、<br />夫はおかわりまでしていました。香の物の塩加減もちょうど良かったです。<br /><br />赤だしの中には、四角く切ったフワフワの、スポンジのような食材が入っていました。<br />これは何だろう?と思って味わってみると、ほのかに焼いた香りがしました。<br />これは焼き茄子ですか?とご主人に聞いたところ、そうです、とのこと。<br /><br />茄子がスポンジのようにフワフワなのが不思議でしたが、<br />具にまで手間をかけた、とても美味しい赤だしでした。

    鳥と茸のご飯、赤出し、香の物

    ご飯には白ゴマが混ぜてありました。
    女将さんが、ご飯のおかわりはいかがですか?とおっしゃるので、
    夫はおかわりまでしていました。香の物の塩加減もちょうど良かったです。

    赤だしの中には、四角く切ったフワフワの、スポンジのような食材が入っていました。
    これは何だろう?と思って味わってみると、ほのかに焼いた香りがしました。
    これは焼き茄子ですか?とご主人に聞いたところ、そうです、とのこと。

    茄子がスポンジのようにフワフワなのが不思議でしたが、
    具にまで手間をかけた、とても美味しい赤だしでした。

  • 最後は水菓子と甘味です。<br />甘味はきんとん、<br />水菓子は、ラ・フランス、ぶどう、いちご、キウイです。<br />キウイは小田原産とのことでしたが、とっても甘かったです。<br /><br />最後に出して下さったほうじ茶は、独特の風味がしたので<br />たぶん京都の一保堂ではないかと思いました。<br /><br />ご主人の作り出すお料理は、豪快さと繊細さの両方を併せ持つお料理だと思いました。<br />器とお料理の調和がとても良くて、確かな技術に裏打ちされたお料理。<br />そして、お客さまを思う気持ちがお料理にも表れていました。<br />とても美味しかったです。

    最後は水菓子と甘味です。
    甘味はきんとん、
    水菓子は、ラ・フランス、ぶどう、いちご、キウイです。
    キウイは小田原産とのことでしたが、とっても甘かったです。

    最後に出して下さったほうじ茶は、独特の風味がしたので
    たぶん京都の一保堂ではないかと思いました。

    ご主人の作り出すお料理は、豪快さと繊細さの両方を併せ持つお料理だと思いました。
    器とお料理の調和がとても良くて、確かな技術に裏打ちされたお料理。
    そして、お客さまを思う気持ちがお料理にも表れていました。
    とても美味しかったです。

  • 考えてみれば、ミシュラン2つ星を取るような天才肌のご主人が、<br />私達二人だけのために、心を込めてお料理を作って下さるなんて、<br />こんなに贅沢なことはありません。8000円で申し訳ないと思いました。<br />お値段以上の価値があるお料理でした。<br />たっぷり2時間、美味しい懐石料理を堪能しました。<br /><br />最後に、ご主人と女将さんは外に出て、<br />私達の姿が見えなくなるまで、見送って下さいました。<br />お二人は下田ご出身とのこと。仲むつまじい様子がうかがえました。<br />箱根や伊豆に行く際には、是非、またここに立ち寄ろうと思いました。<br />

    考えてみれば、ミシュラン2つ星を取るような天才肌のご主人が、
    私達二人だけのために、心を込めてお料理を作って下さるなんて、
    こんなに贅沢なことはありません。8000円で申し訳ないと思いました。
    お値段以上の価値があるお料理でした。
    たっぷり2時間、美味しい懐石料理を堪能しました。

    最後に、ご主人と女将さんは外に出て、
    私達の姿が見えなくなるまで、見送って下さいました。
    お二人は下田ご出身とのこと。仲むつまじい様子がうかがえました。
    箱根や伊豆に行く際には、是非、またここに立ち寄ろうと思いました。

    懐石 円相 グルメ・レストラン

    「円相」 凛とした懐石料理  by 旅するうさぎさん
  • さて、円相を出て歩いて数分の所に、こんな建物がありました。<br />立派なお城ですが、ここは由緒ある外郎家(ういろうけ)が<br />先祖代々作り続けている小田原名物「ういろう」のお店です。<br />お菓子の「ういろう」と、薬の「ういろう」の両方を売っています。<br /><br />最初は薬の「ういろう」があり、後にお菓子の「ういろう」ができたそうです。<br />お菓子のういろうは、今から約六百年前の室町時代、外郎家の先祖がお客様の接待で作り始めたそうです。それが朝廷や幕府の人々の間で評判となり、依頼に応じて作り続けているうちに商売になったとのこと。<br />

    さて、円相を出て歩いて数分の所に、こんな建物がありました。
    立派なお城ですが、ここは由緒ある外郎家(ういろうけ)が
    先祖代々作り続けている小田原名物「ういろう」のお店です。
    お菓子の「ういろう」と、薬の「ういろう」の両方を売っています。

    最初は薬の「ういろう」があり、後にお菓子の「ういろう」ができたそうです。
    お菓子のういろうは、今から約六百年前の室町時代、外郎家の先祖がお客様の接待で作り始めたそうです。それが朝廷や幕府の人々の間で評判となり、依頼に応じて作り続けているうちに商売になったとのこと。

  • この立派な店構えを見ていると、どこからともなく小田原を案内する<br />ボランティアのおじさんが近くに来て、説明をしてくれました。<br /><br />江戸時代、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」の中で、弥次さん喜多さんが<br />ここの薬のういろうを、お菓子のういろうと間違えて食べたそうです(笑)<br /><br />また、ここの薬のういろうで病気が良くなった歌舞伎の二代目市川團十郎は、<br />そのお礼として、歌舞伎「外郎売」を創作したそうです。<br />とっても歴史があるんですね。<br />ちなみに薬のういろうは、仁丹みたいな形だそうで、全国発送はしておらず、ここでしか買えないので、遠い所からわざわざ薬を買いに来る人が沢山いるそうです。

    この立派な店構えを見ていると、どこからともなく小田原を案内する
    ボランティアのおじさんが近くに来て、説明をしてくれました。

    江戸時代、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」の中で、弥次さん喜多さんが
    ここの薬のういろうを、お菓子のういろうと間違えて食べたそうです(笑)

    また、ここの薬のういろうで病気が良くなった歌舞伎の二代目市川團十郎は、
    そのお礼として、歌舞伎「外郎売」を創作したそうです。
    とっても歴史があるんですね。
    ちなみに薬のういろうは、仁丹みたいな形だそうで、全国発送はしておらず、ここでしか買えないので、遠い所からわざわざ薬を買いに来る人が沢山いるそうです。

  • 外郎家は由緒ある家柄で、「瓦を見て下さい。菊の御紋が付いているでしょう。」<br />とおじさんが教えてくれました。なるほど確かに付いているのが見えます。<br /><br />おじさんにお礼を言って、お店の中に入りました。<br />お店の中もかなりクラシックで、手前に和菓子、左奥に薬を売る一角がありました。<br />薬部門ではご年配の薬剤師の男性がいて、相談に乗ってくれます。<br />市販の薬もあって、ガラスのショーケースに入れられていました。<br /><br />一つのお店で、薬屋さんと和菓子屋さんを営んでいるという、<br />他ではちょっと見られない形態のお店です。

    外郎家は由緒ある家柄で、「瓦を見て下さい。菊の御紋が付いているでしょう。」
    とおじさんが教えてくれました。なるほど確かに付いているのが見えます。

    おじさんにお礼を言って、お店の中に入りました。
    お店の中もかなりクラシックで、手前に和菓子、左奥に薬を売る一角がありました。
    薬部門ではご年配の薬剤師の男性がいて、相談に乗ってくれます。
    市販の薬もあって、ガラスのショーケースに入れられていました。

    一つのお店で、薬屋さんと和菓子屋さんを営んでいるという、
    他ではちょっと見られない形態のお店です。

  • それでこちらを買って帰りました。お菓子のういろう(小豆)と、薬の妙香散です。<br /><br />お菓子のういろうは、亡くなった父の好物でした。<br />私は小さい頃、このぼやけた味が好きではなかったのですが、久しぶりに食べてみて、<br />ういろうって、こんなに美味しいものだったんだなぁ…としみじみと思いました。<br />栄養価が高く、胃腸に障らないお菓子なのだそうです。<br /><br />夫は薬の「ういろう」に興味がありましたが、頭痛持ちなので、薬剤師さんに「ういろう」よりも、「妙香散」というお薬を勧められたので、試しに1か月分買ってみました。<br />この「妙香散」も、この外郎家だけで作っている薬で、ここでしか買えないそうです。

    それでこちらを買って帰りました。お菓子のういろう(小豆)と、薬の妙香散です。

    お菓子のういろうは、亡くなった父の好物でした。
    私は小さい頃、このぼやけた味が好きではなかったのですが、久しぶりに食べてみて、
    ういろうって、こんなに美味しいものだったんだなぁ…としみじみと思いました。
    栄養価が高く、胃腸に障らないお菓子なのだそうです。

    夫は薬の「ういろう」に興味がありましたが、頭痛持ちなので、薬剤師さんに「ういろう」よりも、「妙香散」というお薬を勧められたので、試しに1か月分買ってみました。
    この「妙香散」も、この外郎家だけで作っている薬で、ここでしか買えないそうです。

  • 小田原名物を購入し、小田原城のお堀沿いを駅まで歩いていきました。

    小田原名物を購入し、小田原城のお堀沿いを駅まで歩いていきました。

  • 小田原城のお堀を、小さい子が走っていきました。

    小田原城のお堀を、小さい子が走っていきました。

  • このお城は現在、耐震改修工事中で2016年4月下旬まで休館とのこと。<br />工事が終わったら、中に入ってみたいと思いました。

    このお城は現在、耐震改修工事中で2016年4月下旬まで休館とのこと。
    工事が終わったら、中に入ってみたいと思いました。

  • 運よく、湘南ライナーに乗ることができました。<br />小田原が始発で、プラス700円ちょっとで2階建てのグリーン車に乗って<br />ゆったりと東京方面に向かうことができました。<br /><br />美味しい秋の旅を満喫しました。<br /><br />

    運よく、湘南ライナーに乗ることができました。
    小田原が始発で、プラス700円ちょっとで2階建てのグリーン車に乗って
    ゆったりと東京方面に向かうことができました。

    美味しい秋の旅を満喫しました。

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この旅行記へのコメント (6)

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  • たらよろさん 2015/12/22 20:53:31
    料理は器も大事ですね
    こんばんは、旅するうさぎ様

    目を奪われそうになるほど、芸術作品のような美しい懐石料理。
    その懐石料理をさらに美味しく魅せてくれる
    こちらも芸術作品の器。
    やっぱり、食事って器も大事だなぁ〜って再認識です。

    お家でただ単に頂く時でも、
    ちょっと日常と違った器に盛るだけで、
    なんだか特別感出ますよね。
    そういう意味でも、手抜き料理でも器!!
    来年は我が家でそれを目指そうかしら(笑)


    早いものであっという間に年の瀬ですね〜
    今年はお付き合いいただき、ありがとうございます。
    少し早いですが、良いお年をお迎えくださいね♪

      たらよろ

    旅するうさぎ

    旅するうさぎさん からの返信 2015/12/26 23:14:45
    RE: 料理は器も大事ですね
    たらよろさん、こんにちは。
    コメント、ありがとうございます。


    > 目を奪われそうになるほど、芸術作品のような美しい懐石料理。
    > その懐石料理をさらに美味しく魅せてくれる
    > こちらも芸術作品の器。
    > やっぱり、食事って器も大事だなぁ〜って再認識です。

    私も、器って大事だなぁと再認識しました。
    とてもお料理に合っている器だと思いました。
    時代を経ても、今でもこうして残っていて、
    昔と同じように、お料理が盛られて実際に使われているのは
    素晴らしいことだと思いました。


    > お家でただ単に頂く時でも、
    > ちょっと日常と違った器に盛るだけで、
    > なんだか特別感出ますよね。
    > そういう意味でも、手抜き料理でも器!!
    > 来年は我が家でそれを目指そうかしら(笑)


    そうですね(^^)
    器を変えるだけでも、ちょっと特別な感じがしますね。
    あと数日でお正月なので、
    いつもとは違う器が活躍しそうですね。


    > 早いものであっという間に年の瀬ですね〜
    > 今年はお付き合いいただき、ありがとうございます。
    > 少し早いですが、良いお年をお迎えくださいね♪

    こちらこそ、旅行記を見ていただき、
    ありがとうございました。
    来年もよろしくお願いいたします。


    旅するうさぎ
  • TENKOさん 2015/12/13 09:05:12
    日本の文化、素晴らしいですね。
    旅するうさぎ様

    こんにちは。
    旅するうさぎさんのお写真を見させていただくと、心がほっこりします。
    チロルの山や教会の写真も、いつも見惚れてしまいますが、懐石料理や器のお写真も
    とても素敵ですね。

    私は11月、ベルギー(パリ同時多発テロの時、一人旅していました)に滞在していました。
    外国を旅すると、帰国後無性に日本文化にふれたくなります。
    旅行記を見せて頂きながら、今、「和食!和食!」と私の頭の中を言葉が駆け巡っています。
    いつの日か是非、小田原まで足を運びたいと思いました。

    追伸  Matrei第1章、どうにか出来ました〜〜!
        訂正箇所多数ですが。。。
        背中を押して下さり、本当にありがとうございました。

    旅するうさぎ

    旅するうさぎさん からの返信 2015/12/13 15:06:56
    RE: 日本の文化、素晴らしいですね。
    TENKOさん、こんにちは。

    > 私は11月、ベルギー(パリ同時多発テロの時、一人旅していました)に滞在していました。

    ベルギーへ行ってらしたのですね。
    パリの件は本当に胸が痛みました。
    何事もなく、帰国されてよかったです。


    > 外国を旅すると、帰国後無性に日本文化にふれたくなります。

    私も同じです。
    外国に行って、教えられることは多々あるけれど、
    日本にも、外国の方にお教えしたい文化があります。
    でも、日本の文化、特に伝統文化をどれだけ
    外人さんに説明できるかというと、
    私自身、甚だあやしくなります。

    小さい頃、母と歌舞伎座へ見に行った時に、
    舞台に向かって「成駒屋!」などの掛け声をかける
    おじさん達の声に混じって、
    「ソコデス!」と、明らかに外人さんだと分かる
    掛け声が聞こえました。
    舞台への掛け声はタイミングが非常に大事ですが、
    その声をかけるタイミングがちょうど良くて、
    母が「ほら、みてごらん、外人さんでさえ
    歌舞伎をちゃーんと分かって見ているんだ。
    日本人はもっと日本の文化を理解しなくちゃいけない。
    なのに何だ、今の日本人は歌舞伎一つ見たことのない
    人間が沢山いる、まったく情けない。」と言いました。
    幼い私は、確かにこれじゃあ、あの外人さんに
    負けちゃうよなぁ〜と思いました。

    別に歌舞伎じゃなくても、
    日本の伝統文化は他にも様々ありますが、
    そのどれか1つでも、きちんと外国の人に
    説明できるようになりたいです。

    私はチロルに着物を持って行ったことがあって、
    ヴァイタルホテル・エーデルワイスの
    ガラディナーの時に着ていったら、
    女将さんは日本のキモノを知っていて、
    それはそれは喜んでくれました。
    まさかそれほど喜んでくれるとは思っていなかったので
    私も嬉しかったです。他のゲストからも
    これ、持ってくるのは大変じゃなかったのか?とか、
    背中の帯の結び方はどうなっているのか?とか、
    綺麗ですねとか言われて、その反応が面白かったです。


    > 旅行記を見せて頂きながら、今、「和食!和食!」と私の頭の中を言葉が駆け巡っています。
    > いつの日か是非、小田原まで足を運びたいと思いました。

    機会があったら、是非、予約して行ってみて下さい。
    とても美味しかったです♪


    > 追伸  Matrei第1章、どうにか出来ました〜〜!
    >     訂正箇所多数ですが。。。
    >     背中を押して下さり、本当にありがとうございました。


    先ほど、じっくり拝見しました。
    素晴らしいエピソードと、お写真、
    特に、昔のマトライの写真と現在の写真を見比べてみても
    あまり変わりがないのにびっくりしました。
    遠くの方に見えるアルムさえも、あまり変わりがない様子です。

    南チロルと北チロルの合同パレードも興味深かったです。
    Matrei Am Brennerの町に、是非行ってみたいです。


    旅するうさぎ
  • nasunoさん 2015/12/07 23:34:08
    さすがミシュラン2つ星
    旅するうさぎさん 今晩は。

     すばらしいお料理、器の紹介ありがとうございます。
    手ごろなお値段で?ミシュラン2つ星を味えるのですね。
    一度その素晴らしいを料理を自分の舌で味わえればと思っていますが。

     海外旅行に行ってつくづく思うのは、日本料理のうま味と奥の深さです。
    あまりお金をかけない旅行でHOTEL・レストラン選んでいるせいかも知れませんが、日本料理が一番だと思います。
     先日の日曜日に、市の蕎麦打ち教室に参加し初めて蕎麦を打ちましたが難しいです。講師は100回は打たないとダメだ言われました。
     8年前のツアーで友達となった方は秦野市の方で、翌年手打ち蕎麦をご馳走になり、また小田原城も案内して戴きました。
     
    nasuno

    旅するうさぎ

    旅するうさぎさん からの返信 2015/12/08 22:47:21
    美味しかったです。
    nasunoさん、こんにちは。
    コメント、ありがとうございます。


    >海外旅行に行ってつくづく思うのは、日本料理のうま味と奥の深さです。


    私も同感です。
    日本のお料理、殊に懐石料理の繊細さ、美しさ、
    滋味深さは素晴らしいと思います。

    美味しいだけでなく、
    なぜこうも見た目が美しいのか?
    と思いますが、たぶんそれは
    懐石料理が日本の文化である茶道から
    来ているからだと思います。
    外国の方にも誇れるものだと思います。
    食べてみると、心の底から美味しいと感じ、
    非常に満足度が高いです。

    私の母はあまりお料理が上手ではなかったのですが(笑)、
    それでも有難かったのは
    子供の健康を考えて、化学調味料を使わないお料理を
    作ってくれたことです。
    お味噌汁なら、煮干のダシで、
    ラーメンのスープなら、鶏がらで、
    おせち料理を作る時は、家族で交代で鰹節を
    カンナの削り器で削って、その出汁で煮物を煮て。
    そうすると家中が鰹節のよい香りで満たされ、
    それが師走の香りでした。
    そういった味の記憶がずっと残っています。

    プロが作ったお料理は美味しいですね。
    特にちゃんと修行した方のお料理は
    その違いがはっきり分かります。


    >先日の日曜日に、市の蕎麦打ち教室に参加し初めて蕎麦を打ちましたが難しいです。講師は100回は打たないとダメだ言われました。


    凄いですね!お蕎麦を打ったのですか。
    確かに難しそうです。


    >8年前のツアーで友達となった方は秦野市の方で、翌年手打ち蕎麦をご馳走になり、また小田原城も案内して戴きました


    お友達も蕎麦打ちをされるのですか。
    秦野もいい所ですよね。昔、平塚に住んでいたので、
    小学校の遠足で秦野の弘法山に行ったりしました(^^)
    湧き水が綺麗で、落花生が有名な所ですよね。

    nasunoさんは小田原城に行かれたのですか。
    私は今回、初めてお城の近くに行きました。
    小田原は馴染みのある町だと思っていたのですが、
    そういえば、駅で降りてちゃんと歩いたことは
    一度もありませんでした。
    いつもどこかに行く途中で、通り過ぎるだけだったんです。
    あんなにお堀が立派だとは知りませんでした。
    工事が終わったら、中に入ってみたいです。


    旅するうさぎ

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