2015/07/31 - 2015/08/03
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ちゃおさん
一度は諦めた布引の滝だったが、何気なく下界の神戸市街地を眺めていると、眼の下に白い糸のようなものが見えた。あれ!、布引ではないのか?? そうだ、布引に違いない。滝の隣にはくっきりと山道も見えている。20数年前、何年振りかで神戸にやって来て、早朝、宿泊した新神戸オリエンタルホテルから裏山の杣道を登り、この布引までやってきた。その頃は下肢も丈夫で、山を登ることに喜びを感じていた。布引を見ようと思い立ったのは、実にモラエスの「サウダーテ」を読んだからだった。
彼は神戸に赴任直後、しばしばこの布引の滝を見に来ていた。それは今まで勤務していたマカオやゴアには山はなく、この六甲山嶺が母国ポルトガルに似ていたからかも知れない。滝、Fall,Casacadeなどは、急峻な山のある土地でないと見られない。小説「サウダーテ」の中では、この近くにある「茶屋」の娘に興味があった、と描かれてはいたが・・。
自分が登った時は、そのような茶屋は無く、滝までの所々にはちょっとした広場があって、展望台のようになっていて、直ぐ下の新神戸ホテルや、眼下の神戸の街並みが一望に見渡せた。滝がどの辺にあるかも分からず、どこまで登ったら滝に到達するのか心配にもなったが、そうこうする内に上の方から滝の流れる音が聞こえて来て、漸く達したかと安堵した。ホテルから30−40分、確か1時間も掛からず、来ることができた。その時も一昨日の眉山登山同様に、行き交う人は誰もおらず、一人静かな山歩きが出来たのだった。
「布引の滝」。日本の名瀑100選に選ばれている滝でもあるが、この滝の名称は古くから和歌等にも詠われていて、名跡の一つにもなっている。この帯のように細長い滝を見た時、つい、天の香久山の万葉集を思い出し、白妙の衣をイメージしたものだった。布引よりは小ぶりだが、長崎には鳴滝という小さな滝があり、その滝の直ぐ近くにシーボルトが日本人妻と居を構えていたが、神戸に来る以前長崎に一時滞在したモラエスが、そうした事績を知ってて、この滝を好んだのかも知れない。そんなこんなを思い出しながら眼下の滝を見ていると、間もなくゴンドラは中間駅に到着し、引き続き、終点の山頂駅に到着した。
< 一条の 白き滝見ゆ 夏の山 >
- 旅行の満足度
- 5.0
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