ヨハン・セバスティアン・バッハの足跡を訪ねて　その10　ドレスデン

2014/11/24 - 2014/11/24

ﾖﾊﾝ･ｾﾊﾞｽﾃｨｱﾝ･ﾊﾞｯﾊは田舎町ケーテンや大繁栄を迎えたライプチッヒに仕事を得て居を構えましたが、
当時のドレスデンはイタリアやフランスの軽くも華やかなオペラが流れるザクセン選帝侯領の首都、彼にとって憧れの地でした。
もちろん、何度も訪れオルガンの腕前を披露する晴れ舞台でもありました。
一番縁りの深い聖ソフィア教会は爆撃で破壊され存在しませんが、幸いなるかな、オペラハウスの後を引き継いだゼンパー・オーパーや聖母教会は再建され当時の様子を想像することは出来ます。
ということで、急な思いつきながら午後のひと時をドレスデンで過ごしてみます。

エリア ドレスデン(ドイツ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

対岸に戻る為ｱｳｸﾞｽﾄｩｽ橋を徒歩で渡ります

エルベ川上流方面
ユッタリと流れます

橋を横断して、左岸の下流方面
カトリック教会とゼンパー・オーパーが見えます

橋を渡り切ったら広場の向こうにドレスデン城ゲオルク門が迎えてくれます。

シュロス広場の角に建つカトリック旧宮廷教会の塔はひときわ目立ち、辺りを睥睨します

左側のブリュールのテラス方面から観光客がぞろぞろと
今にも泣き出しそうだった空からはポツポツと降ってきました。

１２時を過ぎたところですが
空模様に加え、周りのくすんだ石の建物がますます暗さを増長

壁一面に画が描かれたところがありました
これが世に名高いマイセン焼の君主の行列か…

シュロス広場をウロウロした後
次はどこに行こうか
ドレスデン城のゲオルク門で思案中…

広い広場にでました。
振り返るとカトリック旧宮廷教会とドレスデン城の前を市電が走ります
朝、乗って窓からこちら方面を見たやつです

ということでゼンパー・オーパー
中の見学はガイドツアーに参加すれば可能のような掲示がしてありました。
時間は３時からとありました。
まだ３時間もある！チケットは別の所で買うそうです

ゼンパー・オーパーは後回しにして、どうしよう
ドレスデン城にしようか
それとも…

近いところで広場に面したツヴィンガー城に行ってみます
月曜日なのでアルテ・マイスターはお休みですが

中庭に入ってみました

中はこんな塩梅した

ちょいと高いところに登って見下ろしてみました

中庭はだだっ広いだけです
反対側まで行ったり来たり疲れてしまいます

マイセンの陶器コレクションも休みですがガラス越しに…

ツヴィンガー城の反対側に出てみましたが何もありません

取り敢えず3時からのゼンパー・オーパーのガイドツアーを申し込みます

まだ2時間あるので通りを隔てたドレスデン城
通り側からだと入口はわかりにくいことこのうえなし

２１ユーロもしましたが入ってみました。
中はロンドン塔のホワイトタワーのようにやたらと警備が厳重で、時間ごとに決まった人数しか入れません。それまでは入り口近辺にある美術品を鑑賞して時間が来るのを待ちます。
日本語のオーディオガイドがあったのでお宝の説明は聞けました
どうやら空襲の時は疎開してたので被害を免れたようです。

中は写真禁止でしたので外から…

フェンスとガラス越しに覗いても写らないよね

上を見上げると…
カトリック教会では屋根の上に大勢いました

そろそろ３時です
ゼンパー・オーパーには多くの人が…
焦りましたがツアー客が集合しているだけでした。

ツヴィンガーに隣接するこの劇場
前身は1719年竣工のﾍｯﾍﾟﾙﾏﾝのオペラハウス
今の規模を大きく上回るヨーロッパ最大のオペラハウスで、
ケーテンにいたバッハも見に来ました。
ガイドツアーじゃなくてイタリアオペラを…

チケットは２時間前に買ってあったので入ります。

ガイドツアーが始まりました。
でも、説明聞いても判りません

ゼンパー・オーパーは火事とドレスデン爆撃で２回も破壊されたから３代目とか言っているのかも

聞いても判らないので
思わず天を仰ぐと、そこには…
綺麗な天井

壁も漆喰に描かれた木目の絵なんです、実は

この人だあれ？

おなじみリヒヤルト・ワーグナー君
このゼンパー・オーパーが出来てすぐに指揮者として
そして「さまよえるオランダ人」や「タンホイザー」をここで初演した縁の人です

２階には緑色の列柱の林です

これが人工大理石？
しかも再建時だけでなく最初から人工大理石だったというから驚きです

劇場内です
ゼンパー・オーパーと言ったらここ専属オーケストラが「ドレスデン・シュターツカペレ」
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
なんでドレスデンで国立なのか、深く考えるのやめといて…

ドレスデン・シュターツカペレと言ったら、今を時めくｸﾘｽﾃｨｱﾝ・ﾃｨｰﾚﾏﾝですが…

個人的にはｸﾙﾄ･ｻﾞﾝﾃﾞﾙﾘﾝｸです。
ブラームスの１番、３番、４番には泣きました…

椅子の背もたれには空調の吹き出し口？

各自椅子に座って雰囲気だけ味わいます
ここでリヒャルト・シュトラウスのオペラなんぞ聞けたら…
急に思い立って来たドレスデンです
入れただけでも良しとしましょう。

目を上に転じてみると…
一見ドームに描かれたようですが平面天井に描かれてます

べ、ベートーベンが女装…

舞台のすぐ上
プロセニアム・アーチには?と40が…
時計です

1時間ほどのゼンパー・オーパーのガイドツアーを終わって既に４時
暗くなりだしました
カトリック宮廷教会に入りたくて入り口を探します。
ドレスデン城のゲオルク門です

やっと入口の開く戸を見つけて、カトリック宮廷教会
この教会はバッハが亡くなってから建てられたので流石にバッハもオルガン弾けません
カトリックだし…

ドレスデン・シュターツカペレの起源、宮廷楽団を造り、ドレスデンを栄光に導いたザクセン選帝侯モーリッツ公に敬意を表しながら
君主の行列の前を通って聖母教会に向かいます

ドレスデンの象徴、聖母教会のドームは1945年2月13、14日の英米空軍の３波による爆撃にも耐え、かろうじて立ってました。
しかし、翌日、運よく爆撃に生き延びた人たちの目の前で音をたてて崩れ落ちました。

バッハは住んでいたケーテンやライプチッヒより都会だったこのドレスデンをしばしば訪れ、聖母教会でもオルガンを弾きました。

バッハが弾いた、驚くべき耐久性のあった貴重なジルバーマンオルガンは1945年焼夷弾により灰燼に帰してしまいました。
その後、オルガン再建を巡って色々あったようです

月曜の夕方だからか
空いてました

ガイドツアーもあるようですが時間が…

再建なった聖母教会

しかし、息子のフリーデマン・バッハがオルガニストを勤めてた、由緒あるソフィア教会は再建されませんでした。
同じように空襲で破壊されましたが、
あろうことか東独時代、ドレスデン市は瓦礫を撤去して、跡地にファストフード店を建ててしまいました…

ソフィア教会のあったKleine Brudergasseを通って市電乗り場に
まだ5時前ですが、すっかり暗くなってしまいました。
駅に行きたいんだけどどれに乗ればいいんだろ…

ドレスデン駅に着きました
ドレスデン滞在7時間

ドイツの鉄道はインフォメーションが判り易いところにあって、とても親切です
ワイマールまでの電車を聞きます

このように紙に印刷してくれます
17時19分に乗れば20時9分にワイマールに帰ることが出来ます。

えーと、ホームは３aだから…

ホームに立っているだけでは電車に乗れません
ドアは自分で。
押してもダメなら引いてみな…

空いててよかった

侘しいけど、ずいぶん遅い昼飯…

ライプチッヒ駅に着きました。
乗り換え時間が４０分ほどあります
明後日またくるのでチェックしよっと。

何処に行ってもこれです
チューリンガー
パンに挟んでソーセージたべます

SUSHIはいいけど日の丸が…

ﾗｲﾌﾟﾁｯﾋ7時11分発
IC2152
ﾜｲﾏｰﾙﾆ1時間ほどで帰れます

ワイマール駅
まだ20時15分なのに人があまりいません…
暗い道を15分ほど歩いてホテルに

まだ20時30分なのにホテルのある市街地もこんな塩梅です

この旅行記へのコメント （2）

• スタリモストさん 2015/11/10 14:25:26

  バッハ・・良いですね。

  バッハ・・学生時代によく聴きました。高校生の頃から皆川達夫さんが解説する「 バロック音楽のたのしみ」を聴いていたこともあって、バッハにのめり込んだ時期があります。
  吉祥寺に「こんつぇると」という名曲喫茶があったのですが、東京に滞在した８年間、この喫茶店に足繁くかよいました。カウンターの中にはクラシック音楽のＬＰレコードがぎっしり並べられ、客は順に好みの曲をリクエスト出来ました。一杯の珈琲で何時間も読書にふけり、音楽に耳を傾けたものです。よくリクエストしたのはバッハで、とりわけ「ロ短調ミサ」は何度も聴きましたた。バッハが自らの作曲技法の到達点の全てを傾注して作り上げた名曲中の名曲。宗教音楽の枠組みを超えて、人間の悲しみや希望が紡がれ、人間賛歌に溢れていて、いつ聞いても感動します。
  
  いつかはそのバッハの足跡の地を訪ねたいと思いますが、今の所はアルデバランさんの詳細なレポートで我慢します。ありがとうございます。

  アルデバランさん からの返信 2015/11/10 19:01:17

  RE: バッハ・・良いですね。

  スタリモスト様 こんにちわ
  
  皆川達夫…
  とても懐かしいです!
  40年前、私も朝の目覚ましがわりにしてました
  数年前、池袋でメサイヤを最前列で聴いた時、かなり高齢になって学生に手を引かれ舞台に出てきました。
  今でも日曜の朝、音楽の泉で喋ってますよね、あの懐かしいガラガラ声で。
  吉祥寺のこんつぇるとですか、私は高円寺の「ネルケン」でした。
  ドレスデンにゆかりのロ短調ミサ曲、私もいまだにウオークマンに入れて、カンタータと一緒に聴いています。
  バッハが結婚式したドルンハイム村まではＵＰしたのですがPCの調子が今一つで…
  写真、数だけは撮ったので、ライプチッヒまでなんとか報告したいものです。
  
  ミャンマーの報告、楽しく拝見させていただいてます。
  (普通の家にもスー・チーさんの写真が壁に貼ってあるのを見かけ、よきにつけあしきにつけ、人気のほどを知りました)