バーゼルから行けるデザイン建築の宝石箱 ヴィトラデザインミュージアム

2015/09/01 - 2015/09/07

スイス旅行の前半は、バーゼルを中心に、
周辺の街や建築をめぐりました。

今回はバーゼルからバスでたった20分で行ける、
ドイツ領内のWeil am Rheinにある、
ヴィトラデザインミュージアム。

建築好きにもデザイン好きにもたまらない、
びっくりするほどすごいところでした！！


＜旅程＞
バーゼル　http://4travel.jp/travelogue/11055007
★ドイツ(ヴィトラ・デザイン・ミュージアム)　←このページではココ！
フランス(ロンシャン礼拝堂)　
ラインフェルデン
ローザンヌ　http://4travel.jp/travelogue/11061004
ベルン
ルツェルン
チューリッヒ
ザンクトガレン
アルボン
バーデン


＜ヴィトラ・デザイン・ミュージアムとは＞

http://www.vitra.com/en-un/campus/vitra-design-museum

インテリアデザインの会社、ヴィトラ社が
世界に名を馳せる驚きのヒーロー建築家たちに
これでもかこれでもかと発注して万国博覧会状態になっている
すごいところ。
ミュージアム、インテリアショップ、
カフェ、アトリエ、そして工場がまとめて建っています。

しかも入場無料！
(ファクトリーエリアの見学ツアーは有料です)


＜行き方＞

ヴィトラ・デザイン・ミュージアムは、
スイスの街バーゼルからバスで簡単に行くことができます。
Basel, Badischer Bahnhof　駅　などから
55番のバスに乗って、20分。
Weil am Rhein, Vitra　駅　で降ります。

バスの車内には電光パネルがあって、
ちゃんと駅名が表示されますので、大丈夫。

ただ、バスが1時間に2本くらいしかないので、
バスを降りたらまず、帰りのバスの時間を確認してください。
(道路の反対側のバス停に貼りだしてあります)


＜所要時間＞

10時開場。
ちゃんと見学するなら、たっぷり半日は必要だと思います。

有料の見学ツアーは大体1.5時間ほどなので、
参加される場合は時間に余裕をもってご参加ください。
ガイドツアーの開催時間はここで確認できます。
http://www.design-museum.de/en/guided-tours.html#c6844

ガイドツアーに参加しないと見られない建物がいくつかあるので、
せっかく行くなら参加されることをお勧めします。

エリア バーゼル(スイス)

広大な草原のど真ん中のバス停を降りたら、
もう目の前がヴィトラ・デザイン・ミュージアム。
そもそもバス停の名前が『Weil am Rhein, Vitra　駅』。
ヴィトラ社の名前が入っちゃってます。

目の前にすでに目が点になるような建物群が広がっているのですが、
まずは広大すぎる前庭を抜けて、『VitraHaus』(ヴィトラハウス)へ。

ヴィトラ デザイン ミュージアム 博物館・美術館・ギャラリー

庭に植えてあるランプも、オシャレすぎます。

柵の中に、ヴィトラ社の子供用の椅子(もしくは子供部屋用のインテリア)。

なんなんでしょう、このかわいさ。

『Airstream Kiosk』

ヴィトラハウスに行く途中に泊められている、
アイスクリームスタンド。

『Airstream Kiosk』


開店すると、こんな感じになります。

丸みを帯びたピカピカのワゴン。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)
設計：Herzog & de Meuron


長細い家を無造作に積み重ねた、
ウソみたいで楽しいパターンのやつです。
バスを降りた瞬間から目に入ってきて、テンションが一気にアップ。


一見、なんだこりゃって感じですが、
中に入るとなんでこんなデザインにしたのか、よーーくわかります。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


遠目に見ると、上の積み木が滑り落ちたりしないのかしら、
と変にハラハラしてしまうほどの、ランダムっぷり。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


長方形の積み木のおうちは全て、両脇に家の形の窓があります。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)



とある積み木の反対側の窓。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


積み木に近づいていくと、1階部分の真ん中には、こんな空間。

積み木と積み木の間から、光が差し込んでいます。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

木目調の分部は、下が椅子になっていて、休憩スペースに。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


ガラスの向こうは、オーダーメイドの椅子のアトリエ。
鉛筆削り機の削りかすみたいに、
キレイにまるまった螺旋階段に、さらにテンションアップ。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


積み木が重なっていないところは、普通に空まで吹き抜けています。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


この積み木だけ、ちょっとつぶれてます。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


1階の吹き抜けの真ん中が積み木の入口。
入るとすぐに、これまた頬ずりしたくなるほどの
芸術的な螺旋階段。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


螺旋階段を上がりきると、
手すりがまるでロールケーキみたいになってました。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


そして積み木のおうちを内側から見ると、
それぞれの両側にある窓ごとに、
全く別のテーマのインテリアで飾られた空間が。

こんな風に色々な好みやテーマにあわせて、
ヴィトラの家具を配置できるんだよという、ショールームになっているのです。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


窓と窓の間の長方形の空間にも、
それぞれまた別のテーマで家具がディスプレイされ、
まるで物語のワンシーンのようです。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


デスクに取り付けられた半球のカバーに、
パソコンが隠れています。

無機質なパソコンをお客様に見せたくないけど、
どうしても見えるところに置かないと…という
オシャレなお宅に便利！

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


この窓空間は、シンプルな大人のリビング。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


こちらは前庭にもあった、子供用の椅子(？)
奥には鉛筆型のインテリアも。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)



サンプルの展示の仕方も、徹底的にアート。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


丸みを帯びた柱に描かれた、
敷地内のスケッチ。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


積み木の真ん中は複雑に入りくんでつながっており、
吹き抜けから見下ろすと、
ちょうどさっきのオーダーメイドの椅子のアトリエ。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


もはや何階にいるのかわからなくなった状態で、
心の赴くままに進んでいくと、
いきなり紙飛行機の大群に圧倒。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


紙飛行機の影まで、計算しつくされています。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


紙飛行機が羽ばたく階段を上って、ふと下を見下ろすと、
今度は日向ぼっこするグラデーションカラーのチェアの大群。

ぽかぽかの日差しに、すごく気持ちがよさそうです。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


上を見上げると、突き抜けるような青空が視界いっぱいに。

開けられたカーテンをよく見ると、
山なりの窓にあわせて裾の長さが斜めになっていて、
閉めるとまっすぐ横の長さがそろうんだろうなと。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


振り返ると、紙飛行機の大群を見下ろすアングル。

鳥の群れを雲の上から眺めているような、
奇妙な感覚です。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


日向ぼっこするチェアの大群の上の階には、
棚にぎっしり並べられたチェアのコレクション。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


長方形の真ん中部分にも、屋根型ののぞき窓があり、
他のお部屋がちらりと見えるところも、
いちいち凝っています。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


こちらは少し、熱帯テイストのコーディネイト。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


こちらは若干、オリエンタルテイスト。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


そしてまた螺旋階段。

もはや自分がどこにいるのかわからな過ぎて、
帰れるのかすら不安になる勢いですｗ

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


不安になって手すりから下を見下ろすと、
また見たことのないステキなお部屋が広がっていたりして、
そちらへ引き寄せられ、結局迷子のままという(笑)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


上の写真は、そんなに迷わなさそうな印象ですけど、
こうやってちょっと引いてみると、いかに空間が入り組んでつながっているか、
分かるかもしれません。

楽しすぎる！！

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


少し天井が高いこちらのお部屋は、
なぜか椅子とテーブルが組体操を…。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

こちらのお部屋は、天井からライトが
これでもかとばかりに絶妙な配置で下がっています。

日が落ちたら、きっと外の景色とライトが
想像もできないようなコンビネーションを見せるに違いありません。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


反対側の奥のお部屋は、巨大な鎖がぶら下がってたり、
観葉植物が森ほども飾られてたり。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


ちなみにお手洗いまでこんなにオシャレ。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


お手洗いの個室のドアは、朱色です。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)

ロッカールームのコート掛けのカラフルなことと言ったら。

そしてハンガーが芸術作品のように整然とかけられていますが、
もちろんビジターが利用するために設置されているものです。

『VitraHaus』(ヴィトラハウス)


なんとか迷宮から抜け出して１階まで降りてくると、
テラス席が気持ちよさそうなカフェ。
普通に営業していますが、全てのインテリアがヴィトラ社製品なんでしょうね。

『Vitra Slide Tower』
設計：Carsten Höller


遠くてよく見えなかったのですが、
展望台がついたアートモニュメント。

なんと展望台から滑り台がついています。

登りたかった…

『Vitra Design Museum』
設計：フランク・ゲーリー


正面からしてもう、すごい迫力…

今にも落ちてきそうな四角い箱の屋根がお出迎え。
曲線と直線と、単純な図形が組み合わさっているだけなのに、
違う世界の造り物のようです。

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』


特別展などの案内が記載されているのですが、
壁にそのまま書かれてますけど…これ塗りなおすのかな…

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』


内部も、屋根の形がそのまま。

『Vitra Design Museum』

『Vitra Design Museum』

『Dome』
デザイン：バックミンスター・フラー

Camperとコラボをやっているようで、
その展示ドームがありました。

『Dome』

前から見るとちゃんとCamperと読めますが、
実はバラバラの積み木でできている看板。

『Dome』

『Dome』

『Dome』

『Dome』

箱の色も、デザインの一部になっています。

『Dome』

『Dome』

コルクの栓みたいなコロコロした椅子がかわいすぎます。

『Dome』

『Vitra Design Museum Gallery & Gate』
設計：フランク・ゲーリー

美術館の手前にある、デザイナーの紹介などがされている建物。

『Vitra Design Museum Gallery & Gate』

『Vitra Design Museum Gallery & Gate』

『Petrol Station』(ガソリン・スタンド)
設計：ジャン・プルーヴェ

シンプルで鮮やかなガソリンスタンド。
どこにガソリンを…？

『Petrol Station』(ガソリン・スタンド)

『Petrol Station』(ガソリン・スタンド)

ガソリンスタンドを越えて、工場の敷地内にどんどん入っていきます。

『Factory Building』

珍しく真四角の建物の横を通ったら、
パラソルが。
休憩スペースになっているのでしょうか。

『Factory Building』

『Factory Building』
設計：アルバーロ・シザ

レンガ造りの赤い工場と、コンクリートの工場が相対的に建っていて、
橋でつながれています。

橋は上がったり下がったりできるらしく、
なんかの時に上がるみたいなこと言ってましたが、
ドイツ語だったんで全く分かりませんでしたｗ

『Factory Building』

『Factory Building』

『Factory Building』

橋の下にある開口部から、工場の中を覗き込んでみました。

ここから直接トラックが入るみたいで、
全く見えずｗ

『Fire Station』(消防署)
設計：ザハ・ハディッド

何やら飛行機の羽のようなものが生えた、
とにかく色々なところがゆがんでいる消防署。

『Fire Station』(消防署)

『Fire Station』(消防署)

『Fire Station』(消防署)

近くで見るとすごい迫力！！

『Fire Station』(消防署)

『Fire Station』(消防署)

ここはおそらく消防車のガレージスペース。

もともと消防署として作ったようですが、
現在ヴィトラには消防隊はなく、重要な展示などに使われているそうです。

おそらく、右側の壁の分部は開きそうな気がしたので(気のせいかも)
そこから消防車が出入りできるのではないかと。
展示品を運び入れるのにも、便利そうです。

奥の窓も天井も、右側の壁も、すべてが斜めになっていて、
不思議な感覚です。

『Fire Station』(消防署)

『Fire Station』(消防署)

ガレージと思われるところから、入口を振り返ったアングル。

『Fire Station』(消防署)

入口から左側のほうには、
二階のキッチン＆会議室へ向かう階段と、
更衣室があります。

『Fire Station』(消防署)

更衣室の入口。

細い三角柱の金属で仕切られています。

『Fire Station』(消防署)

更衣室の中もすべてが斜めになっていて、
洗面所の鏡も、
奥にあるお手洗いのドアも
斜めになっています。

斬新…

『Fire Station』(消防署)

更衣室の奥は、休憩所のような感じで、
大きな窓があるんですが…

『Fire Station』(消防署)

この窓も斜めになっていますｗ

庭に出入りできるガラス扉も斜め。

決して、写真がゆがんでいるのではありません。

『Fire Station』(消防署)

二階のキッチン。

ここも、キッチン台がすでに斜め。

『Fire Station』(消防署)

二階の左の方には、会議スペース。

ここも、壁からなにから、斜めです。

『Fire Station』(消防署)

『Factory Building』
設計：SANAA

ヴィトラには、日本人が設計した建物も2つあります。

１つはこのSANAAの工場。
なんとまぁ、SANAAらしい形状。

真ん丸の円状の、平たい工場です。

『Factory Building』

隣の建物に続くゲートも、
ゆるーいカーブ。

『Factory Building』

円の壁は、波状の膜で覆われていて、とても優しい印象。

『Factory Building』

『Conference Pavilion』
設計：安藤忠雄

2つ目の日本人の建物は、これ。
カンファレンス用の施設です。

半分土に埋まっていて、木陰の中に頭をのぞかせて建っています。

『Conference Pavilion』

『Conference Pavilion』

この左の開口部が、入口です。

『Conference Pavilion』

中に入ると、地下があることがわかります。

いや、入った階が2階で、下が1階なのかも…

『Conference Pavilion』

真ん中は半円状の吹き抜け。
和風の照明が釣り下がっていました。

『Conference Pavilion』

入口脇の会議室。

ヴィトラにいると、こんな真四角な部屋が逆に珍しいです(笑)

『Conference Pavilion』

下の階は完全に地面より下。
埋まっていますが、地上に吹き抜け。

『Conference Pavilion』

『Conference Pavilion』

地下になっているので外から見えず、落ち着いて会議ができますが、
地上に吹き抜けになっているので、明かりは燦燦と降り注ぐ。

そんな狙いなのかもしれません。

『Conference Pavilion』

天井があるところも、こんな風に日の光が差し込む構造。

『Conference Pavilion』

『Conference Pavilion』

『Conference Pavilion』

というわけで、楽しすぎたヴィトラ社。

広大でのどかなお庭と、有名建築家の作品のてんこ盛りに、
大満足のショートトリップでした。