2015/08/23 - 2015/08/24
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鯨の味噌汁さん
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さて、過日。
鯨家恒例「夫婦で年1回は長めの旅がしたいよネ友の会」(会員2名)が、にぎにぎしく開催された。
ワシはプータローみたいなものであるから、雨が降ろうが槍が降ろうが「休むと決めたら休む」ヒトであるが、彼女の方はそうはいかない。カタギの勤め人である。
なおかつ今年は人員削減で忙しそうだ。土日もパソコンを自宅に持ち込んで、ブツブツ魔女みたいな呪文を唱えながらエクセルを打ち込んでいる。
「今年はだめかもー」
珍しく弱気である。
パートから正社員になって5年、葉を食うイモムシみたいにカリカリ仕事をするタイプだから、会社からしたら使いでのある社員なんだろう。
それでもけなげにカレンダーをにらみつつ、
「取れるとしたら8月末ネ」
なんてことをゆう。
「わかった。じゃーワシも8月休む」
「どこに行きましょうか」
うむ。とりあえず8月であるから暑いわな。
「やっぱり北よね」
カナダとか北欧とか。あとは冬のオーストラリアかニュージーランド。
「どこが一番近いの」
「そらー北欧だよ。直行便で10時間」
「じゃあそうしましょう」
例によってあっさり決まるなぁ。
いいんだな、ホントにいいんだなそれで。
だがしかし、チケットを調べると、夏休みシーズンであるから高い。
さんざん探して、一番安いのがヘルシンキ便で10万円台。しくしく。
ふと彼女がゆう。
「ヘルシンキってフィンランドだよね。フィンランドってなんだっけ」
「・・・知らんがな」
知らんどころか、のるうえー・すえーでん・ふぃんらんどの位置関係も良くわからんぞよ。大丈夫かワシら。
「でもまぁ、とりあえずヘルシンキで」
あそこらへんに、ちんまい国ができたよね最近。
「バルト三国ね」
そうそう、エストニア・ラトビア・リトアニア。
高校時代に地理で覚えた世界地図が、今は役に立たない時代だ。
旧ソ連と東欧で「スタン系」「ニア系」がどんどんできて、区別がつかん。
まるでAKBだ。おじさんは分からんぞよ。
死ぬまで位置関係を覚えられないだろうが、行ってみればわかるかもね。
「では、行けるとこまで行ってみようではないかっ」
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 3.0
- ショッピング
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船 徒歩
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
とゆうわけで、ヘルシンキである。
と、言いたいところだが、今回は、最初に成田からセントレアまで飛ぶ。しかも「特に意味なく」名古屋に一泊してしまう。
激安チケットを買ったら成田ーセントレアーヘルシンキだった。
しかも一泊しなくてはいけないことは買ってから気付いた。
「うっかり八兵衛」にネックネームを変更しようかと悩む。 -
こんなこと、配偶者にゆったら亀甲縛りの刑とかくらいそうである。
が、チケットは確保してしまったので、おずおずと告げる。
「今回のヨーロッパには、もれなく名古屋がオマケで付いてくる。セントレアに一泊するのだよ」
すると彼女はパッと顔を輝かし、
「それは素晴らしいわ。明治村に行きましょう」
以前から行きたかったのに「明治村だけのためにわざわざ名古屋に行くのはいかがなものか」とゆう理由で自粛していたらしい。
亀甲縛りどころか感謝されてしまう。
とゆうわけでヨーロッパ旅行なのに、なぜかその前日に明治村観光してしまう。
気温33度中、汗をダラダラかきながら帝国ホテル玄関、ザビエル天主堂、なんてのを見て回る。どの建物も洋風であるから「運動会の予行演習」をしてるみたいだ。
彼女の方ははしゃぎにはしゃぎ、鹿鳴館コスプレ5分800円、なんてのまでやっちゃう。
そもそも北欧に行く寸前に明治村、とゆう自体がものすごく意味不明でシュールなのに、この54歳すっぴんのおばさんはその状況を心からたのしみ、あまつさえコスプレして歓喜している。
シュールなんてもんじゃない。不条理でカフカで安部公房だ。 -
でもって翌日、とっととセントレアからヘルシンキへ飛ぶ。
10時間で着いちゃうから近い。
例によって彼女は爆睡、ワシは映画を3本見てひたすら耐える。 -
ヘルシンキ到着午後2時半、気温25度、快晴。日差しが強い。
バスで移動し、ホテルを無事に探し当て、荷物を置き、午後の町に出撃する。 -
ホテルの目の前は湖をぐるり囲んで公園になっている。
日曜の午後であるから、芝生のあちこちに家族連れやらカップルやらが寝そべっている。
上半身はチチバンドのみ、とゆう、大変すばらしいおねえさんも散見される。写真でお見せできないのが本当に残念です。
うむ。これでこそ夏の北欧であろう。
精いっぱい日光浴しなさいしなさい。
なんだったら上半身オープンも特別に東京特許許可局だ。 -
とりあえずチチバンドは無事に目撃したので、次は観光のメインであるヘルシンキ大聖堂を目指す。
-
駅から近い。とぼとぼ歩いて10分、元老院広場が見えてくる。その向かいが大聖堂だ。
途中、彼女の方は、いくつかのお土産物屋さんを覗いていたが、どの店にも55秒くらいで出てきてしまう。
顔色が悪い。
「ももももも、ものすごく高い」
舌がもつれている。
小物なんぞを手にとっても7ユーロ8ユーロするらしい。聞きしに勝る物価高だ。
(しかし、後で市場を覗いてみたら肉・野菜などは日本より安かった。要は外食やお土産物なんぞは容赦ない値段だが、オムツや食料品は安いんだろう) -
あたりを見渡して配偶者がゆう。
「意外にお客さんが少ないね」
いちおう、ここらへんはヘルシンキの観光の目玉なんだけどね。
観光客の絶対数が少ないのねきっと。
ヘルシンキ全体で30人くらいにちがいない。(うそ) -
広場の向かいに、大聖堂が屹立している。
ルネサンスみたいな「おらおら、ゴーカケンランだもんね」なんて感じではなく
「質実剛健・ちょっとロシア入ってますの私ら」
といった風情である。
カトリックもこんな遠くまで来るのはさぞ大変だったろう。
すぐ近くにロシア正教会の寺院もあるから、ここら辺はカトリックとロシア正教が重なった地域であるらしい。 -
礼拝堂を覗いてみる。
市民楽団の方々が、パイプオルガンにあわせて笛や太鼓で練習している。
一曲終わるごとに観光客から拍手がわく。肩に力が入ってない感じが良いではないか。
バリバリの観光地とゆうよりは、日本のB級寺をぶらぶら参拝してる感じ。
思わずお賽銭の場所を探しそうになる。 -
中央市場にたどりつくと、日曜日で店じまいの時間だった。
そのまま宿に帰るのも芸がないので、市場から船でヘルシンキ向かいのスオメンリンナ島に渡ってみることにする。
なにしろ日没9時だ。一日は少年時代のように長いのである。 -
ちいさな船でスオメンリンナ島へ渡る。湾内にぽつぽつと島がある。砂州にできた、という感じではなく、平らな岩盤の島が多い。氷河が削ったあとなのかな。
-
どうやら市民がピクニックで来るところらしく、船のお客さんは家族連れが多い。
観光客もいるけれど、6:4で地元勢優勢だ。まあ日曜日だしね。 -
島には20分ほどで到着。インフォメーションを覗くと、ちゃんと日本語のガイドが置いてあった。しかもタダ。
-
スオメンリンナ島はヘルシンキ防衛の要塞島だった。
この土地はロシア領だったりスウエーデン領だったりしたから、その度に主が代わり、大砲が狙う方向もめまぐるしく変わったそうな。 -
島でみかけた砲弾。
おそらく28サンチ砲弾ではないかしら。
日露戦争で日本軍が使っていた。 -
遠い遠い昔、ワシが20代で血気盛んだったころ、
「股間の28サンチ砲が炸裂!!」
なんて叫びつつ、歌舞伎町方面にトツゲキしたものですが。。。実物にご対面する日が来るとは。(感慨にふける) -
てな話はおいといて。
大砲の砲身をじっくり観察したら、キリル文字が彫られていた。年代は書いていないが、19世紀くらいのものではないか。
ご覧の通り青銅砲だ。 -
そういえば日露戦争の日本海海戦で沈められたバルチック艦隊は、ここら辺から日本へ向かったんだよな、なんてことを思い出す。
-
島に残る城壁の内側を歩いてみる。銃眼があちこちに空いている。
-
それにしてもヘルシンキって実はあんまり観光する所がないんじゃないかしら。
-
なおかつ、前日の明治村の洋風建築の残像が残り、
「ここは実は明治村ではないのか、ワシはまだ日本にいるのではないか」
と、圧倒的にコスパの悪い妄想に浸る鯨の味噌汁である。 -
ちなみにこの島には300人が住み、半数が島で働いているそうだ。
広場にはサッカーコートも用意されていた。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- しょうちゃんさん 2015/09/02 13:52:26
- RE: ヘルシンキ
- お久しぶりです。
あなたの指摘した通り、要塞(小泉総理訪問)にある280サンチ砲は日本製(確か呉海軍工廠だったか)です。
第一次ソ連・フィンランド戦争(1939年冬)でソ連海軍に対して、砲火を交えました。480発近く放った後、クラックが入った後でも打ち続けたそうです。
なお、ヘルシンキには小さな軍事博物館があります。帝政ロシア軍の大尉として日露戦争に従軍したマンネルヘイム将軍に関する記録が掲載されています。
また、バルチック艦隊の基地は、現在ラトビアのリバウで、その後(最近まで)ソ連海軍の軍港になる。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2015/09/06 12:40:40
- RE: RE: ヘルシンキ
- しょうちゃんさん、
こちらこそご無沙汰しております!
> あなたの指摘した通り、要塞(小泉総理訪問)にある280サンチ砲は日本製(確か呉海軍工廠だったか)です。
やっぱりあれは実物だったんですね。
> 第一次ソ連・フィンランド戦争(1939年冬)でソ連海軍に対して、砲火を交えました。480発近く放った後、クラックが入った後でも打ち続けたそうです。
> なお、ヘルシンキには小さな軍事博物館があります。帝政ロシア軍の大尉として日露戦争に従軍したマンネルヘイム将軍に関する記録が掲載されています。
> また、バルチック艦隊の基地は、現在ラトビアのリバウで、その後(最近まで)ソ連海軍の軍港になる。
そうなんですか・・・実はこのあとラトビアまで行ったんです。
日露戦争の戦史が、国の歴史として語られておりました。
当時はロシアでしたから、日本人はすっかり忘れていますが・・・沈められた方は覚えてるわけですね。。。
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