ジョージア（グルジア）と未承認国家アブハジアの旅７　～アブハジア出国とメスティア～

2015/07/02 - 2015/07/03

カタール航空で羽田からトビリシ（ドーハ・バクー経由）→
ズグディディ→【イングリ】→スフミ（アブハジア）→
【イングリ】→メスティア→クタイシ→トビリシ

グルジア料理をニューヨークで2001年に初めて食べて以来、ずっと気になっていたグルジア。そして、2011年にウクライナの旅の時（４トラベルに旅行記あり）ふたたび本格的なグルジア料理に出会い、次の旅行は、絶対ジョージア（グルジア）に行こうと決めていました。その旅のハイライトの一つ、未承認国家アブハジアの首都スフミに３泊し、ジョージアに帰国します。アブハジアグッズやワインなど買い込んでいるので、帰国で何か言われないか不安でしたが、税関が存在しない（ジョージアがアブハジアを認めていないので）のでノーチェック！あっさり帰れました。そのまま、ズグディディ経由でメスティア行きに乗り換え、残り数日間ふたたびジョージアのお世話になるのでした。

※過去の旅行記を読めば、いかにアブハジア共和国に対する退避勧告というものがちゃんちゃら可笑しいものであるか分かるかと思いますが、発令されています。訪れる方は「日本人」が大好きな「自己責任」でお願いします。

エリア その他の観光地(ジョージア (グルジア))

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

３泊したホテルもこれでさよなら。居心地よかった。エアコンもテレビも完備で、部屋もきれいだったし。

Guest House U Morya ホテル

唯一、毎夜不安なのが、この廃墟。ホテルの裏側は、こんな感じの廃墟。表の入り口は、以前書いたように殺伐とした荒地なので、夜がちょっと不気味でしたが、スフミ滞在の際は、また泊まってもいいかなと思っています。GUEST HOUSE U MORYAです。

Guest House U Morya ホテル

朝７時にホテル出発。駅でガリ（イングリ）行きを探すと８時出発があるという。念のため、ズグディディ？と聞いてみると「そこまでバスじゃいけねえぜ！」みたいなことを言って笑っていた。どうにかコミュニケーションってとれるもんです。

なんで、こんなに朝早く出発かというと、ジョージアとの１時間の時差と国境で何かあった時のため。さらには、メスティア行きに上手く接続できるかどうか不安。等、色々なことがあるので、できるだけ早く行きたかった。朝ごはんも売店のパンで済ます。普通のジャムパン。大人しい野良犬が狙ってます。

１時間半でイングリに着きます。

イングリのアブハジア国境。いつもこんな感じで並んでいるみたいです。ジョージア行きの方が混んでいます。日本人は、珍しいのでなる早で通してくれました。ほとんどの人がアブハジアパスポート。中にはぼろぼろのソヴィエトのパスポートのおばあちゃんとかいた。期限がないのだろうか？ロシア語出来たらその辺り色々話しを聞きたかった。行き同様、アブハジアの係りの人のチェック（パスポート見て、お〜！日本人か！みたいな感じです）を過ぎると、ロシアの真面目なチェックが入ります。荷物検査は、ありません。結構、あっけなく午前１０時に通過。時間を１１時ジョージア時間に進めます。

帰りは、馬車に乗ると決めてました。カバンにワインが５本にコニャック１本入ったので、結構重いです。男性は、基本歩くみたいで、乗客はおばちゃんばかり。幌馬車は、初めて乗りましたが、物凄い揺れます。端に乗っているので、しっかり捕まってないと落ちそうになります。でも、がんばって写真だけはと撮った。

幌馬車が数台行ったりきたりしています。アブハジアは、もう大分遠くなりました。馬車で国と別れを告げるってのが、なんとも哀愁があって良いです。また、この運転手がたまに鼻歌歌ったりするのが、エキゾチック感を増強します。５ラリ（２５０円）とジョージアにしては割高感がありますが、私は、おすすめします。で、不安だったジョージア側の入国（？）も行き同様ツーリストツーリスト言っていれば、パスポートを登録しておしまい。同じ国扱いなので、税関がありません！なので、ワインとか持ち込み放題ですし、アブハジアグッズはチェックされません。大きなアブハジア地図とか買っておけば良かったなあ。ビザは、アブハジア側で取られたといいましょう。多分、ビザはあるといえば、ビザの紙を取り上げられかねないので。私は、無事持って帰ったので、パスポートに貼ろうかどうか迷っています。貼ったらこのパスポートでジョージアには、入国出来なくなるでしょうが、来年で期限切れだし。

さて、気持ちを切り替え、ジョージアを楽しみます。というか、本当に別の国に帰ってきたという感じです。こちらの国の雰囲気は、なんか全体的に大雑把な感じを受けます。人柄が、違うんだろうなあ。見た目もちょっと変わるし。

また、ズグディディのマルシュ乗り場が、サイハテちっくな上、マルシュもこんななんで、遠いところに来たみたい。運良く、すぐにメスティア行きが見つかり、１２時半には、出発できました。１時間も待たずに行けて、ちょっとラッキー。２０ラリ（１１００円）です。

と思いきや、マルシュ乗り場出発後、かなり色々な場所に止まります。ドライバーの家族の実家っぽい所とか、友人の家らしき場所とか。そういうとこに止まっては、こうした果物を持ってきて、みんなにおすそ分け。これは、梨。ちょっと独特の品種って感じがしました。

ブドウ！色々な場所に止まっては、色々なものを積んで、みんなにおすそ分け。

かつては、メスティアまで舗装されていない道などがあって大変と聞いていたけど、ほぼ舗装されていたので快適です。

ただ、牛がすごい！アブハジアでも結構いたけど、このメスティアへの道路は、頻繁に牛が道路を邪魔します。

行く工程で、荷物を渡したりしながら移動。

湧き水休憩。有名な水なのか、ペットボトルに水入れたり、頭にかけたり。

ここまでくると、随分遠くへやってきた感があります。アブハジアとは、まったく違う魅力に満ちています。

そして、ついに塔が見えてきます！

こんな立派な建造物が、小さな村に何本も建っているのが本当に不思議です。

とそんな景色を見ているうちにメスティア到着。途中の村々が小さかったので、すごく大きな街という感じを受けます。

今までは、某ブッキングサイトでホテルを予約していたのですが、それは、アブハジアがあまりにも情報がなかったから。普通は、適当に宿を探すので、メスティアでは、運転手にどっかない？と尋ねました。おすそ分けもくれてたし、人の良さそうな人だったので、信頼して頼みました。

すると、この宿を紹介してもらう。一泊２０ラリ（１１００円）で、鍵付きのシングルベッド。本来は、ドミトリーのように使っているような部屋で、ベッドが５つくらいあった。でも、その部屋を個人で使えました。シャワーつき。なのでかなりお得感。Koka Guest House という宿です。

ヒルトップ メスティア ホテル

宿のご主人で、バスの運転もする バルタさん。運転すごく速い。

ヒルトップ メスティア ホテル

宿を切り盛りして食事も作るのは、娘のマリさん。しっかりした英語力なので、何かあれば色々手配してくれます。食事は、別料金で１０ラリ。最初、朝ごはんは、ついてくるかと思ったら、朝ごはん代も１０ラリ取られました。朝ごはんは、結構豪華な感じだったので、これで宿泊費２０ラリは、安すぎだろうとは思ったんですけど。とにかく、若いのにしっかりしたお嬢さんです。

ヒルトップ メスティア ホテル

さて、すでに１６時過ぎ。観光をしなければと。するとマリさんがタワーミュージアムに行くと良いと。言われるがままに、そこを目指します。

だんだん近づいてきました。街の東側に何本も建っていて、何も知らないでここを訪れた人は、なんだこりゃって思うかと思います。

色々なガイドに書かれているので、細かい説明は省きますが、昔「血の掟」というものがあって、各家庭が復讐から身を守るためにこの塔を建てたんだそうです。9世紀から13世紀のもの。そんな大昔に、こんな大きな建造物を各家庭で建てるって、どんだけ復讐してたんだ？！

ここに来るまでは、もっと一本一本離れて建っているかと思っていたんだけど、こんなに密集して、しかも数があるとは思わなかった。当時の生活がまったく想像出来ないです！

塔だけじゃなく、家もかなり味があって街を散策するのがすごく楽しい。

動物もゴロゴロしていて、とにかく絵になる街です。

そんなわけで、ウロウロしてたらタワーミュージアムにつきました。最近まで、こういうのは、無かったそうです。適当に人の家行って中を見せてもらうみたいな感じだったそうですが、時代の流れですね。３ラリです。

ミュージアムって言っても、なんの解説もありゃしません。中入って登るだけです。展示もないです。

登るとこんな感じの窓があって、敵が来ないかチェック出来ます。

５階くらいあって、一番上の天井部分にも登ることが出来ます。

天井は、木で出来ていて、すごく脆い感じがして、むっちゃおっかなかったです。風も強いし、手すりは低いし。

とはいえ、眺めは最高です。しばし、眺めに浸っていました。

逆側は、また山の景色が素晴らしいんです。

満足して降りてくると馬に乗った地元の方が、坂を登っています。すごい急坂なので、馬すごく便利だと思う。奥の姉さんが塔の管理をしていました。

外から見ると、屋上は、こんな感じで手すりが少し見えます。

馬が登った方向に行ってみます。でも、すぐ疲れてカフェに入る。

Wi-fiあるって書いてあったけど、使えなかった。。。まあ、いいや、塔をみながらサペラヴィの赤と洒落込んだよ。味は、まあまあだったな。

いやあ、どこを見ても飽きない景色です。

お墓。こっちのお墓は、なんだかすごくリアルに人の写真や絵を彫り込んでいます。マルシュから何度かお墓を見てたけど、中には、等身大の写真が貼ってあるような墓があった。

夜になると塔は、ライトアップされるようです。観光地やね。

街を歩くと牛が必ずウロウロしています。これは、おばちゃんが餌をあげている様子。あんまり可愛がっている感じじゃない。

犬も多かった。野良なのか飼い犬なのかわからないけど、優しい感じの犬が多かった。ジョージアは、食が豊かなので、みんなたっぷり残飯をもらっているので、人懐っこい。

ガキンチョが撮れ撮れ言うから撮った。

同じ家庭の子だけど、こっちの子は、とてもシャイ。撮ったらすぐ家に隠れちゃった。

ばあちゃんと塔。２００４年までは、メスティアに至る道は、山賊とか出てえらい治安が悪かったそうです。その前は、アブハジアとの戦争があったり、雪崩があったり、今は平和だけど、色々なことをここの人たちは経験したんだろうなあと想いにふける。

裏通りは、ちょっと寂れた感があって、地元っぽさが良い。表通りは、コンクリートでちょっと観光感がバリバリ出てます。

表通りに続く路地。こんな路地に二本も建ってる。この距離で復讐してたのだろうか？

蜂蜜の団地みたいになってる。

街の中心に戻る。さっき塔の上から、妙にミスマッチな建物があるなあと感じてた建物。

警察署だった。。。なんでこんなデザインなのか？センスがやばすぎる。

警察署から徒歩３分くらいのとこに宿があります。ご主人は、畑仕事してた。なんでもやるんだな。ちなみに、このあたりの家は、ほとんどみんなゲストハウスでした。この街は、過剰に宿が増えているみたいです。そしてブッキングサイトの点数をすごく気にしています。

夕飯は、宿で。ワインは自分で買ってきました。サペラヴィのちょい高め。つうても７００円くらいだったかな。かなりしっかりとして、整った味でした。好き！さっきのカフェのが微妙だったので、嬉しい！もう、このレベル（日本で３０００円くらいのワイン）が普段飲み出来るってのがたまらんよ、ジョージア！

料理は、そんなにスパイスを使ったものは、なく。あっさり系な料理が多かった。でも、スフミで食べたロシア料理っぽいですが、どの料理もお店で食べたものより味わい深かった。やっぱ家庭の味は、いいですね。

野菜やチーズも味が濃いです。宿の畑で採れたものだって言ってました。

この地方で食べたパンは、本当に美味しい！バゲットとチャパタの間くらいな感じ。

これは、野菜の和え物みたいな感じ。メインじゃないです。メインは、お腹空いてたので、撮るの忘れて食べてから気づきました。肉のスープでした。この日は、ワインがうまいので、ガツガツ食べて、酔って一気に寝てしまいました。夜は、冷え込むので、毛布にくるまって寝ます。暑さからも解放されて、幸せな夜でした。