イタリア南部から中部へ　気まま旅2015【6】　ピティリアーノ～断崖にそびえる町～

2015/05/19 - 2015/05/19

南トスカーナには、凝灰岩の切り立った崖の上に形成されている町がいくつかあります。その町々の写真を初めてみた時、瞬時に「行ってみたい！」と思いました。今まで見てきたイタリアの町のどこにも似ていないその様相、どうしてもこの目で確かめたいと。

旅行5日目はオルヴィエートからレンタカーで凝灰岩の町(チッタ・デル・トゥーフォ)をいくつか回りました。まずは断崖にそびえる町、ピティリアーノから。「イタリアの最も美しい村(I Borghi piu' belli d'Italia)」に認定されており、天空の城とも呼べるその特異な様相、美しさの中に荒々しさも感じる町の姿は、なだらかな丘が続くトスカーナのイメージとは全く別のものでした。

　1日目 5/15　東京(成田)→ローマ→ナポリ
　2日目 5/16　ナポリ→ポッツォーリ→ナポリ
　3日目 5/17　ナポリ
　4日目 5/18　ナポリ→フィウミチーノ空港(レンタカー借出)→チヴィタ･ディ･バニョレージョ→オルヴィエート
★5日目 5/19　オルヴィエート→ピティリアーノ→ソヴァーナ→ソラーノ→トッレ･アルフィーナ→オルヴィエート
　6日目 5/20　オルヴィエート→ボマルツォ→オスティア･アンティーカ→フィウミチーノ空港(レンタカー返却)→ローマ
　7日目 5/21　ローマ
　8日目 5/22　ローマ
　9日目 5/23　ローマ→東京(成田)

エリア マレンマ地方(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス レンタカー タクシー 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: 個別手配

５日目　５／１９(火)
6:00起床。毎日朝から晩まで歩き通しなので、足腰の痛みは否めません(-_-#)。日本で普通の生活してたらこんなに歩きませんからねぇ。でも、旅行中って不思議と歩けてしまうんだな。火事場のバカ力的な。
顔を洗い、朝のドゥオーモ広場にやって来ました。とっても清々しい朝！たくさんのツバメが飛び交っています。

ドゥオーモに朝のご挨拶を。う〜ん、朝見る姿もまた神々しくていいですね。

オルヴィエート ドゥオーモ (カテドラーレ) 城・宮殿

朝陽は背後から射しているので、写真撮影は午後の方が適してると思います。黄金のファザードに陽が当って輝いている様子が撮れるから。夕方また戻って来ることにします。

朝早いのに、広場にはもう兵隊さんが。昨日も夜までずーっとここに居たんですよね。やっぱりテロを警戒してるのかな。ナポリも警官や兵隊だらけだったもん。

7:40 ホテルの本館1階に行き、朝食。

品数はそんなに多くはありませんが、一つ一つが美味しい。数種類の甘いパンやタルト、ケーキ、シリアル、果物、ヨーグルト、ゆで卵など。

ハム、サラミ、チーズもあります。ウンブリアは山間部が多いので、美味しいチーズやハムも名産となっているんです。左はスモークチーズ、茶色く燻した外側は香り高く、中はとろけるような食感。右は種類はわかりませんが、弾力のある、ミルクの甘みが感じられるチーズでした。どちらもホント美味しかった♪

朝食後は一旦部屋に戻り身支度をし、本館のフロントへ。車を駐車場から出してもらう為です。
このホテルの駐車場はすぐ近くにあるオーナーの私有地らしく、ホテル前で車を預け、ホテルの方が駐車場に停めに行きます。当然、帰って来たらまたフロントに申し出て、車を駐車場に移動してもらいます。これがちょっと面倒なとこかな。

ここが駐車場になっている場所。オーナーの自宅なのかなぁ・・・わかりませんが。ホテルからはものの数秒です。

門の中は広い敷地に。ここが駐車場。オーナーが車を出してくれました。

おはよう、チンクエチェントくん！さーて、今日は１日一緒にドライブだよ♪

8:30 出発。今日はオルヴィエート近郊の小さな町をいくつか巡ります。Garminに今日最初の目的地をセットし、軽快なドライブがスタート。

向かうのはトスカーナ州の南にある町”ピティリアーノ(Pitigliano)”。この辺りには、凝灰岩(火山から噴出された火山灰が、地上や水中に堆積してできた岩石)の切り立った崖の上に作られた町が点在していて、ピティリアーノもその１つなんです。トスカーナといえば、緩やかな緑の丘を想像しますが、さて、どんな光景が待っているんでしょうか。期待が高まります♪
オルヴィエートからピティリアーノまでは約1時間の道のり。こんな緑の中のドライブはとても気持ちいい！

田園地帯に入ってきました。視界の開けた、のどかな風景が広がります。ふんふんふん♪と快調に飛ばしていると・・・

木々の間から突然見える水面・・・あ、ボルセーナ湖だぁ！

ボルセーナ湖(Lago di Bolsena)は、37万年前、火山の噴火によって形成されたカルデラ湖。｢ヨーロッパで一番澄んだ湖｣と呼ばれ、夏のバカンスシーズンには国内だけでなく、海外からもたくさんの観光客が訪れるんだそうです。ほんとに澄んだ青が美しいですねぇ・・・

ほどなくして、ボルセーナの町に辿り着きました。ん、お城がある。せっかくだからちょっとだけ車を降りてみました。

おぉ〜、威風堂々としたお城ですね。”ロッカ・モナルデスキ城(Castello Rocca Monaldeschi)”と言うんだそうです。思いっきり中世してますね〜。今にも甲冑を身に着けた戦士が出て来そうです。

開いてるかな？と思ったけど、まだ早いからかな、閉まってました。

ボルセーナの町もちょっと散策してみたい・・・でも時間ない！またいつか訪れてみたいです。その時は湖も間近で見たいな。
さて、オルヴィエートからボルセーナまで約30分、ということはあと30分ほどでピティリアーノに着いちゃいます。わぁ、楽しみ♪

「間もなく目的地に到着します」Garminのこの声を聞くと、いつもホッとします。ちゃんと目的地に着いたぁ〜って。最近はiPhoneをナビに使用するケースが増えているようですが、私はアナログな人なのでGarminで十分。彼、けっこうちゃんと働いてくれてます。昨年のシチリア旅行も今回も、ほぼ完璧に目的地に連れ行ってくれました。
写真はSS74から町の入口に下りたところにあった大きなアーチ。

着いた着いた〜！ここも高い城壁が町を強固に守っている感じがします。

チッタデッラ門(Porta della Cittadella)
ここから町の中に入って行きます。車も通れるのですが、2台すれ違うのは厳しいので、双方で譲り合いながら行き来します。

門を入るとすぐこんな広場が。ガリバルディ広場(Piazza Garibaldi)です。この広場が有料駐車場になっているのは事前に調べてあったので、ここに停めて散策を開始します。

地面が青い線で区画されていますが、これが有料駐車場の色です。

近くに自動券売機があるので、ここに料金を入れて出てきたチケットをダッシュボードの上に置いておきます。
確かここは平日及び日曜祝日の8:00〜13:00と15:00〜20:00が有料(ということは13:00〜15:00と20:00〜翌朝8：00は無料です)で、1時間1.5ユーロだったかなぁ・・・とにかく私は2時間を想定し3ユーロ払いました。

9:30 さて、町の散策開始です！まずは地図、地図っと。ガリバルディ広場の一角にInfoもあるので、行ってみるのですが・・・開いてない！ピティリアーノの情報はネット上でもごくごく少なく、現地で地図を入手して見て回ろうと思ってたのに(泣)

なるほどね、10:00からなんだ・・・かと言ってオープンまで待ってる時間はもったいない。

とりあえず外の掲示板に貼ってあった地図をカメラに収める。でも、いちいちカメラの小さい画面見ながら歩くのも大変・・・
そうだ！門の近くにホテルあったっけ。ホテルって大体観光地図置いてるから、お願いしたらもらえるかも！

さきほど車で通り抜けた門を歩いて戻り、この”アルベルゴ・グァスティーニ”のフロントへ。女性が居たのでダメもとで「すみません、このホテルの宿泊者じゃないんですが、Infoが閉まってて、どうしても地図が欲しいんです」と言ってみました。すると女性は嫌な顔ひとつせず「どうぞどうぞ〜」ってすぐに地図をくれたんです。もぉ〜女神様に見えてしまった(←大げさ)。丁寧にお礼を言い、地図を手にホクホクしながら立ち去りました♪

さて、今度こそホントに散策開始です！
ピティリアーノは2000年以上前のエトルリア人を起源に持つ町。エトルリアにゆかりのある多くの町がそうであるように、ここも高い丘の上に築かれた城塞都市で、崖に密集してそびえるその様子は見る者を圧倒します。「イタリアの最も美しい村(I Borghi piu' belli d'Italia)」にも認定されているその魅力とはどんな物なのか、ずっと楽しみにしてきました。
I Borghi piu' belli d'Italia サイト→http://www.borghitalia.it/index.php

スタートはこの水道橋から。17世紀、メディチ家がこの町を支配していた時に作られたもので、渓流から町に水を運ぶためのものでした。手前2つの大きなアーチと、それに続く13の小さいアーチで構成されています。

規則正しいアーチの形状、そこから覗く緑の景色、とても絵になっていました。

水道橋を眺めながら歩を進めると、すぐに町の中心である”レプッブリカ広場(Piazza della Repubblica)”に出ます。その一角に堂々と鎮座する建物、”オルシーニ宮殿(Palazzo Orsini)”。14世紀初頭から町を支配したオルシーニ家の宮殿です。オルシーニ家はローマの有力貴族で、数人のローマ教皇を排出した他、メディチ家とも親戚関係にある名門貴族でした。
私はオルシーニ家と聞いてすぐ浮かぶのが、ボマルツォにある怪物庭園でしたが、他にも一族の建造物は多く残っているようです。

入口。現在、内部はオルシーニ博物館兼市立博物館になっているようです。中を見たいのは山々でしたが、街歩きに重点を置いていたので今回はパス。

入口の壁にあった日時計。ちゃーんと正確な時間表してる！地味に感激。

レプッブリカ広場です。南北に縦長の広場には2つの噴水と水飲み場が1つ配置されていて、当時から人々の憩いの場であった様子が見てとれます。
奥に見えるアーチの下部中央が水飲み場になっています。こちらが南側。ここから覗くと・・・

眼下には緑に囲まれたつづら折の道。やっぱりけっこう高い所にあるんですねぇ。

水飲み場。水道橋によって運ばれた水はきっと豊富だったんでしょうね。ローマがそうなように、水を供給できる施設が多くあるのは豊かさの象徴だと感じます。
ん？ちょっと待てよ・・・

おかしなやからが居ますねぇ〜。芸術性よりも、変顔が気になる私。

だってもう、左のヤツなんか全然やる気無いじゃないですか(笑)

中央のコヤツはどっかのオバちゃんかと思いきや、小熊でした。実はオルシーニとはイタリア語で”小熊”を意味し、その為オルシーニ家の紋章も小熊をモチーフにしているんです。だからここにも小熊。オバちゃんじゃなかった。

これは南側に配置されてる噴水。

こちらは北側。

どなたかは存じませんが、ロバさんと一緒にいらっしゃいました、北側に。

北側から眺めると、こちらは道も無く断崖が続いているよう。

うっわぁ〜、どんだけギリギリまで家建ってるんでしょうね。崩れそうで怖い(汗)

さて、ここから町のメインストリート、ローマ通り(Via Roma)に入ります。町はどんな表情を見せてくれるのか、楽しみ♪
ピティリアーノは靴のような形をしており、ローマ通りはレプッブリカ広場を起点に西南に伸びています。今は靴の真ん中くらい。ここからつま先に向かって歩きます。

おっ、早速雰囲気のよい店先。陶器のお店かな？まだ開いてないのでわかりません。

ちょっと脇に目をやると、ステキな路地がいっぱい。

わぁ、ここもいい雰囲気だなぁ。古びた壁と階段の手摺、絡まるツタ。とても絵的です。

レストランのようですね。可愛いお店だな♪

この看板も可愛くて、すぐに目に留まりました。”Esperienza di Maremma”、マレンマ体験と言う意味です。マレンマとは、トスカーナ州のグロッセート郊外からラツィオ州のヴィテルボ郊外に広がる自然豊かな地方を指します。ピティリアーノのように、マレンマ地方の町や村が丘陵の上に作られているのは、かつてこの一帯が湿原地帯であった為だと言われています。
看板にはワインで有名なスカンサーノ(Scansano)、一度は言ってみたい露天風呂のサトゥルニア(Saturnia)、ピティリアーノに代表される凝灰岩で形成された町チッタ・デル・トゥーフォ(Citta del Tufo)など、マレンマ地方の見所が描かれています。いつか全部制覇してみたいね。

この町はこれという観光名所があるわけではありません。でも、私が訪れたかったのは、その文明の高さゆえローマ人に滅ぼされた、尊敬すべきエトルリア人ゆかりの地であること、そして写真で見たステキな街並みを、どうしてもこの目で見てみたくなったからです。
実際に来てみてすぐに気に入ったよ、キャッツアイさん！だってどこを切り取っても絵のような街並み！

ローマ通りにはお店がいろいろと並びますが、目につくのは名産品を扱うお店。ここはワインの他にもパスタや瓶詰めなどの食材もありますね。このディスプレイがいちいち可愛くって♪

イノシシの顔、その下のレリーフ、さて何屋さんでしょう？

”Macelleria(マチェッレリア)”、肉屋さん。すぐわかりますね(^^;)

中を覗いてみると、あら〜、つぶらな瞳のイノシシちゃん。

そうかと思えば入口の上には、無残にも皮だけになっちゃったペラペライノシシちゃん・・・ひぇ〜(汗)

”Formaggi Salumi(フォルマッジ　サルーミ)”、チーズとサラミです。ここ、ゆっくり見て買い物したかったなぁ・・・だって、ピティリアーノのチーズやサラミって美味しいらしいんですよ。でも、買って灼熱の車内に置いておくわけにもいかないので断念(T_T)

そうこうしているとドゥオーモに辿り着きました。正式名称”サンティ・ピエトロ・エ・パオロ大聖堂(Cattedrale dei Santi Pietro e Paolo)”。ファザードを3分割する4本の太い柱が印象的です。

上部にはキリストを支える2体の天使が描かれた漆喰のレリーフが。

左右の壁龕にはそれぞれ銅像がはめ込まれています。右が聖パウロで、左が聖ペトロ、教会の名前になっている2人の聖人です。

一部レンガがはめこまれた鐘楼は、聖堂のエレガントなファザードとはまた違って、村の時計台のような素朴な雰囲気です。

中に入ってみました。とぉーっても静か。正面の主祭壇に朝の光が差し込んで、清々しい空気が漂います。外観とは異なり、内部は修復してさほど年月が経っていないような雰囲気です。

主祭壇。

主祭壇の天井。これが印象的だったんですよ。真ん中の十字架のフレスコ画、まるでほんとに光を発しているかのようで。

アップにするとまばゆいくらいです。

主祭壇右側の絵。

主祭壇左側の絵。

聖家族(La Sacra Famiglia)

ドゥオーモを出て、またローマ通りを行き止まりまで進みます。

この一画、とても気に入った中のひとつです。街歩きをしていて感じたのは、ピティリアーノは”路地が美しい町”だという事。ローマ通りから左右に伸びる路地は、どこをとっても違った表情を見せて、飽きるどころか更にその先の路地に迷い込みたくさえなります。もっと時間があったら、気の向くまま歩くのも楽しいだろうな。

ランプはムード作りの天才！これがひとつ入るか入らないかで、印象が全然違いますよね。

アーチ越しに見る路地も大好き。暗いアーチの向こうに緑だったり、海だったり、そんな自然が覗いてたらなおさらです。

サンタ・マリア・エ・サン・ロッコ教会(Chiesa di Santa Maria e San Rocco)
ローマ通りももうすぐつま先に辿り着くかな、というくらいの場所、ピティリアーノの町の西端にあります。

ピティリアーノで最も古い教会で、その起源は12世紀まで遡ります。後期ルネッサンス様式のファザードは4本のコリント式の付け柱が珍しいばかりでなく、ちょっとくすんだサンゴ色のような壁が可憐な印象を与えています。もちろん建物自体もごくごく小さいのでそう感じるのかもしれませんが。

中に入ってみました。小さいながらもしっかり３身廊式で、色褪せた壁やフレスコ画が歴史の重みを感じさせます。

とても珍しいと思ったのが、この主祭壇上部の壁に描かれた紋章。

何の紋章なんだろう？教会について紹介しているサイトを見ても、これについて触れているものを見つけられません・・・モヤモヤ〜(-_-;)

祭壇天井のフレスコ画も美しかったんです。

修復はしてる感じですが、やはり古さは感じます。また、大小様々な石を重ねたような後陣の壁が素朴な印象。キラキラ輝く金装飾も、手の込んだ漆喰装飾も無いけど、とても心に迫ってくるものがある教会です。

主祭壇天井のフレスコ画。

主祭壇右側のフレスコ画。

主祭壇左側のフレスコ画。

これは主祭壇の左脇にあったフレスコ画だったかな・・・

左身廊突き当りにあったフレスコ画。脇にあった説明書きによると、”Madonna del Buon Viaggio(マドンナ・デル・ブォン・ヴィアッジョ)”、直訳すると”良い旅の聖母”になります。この旅が、最後まで楽しく無事に終わるようにお祈りして、教会を出ました。

サン・ロッコ教会を出たらもうすぐに町の西端なので、折り返してローマ通りと並行するズッカレッリ通り(Via Zuccarelli)を戻って行きます。9:30にスタートして2時間の予定でしたが、やはり小さな町なので思ったより早めに進んでます。

そして、この路地も面白い。中世の建物にヤシ？！って思ったけど、意外とまとまってるもんです。

この風景も、なんだかやたらと気に入りました。

これも文句無しにステキ。こういう窓や玄関を緑で飾るセンスがイタリア人はとてもいいです。

可愛くて、でもちょっと寂しげな路地。

ツタ、ランプ、赤い車。好きなものが一緒になった通り。

「イタリアの小さなエルサレム」と称されるピティリアーノには”ゲットー(Ghetto)”と呼ばれるユダヤ人居住区があります。16世紀に教皇領から追放されたユダヤ人たちが、このピティリアーノに逃れてきたそうです。そしてここで生活の礎を築きました。その後1900年代になるとユダヤ人迫害の動きが高まり、1963年には排斥運動が起こるのですが、彼らの命はイタリア人の保護によって守られ、ピティリアーノに住むユダヤ人は全て生き残ったとされています。

ユダヤ人居住区には”シナゴーグ(Sinagoga)”と呼ばれるユダヤ教礼拝所が残っています。アーチの入口にこんな看板が出ているので、矢印の通りアーチを抜けます。

どんどん降りて・・・

アーチを抜け出たらこんな壁画が。

居住区の見取り図かな。矢印の通りに進むと・・・

ユダヤ人居住区の博物館になっているようで、パン屋、肉屋、ワイン貯蔵庫、浴槽など、また、ユダヤ教礼拝堂などが見学できるとのこと。見たい見たい見たい！
でも、受付の女性に尋ねると、所要時間が25分ほどかかるという。ダメだ、時間ない・・・(泣)

後ろ髪引かれる思いで博物館を出ると、こんなお店を発見！ユダヤの食材やワインを売っているお店です。そうだ、ここで欲しいものがあったんだ。

これこれ、”スフラット(Sfratto)”。ユダヤのお菓子で、ハチミツとクルミを合わせた具を薄い皮で包んで焼いたもの。皮はパン生地と最中の中間のような食感で、食べる時にちょっとボロボロしますが、中の具はヌガーのような食感で、かつオレンジやナツメグの香りもきいていて美味しい。日本では味わったことが無い味かな。珍しいのでお土産にいいと思います。1本4ユーロでした。

ワインも色々。お店の人に「美味しいのよぉ〜」っとワインをすすめられましたが、私はアルコール飲めないので・・・残念。

チョコレートや、ユダヤ特有のパンも。

これがユダヤのパンなんですって。パンっていうイメージじゃ無いですけどね。どんな味なんだろ？

ゲットーにはかつてのオリーブオイルの搾油場もありました。

オリーブオイル搾油場。

かつての作業の様子を納めた写真もありました。馬まで居るんだぁ！

さぁ、もう残り時間も少なくなってきましたが・・・

最後の最後まで路地の魅力に取り憑かれ、なかなか前に進みません。

オマケにこんなもの見つけちゃった日には興味深々で(^^;)

こんなのも大好きです。全部買い占めたいくらいカワイイ♪

木工品店のディスプレイもオシャレ。

そうこうするうち、レプッブリカ広場に戻って来ました。オルシーニ宮殿が目前に。さらに進んで、駐車したガリバルディ広場に辿り着いたのは11:00少し前でした。

朝は閉まっていたガリバルディ広場のInfoも開いてます。今となってはもう遅いですが、記念に地図だけもらいピティリアーノを後にします。小さいけど、魅力いっぱいの町でした。
次は、これもまた”イタリアの最も美しい街”に数えられる、ソヴァーナ(Sovana)へ向かいます！

この旅行記へのコメント （4）

• たびともさん 2015/06/13 20:15:40

  しみじみ

  ハァー。素敵な旅されてますねぇ。

  めておら☆さん からの返信 2015/06/14 02:01:25

  RE: しみじみ

  ゆかいぬさん、毎度どもです！
  
  > ハァー。素敵な旅されてますねぇ。
  ふふ、そうでもないんですよ。実情は一人で迷ってドタバタ
  だったり、石畳のデコボコでコケてたり・・・まぁ色々やっ
  てます(^^;)
  ま、そんなのもいい思い出になりますよね。
  
  めておら☆

• spumamiさん 2015/06/12 21:22:22

  居たっ！

  ここにも居たね〜エトルリア人ファン。
  歴史を勉強すると文面の高さにファンになる人が多くて･･･｡
  そんな人の旅行記を読むと「確かにエトルリア人って凄い！」って思います。
  歴史ではローマ人に絶滅させられたって言われているんだよね〜。
  それと対照的に絶滅させられそうになったユダヤ人。
  でも、現存していて食べ物まで売られている。
  ローマ人とナチス・ドイツ人･･･今の歴史の評価はと思うと
  未だに歴史はローマ人中心に動いているのかな？と
  この旅行記を読んで感じました。
  よく分からないコメントだよねm(_ _)m
  繊細な話なので深くは語る事が出来ませんが、
  私にとってはとても感慨深い旅行記でした。
  スフラットは是非食べてみたいです。ゲットー地区に行けば買えるかしら？
  見つけた時は是非食べてみますね♪
  
  spumami
  

  めておら☆さん からの返信 2015/06/13 03:00:56

  RE: 居たっ！

  spumamiさん、あなたのコメントも感慨深いです！
  旅行記読んでてもそう感じるんだけど、spumamiさんのコメント
  って哲学的っていうかなんていうか・・・
  とにかく私の”勢い”で書いちゃうコメントとは違うんだよね。
  見習いたいもんです！
  
  > 歴史ではローマ人に絶滅させられたって言われているんだよね〜。
  > それと対照的に絶滅させられそうになったユダヤ人。
  > ローマ人とナチス・ドイツ人･･･今の歴史の評価はと思うと
  > 未だに歴史はローマ人中心に動いているのかな？と
  歴史って、実際に見て来たことではなくて、残された記録を後世
  の人が解釈して作りあげる、って言っても過言じゃないかな。
  見る人、見る角度によって、ヒーローになったり悪役になったり
  両方の要素を持ってるのかもしれないですね。
  おっと、私もよくわからないコメント書いてる(汗)
  
  > スフラットは是非食べてみたいです。ゲットー地区に行けば
  買えるかしら？
  ゲットー以外でもワインや食材置いてる店にあるようでしたが、
  私が買ったお店か、その近くにもう１店、手作りのスフラットを
  売ってるお店があったので、そのどちらかがいいかも。
  
  いつもどうもありがとう、spumamiさん！
  めておら☆