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霊宝館は、醍醐寺の寺宝を所蔵する白亜の殿堂です。面積34229平方mの敷地に10万点以上の貴重な文化財を所蔵し、日本最大級の文化財保有数を誇ります。そのうち国宝は薬師三尊像を筆頭に41点、重文は6万点以上あります。<br />しかし、桜の季節にはひと味違った愉しみ方ができます。庭園には、樹齢180年の「醍醐深雪桜」と称される京都最大級の枝垂桜や京都最古とされる樹齢100年を超えるソメイヨシノの巨木などが実に伸び伸びと枝を広げて優雅に咲き誇り、妖艶な舞を披露して入館者を迎え入れてくれます。<br />ここでのフォトジェニックとなる銘木「醍醐深雪桜」は見事な枝ぶりで、観る者のセンスや心の持ちようにより「桜雲の中を躍動する龍」とか「羽を広げた鳳凰」、「幾重にも分流して流れ落ちる小瀧」などをイメージさせる艶めかしい枝垂桜です。世に銘木と称される桜の木は数多存在しますが、この樹が放つ気品と雰囲気は別格と言えます。<br />また、桜の時期だけ特別に霊宝館の周囲の散策路が開放され、のんびりと桜巡りができるのも魅力です。霊宝館と言えば「醍醐深雪桜」が代名詞になっていますが、それに比肩する枝垂桜の宝庫でもあり、散策路から仰ぎ見て浴びる桜のシャワーは圧巻です。

芳葩爛漫 桜紀行 醍醐寺②霊宝館・報恩院

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2015/03/31 - 2015/03/31

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    36

    montsaintmichel

    montsaintmichelさん

    霊宝館は、醍醐寺の寺宝を所蔵する白亜の殿堂です。面積34229平方mの敷地に10万点以上の貴重な文化財を所蔵し、日本最大級の文化財保有数を誇ります。そのうち国宝は薬師三尊像を筆頭に41点、重文は6万点以上あります。
    しかし、桜の季節にはひと味違った愉しみ方ができます。庭園には、樹齢180年の「醍醐深雪桜」と称される京都最大級の枝垂桜や京都最古とされる樹齢100年を超えるソメイヨシノの巨木などが実に伸び伸びと枝を広げて優雅に咲き誇り、妖艶な舞を披露して入館者を迎え入れてくれます。
    ここでのフォトジェニックとなる銘木「醍醐深雪桜」は見事な枝ぶりで、観る者のセンスや心の持ちようにより「桜雲の中を躍動する龍」とか「羽を広げた鳳凰」、「幾重にも分流して流れ落ちる小瀧」などをイメージさせる艶めかしい枝垂桜です。世に銘木と称される桜の木は数多存在しますが、この樹が放つ気品と雰囲気は別格と言えます。
    また、桜の時期だけ特別に霊宝館の周囲の散策路が開放され、のんびりと桜巡りができるのも魅力です。霊宝館と言えば「醍醐深雪桜」が代名詞になっていますが、それに比肩する枝垂桜の宝庫でもあり、散策路から仰ぎ見て浴びる桜のシャワーは圧巻です。

    同行者
    カップル・夫婦
    交通手段
    私鉄
    旅行の満足度
    5.0
    観光
    5.0

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    • 醍醐寺 <br />桜のトンネルとして有名な三宝院入口から南北に走る参道を霊宝館へと向かいます。<br />意外にも霊宝館へは待つことなしにすんなりと入ることができました。<br />12時過ぎですので、ツアー客は食事の真っ最中ということなのでしょうか?<br />そういえば、敷地内も割とすいていたような…。<br />とにかくラッキーの一言です。

      醍醐寺
      桜のトンネルとして有名な三宝院入口から南北に走る参道を霊宝館へと向かいます。
      意外にも霊宝館へは待つことなしにすんなりと入ることができました。
      12時過ぎですので、ツアー客は食事の真っ最中ということなのでしょうか?
      そういえば、敷地内も割とすいていたような…。
      とにかくラッキーの一言です。

    • 醍醐寺 霊宝館<br />霊宝館は、1935年に開館 した寺宝の保存と公開を目的とした施設です。つまり、耐火構造の宝物庫です。その後も1979年に新収蔵庫3棟、2001年には新館の裏に平成館が開館しています。41点が国宝に、 6万点以上が重要文化財に指定され、醍醐寺が日本最大級の文化財保有数を誇ることになったことも霊宝館の新築への拍車をかけたようです。<br />外観は白亜の殿堂となっており、どことなく城郭を彷彿とさせる意匠です。霊宝館で仏像などを拝観すると博物館で展示物を鑑賞している感じで物足りなさもありますが、千年の歴史を持つ醍醐寺は何度も伽藍堂塔が罹災し、今残る以上に失われた寺宝が数多くあります。それを思えば、後世に遺すためにこうした宝物庫に寺宝を保管することは理にかなっているのかもしれません。

      醍醐寺 霊宝館
      霊宝館は、1935年に開館 した寺宝の保存と公開を目的とした施設です。つまり、耐火構造の宝物庫です。その後も1979年に新収蔵庫3棟、2001年には新館の裏に平成館が開館しています。41点が国宝に、 6万点以上が重要文化財に指定され、醍醐寺が日本最大級の文化財保有数を誇ることになったことも霊宝館の新築への拍車をかけたようです。
      外観は白亜の殿堂となっており、どことなく城郭を彷彿とさせる意匠です。霊宝館で仏像などを拝観すると博物館で展示物を鑑賞している感じで物足りなさもありますが、千年の歴史を持つ醍醐寺は何度も伽藍堂塔が罹災し、今残る以上に失われた寺宝が数多くあります。それを思えば、後世に遺すためにこうした宝物庫に寺宝を保管することは理にかなっているのかもしれません。

    • 醍醐寺 霊宝館<br />新館の美しい白壁には、「太閤桐紋」とも称される「五七桐紋」がレリーフで浮き出されています。さすがに唐門のような金ピカは憚られたようです。<br />しかし、これだけ潤沢に桐紋が使えるのも醍醐寺の特権ですね!<br />

      醍醐寺 霊宝館
      新館の美しい白壁には、「太閤桐紋」とも称される「五七桐紋」がレリーフで浮き出されています。さすがに唐門のような金ピカは憚られたようです。
      しかし、これだけ潤沢に桐紋が使えるのも醍醐寺の特権ですね!

    • 醍醐寺 霊宝館 ソメイヨシノ<br />霊宝館の庭には、京都最大と称されるソメイヨシノの巨木もあります。<br />通常、ソメイヨシノの寿命は60年と言われるのですが、こちらは樹齢100年を超える古木です。太い幹だけでも存在感充分です。<br />これも桜守の方々の日々の手入れの賜物と感謝の気持ちで一杯です。

      醍醐寺 霊宝館 ソメイヨシノ
      霊宝館の庭には、京都最大と称されるソメイヨシノの巨木もあります。
      通常、ソメイヨシノの寿命は60年と言われるのですが、こちらは樹齢100年を超える古木です。太い幹だけでも存在感充分です。
      これも桜守の方々の日々の手入れの賜物と感謝の気持ちで一杯です。

    • 醍醐寺 霊宝館 ソメイヨシノ<br />凛とした佇まいは「孤高のソメイヨシノ」と表現してもよいかもしれません。<br />太い幹と長く伸びた枝がその歴史の長さを物語り、力強さが漲っています。<br />太い枝が一部切られているのは少し痛々しくもありますが、咲き誇る花がそれを忘れさせます。

      醍醐寺 霊宝館 ソメイヨシノ
      凛とした佇まいは「孤高のソメイヨシノ」と表現してもよいかもしれません。
      太い幹と長く伸びた枝がその歴史の長さを物語り、力強さが漲っています。
      太い枝が一部切られているのは少し痛々しくもありますが、咲き誇る花がそれを忘れさせます。

    • 醍醐寺 霊宝館 ソメイヨシノ<br />花付きも旺盛で、とても平均寿命の2倍に手が届く老桜とは思えないエネルギーを秘めています。<br />「青春とは、心の若さである」と言う、サムエル・ウルマンの言葉が浮かんできます。

      醍醐寺 霊宝館 ソメイヨシノ
      花付きも旺盛で、とても平均寿命の2倍に手が届く老桜とは思えないエネルギーを秘めています。
      「青春とは、心の若さである」と言う、サムエル・ウルマンの言葉が浮かんできます。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />醍醐寺にある巨木の枝垂桜は、「醍醐の花見」でこの地に移植された桜の子孫に当たり、その中でも霊宝館 平成館の庭に佇む「醍醐深雪桜」と呼ばれる桜は、樹齢180年を誇る風格漂う古木です。写真の桜全体が一本の桜です。<br />秀吉が行った「醍醐の花見」の際に眺めた枝垂桜の3代目に当たるそうです。佇まいも美しく、その枝ぶりが時には優雅に、時には力強さをも表現し、人気が衰えません。伸び伸びと枝から優雅にしな垂れる桜花の群れは、流れ落ちる小瀧やゆったりと羽を広げた鳳凰の姿を彷彿とさせ妖艶に迫ります。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      醍醐寺にある巨木の枝垂桜は、「醍醐の花見」でこの地に移植された桜の子孫に当たり、その中でも霊宝館 平成館の庭に佇む「醍醐深雪桜」と呼ばれる桜は、樹齢180年を誇る風格漂う古木です。写真の桜全体が一本の桜です。
      秀吉が行った「醍醐の花見」の際に眺めた枝垂桜の3代目に当たるそうです。佇まいも美しく、その枝ぶりが時には優雅に、時には力強さをも表現し、人気が衰えません。伸び伸びと枝から優雅にしな垂れる桜花の群れは、流れ落ちる小瀧やゆったりと羽を広げた鳳凰の姿を彷彿とさせ妖艶に迫ります。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />京都一と言っても過言ではない枝垂桜「醍醐深雪桜」は、文字通り深い雪が積ったような素晴らしい景観を呈し、中庭はこの桜の悠久の美を讃える歓声に包まれています。<br />幅25mに亘る見事な樹形は筆舌に尽くし難く、おおらかに伸びた華奢な枝が幾段にも分流した小瀧を彷彿とさせ、その枝垂れの枝の先々にはこぼれるように咲き誇る花々が時折吹く風と戯れています。まるで花飛沫のようで、散り初めの頃の風情が偲ばれます。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      京都一と言っても過言ではない枝垂桜「醍醐深雪桜」は、文字通り深い雪が積ったような素晴らしい景観を呈し、中庭はこの桜の悠久の美を讃える歓声に包まれています。
      幅25mに亘る見事な樹形は筆舌に尽くし難く、おおらかに伸びた華奢な枝が幾段にも分流した小瀧を彷彿とさせ、その枝垂れの枝の先々にはこぼれるように咲き誇る花々が時折吹く風と戯れています。まるで花飛沫のようで、散り初めの頃の風情が偲ばれます。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />樹齢180年と聞くと老桜と直感的に思ってしまいますが、枝垂桜の平均寿命は300年だそうですので、人に例えれば50歳頃に相応し、「天命を知る」年頃と言えます。<br />しかし、今期の冬は雪が例年になく多く、身に堪えたかもしれません。来年も豊かな桜花を咲かせ、訪れる人を幸せな気持ちにさせて欲しいと願うばかりです。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      樹齢180年と聞くと老桜と直感的に思ってしまいますが、枝垂桜の平均寿命は300年だそうですので、人に例えれば50歳頃に相応し、「天命を知る」年頃と言えます。
      しかし、今期の冬は雪が例年になく多く、身に堪えたかもしれません。来年も豊かな桜花を咲かせ、訪れる人を幸せな気持ちにさせて欲しいと願うばかりです。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />まさに春爛漫の艶やかな桜そのものであり、醍醐寺に数多咲き誇る枝垂桜の中でも凛として他を寄せ付けない別格の気品を感じさせます。<br />午前中は逆光となりますが、午後に訪れると迫力のある姿を鑑賞できます。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      まさに春爛漫の艶やかな桜そのものであり、醍醐寺に数多咲き誇る枝垂桜の中でも凛として他を寄せ付けない別格の気品を感じさせます。
      午前中は逆光となりますが、午後に訪れると迫力のある姿を鑑賞できます。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />この桜の孤木は、一種独特な妖艶な気配を漂わせ、坂口安吾 著『桜の森の満開の下』のエンディングの情景を思い起こさせます。<br />『桜の森の満開の下』は、鈴鹿峠に棲まう山賊と妖しく美しい残酷な女との幻想的かつ怪奇的な悲恋の物語です。満開の桜の木の下で花びらと化して掻き消えた女を偲ぶ男の「孤独と虚無」を、メタファー手法で見事に描写した坂口文学の最高峰と称されています。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      この桜の孤木は、一種独特な妖艶な気配を漂わせ、坂口安吾 著『桜の森の満開の下』のエンディングの情景を思い起こさせます。
      『桜の森の満開の下』は、鈴鹿峠に棲まう山賊と妖しく美しい残酷な女との幻想的かつ怪奇的な悲恋の物語です。満開の桜の木の下で花びらと化して掻き消えた女を偲ぶ男の「孤独と虚無」を、メタファー手法で見事に描写した坂口文学の最高峰と称されています。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />どこを切り取っても絵になる桜です。<br />まさに四方八方死角なしです。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      どこを切り取っても絵になる桜です。
      まさに四方八方死角なしです。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />こうして庭から間近に眺める深雪桜にも味わい深いものがありますが、この桜を平成館の奥にある休憩室からソファーに座って眺めると一味違った趣に満たされます。<br />混雑時にはソファーに座ろうと列をなすこともあるそうです。ただし、室内からは写真撮影が禁じられていますのでご注意ください。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      こうして庭から間近に眺める深雪桜にも味わい深いものがありますが、この桜を平成館の奥にある休憩室からソファーに座って眺めると一味違った趣に満たされます。
      混雑時にはソファーに座ろうと列をなすこともあるそうです。ただし、室内からは写真撮影が禁じられていますのでご注意ください。

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />碧の芝生の海に枝垂れて降りかかる風情も気品に満ちています。<br />見頃は例年3月下旬(26〜31日)です。ソメイヨシノの開花にバトンタッチするように散り初めます。京都では少し早めの開花タイミングになりますので醍醐寺のHPで開花情報を逐次チェックして訪問されることをお勧めします。<br />醍醐寺のHPはこちらです。「桜だより」をクリックしてください。<br />https://www.daigoji.or.jp/

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      碧の芝生の海に枝垂れて降りかかる風情も気品に満ちています。
      見頃は例年3月下旬(26〜31日)です。ソメイヨシノの開花にバトンタッチするように散り初めます。京都では少し早めの開花タイミングになりますので醍醐寺のHPで開花情報を逐次チェックして訪問されることをお勧めします。
      醍醐寺のHPはこちらです。「桜だより」をクリックしてください。
      https://www.daigoji.or.jp/

    • 醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜<br />今や霊宝館のランドマークとなった巨大な枝垂桜ですが、2001年までは藪や建物に隠れ、関係者以外にはその存在が知られていなかったそうです。<br />平成館のオープンを機に突如世間に姿を表した、「遅咲きの桜」とも言えます。<br />深雪桜に後ろ髪を引かれつつ、散策路を進みます。

      醍醐寺 霊宝館 醍醐深雪桜
      今や霊宝館のランドマークとなった巨大な枝垂桜ですが、2001年までは藪や建物に隠れ、関係者以外にはその存在が知られていなかったそうです。
      平成館のオープンを機に突如世間に姿を表した、「遅咲きの桜」とも言えます。
      深雪桜に後ろ髪を引かれつつ、散策路を進みます。

    • 醍醐寺 霊宝館 散策路<br />霊宝館の裏手へ回って来ました。<br />こちらも春爛漫の様相です。<br />折り重なるように記念植樹・奉納された桜があちらこちらで咲き誇っています。<br />

      醍醐寺 霊宝館 散策路
      霊宝館の裏手へ回って来ました。
      こちらも春爛漫の様相です。
      折り重なるように記念植樹・奉納された桜があちらこちらで咲き誇っています。

    • 醍醐寺 霊宝館 散策路<br />醍醐寺で一番早く咲き始める河津桜から、枝垂桜〜ソメイヨシノ〜山桜〜八重桜〜大山桜まで3週間に亘って桜を愉しめるそうです。

      醍醐寺 霊宝館 散策路
      醍醐寺で一番早く咲き始める河津桜から、枝垂桜〜ソメイヨシノ〜山桜〜八重桜〜大山桜まで3週間に亘って桜を愉しめるそうです。

    • 醍醐寺 霊宝館 散策路<br />八重桜も咲き始めています。<br />今年は一気に春めいたせいでしょうか?

      醍醐寺 霊宝館 散策路
      八重桜も咲き始めています。
      今年は一気に春めいたせいでしょうか?

    • 醍醐寺 霊宝館 散策路<br />天空から降り注ぐかのような背の高い枝垂桜は、古来より「糸桜」と讃えられる通り圧巻です。<br /><br />「醍醐の花見」の真相は、慶長の役で気落ちした秀吉が暗澹たるムードを払拭するための気晴らしとして企画したイベントでした。「醍醐の花見」を偲びながら、慶長の役の謎を紐解いてみましょう。<br />秀吉の朝鮮出兵に関しては、次のような一般解釈が散見されます。<br />①秀吉がボケたために起こした意味のない戦。<br />②秀吉の成長主義が引き起こした身勝手な野望。<br />③戦を好む戦国武士団を朝鮮、支那に追い払って殺す戦略。<br />どれも腑に落ちない解釈ばかりです。というのも、朝鮮出兵は日本国内のロジックだけでは推し量れないものであり、往時のアジアの国際情勢を見極めないと読み解けないのです。<br />朝鮮出兵は16世紀東アジア最大の戦であり、日本から16万人が送り込まれ、朝鮮と明国の連合軍は25万人で対峙しました。天下分け目の関ヶ原の戦いが東軍7万人、西軍8万人であり、朝鮮出兵のスケールは別格です。大挙して出兵せざるを得ない正当な大義名分があり、臣下がそれに納得したからこそ挙兵できたのは明白であり、次のシナリオが読み取れます。<br />往時はスペインが世界を制覇した時代。世界の8割が植民地と化し、東亜ではルソン(フィリピン)に東亜拠点の総督府を構える勢いでした。信長や秀吉の時代、スペインの征服を免れていたのは東亜では明と日本だけでした。そんな中、1549年にスペイン人が初来日、宣教師フランシスコザビエルです。往時の宣教師は、表向きはキリスト教の伝道師でも、裏では僧兵軍団でもありました。宣教師が改宗させて骨抜きにし、頃合いを見計らって軍隊を送り、人々を殺戮して財宝を強奪し、ひいては植民地にする戦術です。

      醍醐寺 霊宝館 散策路
      天空から降り注ぐかのような背の高い枝垂桜は、古来より「糸桜」と讃えられる通り圧巻です。

      「醍醐の花見」の真相は、慶長の役で気落ちした秀吉が暗澹たるムードを払拭するための気晴らしとして企画したイベントでした。「醍醐の花見」を偲びながら、慶長の役の謎を紐解いてみましょう。
      秀吉の朝鮮出兵に関しては、次のような一般解釈が散見されます。
      ①秀吉がボケたために起こした意味のない戦。
      ②秀吉の成長主義が引き起こした身勝手な野望。
      ③戦を好む戦国武士団を朝鮮、支那に追い払って殺す戦略。
      どれも腑に落ちない解釈ばかりです。というのも、朝鮮出兵は日本国内のロジックだけでは推し量れないものであり、往時のアジアの国際情勢を見極めないと読み解けないのです。
      朝鮮出兵は16世紀東アジア最大の戦であり、日本から16万人が送り込まれ、朝鮮と明国の連合軍は25万人で対峙しました。天下分け目の関ヶ原の戦いが東軍7万人、西軍8万人であり、朝鮮出兵のスケールは別格です。大挙して出兵せざるを得ない正当な大義名分があり、臣下がそれに納得したからこそ挙兵できたのは明白であり、次のシナリオが読み取れます。
      往時はスペインが世界を制覇した時代。世界の8割が植民地と化し、東亜ではルソン(フィリピン)に東亜拠点の総督府を構える勢いでした。信長や秀吉の時代、スペインの征服を免れていたのは東亜では明と日本だけでした。そんな中、1549年にスペイン人が初来日、宣教師フランシスコザビエルです。往時の宣教師は、表向きはキリスト教の伝道師でも、裏では僧兵軍団でもありました。宣教師が改宗させて骨抜きにし、頃合いを見計らって軍隊を送り、人々を殺戮して財宝を強奪し、ひいては植民地にする戦術です。

    • 醍醐寺 霊宝館 散策路<br />伽藍入口の西大門を彩る巨木枝垂桜です。地肌むき出しの築地塀と桜のコントラストも抜群です。<br /><br />東亜征服を目論んだスペインの誤算は、持ち込んだ鉄砲を器用な日本人が瞬く間にコピーして量産してしまったことです。気付いた時には、日本の鉄砲所持数は世界の半数を占める莫大な数に至っていました。故に「福音を宣伝する方策をもって、日本人が陛下に悦んで臣事するように仕向けるしかない」と布教に注力する作戦に転じたのです。<br />勿論、スペインの狙いは東亜全域の植民地化。明は鉄砲をコピーする能力がない代わり、広大な国土を有し人口は半端ではなく、その調略には手間がかかります。秀吉は、得意とした調略を選択せず、明を攻略するに当たり共同戦線を打診したスペインを袖にします。戦国時代のゴールは、戦乱の世を終焉させて治安を回復することにあり、他国に干渉している暇はなかったのです。信長は比叡山や本願寺を攻めたことで魔王のごとく記されることが多いのですが、本来の狙いは戦乱の世の終焉に尽きました。秀吉も同じです。だからこそ平和を願う人々が彼らに従ったということが、最近発見された各種文書から詳らかにされてきています。秀吉の片腕だった軍師 竹中半兵衛も、天下を統一することで平和が訪れることを望んで信長や秀吉に使えたのです。

      醍醐寺 霊宝館 散策路
      伽藍入口の西大門を彩る巨木枝垂桜です。地肌むき出しの築地塀と桜のコントラストも抜群です。

      東亜征服を目論んだスペインの誤算は、持ち込んだ鉄砲を器用な日本人が瞬く間にコピーして量産してしまったことです。気付いた時には、日本の鉄砲所持数は世界の半数を占める莫大な数に至っていました。故に「福音を宣伝する方策をもって、日本人が陛下に悦んで臣事するように仕向けるしかない」と布教に注力する作戦に転じたのです。
      勿論、スペインの狙いは東亜全域の植民地化。明は鉄砲をコピーする能力がない代わり、広大な国土を有し人口は半端ではなく、その調略には手間がかかります。秀吉は、得意とした調略を選択せず、明を攻略するに当たり共同戦線を打診したスペインを袖にします。戦国時代のゴールは、戦乱の世を終焉させて治安を回復することにあり、他国に干渉している暇はなかったのです。信長は比叡山や本願寺を攻めたことで魔王のごとく記されることが多いのですが、本来の狙いは戦乱の世の終焉に尽きました。秀吉も同じです。だからこそ平和を願う人々が彼らに従ったということが、最近発見された各種文書から詳らかにされてきています。秀吉の片腕だった軍師 竹中半兵衛も、天下を統一することで平和が訪れることを望んで信長や秀吉に使えたのです。

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