一周1ドルのヤンゴン環状線。そこで出会った風景、人、人情

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ヤンゴンの環状線。

ゆっくり列車は動き出した。
これからどんな風景が見られるのだろうとワクワクした。

ああ、出発してすぐは、がっかりした。

町にはゴミがいっぱい。スラムみたいな路地がいっぱい見える。

停車した駅には何もなかったり。。。

でも、ある駅は、活気一杯。プラットフォームと境がない所から、マーケットが広がっていた。

マーケットの写真は、車内から撮ったものです。
ああ、途中下車したい、なんて衝動にかられました。


そして郊外に出ると、のどかな田園風景でした。
列車は、ゆっくりゆっくり郊外をゆっくりとのんびりと駆け抜けました。

電車の中の人びとも面白い。

座席に人と人との間に隙間があると、おばちゃんもお姉さんもロンジー(ミャンマー腰巻き）姿で、みんなお尻をフリフリちゃっかりニッコリ押し込んで座ってしまう。

人のおしりを押しのければ座れない隙間に座りこむのは、日本ではNGですよ。

でもだーれも文句なし。
みんなニッコリ、あたりまえらしい。

おばちゃんも、若いお姉さんも、お尻フリフリで、ニッコリと小さなスペースに割り込んで座ってしまいます。

みんなニッコリで、だれも文句など言いません。


ミャンマー、面白ーいっちゃ。


今日の得度の一つでしょう。
ミャンマーの微笑みは、タイ以上かもしれません。


いっぱい売り子さんが乗り込んできて、果物を売り始めるやら。

七輪を持ち込んで、注文をとって、その場で焼きたてのお菓子をお菓子を作り始めるやら。

さすがに、電車内の調理にはびっくりしました。

それって、パリやローマの地下鉄にもありません。。。
ミャンマー列車、恐るべし。。。

目が点でした。。。


ある駅で市場の売り子おばちゃんたちが、市場で売れ残った野菜を大量に持ち込んで乗ってきました。
その量たるや凄まじい。列車の出入り口は野菜で足の踏み場もないほどいっぱいになりました。

そのおばちゃんのひとりが、私の隣に座った。
おお、周りは野菜でいっぱいだ。
シートの下のスペースにも野菜がいっぱいとなりました。

おばちゃんは隣で作業を始めた。
小さな野菜の束を３，４個まとめて大きな束へ纏めていく。
その作業の早いこと。
売れ残ったのを、安くても売るんだね。

残らず売れるといいね。

いくつもの駅を通り抜け、おばちゃんの作業も一段落。


ある駅でちょっとしたミャンマー美人が乗り込んできた。20前半。

その女性は私の隣に座っていたおばちゃんの隣に座った。
もちろん、腰巻き姿。

そのお姉さんは、子供みたいに窓側に顔を向けて座った。

そして外を見つめて、ポロポロと泣きだした。

　えっ？

隣のおばあちゃんはそれに気づいて、お姉さんに声をかけた。

ミャンマー語なので、何もわからない。

きっと、
それは、大変ね、悲しかったね。でも、あなたは乗り越えられる。

頑張って。

なんておばちゃんは慰めていたに違いない。


何駅か過ぎて、女の子は下車した。
おばあちゃんもそれから数駅目に、整理した沢山の野菜と一緒に下車した。


そんなこんなで、ヤンゴンの環状線は、ヤンゴン駅に戻ってきました。


ヤンゴンの環状線。


たった１ドル。

大満足の一周３時間でした。